住宅ローンを借り換えるなら、今、お得なのは「固定型」ではなくて、「固定型」だろう。「固定型」には、フラット35を代表とする「全期間固定型」と、10年固定金利にような「期間固定型」の金利タイプがある。なぜ、「固定型」をおすすめするのか、解説していこう。
「今、住宅ローンを借り換えるなら、長期の固定ローンが絶対におすすめ」と、多くのファイナンシャルプランナー(FP)が口を揃える。
住宅ローンの金利には、「変動型」と「固定型」がある。
「変動型」はその名の通り、返済期間中に金利が変動し、半年に一度、その時点の市場金利に合わせて見直される。メリットは金利が低いこと。新築マンションの販売センターや住宅の展示場で、返済シミュレーションに使われるのは決まってこのタイプだ。なぜなら、金利が低ければそれだけ毎月の返済額が少なくなり、不動産会社が物件を売り込むにはもってこいだからだ。しかし、変動型は将来の金利上昇の影響をもろに受けるというデメリットがある。
一方、「固定型」には5年、10年、35年など、金利を固定する期間によっていくつかの商品がある。
なかでも、全期間の金利を固定する「35年固定型」は「変動型」とは異なり、最初に決まった金利が全期間変わらず、毎月の返済額が変わらないので、安心感がある。政府が全期間固定の「フラット35」に税金を投入して支援するのも、借り手にとって金利上昇の影響を受けにくい仕組みだからだ。ただし、これまでは金利が高かったために毎月の返済額が増え、同じ年収で借りられる金額も少なかった。
しかし、2016年2月に日銀がマイナス金利を導入して以降、異変が起きている。
2018年3月、発表された「フラット35」の金利はなんと1.38%(借入期間21年~35年、団信あり、頭金10%以上)。さらに省エネルギー住宅などは、最大10年間、金利が0.25%差し引かれる「フラット35S」もある。住宅ローン減税によって、ローン残高の1%分の所得税が控除されることを考えると、リスクの少ない長期ローンがほとんど“ゼロ金利”になっていることを表している。
なぜ、こんなことになっているのか。
銀行の10年以上の固定型住宅ローンは、長期金利を参考にして金利を決めている。その長期金利が、日銀がマイナス金利を導入して以降、下げ止まらないのだ。長期金利の指標となる「新発10年物国債」の利回りは、2016年7月にはマイナス0.295%の過去最低を記録している。
その後、下がり過ぎた10年国債の利回りはやや上昇し、プラスに転じてはいるものの、過去の金利水準からみれば、まだまだ底値圏内にあると言える。当然、住宅ローン金利も、非常に低い水準が続いている。
変動金利と35年固定の差がわずか0.759%
長期の固定金利に比べると、変動金利は大きく下がっていない。すでに金利が低く、これ以上は下がる余地が小さいからだ。そのため、「変動型」と「固定型」の金利差も縮小している。下のグラフは、新生銀行の「変動型」と「35年固定型」の金利差を示したものだ。2011年5月はその差が1.77%だったが、2016年5月は1.20%にまで縮まっている。

諸経費等を加味した「実質金利」で、2018年3月時点の「変動金利」と「35年固定金利」を比較したらどうなるか。2018年8月の金利で調べてみた。
ダイヤモンド不動産研究所が作成した「住宅ローン『実質金利』ランキング(借り換え)【35年固定・長期固定】」でトップに立った三井住友信託銀行は1.347%、「住宅ローン『実質金利』ランキング(借り換え)【変動金利】」で一番金利が低い住信SBIネット銀行は0.588%だから、その差は0.759%でしかない。
「長期間、金利を固定できる安心」が、わずか0.759%の金利差で得られるなら安くないだろうか。将来の金利上昇リスクに備えるなら今が絶好の機会だ。低金利が続く間は「変動型」で、金利が上がり始めたら「固定型」に切り替えようとしても、その時点では「固定型」の金利がもっと上がっている可能性が高い。
多くのFPが全期間固定型の「35年固定型」をすすめるのも、うなずけるだろう。
5年固定より10年固定の金利が低い異常事態
「35年固定型」以外にもう一つ、おすすめの金利タイプがある。それが「10年固定型」だ。
特に競争が激しい「10年固定型」は、銀行間の競争が激しく、毎月のように金利引き下げ競争を繰り広げている。実際、「10年固定」のほうが、「5年固定」よりも金利が低いという異常事態となっている。
【関連記事はこちら】
>> 住宅ローン『実質金利』ランキング(借り換え)【5年固定】
>> 住宅ローン『実質金利』ランキング(借り換え)【10年固定】
ただしここで注意したいのが、銀行が発表している表面金利を信用してはいけないことだ。諸経費等込みの「実質金利」となると、りそな銀行が、ずっとトップクラスの低金利を維持している。競争が厳しいため、変動金利に近い、非常に低い金利になっているので魅力的と言える。
バーゲンセール状態が続いている「35年固定型」と「10年固定型」。借り換え希望者はここを見逃す手はないだろう。
■りそな銀行の住宅ローンの概要 | |||
金利 | ⇒「りそな銀行」詳細ページを見る | ||
無料団信の保障範囲 | 死亡・高度障害 | ||
オプション保険(保険料) | ・7大リスク対応「団信革命」(金利+0.3%) ・3大疾病(金利+0.25%) |
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事務手数料(税込) | 借入額×2.20%+3.3万円 | ||
保証料(税込) | 0円 | ||
【ポイント】 大手銀行の一角で住宅ローンの獲得に積極的な姿勢を見せる。10年固定金利は諸費用を含めた実質金利でも非常に金利が低い。金利0.3%を上乗せで、16の特定状態・所定の要介護状態を保障する、他行には見られない新しいタイプの団体信用生命保険・「団信革命」を提供。特に借り換えに力を入れており、新規借入より金利・諸費用が安くお得だ。 |
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⇒りそな銀行の住宅ローンの金利・金利推移・手数料(新規・借り換え) は? 変動・10年固定のWEB限定商品が低金利!
