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新型コロナウイルスで住宅ローン金利が上昇へ!? 今後おすすめの住宅ローンを徹底解説

【第45回】2020年4月16日公開(2020年7月3日更新)
千日太郎
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今回は、新型コロナウイルスの感染拡大が金利に及ぼす影響に加え、金融機関の動向をも勘案し、この状況下でお勧めする住宅ローンについて解説します。金融市場においては、新型コロナウイルスの感染拡大リスクによってかえって長期金利が上昇するという従来のセオリーから外れた金利の動きも見られるようになり、金利の先行きを見通すのが難解になっています。(住宅ローン・不動産ブロガー、千日太郎)

 こんにちは、ブロガーの千日太郎です。新型コロナウイルスの感染拡大リスクから、安倍首相が緊急事態宣言を発令しましたが、諸外国がもっと早くからより強力なロックダウンに踏み切ったにもかかわらず、感染爆発した例を見ると全く油断はできません。

 金融市場の長期金利は、将来予想を織り込んで瞬時に下落または上昇します。加えて住宅ローン金利については金融機関の思惑も絡んできますので、必ずしも長期金利と連動するとは限りません。

 「これがわかっていたら家など買わなかったのに…」

 そんな後悔の声が日々寄せられてきています。しかし、後悔ばかりしていてもしょうがありません。今、この状況でのベストを尽くすのです。

新型コロナウイルスの不況下でなぜ長期金利が上がったのか?

 金融市場の長期金利とは具体的には10年国債の利回りを言います。利回りとは投資した元本に対する成果として得られる利益が年に何%かという割合をいいます。そして、債券(ローン)の「価格」と「利回り」は逆に動きます。

 従来のパターンとして、投資家がリスクを意識すると値下がりの危険がある株式を売却し、そのお金で国債などの安全資産を買います。このため不況時は債券価格が上がり、利回りが下落するのです。

 ところが、今回の新型コロナウイルスの感染拡大リスクに対しては、長期金利が上昇するという従来とは逆の結果になりました。何が起こったのかわかりやすいように、日経平均株価と長期金利の推移を並べてグラフにしてみました。

長期金利と日経平均株価の推移

 上記のグラフのように、長期金利と日経平均は通常、連動して動くのですが、2020年3月7日あたりから株価が下落する一方で、長期金利が上昇(債券価格が下落)しています。これは投資家たちがリスク資産として株式を売り、同時に従来は安全資産として買っていた日本国債をも売り飛ばし、現金に換えていることを意味します。

 新型コロナウイルスの脅威はこれまでの戦争などの局所的なリスクを超えたところにある、人類として直面している脅威といっても過言ではありません。国債すらも危ないと考えて手放す人がいるというのはそういうことなのですよね。

日本で感染爆発が起こると超長期固定金利は上昇する可能性がある

 3月から4月にかけて超長期固定金利のフラット35の金利は0.06ポイント上昇しました。フラット35の資金は住宅金融支援機構が金融市場に住宅金融支援機構債を販売して調達しているため、市場の金利が直に反映するのです。

フラット35の金利推移

  そして、それに倣うかのように民間金融機関の30年以上の超長期固定金利もほぼ同じ幅で上昇しています(下表参照)。民間金融機関にとってはフラット35がライバルですから、連動する傾向があるのです。

超長期固定の金利推移(主要銀行)

 この記事を書いている4月12日現在では債券が買われる傾向は落ち着いており、感染者数が想定の範囲内に収まっているうちは、長期金利(10年国債金利)は0%前後で安定して推移すると思われます。しかし、感染者数が急激に増加し期待が裏切られたときには、再びヒステリックに債券が売られ長期金利が急上昇する可能性をはらんでいます。

 そして長期金利が上昇すればフラット35の金利も上昇し、それにならって民間金融機関の超長期固定金利も上昇する可能性があります。

民間金融機関の住宅ローン金利の方針は?

 では20年以下の固定金利や変動金利ではどうなるのでしょうか?

