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住宅ローンシミュレーション
2019年6月12日公開(2019年9月4日更新)
菱田 雅生
菱田 雅生

菱田雅生(ひしだまさお):特定の金融機関等(銀行、証券会社、保険会社など)との提携関係などが一切ない独立系のファイナンシャル・プランナーとして活躍。中立的な立場から役立つ情報を発信し、多くの人が幸せな生活を送っていけるようサポートする。住宅ローンだけでなく、資産運用、確定拠出年金(DC)、保険、税金、相続など、お金や家計に関する相談を受ける。ライフアセットコンサルティング代表。

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住宅ローン借入額をシミュレーション①
世帯年収500万円の4人家族で試算すると、
借入額4000万円は教育費次第で貯金ゼロに!

不動産を購入する際、住宅ローンの借入額がいくらなら安心して返済できるのか? こんな疑問に答えるため、さまざまな年収、家族構成で、資金繰りをシミュレーションする。第1回は、世帯の年収が500万円という、4人家族のケースを試算した結果、3000万円までは安全圏で、4000万円になると教育費次第で貯金がゼロになってしまいかねないという結果になった。(ファイナンシャル・プランナー 菱田雅生)

 今回は、35歳の田中祐輔さん(仮名)から相談があったという想定で試算してみた。34歳の妻と2人の子どもがいるが、子どもの成長とともに家が手狭になってきたため、住宅購入を検討している。いったい、いくらの不動産であれば無理なく購入できるのかを、資金シミュレーションを作成して調べてみた。 なるべく広くて、いい立地の家を購入したいけど、住宅ローンの支払いで困ってしまったら意味がない。そこで、さまざまな家族構成、収入、資産状況で、資金繰りをシミュレーションしてみた。

シミュレーションでは、住宅ローン返済を含めた出費と、給料などの収入を細かく設定して、「年間収支」と「貯蓄残高」を計算した。これで、住宅ローンを安心して支払できるのか、老後にいくらのお金が貯まるのか、などをチェックする。細かい前提条件は下記を見てほしい。

■シミュレーションの前提条件(年間収支)■
【家族構成】・夫35歳/年収500万円(40歳まで・50歳までは年2.0%増加、50歳以降は増減なし)、61歳からは年収半減。退職金はなしと仮定。
・妻34歳/下の子が7歳の年からパート(手取り60万円、ずっと増減なし)
・子ども7歳、4歳
【基本生活費】 130万円(年1.0%で増加)
【住居費】 120万円
【教育費】 中学までが公立、高校以後は私立(大学は文系)で試算
【保険料】 24万円
【その他出費】 40万円(年1.0%で増加)
【貯蓄残高】 600万円(期待運用利回り年0.5%)
【住宅ローンの詳細】 3000万円(諸経費+120万円)のマンションを頭金500万円とローン2620万円(全期間固定金利1.5%、25年返済)で翌年、購入。毎月の返済額は10.5万円。住宅ローン減税(消費税増税なしと仮定)を考慮

3000万円のマンション購入なら、
63歳時点で、貯蓄残高2472万円

 さまざまな物件価格でシミュレーションを作ってみたが、田中さん一家は、3000万円程度のマンションを買うのなら、将来的に家計面で大きな問題が発生する可能性はそれほど高くはなさそうだ。ただし今回の計算は、世帯年収約500万円に対して、毎年27万円くらいの貯金をしていたという倹約家の家族のケースだ。

 また、マンション購入時に、貯金を取り崩して、住宅ローンの頭金を500万円程度入れている。「年間収支」と「貯蓄残高」の推移については、下のグラフの通りだ。

住宅ローンを25年返済で組んでいるため、祐輔さんの61歳時には返済が終了する。従来の家賃は月10万円だったが、住宅ローンの返済は毎月10.5万円と大きく増えたわけではないので、十分支払える金額だろう。祐輔さんが年金を受け取れるようになる63歳時の貯蓄残高は2472万円になる。

 それだけあれば安心だと断定できるわけではないが、60歳以降も働き続けることができ、夫婦それぞれが公的年金、企業年金などを受給できる状態であれば、大きな心配はいらないだろう。また今回の試算には退職金を入れていないので、実際の貯金額はもう少し多くなるだろう。

世帯年収500万円の家族が購入できる金額

 とはいえ、もっと老後生活にゆとりを持たせたいと考えるなら、物件価格を2500万円程度まで引き下げると、毎月の返済は8.4万円となり、63歳時の貯蓄残高も3000万円を超えていくと予想される。どのような老後生活を送りたいのかを、可能な限り早くから相談して決めておき、住宅取得計画を慎重に検討することが重要だろう。

 ちなみに、物件価格を4000万円まで引き上げると、毎月の返済額が14.6万円となる。年収500万円で借りることができるギリギリの金額だ。子どもたちが高校、大学に通う時期には、貯蓄が底をつきそうなレベル(貯金額が151万円)となり、家計が厳しくなりそうだ。物件価格を安易に引き上げないほうが無難といえる。

将来の教育方針などの話し合いは早めに

 30代で年収500万円程度だと、金融機関によっては3000万円から4000万円の住宅ローンが組める可能性がある。しかし、そんなにたくさん借りてしまうと、返せなくなってしまう可能性が高まる。借りられる金額と返せる金額は違うということを肝に銘じておこう。

 今回の試算では、下の子どもが小学校入学後、妻のパート収入(年間60万円)がずっと期待できるという前提で計算している。この妻のパート収入が期待できなかったとすると、途端に3000万円の物件でも厳しくなる可能性が出てくるので、注意が必要だ。

 なお、2人の子どもの教育費は、学校教育費、家庭教育費を一般的な水準で試算している。教育費は、中学までが公立、高校以後は私立(大学は文系)で試算している。大学4年間だけで、400万円以上の出費で、理系であればもっとかかる。子どもの教育費は、親の子どもに対する教育方針などによってかかる費用が大きく変わってくるので、どのようにお金をかけていくのかを早い段階から話し合っておきたい。それによって返済計画も大きく変わるので注意しよう。

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