昨今、住宅への侵入犯罪が増えていると実感する人は多いでしょう。空き巣のみならず、闇バイトによる強盗事件が各地で発生し、自分の家が狙われたらと不安に感じる方もいると思います。自身でできる対策はあるのか。今回、自宅の防犯の基本的な考え方と、家に設置して効果のある防犯アイテムついて解説します。犯行の被害に遭わないために、事前に対策しておきましょう。(防犯アドバイザー・犯罪予知アナリスト:京師美佳)
空き巣や強盗は、事前に下見してターゲットを決めている
近年、「体感的に治安が悪くなった」と感じる方が増えていますが、実際のデータからもその傾向が見て取れます。警察庁によると、日本の刑法犯認知件数は、2002年(平成14年)をピークに20年間ほど長期的には減少していたものの、2022年(令和4年)以降は再び増加傾向に転じています。
特に、住宅を狙う侵入犯罪は依然として発生しており、空き巣はもちろん、近年は闇バイトによる強盗事件の増加により、より凶悪化・組織化が進んでいます。
また、「居空き」や「忍び込み」といった、在宅中を狙う手口も存在し、「家にいるから安心」という考えは、もはや通用しない時代です。とはいえ、これらの犯罪は無差別に行われているのではありません。犯罪者は事前に下見を行い、「入りやすい」「見つかりにくい」「対策されていない」といった条件の住宅だけを狙っているのです。
この点から、防犯対策の本質は、「守ること」より「この家に入るのはやめよう」と思わせる=「狙わせないこと」にあります。犯罪者が下見を行った際に、「この家は無理だ」といかに思わせるかが大事です。
空き巣や強盗が嫌がる4原則とは
空き巣・強盗は、次の4つを嫌います。
2. 光(照らされる)
3. 時間(侵入に手間がかかる)
4. 人の目(見られる)
この4つがそろう対策がなされているほど、犯罪者としては逮捕されるリスクが高まるので、その家はターゲットから外される可能性が上がります。
さらに、警察庁のデータでも侵入に5分以上かかると約7割、10分以上かかると約9割が犯行を諦めるとされており、「時間をかけさせる設計」が極めて重要です。これは空き巣に限らず、強盗や居空きといった他の侵入犯罪にも有効な考え方です。
強盗・居空きにも共通する「狙われやすい家」
闇バイトによる強盗は、突発的で凶悪な印象がありますが、実際には「人目につきにくい」「防犯対策がされていない」「侵入しやすい構造」といった住宅を選んでいます。
それこそ、郊外の住宅街の古い住宅だと、建具が古くて壊しやすい、高齢者が住んでいる確率が高いとみて、家の中に現金があるだろうと狙われているのです。
また、居空きや忍び込みは、「無施錠のまま在宅」「無施錠のままゴミ出しや買い物の短時間の外出」「就寝中の換気で開けたままの無防備な窓」といった“生活の隙”を突いて侵入します。
つまり、すべてに共通するのは「何もしていない隙のある家が狙われる」という構造なのです。
在宅中こそ防犯が必要
特に見落とされがちなのが、在宅時の防犯です。ゴミ出しの数分、入浴中、就寝中などもきちんと施錠されているでしょうか。また、春や秋など気候が穏やかな時は、エアコンを使わずに窓を開けて過ごす方が増えるため、より狙われやすい状況になります。事実、3月、10月の空き巣被害は増加する傾向にあります。
このように、ほんの少しの気の緩みで侵入されるケースがあるので「家にいるから大丈夫」という認識は危険です。防犯は、不在時+在宅時の両方を前提に設計することが重要になります。むしろ、在宅中こそ油断せずに戸締りと防犯対策をしっかり行う必要があります。
空き巣に「この家には入れない」と思わせる防犯アイテム7選
では、空き巣や強盗に狙われないために、自宅にどんな防犯アイテムを設置して対策すればよいのか。すぐに取り入れやすい基本アイテムを7つ紹介します。具体的な商品例もお伝えしますので、購入時の参考にしてください。
1. 防犯カメラ(双方通話機能付きスマートカメラ)
防犯カメラは、監視+記録による抑止効果があります。玄関・庭・駐車場に設置することで、侵入前に「見られている」と認識させ、空き巣を寄せ付けないようにします。
また、双方向通話機能で「通報したぞ!」と威嚇し攻める防犯も可能です。闇バイトなどの強盗も敷地内に侵入してきた時点で音声で威嚇して追い払うという使い方ができます。
