兵庫県の治安ランキング！　犯罪が少なく安全に暮らせる市区町村はどこ？【2025年版】

兵庫県では市区町村によって治安状況に大きな差がある。近年は特殊詐欺の増加や犯罪の低年齢化など、犯罪の質的な変化も課題となっている。そこで、警察庁と総務省の統計資料を元に兵庫県内の市区町村別の治安ランキングを作成した。兵庫県で不動産の購入や売却を考えている人は参考にしてほしい。（監修：防犯アドバイザー 京師美佳）

兵庫県の治安ランキング(治安の良さ)は全国44位

　兵庫県の治安の「良さ」は全都道府県で44位。治安ランキングではワースト3位に入る。県内では144人に1件の割合で事件が発生している。　

参考：警察庁「令和6年警察白書　統計資料」と統計局「人口推計（2023年（令和 5年）10月 1日現在）全国：年齢（各歳）、男女別人口 ・ 都道府県：年齢（5歳階級）、男女別人口‐」を参照。犯罪遭遇率は「人口÷犯罪件数」で算出して、治安の良い順に全国ランキングを作成。総合ランキングは、すべての犯罪を含む刑法犯罪の発生率の低さで作成。

　とくに、粗暴犯の犯罪遭遇率が高く、ワースト1位だ。犯罪発生マップでは、刃物を所持した不審者情報が複数報告されている。出典：兵庫県警察「犯罪発生マップ」
 
　また、兵庫県警察には「女子小学生が自転車で通りすぎる人に唾のようなものをかけられた」「信号待ちの成人女性が男性に右足の甲を踏みつけられた」など路上での暴行事件が報告されている。出典：兵庫県警察「ひょうご防犯ネット　その他の事件」

　さらに、風俗犯や知能犯の犯罪遭遇率も高い。「バス待ちの女子高校生に近寄って、わいせつな雑誌を見せつけて話しかけた」といった行為が路上で発生している。また、露出事件も相次いで報告されている。出典：兵庫県警察「ひょうご防犯ネット　女性に対する情報」

　詐欺被害も深刻で、2025年上半期は962件、被害総額は約30億円と前年同期比（約9億円）と約3倍以上に増加している。出典：兵庫県警察「特殊詐欺ニュース」

兵庫県の犯罪発生率の推移

　兵庫県の犯罪発生率は、1990年代後半まで全国平均および、それ以下で推移していた。しかし、2000年から犯罪発生率が急上昇し、2002年にピークを迎えた。これは、バブル崩壊後の経済の混乱、雇用への不安など複合的な要因が絡み合った結果と考えられる。

　2002年以降は、警視庁を皮切りに各都道府県警察において街頭防犯カメラの導入や地域パトロール活動の実施、防犯教育の推進などを図ったことが功を奏して犯罪発生率は低下した。

　2020年以降は新型コロナウイルスによる経済的ダメージや、インフレによる実質賃金の低下などの景気悪化により、ふたたび犯罪発生率は上昇傾向にある。

【市区町村別】兵庫県の治安ランキング（令和6年）

　兵庫県で治安が良い市区町村はどこなのか。公的データをもとに、市区町村の治安ランキングを作成した。下記の地図は、犯罪遭遇率に基づき色分けしたものである。治安が良い順に、「白（451人以上に1件）」「黄緑（301人～450人に1件）」「緑（151～300人に1件）」「赤（0人～150人に1件）」で塗り分けている。

参考：兵庫県「令和6年12月1日現在 兵庫県推計人口」と兵庫県警察「地域の犯罪情勢（市区町別刑法犯認知状況）」を参考。犯罪遭遇率は「人口÷犯罪件数」で算出。都道府県により公開データが異なるため、公表されている最新データを使用している。

治安がもっとも良い市区町村は「丹波篠山市」

　丹波篠山市は兵庫県の中東部に位置し、黒豆や山芋、栗や松茸などの農業が盛んな地域だ。全国的に知られるデカンショ節のふるさとでもあり、8月のデカンショ祭には約7万人が訪れる。出典：丹波篠山市「丹波篠山市の概要」、「丹波篠山　夏の風物詩　デカンショ祭が開催されます！！」