132銀行を比較◆住宅ローン金利ランキング[借り換え] (⇒ 新規借入はこちら) |
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【2022年7月最新版、主要銀行版】 「変動金利」住宅ローン金利ランキング(借り換え) ※借入金額2500万円、借入期間30年
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1位
実質金利
(費用等含む)表面金利
(費用等除く)手数料
(税込)保証料 0.440% 0.289% 借入額×2.2% 0円 【注目ポイント】「全疾病」+「がん50%」保障が無料付帯。au金利優遇割は、au回線とじぶんでんきをセットで契約された場合に適用されるプラン
【auじぶん銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
- 三菱UFJ銀行とKDDIが共同で立ち上げたネット銀行で、変動金利は業界トップクラスの低金利
- 無料団信が充実しており、がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」のほか、「全疾病保障」「月次返済保障」が無料で付帯
- ネットだけで契約を完了でき、仮審査は最短当日回答、本審査は最短2~3営業日で回答など、審査スピードも速い
(審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。au金利優遇割は、au回線とじぶんでんきをセットで契約された場合に適用されるプラン。審査によっては、割引が適用されない場合がある)(変動金利(全期間引下げプラン)と、固定35年(当初期間引下げプラン)は、2022年6月現在の金利にau金利優遇割および金利引下げキャンペーンの金利引下幅を適用した金利であり、実際の借入日の金利により変動する。審査の結果によっては、本金利プランおよび本キャンペーンを利用できない場合がある)
auじぶん銀行の住宅ローンの詳細
手数料・保証料は?
手数料(税込) 融資額×2.20%(税込) 保証料 0円(審査の結果、保証会社を利用する場合があるが、保証料相当額は金利に含まれており、別途、保証料は発生しない) 繰上返済手数料(一部) 0円(1円以上1円単位) 繰上返済手数料(全額) ・変動金利/0円
・固定金利/3万3000円(税込)団信(団体信用生命保険)は?
無料の団信 一般団信
(借入時年齢:65歳以下)
+がん50%保障団信
(借入時年齢:50歳以下)
+全疾病保障団信
(借入時年齢:50歳以下)
+月次返済保障団信
(借入時年齢:50歳以下)
無料
(死亡・高度障害と診断された場合。または、すべてのけが・病気で入院が180日超の場合、ローン残高が0円。がんと診断された場合、ローン残高が半分)オプション(特約)の団信 - がん100%保障団信
(借入時年齢:50歳以下)
金利+0.10%
(死亡・高度障害状態、がんと診断された場合。または、すべてのけが・病気で入院が180日超の場合、ローン残高が0円)
※2022年5月2日以降借り入れの顧客が対象 - 11疾病保障団信
(借入時年齢:50歳以下)
金利+0.20%
(死亡・高度障害、がんと診断された場合。または、10種類の生活習慣病で入院が180日超の場合、ローン残高が0円)
※2022年5月2日以降借り入れの顧客が対象 - ワイド団信
(借入時年齢:65歳未満)
金利+0.30%
(死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円)
審査基準は?
借入額 500万円以上、2億円以下 借入期間 1年以上35年以内(1ヶ月単位) 融資を受けられるエリア 全国 使いみち 本人または家族が住むための以下の資金
・戸建・マンション(中古物件含む)の購入資金
・戸建の新築資金
・他の金融機関で現在借入中の住宅ローンのお借換え(住宅ローンとリフォームローンの一括での借り換えを含む)資金
・上記に伴う諸費用年収(給与所得者) 200万円以上 勤続年数(給与所得者) ー 年収(個人事業主等) 200万円以上 事業年数(個人事業主等) ー 年齢(借入時) 満20歳以上〜満65歳未満 年齢(完済時) 満80歳の誕生日まで その他条件 ー 自社住宅ローンについて解説 参考:auじぶん銀行の公式サイト
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2位
実質金利
(費用等含む)表面金利
(費用等除く)手数料
(税込)保証料 0.481% 0.330% 借入額×2.2% 0円 【注目ポイント】借り換え(変動金利)は、▲0.05%引き下げキャンペーン実施中(2022年7月1日~2022年9月30日)
【PayPay銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
- 割引サービスなどを併用しなくても、変動金利は業界最低水準
- 審査結果によって金利が上がることがない、安心の一律金利
- がん100%保障団信が、わずか0.1%の上乗せで加入できる
PayPay銀行の住宅ローンの詳細
手数料・保証料は?
