ちょっとした不注意で携帯代金の支払いが遅れたことが個人信用情報機関に登録され、住宅ローンが借りられなくなる可能性があることを知っているだろうか。また、たまたま申し込んだ金融機関の審査が非常に厳しく、住宅ローンの審査が通らなかったとき、その記録に残っているために、次に住宅ローンを申し込んだ金融機関からも審査に落とされてしまうことがある。そんな残念な結果に陥ってしまわないよう、住宅ローン審査の中でも「信用情報」に関する知っておきたい5つのポイントを紹介しよう。
金融機関が住宅ローンの審査を行う際、対象となる物件の価値もさることながら、申し込んだ人の「信用情報」(ローンやクレジットの契約内容や返済・支払い状況についての情報)は非常に重要な意味を持つ。うっかりしていると、借入額を減らされたり、場合によっては審査に落とされたりするかもしれないので、気を付けよう。以下、知っておきたい5つのポイントを紹介する。
「信用情報」で気を付けるポイント(1)
高額な携帯電話の分割払いは、ローンの一種
最近のスマートフォンは高機能化しているため、端末の価格が10万円近い高額なものもある。こうした高額な端末を一括で購入するのは大変なので、通常は携帯電話会社とユーザーが、24回払いなどの分割(割賦)払い契約を組むことが多い。この契約はローン、クレジットといった契約の一種であり、個人信用情報機関に登録されている。そのため万が一、携帯料金を支払い忘れたり、遅延したりした場合、その契約が終了してから5年間は、延滞したという記録が残ってしまうのだ。
住宅ローンの審査では、過去のローン、クレジットの支払い状況を必ずチェックする。携帯電話の割賦支払いが遅延したことも見逃さないので、単なる支払い忘れで延滞記録がついてしまったという人は、金融機関にその旨を自ら説明してもいいだろう。
それでも審査に通らなかった場合は、その延滞記録のある契約が終了してから5年たてば、情報が抹消されるので、それまで待つのがいいだろう。
「信用情報」で気を付けるポイント(2)
過去の支払い遅延履歴が影響することもある
金融機関は過去の借り入れで延滞などを起こしていないかも必ず確認する。延滞があった場合の判断は金融機関によって異なり、過去に1件でも延滞があると借り入れができない銀行もあれば、延滞の理由を考慮してくれる銀行もある。延滞、さらには代位弁済(保証会社による銀行への立て替え払い。その後は保証会社が取り立てる)まで行われた場合は、契約終了から5年間は延滞等の記録が残る。
また、自分だけでなく、連帯債務者、連帯保証人についても申込人と同様の内容の確認が行われる。「自分は大丈夫」と思っていても、相手の信用情報に問題があるケースも考えられる。
なお、過去に自己破産したことのある人の借り入れは難しい。自己破産の決定日から10年間は情報が登録されてしまう。さらに、何社もの消費者金融から多額の借り入れがある人(多重債務者)、勤務先の経営状態に不安がある人なども、基本的に住宅ローンの借入れは難しいと言われる。
日本には主要な個人信用情報機関が3つあり、自分の信用情報は見ることができる。自分がどの程度ローンやクレジットをすでに抱えているのかを調べたり、過去の延滞記録が5年経ってきちんと消されているか、などを確認することができる。なお、3機関は延滞記録については相互に情報を交換しているため、一部の個人信用情報機関だけに加盟している金融機関でも、幅広い信用情報を見ることができる。
・主に銀行、信用金庫などが登録 全国銀行個人信用情報センター
・主にクレジットカード会社が登録 シー ・ アイ ・ シー
・主に消費者金融などが登録 日本信用情報機構
「信用情報」で気を付けるポイント(3)
税金などの滞納は住宅ローンに影響しない
税金や社会保険料を延滞したことがある人は、住宅ローンを借りられるのだろうか。
基本的に、税金や社会保険料、あるいは水道代、電気代などの支払い情報は、信用情報機関に登録されることはない。そういう意味では影響はないといえるが、滞納によって銀行口座が差し押さえられたりしたことに銀行が気付けば、住宅ローンの借入れは難しいだろう。
