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住宅ローン控除を最大化する新常識を公開!
金利1%以下なら、税金の戻りの方が多くなり、
住宅ローンが「打ち出の小槌」に生まれ変わる

2020年3月31日公開(2020年6月24日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

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住宅ローンを借りる時にぜひ利用したいのが、最大で合計500万円の税金が戻ってくる「住宅ローン控除(住宅ローン減税)」だ(2019年10月~2020年12月は、最大650万円)。高額な控除なので、なるべく多くの控除を引き出したいものだ。現在の低金利をうまく活用すれば、住宅ローンの金利支払いよりも多額の控除を使える「打ち出の小槌」状態になるだけに、しっかりと理解して控除メリットを最大化しよう。

 住宅ローン控除は、住み始めてから10年間(2019年10月~2020年12月で、消費税10%の人は13年間)にわたって、自宅の住宅ローン残高の1%が、所得税と住民税の一部から引かれる制度だ。金額が大きいだけに、この控除をあてにして、家計をやりくりしている人もいるだろう。例えば、年末の住宅ローンの残高が3000万円であれば、3000万円×1%=30万円が、所得税から引かれる。

 控除額は、性能の高い「長期優良住宅・低炭素住宅」ならば年50万円×10年=500万円と、かなり高額だ。住宅ローン控除の適用を受けるには、確定申告をしなければならないが、2年目以降はサラリーマンであれば会社の年末調整で処理できる。手続きが簡単で効果が大きい制度だ。

現在の超低金利下で住宅ローン控除で得するには、
「新常識3カ条」を守って、タイミングよく返済を!

 住宅ローン控除を活用するなら、1円でも多く税金を取り戻したいところだ。そこで、現在の超低金利下において、「住宅ローン控除で得する、繰り上げ返済の新常識3カ条」をまとめた。この3つを守りながらタイミングよく繰上返済していけば、控除額を数十万円も増やせる可能性がある。

  • 「住宅ローン控除で得する、繰り上げ返済の新常識3カ条」

  • (1)控除の対象となる住宅ローン残高まで、繰上返済

  • (2)金利1%以下なら、慌てて繰り上げ返済せず、11年目以降にする

  • (3)金利1%以上なら、積極的に繰り上げ返済(ただし1月)

それではひとつずつ解説しよう。

(1)控除対象となる住宅ローン残高まで、繰り上げ返済

 住宅ローン控除の対象となるのは、長期優良住宅・低炭素住宅なら借入残高5000万円まで、一般住宅なら4000万円までという上限がある。それぞれ、1%にあたる50万円、40万円が毎年、控除される。それを超える残高分については、手持ちの現金・預金があるのであれば、なるべく早めに繰り上げ返済してしまったほうがいい。控除の対象とならない部分は、なるくべく減らしておくのがいい。

 ただし、自分の支払っている税額(所得税+住民税の一部)が50万円、または40万円に満たない場合は、自分が支払った税金しか戻ってこないので気をつけよう。所得税は全額戻ってくるが、住民税については、「一般住宅」の場合は1年で9万7500円、「長期優良住宅、低炭素住宅」の場合は1年で13万6500円が上限となっている。自分の税額を計算してみよう。おおよそ年収800万円あれば、年間50万円の税金がフルに戻ってくる計算になる。

【住宅ローン減税額はいくらになる?】

 年収と借入額によって、住宅ローン減税額は異なる。借入額はそれぞれなので、ここでは年収別に総額いくら減税されるか(13年分)紹介しよう。

年収300万円=減税額75万円(借入額2500万円)
年収400万円=減税額175万円(借入額3900万円)
年収500万円=減税額284万円(借入額4900万円)
年収600万円=減税額371万円(借入額5900万円)
年収700万円=減税額445万円(借入額6900万円)
年収800万円以上=減税額480万円(借入額7800万円)
※4人家族、16歳以上の子ども2人、一般住宅を購入した場合で計算。控除期間は13年と仮定。

 もし、支払っている税額が50万円、または40万円に満たない場合は、「支払っている税額(所得税+住民税の一部)×100倍」が控除対象の住宅ローン残高と考えて、そこまでは繰り上げ返済するようにしよう。