　商工会では防犯対策として、防犯カメラやセンサーライト、防犯ガラス、アラームの設置を呼びかけている。出典：丹波篠山商工会「カメラ設置など、防犯対策をしましょう」

　また丹波篠山市は自治会に呼びかけ、ごみステーションや街路灯の維持管理、夜間の防犯活動に取り組んでいる。出典：丹波篠山市自治会長会・丹波篠山市「自治会運営の手引き」

治安がもっとも悪い市区町村は「尼崎市」

　尼崎市は兵庫県の南東部に位置する、人口45万人の中核市だ。阪急電車、JR、阪神電車が東西に走っており、大阪や神戸、京都や奈良へも乗り換えなしでアクセスできる交通の利便性が高い街だ。出典：尼崎市「尼崎市の紹介」

　しかし、誘拐や不審火などの事件が相次いでいる。2023年には尼崎市役所を対象とした愉快犯の事件が発生し、犯人が逮捕された。出典：尼崎市「愉快犯に対する対応について」

兵庫県ではどのような犯罪が多い？どのような防犯対策が必要？

　兵庫県では、暴力、特殊詐欺、わいせつなどが多いが、どのように防犯対策を立てていくかを紹介していく。

暴力

　兵庫県は粗暴犯の犯罪遭遇率は高い。治安ランキングでワースト1位だ。

　暴力は些細な出来事がきっかけで発生する。たとえば、車の無理な追い越しや不必要なクラクションが、相手を不快な気持ちにさせて暴行されてしまう。

 「トラブルに巻き込まれないためには、相手側の気持ちになって譲ることや謝ること、お礼を伝えることが大切です。飲酒の際は気が大きくなりがちですが、口論を避けるようにしましょう」(京師氏）。

特殊詐欺

　前述のように特殊詐欺の被害が深刻である。そのため、次のような特殊詐欺に注意してほしい。

架空請求詐欺

　架空請求詐欺は、実際にはサービスを利用していないにもかかわらず、「お客様が利用されたサービスの解約手続きがされておらず、放置されたままとなっている」といった内容で連絡し、金銭を騙し取る手口である。

　被害を防ぐためには、まず請求内容をよく確認し、実際に利用した覚えがあるか、契約が有効であるかを冷静に判断することが大切だ。不審な点がある場合は、一人で対処せず、すぐに警察署や消費生活センターなどの専門機関へ相談すること。
 

オレオレ詐欺

　オレオレ詐欺は、AIディープフェイクで合成した映像や音声を使い子どもになりすますなど、年々手口が巧妙化している。

　こうした状況において、対面で会うまでお金を渡さないように意識することが、対策として非常に有効だ。

闇バイト

　 「手軽に」「短時間で」「簡単に」稼げるという甘い言葉に乗せられ、特殊詐欺の受け子や出し子、あるいは強盗の実行犯など、犯罪組織の手先として利用されてしまう青少年が増加している。

 「自分の子どもに闇バイトをさせないためには、その後の人生がどうなるかを子どもに教えておくことが重要です。たとえば、『共同正犯』に問われて強盗致死罪で裁かれた場合、無期懲役か死刑という極めて重い刑罰が科せられます。有期懲役になった場合でも結婚や就職が難しくなります。こうした未来を伝えることが、抑止力となります。」（京師氏）。

公然わいせつ

　兵庫県では露出など公然わいせつが相次いで報告されている。出典：兵庫県警察「ひょうご防犯ネット女性に対する情報」

　わいせつ犯の急増していることもあり、支援機関・相談窓口の整備が進んでいる、

　毎日同じ時間帯に同じ道を通って帰宅していると、顔や行動パターンを覚えられて狙われやすくなる。そのため、帰宅時間やルートを日によって変えるなど、行動に変化をつけることが望ましい。

　「不審者に尾行されていると感じた場合、走って帰るのは避けてください。自宅の場所が知られてしまう可能性があるため、近くのコンビニや店舗に入り安全を確保しましょう。　また、防犯、防災機能を搭載したスマートフォンが登場しています。万が一に備えて防犯ブザー付きのスマートフォンを持っておくと安心です。ぜひ購入してみてください」（京師氏）。

住まなくなった家の放置は治安の悪化につながる　

　長期間、人が住んでいない空き家や別荘などを放置すると治安の悪化を招く。

　例えば、管理が行き届かないと空き巣に「留守の家」と思われて狙われる。

　適切な管理が難しいのであれば、売却するという選択肢も有効だ。

 「使っていない物件がある」「そろそろ手放したい」ときは、無料査定で市場価値を確認してみてほしい。

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