ただし、税金の滞納は、納税証明書に記載されてしまうので、自営業者など確定申告をしているような人はバレることになる。また、国民健康保険を滞納すると、「短期保険」などになるので、やはり金融機関に知られてしまうだろう。
一方、最近はクレジットカードで税金などを支払うケースが増えているが、クレジットカードの返済が滞れば信用情報機関に登録され、銀行の審査でひっかかることになる。
住宅ローンをスムーズに借りるためには、滞納などをしないことはもちろん、クレジットやキャッシングなどの借入れは事前に返済しておくほうがいい。
「信用情報」で気を付けるポイント(4)
他の金融機関に住宅ローンを申し込んだ記録は6ヵ月で消える
実は、金融機関に住宅ローンを申し込んだ場合、審査に通った、落ちたは関係なく、「いつ、どの金融機関に、住宅ローンを申し込んだか」という記録が個人信用情報機関に登録されてしまう。
例えば、たまたま非常に審査が厳しい金融機関に住宅ローンを申し込んで通らなかった場合、次に申し込んだ金融機関は、すでに他の金融機関で申し込みをしていることが分かる。審査に通ったかどうかは記録されていないが、おおむね1カ月以上の期間が空いていれば、「最初の金融機関で審査に落ちたのだろう」と容易に推察されてしまう。本来なら審査を十分クリアできる金融機関でさえ、前の金融機関が審査で落とした疑いがあれば、「何か問題があったのではないか」と考えて、審査を通さないというケースもありうる。
対策は2つある。
1つは、連続して複数の金融機関から審査にはねられた場合、住宅ローンを申し込んだという記録は6カ月で抹消されるので、最後の金融機関に申し込んでから6カ月は何もせず待とう。「住宅ローンを申し込んだ」という情報がリセットされるので、改めて他の金融機関にあたってみよう。
もう1つの対策は、最初から複数の金融機関に同時に住宅ローンを申し込んでしまえばいいのだ。ただし、あまりにも多くの金融機関に同時に申し込むと逆に不自然なので、数カ所に留めておくのがベターだろう。
「信用情報」で気を付けるポイント(5)
返済負担率は、他の借入れを含めて判断される
住宅ローンの審査にあたって金融機関が気にするのは、将来にわたってきちんと返済してくれる人かどうかという点だ。そのため、年収およびそれに対する返済額の割合(返済負担率)は最も重要な審査ポイントとなる。返済負担率は、多くの金融機関で35%程度を上限としている。
この返済負担率の審査にあたっては、これから借りる住宅ローンだけでなく、すでに借りているローンやクレジットも返済額としてカウントされるので注意したい。例えばマイカーローンや教育ローン、クレジットカードの分割払いやリボ払い、スマートフォンの機種代金の分割払いなども対象になる。
ひとつひとつは少額でも全部まとめると、本人も気付かないうちに結構な金額になることがある。また、クレジットカードはたとえ利用額が少なくても、利用限度額を合算して負債とみなされてしまうことがある。使わないクレジットカードや消費者金融のカードは、必要なもの以外は退会・解約しておいたほうがいいだろう。
132銀行を比較◆住宅ローン実質金利ランキング[新規借入] |
132銀行を比較◆住宅ローン実質金利ランキング[借り換え] |
【金利動向】おすすめ記事 | 【基礎】から知りたい人の記事 |
【今月の金利】 【来月の金利】 【2024年の金利動向】 【変動金利】上昇時期は? 【変動金利】何%上昇する? |
【基礎の8カ条】 【審査】の基礎 【借り換え】の基礎 【フラット35】の基礎 【住宅ローン控除】の基礎 |
新規借入2024年12月最新 主要銀行版
住宅ローン変動金利ランキング
※借入金額3000万円、借入期間35年で試算
- 実質金利(手数料込)
- 0.413%
- 総返済額 3218万円
- 表面金利
- 年0.284%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 75,045円
①「がん・4疾病50%+全疾病+月次返済保障」が無料!