 もちろん、生活資金などに必要な現金・預金まで繰り上げ返済してしまってはいけない。病気やケガ、勤めている会社の倒産時などに支払えなくなっては元も子もない。一般に生活費1年分程度を現金・預金として取っておくべきだ、というファイナンシャル・プランナーが多いので、自分のライフスタイルに合わせて預金しておきたい。

(2)金利1%以下なら、慌てて繰り上げ返済せず、11年目以降にする

 通常、現金・預金があるのなら繰り上げ返済をするのが常識だった。しかし、現在の金利動向をみると、変動金利は0.4%台で、1%を大きく割り込んでいる。支払い金利は残高×0.4%程度であるのに対して、控除で戻ってくる税金は残高×1%だ。差し引きした「金利負担」は、借金をしているのに残高×0.5%強の利益を生むことになる(下表を参照)。住宅ローン控除によって、まさに「マイナス金利の世界」をつくりあげることができる。

  住宅ローン控除は、繰り上げ返済ありとなしではどちらがお得?
(金利0.457%、残高1000万円で試算)
  対応 年間の金利負担
金利
0.457%
 繰り上げ返済なし  残高1000万円
×(金利0.457%-減税1.0%)
5.4万円の利益
 繰り上げ返済500万円  残高500万円
×(金利0.457%-減税1.0%)
2.7万円の利益

 この「打ち出の小槌状態」とも言える状態を、わざわざ縮小することはない。手持ちの現金・預金が潤沢にあっても、10年間は絶対に繰り上げ返済せずに利益を受け取り続けよう。そして11年目の1月になったら、繰り上げ返済を一気に行うのがいい。

 住宅ローン控除は毎年の年末の残高を元に控除額が決まるので、繰り上げ返済するのであれば、11年目の1月がベストなのだ。「余裕があればすぐに繰り上げ返済すべきだ」という今までの常識とは逆の対応になるので、覚えておきたい。

 なお、金利が1%以下であっても、「2019年10月~2020年12月に居住開始」かつ「消費税10%が適用」された場合は、少しややこしい。11〜13年目は、減税額の上限が「年末残高×1%」か「建物価格×2%÷3年」の低い方、と決められているからだ。

 状況によって、繰り上げ返済すべきかどうかは異なってくるので、きちんと計算しよう。

 もちろん、「(1)控除対象となる住宅ローン残高まで、繰り上げ返済」という条件もあるので、これに当てはまる人は繰り上げ返済をしよう。
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(関連記事はこちら!⇒[auじぶん銀行の住宅ローンの金利・手数料は?]

(3)金利1%以上なら、積極的に繰り上げ返済(ただし1月)

 では、金利が1%以上ならどうするのか。現在の金利動向だと、35年固定金利は1%を超えていることが多い。そのケースでは従来と同じ考えで、なるべく繰り上げ返済すべきというものだ。戻ってくる税金よりも金利の支払い金利の方が多いので、なるべく残高を減らしたほうがいいのは当たり前だろう(下表を参照)。

  住宅ローン控除は、繰り上げ返済ありとなしではどちらがお得?
(金利1.5%、残高1000万円での年間収支、計算簡略化のため毎月返済は省略)
  対応 年間の金利負担
金利
1.5%
 繰り上げ返済なし  残高1000万円
×(金利1.5%-減税1.0%)
5.0万円の支払い
 繰り上げ返済500万円  残高500万円
×(金利1.5%-減税1.0%)
2.5万円の支払い

 ただし、何月に返済するかを工夫したほうがいい。繰り上げ返済はネットで簡単にできるようになったとはいえ、毎月こまめに返済するの手間がかかるため、多くの人は年に1回程度、まとめて返済している。それならば、住宅ローン控除は12月末の住宅ローン残高を元に計算しているので、控除額が確定した直後の1月がベストなのだ。

控除枠500万円をすべて使い倒すには、
年収が約800万円以上など、高い条件がある

 ちなみに、住宅ローン控除の上限である合計500万円全額をすべて使い切るのは、なかなかハードルが高い。先ほど紹介した「繰り上げ返済の新常識3カ条」を実践しつつ、以下の3つの条件をクリアする必要がある。

