鳥取県の市区町村別の治安を調べるため、警察庁・総務省の統計資料をもとに治安ランキングベスト3およびワースト3をまとめた。安全、安心に暮らすために参考にしていただきたい。
全国治安ランキングで鳥取県は12位
鳥取県は治安の「良さ」で全国12位。全国でも治安が良い県だ。県内では256人に1件の確率で事件が発生している。

鳥取県では、刑法犯の中でも性犯罪(風俗犯)の犯罪遭遇率が高い。
なかでも、痴漢や盗撮の被害が目立っており、学校職員による女子学生の盗撮や、商業施設内での盗撮行為、ストーカー行為といった事案が報告されている。出典:鳥取県「公立学校教職員の懲戒処分の概要」、鳥取県「安全ナビ@鳥取県」
こうした背景から、鳥取県は痴漢や盗撮行為など卑わいな行為に規制を設ける迷惑防止条例を改正する際に県民の意見を募った。 従来は公共の場所や乗り物が対象であったが、改正案では住居、浴場、更衣室、便所なども対象とすることが検討されている。条例の改正内容からも、のぞき行為や盗撮行為が多い実態が伺える。出典:鳥取県「鳥取県の迷惑防止条例の一部改正について」
また、知能犯の犯罪遭遇率も目立っている。特殊詐欺の中でもSNS型投資詐欺やロマンス詐欺が顕著であり、2024年度には41件(前年同期比+30件)の被害が報告されている。被害総額は6億2,822万円(前年同期比+4億6,731万円)に及んだ。出典:鳥取県「【令和6年 SNS型投資・ロマンス詐欺認知状況】」
全国と比較して治安は比較的良いものの、盗撮、痴漢、特殊詐欺といった犯罪が多く発生している。
鳥取県の犯罪発生率の推移
鳥取県の犯罪発生率は、1995年以降から急上昇し、2003年にはピークを迎えた。これは、バブル崩壊後の経済の混乱や雇用への不安など複合的要因が絡み合った結果と考えられる。
2002年以降、警視庁を皮切りに各都道府県警察において街頭防犯カメラの導入や地域パトロール活動の実施、防犯教育の推進などを図ったことが功を奏して犯罪発生率は低下した。
2019年以降は、新型コロナウイルスによる経済的ダメージやインフレによる実質賃金の低下などの景気悪化により、ふたたび犯罪発生率は上昇傾向にある。
【市区町村別】鳥取県の治安ランキング(令和6年)
鳥取県の治安ランキングの上位と下位の市区町村は以下の通りだ。
治安が良かった市区町村の1位は南部町、2位は岩美町、3位は大山町だった。
治安が良くなかった市区町村の1位は米子市、2位は境港市、3位は鳥取市だった。

治安がもっとも良い市区町村は「南部町」
豊かな自然と歴史文化が残る南部町 出典:PIXTA南部町は2004年に西伯郡西伯町と西伯郡会見町が合併して誕生した。豊かな自然に恵まれ、県下有数の古墳密集地帯であり、律令国家以前から豊かな文化が栄えた地域である。出典:南部町「概要・沿革」
南部町には「未来を創る課」が設けられている。地域の安心まちづくり事業を展開しており、魅力あるまちづくりを推進する団体に対して補助金を交付している。補助対象経費に1/2を乗じた額とし、上限は30万円である。
地域柄、公民館の改修やゴミステーションの改修、公園遊具の設置撤去などの集落環境整備、さらに備品購入に充てられている。出典:南部町「地域の安心まちづくり事業」
治安がもっとも悪い市区町村は「米子市」
米子市は、鳥取県の西部に位置しており、豊かな自然環境に恵まれている。道路、鉄道、空港などの利便性も高く、地域の交通結節点および宿泊拠点として、人の行き来が盛んな場所だ。出典:米子市「市の概要」
しかし、不審者情報が多い。市内の小学校や中学校の近辺では盗撮やつきまといの被害が発生している。また、変質的行為(下半身露出やのぞき)も報告されている。出典:米子市「令和6年度 米子市内の不審者情報 発生場所」
そのため、米子市では学校周辺を中心に少年指導委員会と公民館社会部が合同で防犯パトロールを実施している。出典:米子市「防犯パトロール隊」
◆ダイヤモンド不動産研究所では、鳥取県の治安ランキングの総合順位の公開、日本初の女性防犯アドバイザーである京師美佳氏に伺った防犯対策を紹介しているため、ぜひ参考にしてほしい◆
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