住宅ローンを借り換える際に知っておきたい5つの注意点を解説。低金利下で、住宅ローンの借り換えメリットが増しているが、金利だけに目を奪われて決めると後悔することになりかねない。借り換えのタイミングで発生する諸費用・手数料や、住宅ローン減税の適用が受けられる条件などもよくチェックして、借り換えメリットを最大限に手に入れよう。
住宅ローンの借り換えのメリットを受けられる人は多い
住宅ローンを借り換えれば得するという人は、日本に数百万人いると言われている。しかし、思ったほど借り換えが進んでいない。なぜなら、変動金利で借りている人の多くが、「借り換えする必要はない」と誤解をしているからだ。
多くの借り手は、「変動金利で借りているのだから、昨今の低金利の恩恵を受けて、自分の借入金利も低下しているだろう」と考えている。
しかし、住宅ローンの金利が決まる仕組みは複雑だ。確かに新たに借り入れる人の変動金利は、日銀のゼロ金利の恩恵を受けて0.5%を切るような超低金利となっているが、すでに借りている人はゼロ金利の恩恵を受けておらず、「高い変動金利」が適用されているのだ。
借入金額3000万円、返済期間35年で住宅ローンを借りている人で試算した場合、借りてから数年しかたっていなくても、借り換えメリットがある。
特に借りてから10年前後経った人は、条件によっては200万円以上の借り換えメリットがある。
まずは、自分が借り換えた場合、どのくらい得になるのか試算してみよう。
住宅ローン借り換えの5つの注意点とは
住宅ローンを借り換える際には、ここで解説する5つの注意点を知らないと損をする可能性があるため、よく確認しておこう。
注意点2、金利1%未満で借り換えしたら、繰上返済はご法度
注意点3、年収が低くても借り換えできる
注意点4、借り換え時にリフォーム費用も借りる
注意点5、借り入れ中の銀行と交渉する「条件変更」も検討
注意点1、借り換えの際は「実質金利」で比較する
住宅ローンを借り換える際にかかる諸費用は、銀行によって大きなばらつきがある。借入金額が3000万円なら、諸費用・手数料は、30万円から80万円程度かかる。
【関連記事】>>住宅ローン借り換えの諸費用はいくら? 18銀行の手数料・保証料を徹底比較!
このため、金利の低さだけに注目して住宅ローンを選ぶと損する可能性がある。住宅ローンは諸費用・手数料を含めた「総返済額」や「実質金利」で比較しないと、お得な住宅ローンを選ぶことができないのだ。
ダイヤモンド不動産研究所では、132銀行の住宅ローンについて、実際に住宅ローンを借りた場合の総返済額、実質金利がどうなるのかをシミュレーションできるので、活用してほしい。
注意点2、金利1%未満で借り換えしたら、繰上返済はご法度
マイナス金利の今の時代※だからこそ、住宅ローンを借り換えるときも、住宅ローン減税(控除)を徹底的に活用したい。低金利の恩恵を受けるだけでなく、払った税金を取り戻すダブルチャンスの到来だ。
※2024年3月にマイナス金利は解除されている
借り換えで住宅ローン控除を利用する時は、借り換え時の返済期間を10年以上にするというのが基本中の基本。また、現在は超低金利状態にあり、やみくもに繰り上げ返済すればいいという時代ではないことに注意したい。
借入金利が1%未満なら税金の戻りの方が大きいので、「控除終了まではなるべく繰上返済しないほうがいい」といった新常識もあるので、気をつけよう。
【関連記事】>>借り換えても住宅ローン控除は使える? 後悔しないための4つ注意点
注意点3、年収が低くても借り換えできる
昨今の低金利の恩恵を受けるために借り換えようとしても、収入が減っているという人は、住宅ローンの審査で落とされてしまい、借り換えができないことがある。
こういう時は、配偶者や直系親族(両親、祖父母など)との「収入合算」を検討してみるのがいいだろう。
また、借り換え時に「返済期間の延長」を検討してみてもいい。「返済期間の延長」はそれほど多くの銀行が対応しているわけではないが、フラット35やSBI新生銀行が対応しているので、問い合わせてみるといい。
【関連記事】>>年収不足で、住宅ローンを借り換えの審査に落ちる?! 収入合算、返済期間延長の裏技を使おう!