 4月7日に発令された緊急事態宣言では5月6日までという期限が切られていますが、民間金融機関が5月の住宅ローンの金利を決定するのは4月末あたりです。つまり、5月の住宅ローンの金利を決める時点においては緊急事態宣言の効果はいまだ正式に下されていない状況下での決定になるということです。

 あくまで私見ですが、日本のような比較的緩やかな規制下では、その効果の発現も緩やかであり、いかにプロフェッショナルであっても(プロフェッショナルであるだけに)なかなか難しい判断になるように思います。

 また一般的な会社の人事異動が集中する3月は終わっており、この緊急事態宣言のもとで引っ越しをするという人も珍しいでしょう。そのため、「引き渡し」=「住宅ローンの実行件数」もかなり少ないので、住宅ローンの金利を上げても下げても銀行の損益に与える影響が少ないといえます。

 こうしたことから、民間金融機関にとっては、特に事情がない限り目立って金利を変える積極的なインセンティブは無いのです。

■20年前後の固定金利は1%未満ならお勧め

 2020年4月の20年固定金利の最低金利はA銀行で、3月の0.981%から4月に0.921%に下げています(下表参照)。

20年固定の金利推移(主要銀行)

  3月から4月にかけてフラット35の金利と民間の超長期固定金利が金利を上げたのに対し、20年固定は金利を下げた、または横ばいとした金融機関が多かったため、仮に新型コロナウイルスの感染爆発があったとしても、低金利を維持する可能性があります。

 また金利が1%未満であれば、住宅ローン控除によって1%の税金のキャッシュバックがある間は住宅ローン残高が多いほど、逆に儲かりますので、お勧めです。

■10年固定金利は、おおむね横ばい

 これまで主要銀行の住宅ローンは10年固定をメインとして価格競争の様相を呈し、ほぼ限界まで下がりきっている状態で、これ以上下げると銀行が最低限の利益を取れない状態になってきます。それを裏付けるかのように10年固定金利の最低金利は3月から4月にかけて横ばいの0.550%となっています(下表参照)。

10年固定の金利推移(主要銀行)

■変動金利は、これ以上下がらない

 変動金利は日銀の政策金利の影響を受けますので、黒田総裁が政策金利を上げれば、変動金利が上がり、黒田総裁が政策金利を下げれば全ての銀行で一斉に変動金利が下がるのがセオリーです。

 こちらは、2008年リーマンショックから2020年4月までの政策金利と変動金利の基準となる短期プライムレート(短プラ)の推移を表しています。

政策金利と短期プライムレートの推移

 リーマンショック以後、日銀は景気を上向かせるために政策金利を下げることで、短プラを低い水準に抑えています。そして、日銀が政策金利をマイナス0.1%にまで下げても短プラはまったく下がらず今に至っています。

 つまり、政策金利の影響を受ける変動金利は、今の水準が底でありこれ以上は下げられない水準まで下がっているという状況なのです。

 しかし、住宅ローンを売る金融機関からすると、低金利をアピールしやすいということもあり、期間限定のキャンペーン的に金利を下げるということもあります。直近の金利動向は以下のようになっています。

変動金利の金利推移(主要銀行)

 【関連記事はこちら】>>住宅ローンの変動金利が上がる時期を大胆予測! 高い貸出金利の人が激減して、銀行が一斉に金利を引き上げるのは「2023年」

まとめ~コロナ環境下では複数の金利タイプで審査を

 新型コロナウイルスのリスク下に関連しておすすめの住宅ローンと注意すべき住宅ローンは以下のようにまとめることができるでしょう。

【おすすめの金利タイプ】
金利を下げた、「20年固定金利」と「一部の変動金利」
【やや注意すべき金利タイプ】
金利が横ばいの、「10年固定金利」と「多くの変動金利」
【注意すべき金利タイプ】
金利を上げた、「フラット35」と「超長期固定金利」

 現時点でフラット35や超長期固定金利のみで審査を通している人は20年固定や変動金利でも審査を通しておいた方がよいと思います。

 ただし、ここで書いた金利予想は一定の仮定に基づく予想ポリシーに従って導き出した千日個人の予想であり、実際の金利の動きとは異なってくる可能性は大いにあります。既に20年固定や変動金利で審査を通している人も、他の金利タイプで審査を出しておき想定外の事態に対する保険としてください。

 新型コロナウイルスの感染者は数日で急拡大することがありますし、今後、住宅ローンの実行までの間に、「どんな事件が起こり、それに金利がどう反応するのか?」を正確に予想することはほぼ不可能です。

 金利の動向も大事ですが、今の新型コロナウイルスのリスク下ではわたしたち一人ひとりが感染しないようにすることの方が大事ですよね。これから住宅ローンという人生最大級のプロジェクトを控えているのですから、金利動向以前に自分や家族が感染しないということが最優先です。

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※実質金利は、借入金額3000万円、借入期間35年、団信加入、元利均等返済、ボーナス払いなし、最優遇金利を適用として、実質金利を計算。固定期間終了後は変動金利を選択(現在の水準が継続と仮定)。実質金利の計算法はこちら。諸費用は、事務手数料等、保証料とする。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料率となる。主要銀行・金融機関の主な商品を対象とし、ランキングに掲載するのは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品のみとする。ホームローンドクター代表の淡河範明氏の協力で作成。

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