住宅ローンの変動金利を借りる際に、一番気になるのが金利の上昇リスクです。金利が上昇すれば、毎月返済額が上昇し、家計を圧迫します。そのため、住宅ローンを選ぶ際には、”変動金利は4%まで上昇する”と考えて、その際に「毎月支払額がどのくらいまで増加するのか」を事前に確認しておくことが大切です。
固定後の変動金利が1%上がると、
1万円以上、返済額がアップする可能性も
住宅ローンで変動金利を選んだ場合に怖いのは、金利上昇による支払額の増加です。例えば、借入金額4000万円、返済期間35年で考えてみましょう。
当初は10年固定金利を選択し、金利1%であれば、初めの10年間の毎月返済額は11.3万円です。そして、変動金利に切り替わる11年目に、金利が1%上がって2%になったとします。すると毎月返済金額は、12.7万円となり、約1万4000円アップします。
もし、金利上昇幅が1%にとどまらず、2%なら、3%ならと考えると、ゾッとしますね。
金利の変動を予想することは難しいので、
自分のダメージを許容範囲で判断すべき
将来の金利変動は専門家でも予測できるものではありません。ましてや、一般の人が行えるわけがありません。
私(淡河)は、住宅ローンの借り入れを検討してるお客様に「金利をどう予想していますか」と質問するのですが、ほとんどのみなさんが「ニュースで評論家・アナリストが金利はしばらく上がらないって言っていたから」と、評論家・アナリストなどの意見を参考にしています。
でも、評論家・アナリストにとって、金利変動リスクなど他人事にすぎません。あなたの住宅ローンのリスクについて本気で考えるのは、あなた自身しかいないのです。
そこで、発想を変え、リスクを金利予想で測るのではなく、「自分のダメージの許容範囲はどれくらいか」で判断してみましょう。
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過去32年の変動金利の平均値4%で
リスクシナリオのシュミレーションを
私はシミュレーションを「現在の金利水準(大手銀行なら、基準金利2.475%)」と「基準金利が4%に上昇」した2パターンで行うことをおすすめしています。「現状維持シナリオ」と「リスクシナリオ」の2パターンです。「リスクシナリオ」の金利上昇は、大手銀行であれば、実は1.525%の上昇です。
この4%という数字は、もちろん適当に決めた数字ではありません。バブル期は8%まで上昇したとはいえ、さすがにその可能性は少ないと思います。一方で、金利が現在以上に下がることも、この超低金利下では考えにくいことです。以下の住宅金融支援機構の金利推移のグラフを見ていただければ、「変動金利の基準金利が4%」というのは、あながち間違った数値でないことが分かると思います。
実際、過去32年の変動金利の平均値を計算してみると、4%ほどになります。将来の平均的な変動金利は、基準金利であれば4%に落ち着く可能性があると考えます。
現実には2%になるときもあれば、6%になるときもあるかもしれませんが、十分に起こり得るリスクとして、4%になった時でも住宅ローン返済が家計にとって負担にならないかを、目に見える形で把握しておくことが重要です。
【※関連記事はこちら!】>> 毎年、2%強が住宅ローンで破綻! 支払い困難なら、恥ずかしがらずに銀行に相談を。6カ月以上延滞すると、自宅を失う可能性大
変動後の返済額アップ幅を知ることで、
リスク管理を万全にする
では、どのように試算すればいいのでしょうか。借入金額3000万円、返済期間30年として計算してみます。シミュレーションは住宅金融支援機構などのシミュレーション機能を使うといいでしょう。
まずは「現状維持シナリオ」です。住信SBIネット銀行で10年固定金利(0.66%とする)で借り、固定期間終了後の適用金利を2.075%(基準金利2.775%-優遇幅0.7%)で計算すると、毎月返済額は当初10年間が9.2万円で、11年目以降の月々返済額は、10.5万円となります。
次に、「リスクシナリオ」です。11年目に基準金利が4%に上昇したとすると、適用金利は4.00%-0.7%=3.3%となります。毎月返済額は当初10年間9.2万円のままですが、11年目以降は11.8万円になります。
つまり、「リスクシナリオ」に転換したことで、11年目以降だけを比べると毎月返済額は1万2000円強も増加することになるのです。金利が上昇した時に、この「毎月支払い額の上昇」に耐えられるのかどうかが、借りてもいいかどうかの一つの目安になります。
もし、金利上昇に耐えられないかもしれないと感じたら、万が一の金利上昇に備えて、日頃から余計に貯金等をしておくか、できるだけ長期間固定で借りることが、リスク管理の上で重要でしょう。
一方で、こうも言えます。金利4%に上昇しても耐えられるならば、それだけリスクに耐えられるのであり、金利をより低く抑えるため、変動金利で借りてもいいでしょう。
ちなみに、さらなる金利上昇が発生した場合は、どうなるのでしょうか。毎月支払額がどのくらい増加するのかをまとめてしました。借入金額3000万円、返済期間25年として試算したのが下表です。
金利1%上昇で、毎月返済額は1.4万円増加! ●借入金額(残債)3000万円、返済期間25年、元利均等払い、として試算 |
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金利 | 毎月返済額 | 金利1%に比べた、 毎月返済額の増加額 |
総返済額 | 支払利息総額 |
1.00% | 11.3万円 | 0円 | 3392万円 | 392万円 |
2.00% | 12.7万円 | +1.4万円 | 3815万円 | 815万円 |
3.00% | 14.2万円 | +2.9万円 | 4268万円 | 1268万円 |
4.00% | 15.8万円 | +4.5万円 | 4751万円 | 1751万円 |
5.00% | 17.5万円 | +6.2万円 | 5261万円 | 2261万円 |
※借入期間中、金利の変動はなかったものとして計算 |
借入額3000万円、返済期間25年としたとき、現在の借入金利が1%だと毎月返済額は11.3万円になるのに対して、金利2%だと、毎月支払額は12.7万円へと約1.4万円アップします。さらに、金利が5%だと、17.5万円と、6.2万円もアップするのです。こうした毎月支払額のアップに耐えられるかどうかで、あなたのリスクを管理しましょう。
