埼玉県の市区町村別の治安を調べるため、警察庁・総務省の統計資料をもとに治安ランキングベスト3およびワースト3をまとめた。安全、安心に暮らすために参考にしていただきたい。
全国治安ランキングで埼玉県は43位
埼玉県は治安の「良さ」で全国43位。県内では148人に1件の割合で事件が発生しており、全国的に見ると治安はやや悪い県だ。

埼玉県は凶悪犯の犯罪遭遇率がワースト2位となっている。埼玉県警察は県民に対して未解決凶悪事件(熊谷市内荒川左岸河川敷男性死体遺棄事件や浦和市常盤地内ゲームセンター女性従業員殺人事件)などの捜査協力を依頼している。出典:埼玉県警察「未解決凶悪事件」
また、銃砲刀剣類所持取締法違反第2条にて、けん銃とみなされ所持できなくなったエアーソフトガン(S&W M500やコルト SAA45)の回収も積極的に行っている。このような背景からも埼玉県警察が凶悪事件を警戒している姿勢がうかがえる。出典:埼玉県警察「玩具と称した拳銃について」
さらに、窃盗犯の犯罪遭遇率もワースト3位に入っている。自転車盗やオートバイ盗、自動車盗が目立つが、多くは無施錠によるものだ。施錠するだけでも被害を抑制できる可能性が高い。出典:埼玉県警察「侵入窃盗発生情報」
加えて、女性を狙ったひったくりが相次いでいる。道路上で現金を盗まれる被害が報告されており注意が必要だ。出典:埼玉県警察「ひったくり被害の発生検挙情報」
一方で、特殊詐欺の被害は相対的に見ると少ない。つまり、凶悪犯、窃盗犯、ひったくりなどの犯罪が発生により県全体の治安悪化を招いている。
埼玉県の犯罪発生率の推移
埼玉県の犯罪発生率は、1980年代後半から上昇を始め、1990年代に全国平均を上回った。2002年には2.5%を超えてピークを迎え、全国平均よりも高い水準となった。これは、都市化による人口流入の進行に伴い、地域の結びつきが薄れ、犯罪の温床となる環境が形成されたことを示唆している。
以降、街頭防犯カメラシステムの導入や地域防犯活動、警察と自治体の連携強化などを背景に、犯罪発生率は減少していく。 出典:警視庁「街頭防犯カメラシステム」
2020年以降は新型コロナウイルスの流行による経済的なダメージで、再び犯罪件数が増加傾向にある。 出典:法務省「新型コロナウイルス感染症と刑法犯認知件数の推移」
【市区町村別】埼玉県の治安ランキング(令和6年)
埼玉県の治安ランキングの上位と下位の市区町村は以下の通りだ。
治安が良かった市区町村の1位は小鹿野町、2位はときがわ町、3位は寄居町だった。
治安が良くなかった市区町村の1位は羽生市、2位は本庄市、3位は越谷市だった。

治安が良い市区町村は「小鹿野町」
小鹿野町は埼玉県の北西部に位置し、美しい自然と山里の景観が魅力の町だ。日本百名山「両神山」を始め、日本の滝百選「丸神の滝」、平成の名水百選「毘沙門水」など数々の百選に選ばれた名所がある。出典:埼玉で始める農ある暮らし「小鹿野町」
小鹿野町は道路整備時に防犯カメラを設置しており、防犯に配慮したまちづくり事例として取り上げられている。出典:埼玉県 都市整備部 都市計画課「令和4年度版防犯に配慮したまちづくり実践事例集」
また信濃石自主防災・防犯部会の人たちがウォーキングや犬の散歩などしながら、パトロールしている。町民の協力を得て、治安の良い街づくりを行っている。出典:小鹿野町「小鹿野町の防犯隊の皆さんです。」
治安が悪い市区町村は「羽生市」
羽生市は緑溢れるのどかな町だが、窃盗事件が相次いで発生している。
羽生市教育委員会の報告によれば、市内の小学校8校、中学校3校、旧小学校2校でプール施設のシャワーヘッドや目洗い蛇口217個(被害総額約288万円相当)が盗まれる事件が発生した。出典:羽生市「羽生市立小・中学校におけるシャワーヘッド等の盗難の発生について(報告)」
さらに、埼玉県警察犯罪情報官の発表によると、市内の住宅で留守中に窓ガラスが割られ、現金などが盗まれる被害も報告されている。出典:埼玉県警察本部「埼玉県警察犯罪情報官」
◆ダイヤモンド不動産研究所では、埼玉県の治安ランキングの総合順位の公開、日本初の女性防犯アドバイザーである京師美佳氏に伺った防犯対策を紹介しているため、ぜひ参考にしてほしい◆
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