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不動産業界へ管理職としての転職は可能? 実際の転職事例を参考に注意点などを解説!

2022年8月14日公開(2022年8月10日更新)
梶本幸治:株式会社レコ 取締役・コンサルティング本部長

不動産・住宅業界への転職をお考えの方に対し、今回は「不動産業界へ管理職としての転職は可能か?」について、不動産会社向けの集客・教育コンサルを行っている私、株式会社レコの梶本幸治が解説いたします。

管理職を中途採用する不動産会社は少ない

不動産会社の管理職への転職
不動産会社に管理職として転職するのは難しい(出所:PIXTA)

 一般的に不動産業界は、他業界に比べ給料が高いとされています。そこで、他業界での実績や経験を活かして不動産業界へ管理職として転職すれば、より高い給与が目指せると考える方もいらっしゃるでしょう。

 ここでは、他業界から不動産業界へ管理職としての転職は可能か否かについて、私が見聞きした事例をご紹介いたします。

 なお、本コラムは「地域密着型不動産売買会社」へ「営業部門(不動産売買)の管理職」として転職することを想定し、話を進めてまいります。

 不動産売買の営業といえば、以前と比べてマシにはなったものの、実力主義・結果主義の世界であることは否めません。

【関連記事はこちら】>>「不動産売買仲介の営業」に向いているのはどんな人? 志望動機から自分の適性を見極めよう

 日々、営業目標に追いまくられる世界で、眼光鋭く案件を獲りに行く営業担当者たちを束ねる不動産営業部門の管理職は…まさに狼の群れを統率する首領といった役回りです。

 というとさすがに言い過ぎですが、ひと癖もふた癖もある不動産営業担当者たちをまとめ、営業目標の達成を会社から求められる管理職が難しい仕事であることは事実です。

 この「ひと癖もふた癖」もある営業担当者は、自らも営業担当者として実績を積み上げてきた管理職に対しては比較的従順ですが、たいした業績も残さずに管理職に登用された方には「どのくらいできるのか、お手並み拝見」といった姿勢で臨んでくることも珍しくありません。

 非常に厳しい営業の世界で生きている彼ら彼女らは「実力のある本物の管理職」は認めます。

 しかし、「理論だけ、口先だけの管理職」や「会社上層部に対するゴマすりで出世した管理職」は、その野性的な勘でスグに見抜いてしまうのです。

 従って、不動産業界未経験の方を、営業部門の管理職として中途採用する地域密着型不動産売買会社は極めて少数です。

不動産業界の管理職に転職するのは不可能ではない

 では、今回の「不動産業界へ管理職としての転職は可能か?」という問いに対する答えが「否」であるかと言いますと、必ずしもそうは言い切れません。

 では、私が見聞きした転職事例の中から、業界未経験者が不動産業界へ管理職として採用された経緯と入社後の状況についてご紹介いたします。

 とある地域密着型の不動産会社はイケイケの社風でのし上がり、最近は創業社長の息子さんが二代目社長に就任されました。創業社長は会長に退かれたようです。

 この二代目さんも先代譲りのイケイケ社長でして、同社は地域の不動産業界内でワンマンなブラック企業として武名(?)をとどろかせ続けておられます。

 しかし、そんなイケイケの二代目社長にも悩みがありました。その悩みとは、会長である父親、社長である自分自身、そして先代からの宿老とも呼べる部長連中の全てが、そろいもそろってイケイケの武闘派ばかりで、会社がマネジメントのマの字も、コーチングのコの字も知らない人間の集まりになっていることでした。

 そこで、二代目社長は外部の血を会社に入れ、マネジメントやコーチングに知見のある人を管理職(部長職)として招へいすることにしました。

 招へいするとは言っても、付き合いのある人は社内も社外も「イケイケの不動産業者」ばかり。そこで、人材採用媒体のエージェントサービスを活用することにされたそうです。

 募集する人材の条件は下記のようなものでした。

・マネジメントやコーチングに知見のある人
・不動産業の実務経験不問
・年齢・学歴不問
・年収800万円

 同社が、上記の通り中途採用の募集を進めている頃、とある中堅企業の業務部長であるAさんは、自らの転職活動に行き詰まりを感じていました。

 もともと、某大手メーカーで管理職としてマネジメントに携わっていたAさん。知人の紹介で、ある会社に50歳を少し過ぎてから転職し、業務部長職につきましたが、転職先の社長と折り合いが悪くなり、再度、転職活動を始めていたのです。

 しかし、50代半ばに差し掛かろうとするAさんを採用しようとする会社はなかなか現れません。現れないどころか、書類選考で全滅するありさま。

 「しかたない、気が合わない社長の下で定年まで我慢するか…」と思いかけた矢先、転職エージェントから紹介された会社が、上記の不動産会社だったのです。

 なにしろ「経験不問」「年齢・学歴不問」で年収800万円という、常識では考えられない破格の条件ですから、Aさんに異論のあるはずがございません。

 また、不動産会社側もAさんの大手メーカーにおける管理職経験に興味を示した結果、話はとんとん拍子に進み、Aさんは同社の営業担当部長として転職されました。

 しかし、お互いが幸せだったのはここまでだったようです。

転職できてもミスマッチが起これば不幸な結果を招く

不動産会社への転職
転職先の企業文化を理解して転職活動を行おう(出所:PIXTA)

 Aさんは入社後、自らのマネジメント経験やコーチング経験を活かし、営業部門の組織変革に向けさまざまな提案を二代目社長に行いました。

 社長も初めのうちは「さすがは大手仕込みのマネジメント理論! ウチの古株連中とは違う!」と絶賛していましたが、もともとは「切ったはった」の武闘派社長です。

 そのうち徐々にAさんの「理屈っぽさ」が鼻につくようになってきました。そして、Aさんも同社のワンマン気質、特に社長の気分次第(…のようにAさんは感じる)でコロコロ変わる朝令暮改(…とAさんは感じる)の業務命令にほとほと嫌気がさしてきたのです。

 社長は「Aはしょせん、口先だけの評論家だ。あんな奴に営業部隊を任せておくわけにはいかない」と思いますし、Aさんは「この会社はしょせん、古い体質の世襲会社だ。マネジメントの何たるかも分かっていない」と思ってしまいます。

 こうなってはもうおしまいですね。Aさんは転職1年足らずで同社を退職され、今はどこで何をなさっているか知る人はいないそうです。

 こう申し上げると、二代目社長が一方的に酷いように感じがちですが、同社では60歳手前の未経験者であるAさんに「年収800万円」という破格の給料を支払っていました。

 Aさんがこの「800万円」の給与に見合う仕事ができていなかったという自覚があったのなら、Aさんも今までの経験にこだわり過ぎず、違った提案、違った手法を考えるべきだったのかもしれません。

 前回の記事「不動産業界への転職で起こった笑えない失敗談とは? 不幸な転職にならないためのポイントを解説!」でも少し触れましたが、転職時のミスマッチは不幸を招きます。

 未経験で不動産業界にチャレンジされること、それ自体は決して悪い選択ではないと私は思っています。

 しかし、「甘い考え、甘い見通し」は悲劇を生んでしまいますので、あえて厳しい転職事例をご紹介しました。あなたの転職活動の参考にしていただければ嬉しいです。

【関連記事はこちら】>>不動産業界への転職はおすすめ? 未経験での転職で「成功する人」「失敗する人」

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