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変動金利の住宅ローンを選ぶときは、
最悪のパターンでも、耐えられるかチェック
これは何も特別なことではなく、私たちが普段からやっていることです。
「待ち合わせ場所に送れずに着くためには、余裕を持って着くなら1時間半前に、遅くとも1時間前には出発する」と幅をもって行動をコントロールしています。ときに「5分程度の遅刻ならいいだろう」と甘い考えを持つこともありますが、そうした判断や行動は、家計では禁物です。最悪のパターンも想定しておけば、普段からそれに備えて貯蓄を増やそうと努力するなど、行動も変わってくるはずです。こうしたリスクは、自分で計算してもいいですし、住宅ローンの専門家に相談するのもいいでしょう。
変動金利の住宅ローンを選ぶときも、リスクを把握した上で臨むことが大切です。
【※関連記事はこちら!】>> 【住宅ローン「実質金利」ランキング(変動金利)】新規借入で、本当にお得なローンを毎月発表!
- 【住宅ローンの基礎知識 リンク集】
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- ◆住宅ローン選びの実践法◆
- (3)諸費用込みの「総支払額」で比較しよう!
- (4)変動金利なら「金利上昇リスク」の想定を
- (5)固定金利は、固定期間終了後に注意!
- (6)借入金額、借入期間、金利タイプ決め方は?
- (7)正しい「ランキングサイト」の見分け方
- (8)「シミュレーションサイト」の使い方
132銀行を比較◆住宅ローン実質金利ランキング[新規借入] |
132銀行を比較◆住宅ローン実質金利ランキング[借り換え] |
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【今月の金利】 【来月の金利】 【2024年の金利動向】 【変動金利】上昇時期は? 【変動金利】何%上昇する? |
【基礎の8カ条】 【審査】の基礎 【借り換え】の基礎 【フラット35】の基礎 【住宅ローン控除】の基礎 |
新規借入2024年12月最新 主要銀行版
住宅ローン変動金利ランキング
※借入金額3000万円、借入期間35年で試算
- 実質金利(手数料込)
- 0.413%
- 総返済額 3218万円
- 表面金利
- 年0.284%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 75,045円
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- 実質金利(手数料込)
- 0.512%
- 総返済額 3271万円
- 表面金利
- 年0.375%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%+33000円
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 76,229円
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- 実質金利(手数料込)
- 0.531%
- 総返済額 3281万円
- 表面金利
- 年0.390%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%+55000円
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 76,426円
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住宅ローン利用者口コミ調査の詳細を見る
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今回作成した「住宅ローン利用者口コミ調査」の調査概要は以下のとおり。
【調査概要】
調査日:2023年12月
調査対象:大手金融機関の住宅ローン利用者(5年以内に住宅ローンを新規借り入れ、借り換えした人)
有効回答数:822人
調査:大手アンケート調査会社に依頼
評価対象:有効回答数47以上を対象とするアンケートの設問は以下の7問。回答は5段階評価とした。なお、評価点数の平均点は小数点第2位以降を四捨五入。
【アンケートの設問】
Q1.金利の満足度は?
Q2.諸費用・手数料等は妥当でしたか?
Q3.団体信用生命保険には満足しましたか?
Q4.手続き・サポートには満足しましたか?
Q5.審査について、満足していますか?
Q6.借り入れ後の対応に満足しましたか?
Q7.他の人にも現在の銀行を勧めたいと思いますか?
【回答の配点】
・各設問は5段階で回答してもらい、Q1なら以下のように配点。平均値を求めた。
満足している(5点)
どちらかといえば満足している(4点)
どちらともいえない(3点)
どちらかといえば不満である(2点)
不満である(1点)
・総合評価については、各項目の平均値を全て合算。読者が重視する「Q1金利の満足度」については点数を3倍、「Q3団信の満足度」の点数を2倍として、点数の合計を50点満点とし、10で割ることで5点満点の数値を求めた。
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- ・年収300万円の4人家族の上限は1800万円!?
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- ・年収450万円の4人家族の上限は2000万円!?
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- ・年収700万円の共働き夫婦の上限は5000万円!?
- ・年収800万円の3人家族の上限は4500万円!?
- ・年収1000万円の30代4人家族の上限は5000万円!?
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プロの評判・口コミ
淡河範明さん
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審査に関しては、めちゃくちゃ早いです。申し込んでから基本的には1ヶ月以内に融資実行ができるので、急いでいる場合にはありがたい。「今月中に融資して欲しい」とアピールすれば、審査がスムーズに運びやすいです。
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