360度高速で首を振り、AIで人物を検出し自動追跡します。スマホでカメラの映像を確認可能。双方向通話機能付き。
2. センサーライト(人感ライト)
センサーライトは、光によって空き巣・強盗を威嚇します。突然ライトが点灯することで驚き、近所の人に「見られた」と錯覚させ、犯行をためらわせます。ドキドキしながら犯行を行う犯罪者は、強い光で威嚇されたら驚いて逃げていきます。センサーライトの効果を発揮するには、300lm(自転車の灯りほど)以上の明るさが必要になります。
《商品例》ELPA防雨センサーライト(朝日電器)
ソーラー発電式の防水LEDライトでコンセントや電池が不要。電気代がかからないのがメリットです。
3. 補助錠(ワンドア・ツーロック)
補助錠を付けることで、侵入時間を延ばす効果が狙えます。鍵が1つ増えるだけで、侵入の難易度は大幅に上がります。在宅時の施錠徹底にも有効です。
犯罪者は、侵入するのに5分かかれば7割、10分かかれば9割が諦めるため、命や財産を守る対策として、いかに時間を延ばせるかが重要になってきます。警察は、通報から平均8分ほどで駆けつけるため、約10分が犯罪者にとって全ての犯行を終わらせて立ち去らないといけないタイムリミットとなります。
《商品例》マドガチットSP(セイエイ)
スプリングが付いていることで、高齢者や女性でも簡単に設置ができ、緩みにくいのが特徴です。
4. 防犯フィルム
強盗や空き巣の大半は、窓ガラスを破って侵入してきます。そのため、防犯フィルムを使ってガラス破りを防ぎ、侵入に時間をかけさせる対策が重要になります。
国が防犯フィルムと認める厚さ350μ(ミクロン)以上のものを使う方が、5分ほど侵入時間を稼げるといわれています。防犯フィルムは鍵の部分に貼るため、出来るだけ大きいものが良いです。A3以上のサイズを選んでください。
《商品例》保険付・透明ガラス専用防犯フイルム 360ミクロン A3(ノムラテック)
保険付きで、被害にあった際に上限2万円の見舞金の給付があります。
5. 窓アラーム(開閉・ガラス衝撃センサー)
窓アラームは、窓を開けられたり、ガラスが割られたときにアラームを鳴らし侵入者を威嚇します。100dBほどの音量で鳴れば、かなり大きな音が鳴り響くので、周りに助けを求めることも可能です。また、大きな音の中では犯行を実行しにくくなるので、未遂に終わる確率も高くなります。
《商品例》ELPA薄型スリムアラーム(朝日電器)
窓ガラスの割れや衝撃音にピンポイントに反応して、大音量が鳴ります。8mmと薄いため付けても邪魔になりません。
6. 防犯砂利
防犯砂利は、ガラスを特殊加工して作られた砂利です。踏むとじゃりじゃりと大きな音が出るため、犯罪者の侵入を察知したり、侵入前に心理的プレッシャーを与えることができます。
《商品例》防犯防草のジャリ(アイリスオーヤマ)
庭の通路などに厚さ4㎝ほど敷き詰めると、しっかり音が出て効果的。雑草対策も兼ねて気軽に取り入れられるアイテムです。
7. 防犯ステッカー
防犯ステッカーには、「防犯対策している家」と認識させる視覚的な抑止効果があります。ステッカーを目立つところに貼ることで、侵入対象のターゲットから外される効果が高まります。
昨今は、外国人窃盗団による犯行も多いので、多言語のステッカーを使用するのがおすすめです。日本語・英語・韓国語・中国語・スペイン語(もしくはベトナム語)の5カ国語の防犯ステッカーが販売されています。
防犯意識の高い家とアピールすることで、犯罪者を寄せ付けないようにします。
防犯では、複数のアイテムで設計することが重要
防犯は、単体で行うよりもさまざまなアイテムを組み合わせて全体を「設計」することが重要です。さらに、犯罪者が嫌がる4原則(音・光・時間・人の目)を意識して対策していただくと、より効果的になります。
加えて、こちらからもアクションする「攻める防犯」も取り入れてください。スマートカメラから声を出して威嚇すれば、学生やお金に困っている一般人が多い闇バイトの実行犯などは、驚いて逃げ出す可能性が増します。今回ご紹介したアイテムを活用して、自衛に役立てください。
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