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住宅ローンシミュレーション
2019年8月20日公開(2019年9月4日更新)
菱田 雅生
菱田 雅生

菱田雅生(ひしだまさお):特定の金融機関等(銀行、証券会社、保険会社など)との提携関係などが一切ない独立系のファイナンシャル・プランナーとして活躍。中立的な立場から役立つ情報を発信し、多くの人が幸せな生活を送っていけるようサポートする。住宅ローンだけでなく、資産運用、確定拠出年金(DC)、保険、税金、相続など、お金や家計に関する相談を受ける。ライフアセットコンサルティング代表。

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住宅ローン借入額をシミュレーション⑥
年収300万円4人家族は、妻のパート収入が期待できるなら1800万円まで大丈夫!?

不動産を購入する際、住宅ローンの借入額がいくらなら安心して返済できるのか? 今回は、子どもが生まれたばかりの27歳の夫婦。年収300万円の3人家族だ。住宅ローンの資金シミュレーションを行ったところ、妻のパート収入が期待できるとしても、近い将来2人目の子どもも検討するなら、物件価格は1800万円あたりが上限という試算結果が出た。それ以上の物件を買うとなると、妻がフルタイムで働くことも検討すべきだろう。(ファイナンシャル・プランナー 菱田雅生)

 今回は、27歳の島田さん夫婦(仮名)から相談がきたと想定して試算する。夫の年収は300万円で、妻は無職。昨年末に生まれた子どもが1人おり、2、3年後には2人目も欲しいと思っている。月々の家賃がもったいないと感じており、買える物件があるなら買いたいと考えている。

 シミュレーションでは、給料などの収入と、住宅ローン返済などの出費を推計して、毎年の「年間収支」と「貯蓄残高」を計算した。これで、住宅ローンを安心して支払いできるのか、老後にいくらのお金が貯まるのか、などをチェックする。細かい前提条件は下記を見てほしい。

■シミュレーションの前提条件(年間収支)■
【家族構成】
・夫27歳/年収300万円
(40歳までは年1.5%増加、50歳までは年1.0%増加、50歳以降は増減なし、61歳から半減)
・妻27歳、専業主婦(パート収入:第1子小学校入学後年間60万円、第1子中学入学後年間100万円)
・子ども1歳、2年後に第2子出産予定

【基本生活費】100万円(年1.0%で増加)
【住居費】84万円(購入前。月7万円)
【教育費】中学までが公立、高校以後は私立(大学は文系)で試算
【保険料】18万円
【その他出費】20万円(年1.0%で増加)
【貯蓄残高】200万円(期待運用利回り年0.5%)
【住宅ローンの詳細】1800万円(諸経費+72万円)のマンションを頭金100万円とローン1772万円(全期間固定金利1.5%、35年返済)で翌年購入。毎月返済額5.4万円。住宅ローン減税を考慮(消費税増税なしと仮定)

物件価格1800万円以内なら、老後資金の準備も問題なくできそうだという結果に

 前提条件が変わればシミュレーション結果も大きく違ってくる可能性はあるが、上記の前提条件で試算すると、1800万円以内の物件であれば、住宅ローンを支払いながら、2人の子どもの教育資金がかさむ時期も貯蓄が底をつくことなく、なんとか乗り切れそうだ。

 夫婦がともに52歳になるころには2人の子どもたちも巣立っていくはずなので、残り10年以上を老後資金の準備に充てられるのは、非常に大きなメリットと言えるだろう。試算では、56歳時点で830万円の貯蓄残高があり、年間収支もプラス150万円前後なので、60歳以降の収入が激減しない限り、65歳までには貯蓄残高も2000万円を超えているはずだ。

年収300万円なら、住宅ローン借入可能額は2400万円!? そこまで借りると教育資金にシワ寄せがいく可能性大

 ところで、年収300万円だといくらまで住宅ローンを組むことができるのかご存じだろうか?

 フラット35のローンシミュレーションを利用して、現在の年収から借入可能額を調べてみると、融資率9割超の金利(2019年7月)年1.62%、35年返済では、2403万円となった。だが、目一杯の金額を借りて2400万円の物件を購入するのはお勧めしない。

 確かに、年収と借入金利、返済期間で計算すれば、約2400万円は借りられるということなのだろう。しかし、このケースの島田さんが2400万円の物件を購入してしまうと、子どもが大学と高校に入学する18年後には貯蓄が底をつき、家計が破綻してしまう可能性が高いのである。

 シミュレーションの結果だと、以下のようになる。

  • ・18年後(第2子大学入学の年)、年間収支▲199万円と大ピンチ
  •  
  • ・24年後(第2子大学卒業の年)、貯蓄▲555万円と大ピンチ
    ※借金の金利はナシと仮定

 こうなると、子どもの学費を奨学金でまかなうか、消費者金融も含めた金融機関から借金をして、家計を回していかなくてはならない。

 そのような事態を回避するためには、早い段階から妻がフルタイムで働いたり、子どもの進学先を国公立の学校に限定したりするなど、収支状況の悪化が起きないように気をつけることが必要になってくるだろう。

住宅ローン返済可能額は、年収だけで判断できない!

 やはり、安心して返せる金額というのは年収だけでは判断できない。

 「いくらまで借りられるのか?」ということよりも、「いくらなら返せるのか?」ということを、利用者自らが冷静に見積もらなければならないのだ。

 なぜなら、いわゆる不動産業者(住宅販売業者やハウスメーカーなど)や住宅ローン取扱業者(銀行や信用金庫、住宅ローン専門会社など)は、慎重に考えてくれないからである。不動産業者は1軒でも多く売りたい、住宅ローン取扱業者は1円でも多く貸したい。それが本音だからだ。

 なお、慎重に見積もる際は、教育資金や老後資金をどの程度想定するかが非常に重要になってくる。特に教育資金については、高校大学を私立で想定するなど、多めに見積もっておくのが無難だろう。

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