注意点4、リフォームを検討しているなら、借り換え時にリフォーム費用も借りる
すでに自宅を持っている人が、大規模なリフォーム、リノベーション、増改築を考えている場合、リフォームローンを借りようと考えるだろう。
ただし、リフォームローンは借入期間が短く、金利も変動金利で2~5%と高め。そこでおすすめなのは、住宅ローンの借り換えと一緒に、リフォーム資金を借りることだ。
住宅ローン金利は、変動金利なら0.5%以下、長期固定金利で1%強という低金利なので、借り換えで損する人はほとんどいない。さらに、リフォームローンも低金利で借りられるので、非常にお得だ。
【関連記事】>> リフォームローンを借りるのならば、住宅ローン借り換え時に一括借入するのがお得! リフォーム費用も貸してくれる銀行はどこ?
注意点5、借り入れ中の銀行と交渉する「条件変更」も検討
現在、住宅ローンを借りている銀行に対して、金利の引き下げや返済期間の延長などの「条件変更」を相談できることは、あまり知られていない。
もし、条件変更に応じてくれれば、借り換えに伴う手間や手数料がかからず、簡単に金利を引き下げできる。
とはいえ、どの銀行・金融機関も顧客の言うがままに変更に応じてくれるわけではない。条件変更を受け入れてもらうために、別の銀行・金融機関で借り換えの試算(シミュレーション)をしておき、本気度を見せることが大切だ。
シミュレーション情報は、条件変更のときの大切な交渉材料にもなる。またフラット35も借り換え可能であり、さらに同じ窓口銀行への借り換えも可能なので、気軽に申し込みしてみよう。
【関連記事】>>返済中の住宅ローン金利を下げさせる交渉術は?〜銀行員がリアルに解説
住宅ローンを借り換えれば、月数万円減額の可能性も!
2024年3月にマイナス金利が解除され、8月には短期プライムレートの利上げも決定した。今後は金利上昇の可能性が高い。それでも、現状の変動金利は過去最低水準のままとなっている。
このような低金利状態が続いているなら、より低い金利の住宅ローンへ借り換えることで、毎月の支払いを大きく引き下げられる可能性がある。実際、毎月の支払いを数万円も減らしている人たちがたくさんいる。
上手な借り換えは確実に支払額を減らすことができる、メリットの大きい方法なのだ。今回解説した5つの注意点を活用して上手に借り換えてほしい。
【関連記事】>>住宅ローンの変動金利にした人は、借り換えなければ金利は下がらない! 高いまま固定されている可能性あり
132銀行を比較◆住宅ローン金利ランキング[借り換え] (⇒ 新規借入はこちら) |
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今回作成した「住宅ローン利用者口コミ調査」の調査概要は以下のとおり。
【調査概要】
調査日:2023年12月
調査対象:大手金融機関の住宅ローン利用者(5年以内に住宅ローンを新規借り入れ、借り換えした人)
有効回答数:822人
調査:大手アンケート調査会社に依頼
評価対象:有効回答数47以上を対象とするアンケートの設問は以下の7問。回答は5段階評価とした。なお、評価点数の平均点は小数点第2位以降を四捨五入。
【アンケートの設問】
Q1.金利の満足度は?
Q2.諸費用・手数料等は妥当でしたか?
Q3.団体信用生命保険には満足しましたか?
Q4.手続き・サポートには満足しましたか?
Q5.審査について、満足していますか?
Q6.借り入れ後の対応に満足しましたか?
Q7.他の人にも現在の銀行を勧めたいと思いますか?
【回答の配点】
・各設問は5段階で回答してもらい、Q1なら以下のように配点。平均値を求めた。
満足している(5点)
どちらかといえば満足している(4点)
どちらともいえない(3点)
どちらかといえば不満である(2点)
不満である(1点)
・総合評価については、各項目の平均値を全て合算。読者が重視する「Q1金利の満足度」については点数を3倍、「Q3団信の満足度」の点数を2倍として、点数の合計を50点満点とし、10で割ることで5点満点の数値を求めた。
132銀行の住宅ローンを比較 >>返済額シミュレーションで、全銀行の金利を一気に比較・調査
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プロの評判・口コミ
淡河範明さん
auじぶん銀行の魅力は、業界トップクラスの変動金利です。変動金利が大好きな人なら、最上位にすすめたいですね。最大2億円まで借りられるのも大きなポイントです。
審査に関しては、めちゃくちゃ早いです。申し込んでから基本的には1ヶ月以内に融資実行ができるので、急いでいる場合にはありがたい。「今月中に融資して欲しい」とアピールすれば、審査がスムーズに運びやすいです。
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