年収600万円、44歳独身男性が不動産を購入する場合、住宅ローンはいくらまでなら安心して返済できるのか、資金繰りをシミュレーションしてみた。このまま結婚はしない前提で、65歳まできちんと働き続けられるのであれば、3000万円程度の物件であれば問題なく購入できるだろう。とはいえ、結婚して引っ越しをする可能性があるなら、いつでも売却または賃貸に出せる物件を選ぶとよいだろう。(ファイナンシャル・プランナー 菱田雅生)
年収600万円、40代の独身男性のケースをシミュレーション
今回は、40代独身男性、山田さん(仮名)から相談が来たと想定して試算する。現在の年収は600万円で貯蓄は800万円。現在44歳で、このまま結婚せずに独り身でいる可能性もある。住宅ローンを長めに組めるうちに、マンションを買ってしまおうかと考え始めたようだ。
シミュレーションでは、給料などの収入と、住宅ローン返済などの支出を推計して、毎年の「年間収支」と「貯蓄残高」を計算した。今回も、年収は50歳まで年1%の昇給率で増えていき、50歳以降は昇給なし、65歳まで働くことができるものとして試算。これで、住宅ローンを安心して支払うことができるのか、今後、約20年の家計推移をチェックする。そのほかの細かい前提条件は以下を見てほしい。
【家族構成】本人のみ44歳/年収600万円(50歳までは年1.0%増加、50歳以降は増減なし)
【基本生活費】185万円(年1.0%で増加)
【住居費】(購入前)家賃月10万円(購入後)年163万円(ローン返済+保有税等)
【教育費】なし
【保険料】12万円
【その他出費】65万円(年1.0%で増加)
【初年度年間収支】+84万円
【貯蓄残高】800万円(期待運用利回り年0.5%)
【住宅ローンの詳細】3000万円(諸経費+120万円)のマンションを頭金600万円とローン2520万円(全期間固定金利1.3%、20年返済)で翌年購入。毎月返済額約12万円。住宅ローン減税を考慮(控除期間10年で試算)
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物件価格は3000万円あたりが無難なラインか
前提条件が変わればシミュレーション結果も大きく違ってくるので注意が必要だが、上記の前提条件だと、物件価格は3000万円あたりが安全圏の上限か。予定外の出費がなければ、これまでどおりの生活を続けて、65歳時点で1200万円弱の貯蓄をすることができる。
下表は、2000万円、3000万円、4000万円の物件を購入したケースをそれぞれシミュレーションした結果だ。4000万円の物件を購入した場合は、65歳時点での貯蓄はマイナス64万円で、家計が破綻してしまう。2000万円の物件なら、65歳時点の貯蓄は2377万円になる。老後のゆとりを優先するのであれば、物件価格を高くせずに抑えておくのも有効だろう。
40代、年収600万円の独身男性が買える物件価格は?

下記に、3000万円の物件を購入した場合の、年間収支と貯蓄額をグラフにした。
3000万円の物件を買った場合の「年間収支」と「貯蓄残高」の推移は?
何度かこのコーナーで触れていると思うが、独身で住宅購入を考える際は、結婚や出産など、今後のライフプランの不確定要素が比較的多いので、当初の想定とは違った事態が起きたときには、すぐに売却できたり、賃貸に出したりできる物件にしておいたほうが無難である。
間取りについても、デザインが凝っている物珍しいタイプではなく、誰が見ても一般的だと思えるような無難な間取りのほうが売れやすいし、借り手もつきやすい傾向がある。そのように、売れる物件、貸せる物件という視点で探し、立地条件のよいものを買うことができれば、購入後の物件価格の下落もある程度は抑えることができるはずだ。
つまり、独身者の場合は男性も女性も、マイホーム購入というよりも不動産投資をするくらいのつもりで、慎重に物件選びをすることが重要である。それができれば、その後のライフプランの変化があったとしても、柔軟に対応できるし、金銭的な損失も低く抑えることができるだろう。
あとは、基本的に独身者の場合は、年間収支(=年間の手取り収入-年間総支出額)が毎年きちんとプラスであれば、着実に貯蓄が増えていくので大きな問題はない。65歳時点でいくら貯蓄を持っていたいかなどの貯蓄額の目標を設定し、その金額が達成できるような資金計画を立てられる物件価格を逆算してもいいだろう。
老後の生活費がどの程度必要かを予想して、返済計画を立てよう
2017年度の家計調査年報では、高齢無職世帯の平均的な収入から平均的な支出額を差し引くと、毎月約5万円の不足となり、65歳から95歳までの30年間生きるとすると、合計で約2000万円足りなくなるという試算が、「老後2000万円問題」としてメディアを賑わせた。
しかし、2019年度の家計調査年報では、毎月の不足額は3万円弱となっており、30年間の不足額は1200万円程度に下がっている。さらに、この数字は高齢無職世帯の夫婦2人の場合の数字である。独身者にとっては、いずれにしてもあまり参考にはならない数字だろう。
やはり、重要なのは家計の現状把握をきちんと行って、自分の場合はどの程度の生活費が必要になるのかを予想しておくことである。老後は1000万円もあれば十分かもしれないし、2000万円でも足りないかもしれないのだ。冷静な家計の把握が重要である。
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プロの評判・口コミ
淡河範明さん
新生銀行の住宅ローンは、手数料が5.5万円からと非常に安いので、うまく使うとおとくになります。特に「借り換え」で利用される方が多く、「新規」であっても「借入金額が大きい」「期間が短い」といったケースでは魅力的な銀行となります。
10年固定、15年固定、20年固定といった金利が低いのも特徴的です。
商品も特徴的で、介護保障保険が付帯した商品や、長く借りていると金利が下がっていく「ステップダウン金利」があるのも主要銀行ではここだけです。
審査はオーソドックスに行なっている感じです。住宅ローン処理センターで集中審査しているので、窓口のかたの力量があまり問われず、公平に審査されるという印象です。
なお、相談から審査、契約の手続きまでネットで完結できるようになりました。不安な方には、ビデオ通話で自宅から気軽に相談ができるので、コロナ禍の現状では最適な方法が用意されているようです。