手数料(税込) 借入金額×2.20% 保証料 0円 繰上返済手数料(一部) ホームページでの手続き:無料
電話での手続き:5,500円(税込)繰上返済手数料(全額) 手数料:33,000円(消費税含む)
PayPay銀行住宅ローンセンターに電話で申し込み団信(団体信用生命保険)は?
無料の団信 一般団信
(借入時年齢:65歳未満)
+一般団信プラス
(借入時年齢:51歳未満)
+がん50%保障団信
(借入時年齢:51歳未満)
無料
一般団信プラス(死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円。がんと診断された場合、100万円の給付金。または、がん先進医療を受けた場合は、通算1000万円まで給付金)
がん50%保障団信(死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円。また、がんと診断された場合、ローン残高が半分)オプション(特約)の団信 - がん100%保障団信
(借入時年齢:51歳未満)
金利+0.10%
(死亡・高度障害、がんと診断された場合、ローン残高が0円。または、がんと診断された場合、100万円の給付金。上皮内がん・皮膚がんと診断された場合、50万円の給付金) - 11疾病保障団信
(借入時年齢:51歳未満)
金利+0.30%
(死亡・高度障害、がんと診断された場合。10種類の生活習慣病で入院が180日超の場合、ローン残高が0円。または、がんと診断された場合、100万円の給付金。上皮内がん・皮膚がんと診断された場合、50万円の給付金。病気やけがで入院が連続5日以上の場合、10万円の給付金) - ワイド団信
(借入時年齢:65歳未満)
金利+0.30%
(死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円)
審査基準は?
借入額 500万円以上2億円以下 借入期間 1年以上35年以内(1ヶ月単位) 融資を受けられるエリア 全国 使いみち 本人が住む住宅に関する以下の資金
・戸建またはマンションの購入(中古物件を含む)
・戸建の新築・現在借入中の住宅ローンの借り換え
・上記に伴う諸費用年収(給与所得者) 200万円以上 勤続年数(給与所得者) ー 年収(個人事業主等) 原則、利用不可 事業年数(個人事業主等) ー 年齢(借入時) 65歳未満 年齢(完済時) 80歳未満 その他条件 ー 自社住宅ローンについて解説 参考:PayPay銀行の公式サイト
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3位
実質金利
(費用等含む)表面金利
(費用等除く)手数料
(税込)保証料 0.501% 0.350% 借入額×2.2% 0円 【新生銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
- 事務手数料は5.5万円からと、非常に安い
- 事務手数料を11万円支払った場合、要介護状態になると住宅ローン残高がゼロになる「安全保障付団信」が付く。また、事務手数料を16.5万円支払った場合には、急病の子供を預かったり、家事代行をするなどの充実したオプションサービスを用意している
- 長期固定には「ステップダウン金利」と「長期固定金利」がある。ステップダウン金利タイプは、10年後以降、5年ごとに金利が当初金利の10%分ずつ下がる
新生銀行の住宅ローンの詳細
手数料・保証料は?
手数料(税込) 【通常商品】5万5000円~
【変動フォーカス】借入残高×2.2%
【ステップダウン金利】16万5000円保証料 0円 繰上返済手数料(一部) 0円(1円以上1円単位) 繰上返済手数料(全額) 0円。電話にて連絡
(安心パックW(ダブル)の場合、借り入れ日から5年以内に完済すると、繰上返済手数料として完済時に別途165,000円必要)団信(団体信用生命保険)は?
無料の団信 一般団信
(加入時年齢:65歳以下)
無料オプション(特約)の団信 - 安心保障付団信
(加入時年齢:65歳以下)
11万円
(要介護3以上。または、所定の状態が180日超と診断された場合、ローン残高が0円)
審査基準は?
借入額 500万円以上1億円以下
(ステップダウン金利タイプは、2000万円以上、1億円以下)借入期間 5年以上35年以内 融資を受けられるエリア 全国 使いみち 本人または家族が居住するための、
●戸建・マンション(中古物件を含む)の購入資金
●戸建住宅の新築資金
●戸建・マンションにかかる他の金融機関で現在借入中の住宅ローンの借換資金
●戸建・マンションのリフォーム資金
●上記にかかる諸費用
●延床面積で50平米以上(マンションの場合は専有面積30平米以上)
●住居専用、もしくは店舗や事務所との併用住宅(住居部分が延床面積の50%以上で、併用部分(店舗・事務所)は、自己使用であるものに限る)であるもの年収(給与所得者) 300万円以上 勤続年数(給与所得者) 2年以上 年収(個人事業主等) 300万円以上(2年平均) 事業年数(個人事業主等) 2年以上 年齢(借入時) 65歳以下 年齢(完済時) 80歳未満 その他条件 ー 自社住宅ローンについて解説 参考:新生銀行の公式サイト
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