静岡県の市区町村別の治安を調べるため、警察庁・総務省の統計資料をもとに治安ランキングベスト3およびワースト3をまとめた。安全、安心に暮らすために参考にしていただきたい。
全国治安ランキングで静岡県は20位
静岡県は治安の「良さ」で全国20位。県内では228人に1件の割合で事件が発生している。

静岡県の刑法犯の罪種別では凶悪犯の犯罪遭遇率が高い。
その中でも、不同意性交が73件と前年より7件(10.6%)増加傾向にある。不同意性交等被害者の多くは羞恥心や恐怖心から警察に届け出をせずに泣き寝入りをするため、犯行がエスカレートしやすく再犯性が高くなる。
悪質な事件に発展しやすいことから、静岡県警察は女性警察官による対応を拡大し、検挙率を高めることに努めている。出典:静岡県「市区町別にみた令和6年の犯罪 令和7年6月5日 静岡県警察本部」、静岡県警察 「性犯罪の届出の実態」、静岡県警察「性犯罪捜査Q&A」
また近年は特殊詐欺の被害が急増している。詐欺被害の総額は2025年上半期だけで、すでに8億4,000万円と前年の10倍を超えている。
警察官を名乗り「あなたの口座が犯罪に使われているため、調査させてほしい」とキャッシュカードと暗証番号を盗む手口が目立つようになった。このように手口が巧妙になり騙される人が増加している。出典:富士宮市「特殊詐欺が急増しています!」警視庁「SOS47 特殊詐欺対策ページ ニセ警察詐欺に注意!」
静岡県の犯罪発生率の推移
静岡県の犯罪発生率は、1980年代までは低水準で推移していた。これは地域の結びつきが強く治安の維持に寄与していたと考えられる。
しかし、1990年から犯罪発生率は上昇している。これは、バブル崩壊後の経済の混乱、雇用への不安、都市部への人口集中などに伴う連帯感の希薄化といった複合的要因が絡み合った結果と考えられる。
2002年以降、警視庁を皮切りに各都道府県警察での街頭防犯カメラの導入や地域パトロール活動の実施、防犯教育の推進などが功を奏して犯罪発生率は低下している。
2020年以降は新型コロナウイルスによる経済的ダメージにより、ふたたび犯罪発生率は上昇傾向にある。
【市区町村別】静岡県の治安ランキング(令和6年)
静岡県の治安ランキングの上位と下位の市区町村は以下の通りだ。
治安が良かった市区町村の1位は川根本町、2位は森町、3位は松崎町だった。
治安が良くなかった市区町村の1位は御殿場市、2位は熱海市、3位は沼津市だった。

治安がもっとも良い市区町村は「川根本町」
川根本町は南アルプスの麓に位置する、自然豊かな町で訪れる人の心を癒す町として知られている。黒いSLのかわね路号、南アルプス号が走っていたり、寸又峡の夢の吊り橋や寸又峡温泉などの観光資源にも恵まれている。出典:大井川鐵道「沿線ガイドマップ」、「夢の吊り橋寸又峡温泉」
川根本町は住民同士の結びつきの強さを活かし、地域一体となった見守り活動を行っている。また、防犯灯の設置や整備をうながし、夜間の通行の安全性を高めている。出典:川根本町「第2次 川根本町総合計画」
※安全対策の事例として掲載していた中川根第一小学校はその後閉校となっているため、当該の記述を削除しました。
治安が悪い市区町村は「御殿場市」
御殿場市は、静岡県東部に位置している。富士山を望める景観や、御殿場プレミアム・アウトレットなどで知られている観光都市である。首都圏からのアクセスも良く、国内外から多くの観光客が訪れてくる。出典:御殿場市「御殿場の魅力」
一方、商業施設や教育機関の周辺での事件や事故が発生しやすくなっている。とくに、子どもや女性を狙った不審者によるつきまとい、写真撮影などの被害が報告されており、注意が必要である。出典:静岡県警察「声かけ事案発生マップ 御殿場市」
御殿場市はこれらの事件や事故の増加への対策として、おさんぽパトロール隊隊員の募集を開始している。市民と協同して安全で安心な街づくりを目指している。出典:御殿場市「【御殿場市市民協働型まちづくり事業】 おさんぽパトロール隊 隊員募集」
◆ダイヤモンド不動産研究所では、静岡県の治安ランキングの総合順位の公開、日本初の女性防犯アドバイザーである京師美佳氏に伺った防犯対策を紹介しているため、ぜひ参考にしてほしい◆
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