長野県の市区町村別の治安を調べるため、警察庁・総務省の統計資料をもとに治安ランキングベスト3およびワースト3をまとめた。安全、安心に暮らすために参考にしていただきたい。
全国治安ランキングで長野県は11位
長野県は治安の「良さ」で全国11位だった。県内では258人に1件の割合で事件が発生している。

長野県では風俗犯による犯罪遭遇率が高い。
店舗型性風俗特殊営業が禁止されている地域での性的サービス提供や無許可営業などの風営法に違反する犯罪が多く報告されている。出典:長野県警察「長野県警ニュース24時 6月25日」、「長野県警ニュース24時 7月2日」
さらに、長野県は2013年に「子どもを性被害等から守る専門委員会」を設置し、子どもを性被害から守る取り組みを検討。2016年からは「長野県子どもを性被害から守るための条例」を公布している。出典:佐久市「長野県子どもを性被害から守るための条例」
同じく2016年には、性暴力被害者支援センター「りんどうハートながの」を開設し、性被害で傷ついた人びとの心のケアのためのカウンセリング、医療提供、生活支援をしている。長野県「性暴力被害者支援センター『りんどうハートながの』の設置について」
このような取り組みの数々からも、長野県では風俗犯に対する警戒を強めていることが伺える。
長野県の犯罪発生率の推移
長野県の犯罪発生率は1993年から上昇し、2002年にピークを迎えた。これは、バブル崩壊後の経済の混乱や雇用への不安など複合的要因が絡み合った結果と見られる。
2002年以降、警視庁を皮切りに各都道府県警察での街頭防犯カメラの導入。さらには全国都道府県においての地域パトロール活動の実施や、防犯教育の推進などを図ったことが功を奏し犯罪発生率は低下した。
しかし、2020年以降は新型コロナウイルスによる経済的ダメージにより、ふたたび全国的に犯罪発生率は上昇傾向にある。
【市区町村別】長野県の治安ランキング(令和6年)
長野県の治安ランキングの上位と下位の市区町村は以下の通りだ。
治安が良かった市区町村の1位は高山村、2位は宮田村、3位は飯綱町だった。
治安が良くなかった市区町村の1位は白馬村、2位は軽井沢町、3位は下諏訪町だった。

治安がもっとも良い市区町村は「高山村」
高山村には奥山田温泉や七味温泉など八つ温泉があり、その多くは湯治の宿、癒しの温泉場として受け継がれた伝統を持っている。また、温泉利用者数は45万人に上っている。出典:長野県高山村観光ガイド「八つの温泉と日帰り温泉」、長野県 観光スポーツ部 山岳高原観光課「令和6年 観光地利用者統計調査結果」
高山村では、行政と村民が協力しながら、誰もが安心して暮らせる村づくりを進めている。
桜の名所である桜街道では、中学生と地球クラブ(農業後継者の会)が力を合わせて草刈りしし沿道の景観を作り出している。また、地域の人々が遊休地にヒマワリや菜の花を植え、村全体を上げての四季折々の景観づくりを広げている。出典:長野県高山村「協働のむらづくり」
こうした美しい景観の保全のための住民たちの協力体制が、治安の良さにもつながっているものと思われる。
治安がもっとも悪い市区町村は「白馬村」
白馬村は、日本アルプスの山間部に位置する村である。1998年冬季オリンピックの開催地となったことで世界的に名が知られるようになり、現在も村内のスキー場にはシーズン中(2024年12月〜2025年3月)約117万人が訪れている。出典:白馬村「白馬村内スキー場利用者数(スキー場別)」
しかし、シーズン中には、宿泊施設内のスキー置き場からスキーやスノーボードの盗難事件が多発している。また、車上荒らしや自動車盗も報告されている。出典:白馬村「しろうまの里」
このような背景を受けて、白馬村は2026年6月1日から宿泊税を導入することを発表した。宿泊税は防犯カメラの設置費用にも充てることが検討されている。出典:白馬村「宿泊税」、白馬村制度の検討について
◆ダイヤモンド不動産研究所では、長野県の治安ランキングの総合順位の公開、日本初の女性防犯アドバイザーである京師美佳氏に伺った防犯対策を紹介しているため、ぜひ参考にしてほしい◆
治安ランキングエリアメニュー |
地価・坪単価ランキングエリアメニュー |