②住宅ローン金利優遇割ならダントツの低金利
③三菱UFJ銀行とKDDIが立ち上げたネット銀行。ネット申し込みで、全国に対応
- 実質金利(手数料込)
- 0.512%
- 総返済額 3271万円
- 表面金利
- 年0.375%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%+33000円
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 76,229円
①注文住宅なら、分割融資に対応でお得
②手数料不要の「借入時負担ゼロ型」は、将来住み替えを考えている人におすすめ
③中古物件でもリフォーム資金含めて借り入れが可能
- 実質金利(手数料込)
- 0.531%
- 総返済額 3281万円
- 表面金利
- 年0.390%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%+55000円
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 76,426円
①「団信革命」は要介護まで保障も
②自社商品なら、最大3億円まで借り入れOK!
③【期間限定】WEB完結金利優遇キャンペーン実施中。変動金利が年0.390%~
-
住宅ローン利用者口コミ調査の詳細を見る
-
今回作成した「住宅ローン利用者口コミ調査」の調査概要は以下のとおり。
【調査概要】
調査日:2023年12月
調査対象:大手金融機関の住宅ローン利用者(5年以内に住宅ローンを新規借り入れ、借り換えした人)
有効回答数:822人
調査:大手アンケート調査会社に依頼
評価対象:有効回答数47以上を対象とするアンケートの設問は以下の7問。回答は5段階評価とした。なお、評価点数の平均点は小数点第2位以降を四捨五入。
【アンケートの設問】
Q1.金利の満足度は?
Q2.諸費用・手数料等は妥当でしたか?
Q3.団体信用生命保険には満足しましたか?
Q4.手続き・サポートには満足しましたか?
Q5.審査について、満足していますか?
Q6.借り入れ後の対応に満足しましたか?
Q7.他の人にも現在の銀行を勧めたいと思いますか?
【回答の配点】
・各設問は5段階で回答してもらい、Q1なら以下のように配点。平均値を求めた。
満足している(5点)
どちらかといえば満足している(4点)
どちらともいえない(3点)
どちらかといえば不満である(2点)
不満である(1点)
・総合評価については、各項目の平均値を全て合算。読者が重視する「Q1金利の満足度」については点数を3倍、「Q3団信の満足度」の点数を2倍として、点数の合計を50点満点とし、10で割ることで5点満点の数値を求めた。
132銀行の住宅ローンを比較 >>返済額シミュレーションで、全銀行の金利を一気に比較・調査
|
- 年収に対して安心して買える物件価格は?
-
- ・年収200万円で妻が妊娠中の家族の上限は1600万円!?
- ・年収250万円の単身者の上限は1800万円!?
- ・年収300万円の4人家族の上限は1800万円!?
- ・年収350万円の2人家族の上限は2100万円!?
- ・年収400万円の単身者の上限は2500万円!?
- ・年収450万円の4人家族の上限は2000万円!?
- ・年収500万円の4人家族の上限は3000万円!?
- ・年収600万円の3人家族の上限は3500万円!?
- ・年収600万円の40代独身の上限は3000万円!?
- ・年収700万円の共働き夫婦の上限は5000万円!?
- ・年収800万円の3人家族の上限は4500万円!?
- ・年収1000万円の30代4人家族の上限は5000万円!?
- ・年収1000万円の40代4人家族の上限は3500万円!?
- ・年収1000万円の50代夫婦の上限は3000万円!?
※サイト内の金利はすべて年率で表示
プロの評判・口コミ
淡河範明さん
auじぶん銀行の魅力は、業界トップクラスの変動金利です。変動金利が大好きな人なら、最上位にすすめたいですね。最大2億円まで借りられるのも大きなポイントです。
審査に関しては、めちゃくちゃ早いです。申し込んでから基本的には1ヶ月以内に融資実行ができるので、急いでいる場合にはありがたい。「今月中に融資して欲しい」とアピールすれば、審査がスムーズに運びやすいです。
団信では「がん・4疾病50%保障団信」が無料で付いているので、通常の団信より手厚いと言えます。通常、保障を厚くするのであれば、金利を上乗せする必要がありますが、無料でつくのは魅力です。