超低金利時代の到来で、多くの人に住宅ローン借り換えのタイミングが到来している。現在、住宅ローンを借りている人が、どの程度借り換えのメリットを得られるのか、様々なパターンでシミュレーションしてみた。マイナス金利の導入で金利が下がっているタイミングで、それこそ、住宅ローンを抱えている大半の人に、借り換えによる支払額カットのチャンスが巡ってきている(監修:優益FPオフィス)。
超低金利のタイミングで住宅ローンを借り換えて「0.5~1.0%低くなった」人が多数
借り換え効果を出す分岐点は、どこにあるのか。優益FPオフィス代表で、ファイナンシャルプランナーの佐藤益弘氏によれば、「かつては、金利1%低下、残額1000万円、残り期間10年間、の3条件が借り換えの目安だった。この条件で借り換えると、総支払額を約51万円節約できる計算になる。しかし、残高や残り期間が大きければ、金利は1%以下でも借り換えのメリットがある。ここで気をつけたいのは、借り換えには諸費用が30万〜80万円程度かかるということ。借り換えによる節約額が、この諸費用を上回るならやる価値がある」という。
実際、住宅金融支援機構の借り換えの実態調査によれば、全期間固定においては、金利が0.5%以上下がったという人は51%もいた。中には、2%超も金利が下がったという人もいる。
変動金利で借り換えた人の場合、「金利が0.5%超〜1%以下」も下げられたという人が最も多く、36%を占めた。金利が0.5%以上下がったという人は62%もいた。実は、金利が1%以下しか改善しなくても、メリットがあるために借り換えている人は多いのだ。
※出所:住宅金融支援機構の『2019年度 民間住宅ローン借換の実態調査』
メリットがある人は残高3000万円か、残り返済期間30年が目安
一見、借り換えメリットがないように見える金利が0.5%改善するケースについて、どんな条件が揃っていれば借り換えの恩恵を得られるのかつぶさに見てみよう。
例えば、現在、金利1.5%で借り入れをしており、借り換え後の金利が1%で、金利が0.5%改善された場合で考えよう。下の表を見て欲しい。
融資残高1000万円、残り返済期間10年で借り換えると、総支払額は約26万円減少する。借り換え諸費用が30万~80万円であることを考えると、これでは借り換えコストをまかなうことはできない。
そこで、借り換え費用の上限に近い約80万円以上のメリットがあるケースを考えると、「融資残高1000万円」かつ「残り返済期間30年」か、「融資残高3000万円」かつ「残り返済期間10年」であれば条件をクリアしている。
「融資残高2000万円」かつ「残り返済期間20年」でもメリットは109万円で、借り換えのチャンスは十分にありそうだ。金利が0.5%しか改善しなくても、融資残高が1000万円よりもはるかに大きかったり、残り返済期間が10年よりも長かったりすれば、借り換え効果があるのだ。
超低金利のタイミングで金利が0.5%以上低下する、住宅ローン借り換え候補者は?
では、住宅ローンを借りたのがいつであれば、金利を0.5%以上の引き下げることができるのだろうか。
上表のように、フラット35の最低金利は長期的には下落傾向が続いている。そのため、フラット35を借りた人であれば、2015年よりも以前に住宅ローンを借りて入れば、借り換え候補者といえる。
かなり多くの住宅ローンの借り手が、借り換えの恩恵を得られる可能性があるのだ。この低金利を機に、あなたも住宅ローンを見直してみてはいかがだろうか。
ちなみに、手続きにかかる諸費用は金融機関で異なるので、いちいちチェックしなければならず、非常に面倒だ。そこでダイヤモンド不動産研究所では主な諸費用などを金利に換算し、各金融機関が発表している表面金利と合算した「実質金利」を計算して、「住宅ローン借り換えランキング」を発表している。この実質金利が、現在の借入金利に比べて低ければ、おおむね借り換えにメリットがある可能性が高い。
また「返済額シミュレーション(借り換え)」なら、借り換えによりメリット額も試算できるので便利だ。
ただ、注意点もある。住宅ローンを借りてから半年では、借り換えに応じてくれない金融機関もある。三井住友銀行、りそな銀行などの大手行は軒並み、約款で「借り入れから2年以上、正常に返済していること」などという条件があるからだ。
一方で、ネット銀行などは半年でも借り換えできる可能性がある。ソニー銀行、楽天銀行、三井住友信託銀行は特に記載はなく、イオン銀行にしても、「過去の返済状況を確認」との記載に留まっている。
実際は、短期間での借り換えは支払い状況が分からないので受けたくないというのが金融機関の本音だが、競争激化の中で、短期間での借り換えのハードルは低くなっている。現在の超低金利のタイミングで、借りたい金融機関が決まったら、まずは相談してみるのがいいだろう。
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今回作成した「住宅ローン利用者口コミ調査」の調査概要は以下のとおり。
【調査概要】
調査日:2023年12月
調査対象:大手金融機関の住宅ローン利用者(5年以内に住宅ローンを新規借り入れ、借り換えした人)
有効回答数:822人
調査:大手アンケート調査会社に依頼
評価対象:有効回答数47以上を対象とするアンケートの設問は以下の7問。回答は5段階評価とした。なお、評価点数の平均点は小数点第2位以降を四捨五入。
【アンケートの設問】
Q1.金利の満足度は?
Q2.諸費用・手数料等は妥当でしたか?
Q3.団体信用生命保険には満足しましたか?
Q4.手続き・サポートには満足しましたか?
Q5.審査について、満足していますか?
Q6.借り入れ後の対応に満足しましたか?
Q7.他の人にも現在の銀行を勧めたいと思いますか?
【回答の配点】
・各設問は5段階で回答してもらい、Q1なら以下のように配点。平均値を求めた。
満足している(5点)
どちらかといえば満足している(4点)
どちらともいえない(3点)
どちらかといえば不満である(2点)
不満である(1点)
・総合評価については、各項目の平均値を全て合算。読者が重視する「Q1金利の満足度」については点数を3倍、「Q3団信の満足度」の点数を2倍として、点数の合計を50点満点とし、10で割ることで5点満点の数値を求めた。
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プロの評判・口コミ
淡河範明さん
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審査に関しては、めちゃくちゃ早いです。申し込んでから基本的には1ヶ月以内に融資実行ができるので、急いでいる場合にはありがたい。「今月中に融資して欲しい」とアピールすれば、審査がスムーズに運びやすいです。
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