住宅ローン減税500万円をすべて使い切る条件

  • (1)年収が約800万円以上(控除対象の税金が50万円以上)
  • (2)住宅ローン残高が5000万円以上をキープ
  • (3)長期優良住宅・低炭素住宅であること

 上記の条件は自分の努力ではどうにもならないものもあり、500万円全額を使い切るのはなかなか難しい。過大な期待はしないほうがいいだろう。

 また、上記の(2)住宅ローン残高が5000万円以上をキープを厳密に守ると、実は借入当初の残高が膨らんで金利支払いが増えてしまうため、必ずしも10年間トータルの収支でメリットがあるとは言えない。計算が複雑なので省略するが、まずは5000万円を切るまで繰り上げ返済し、その後は残高をなるべくキープするのがベターだ。500万円をすべて使い切ることにあまり意味はないのだ。

 住宅ローン控除の正確な金額を詳細に知りたければ、すまい給付金の計算サイトで調べられるほか、各銀行でも相談に乗ってくれる。

 なお現在、住宅ローン控除を受けている人が「借り換える場合」は、「借り換え後にも返済期間が10年以上」という条件など、気を付けるポイントがあるので、下記の記事を参考に借り換えをしよう。

【関連記事はこちら!】
⇒「マイナス金利時代の住宅ローン控除活用の新常識!金利1%未満で借り換えできたら、繰り上げ返済をせずに住宅ローン控除のメリットを最大限享受すべし!

新築・中古住宅だけでなく、
増築や100万円以上のリフォーム工事も対象

 住宅ローン控除は40年ほど前に始まり、その後、たびたび内容が見直されてきた。現在は新築住宅や中古住宅だけでなく、増築や一定のリフォームで100万円以上の工事も対象となる。年末の住宅ローン残高の1%分の税金が還付される。住宅の種類によって、控除額は異なる。

 住宅ローン控除の住宅別の「最大控除額」
 住宅の種類 最大控除額
 一般住宅(増築、リフォームを含む)  年40万円
 長期優良住宅、または低炭素住宅(同)  年50万円
 個人から中古住宅を購入(消費税が非課税)  年20万円
 個人から中古住宅を購入(ただし長期有料などの認定住宅)  年30万円

 また、控除期間は、以下のようになっている(消費税アップ対策のため複雑になった)。

 住宅ローン控除の適用期間
 居住する時期期間 控除期間
2014年1月~2019年9月  10年間
2019年10月~2020年12月  10年間(消費税8%)
または
13年間(消費税10%)
2021年1月~12月  10年間

 最大控除額は、通常の「一般住宅(増築、リフォームを含む)」が年40万円×13年=520万円、性能の高い「長期優良住宅・低炭素住宅(増築、リフォームを含む)」ならば年50万円×13年=650万円、「個人から中古住宅を購入(消費税が非課税)」なら年20万円×13年=260万円となっている。

 他にも以下の表のような条件があるので参考にしてほしい。

「住宅ローン控除」のその他の適用条件
・自己居住のための住宅取得であること   
・取得後6ヵ月以内に入居し、引き続き住んでいること   
・住宅の床面積は登記簿面積50平方メートル以上で、半分以上を居住用にしていること
・中古住宅の場合は取得日時点で築20年以内(耐火建築物は築25年以内)であること(これより古い物件の場合、「耐震基準に適合していることが証明された住宅」であるか、「購入後に耐震改修工事を行って現行の耐震基準に適合すると証明された住宅」であること)
・住宅ローンの返済期間(借入時)が10年以上あること
・社内融資等の場合は利率が1%以上のもの
・控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下であること
・入居した年とその前後の2年ずつの5年間に、長期譲渡所得の課税の特例などを受けていないこと
・適用期間中に転勤で本人が住まなくなった場合は、国内での単身赴任で家族がそのまま居住していれば引き続き控除が受けられる。それ以外の場合は中断されるが、適用期間中に再び入居すればその年(その年に賃貸に出していた場合はその翌年)から控除が再開される

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