じぶん銀行住宅ローンの公式サイト
おすすめ住宅ローン徹底比較
2020年2月5日公開(2020年2月6日更新)
山下和之

山下和之(やました・かずゆき)1952年生まれ。編集制作会社勤務を経て株式会社山下事務所設立。住宅・不動産分野を中心に新聞・雑誌・ホームページ・単行本等の取材・原稿制作のほか、各種セミナー講演、メディア出演などを行う。主な著書に『家を買う。その前に知っておきたいこと』(日本実業出版社)、『マイホーム購入トクする資金プランと税金対策』(学研プラス)、『2017~2018年度版住宅ローン相談ハンドブック』(近代セールス社)などがある。ブログも運営している。

»バックナンバー一覧
バックナンバー

フラット35を投資目的で不正利用した人の末路は? 一括返済できないと競売後に借金が残るケースも

昨年発覚した、住宅ローン「フラット35」の不正利用。フラット35を使って購入した物件には、契約者本人が住んでいることが条件なのだが、投資用物件に対して利用したケースや、物件価格を水増しして多額のローンを組むということが行われた。契約者の多くは住宅ローンの知識が薄い層で、不動産仲介業者に勧められてこのような契約をしたのだと考えられるが、それが今回、一括返済を求められることになった。(住宅ジャーナリスト・山下和之)

フラット35 不正利用
2019年に発覚したフラット35の不正利用。契約者はどうなってしまうのだろうか?

 住宅金融支援機構と民間が提携して実施されている住宅ローンのフラット35。最長35年の全期間固定金利型で、完済までの金利が確定、返済額が変わらないので安心して利用でき、金利水準も全期間固定金利型としては低い水準に抑えられているため、月間1万件前後の利用者がいる人気商品だ。

 ところが、これを投資目的の物件取得で利用する不正利用が発覚、大きな社会問題になった。住宅金融支援機構では独自に調査を行って、その結果を踏まえた再発防止策を講じているが、事件の顛末、そして不正利用した人たちはどうなるのかをレポートする。

合計162件に不正利用の疑いが浮かび上がる

 フラット35を推進している住宅金融支援機構は、もともと国の予算を使って融資を行ってきた住宅金融公庫の継承機関であり、独立行政法人として公的な存在でもある。したがって、フラット35は国民の住生活充実のためのローンであり、投資目的には利用できないことになっている。

 そのフラット35が、2018年9月に「不正に利用されている」という外部からの情報提供があった。住宅金融支援機構が調査を進めた結果、2019年5月には113件、さらに8月に別途49件の不正利用の疑いが明らかになった。合計すると不正の疑いがあるのは162件になった。

 同機構では不正利用の疑いのある案件に関する聞き取り調査などを行い、その結果を、図表1にあるように、まず2019年8月に公表、追加で疑いが浮かび上がった案件に関しても12月に公表した。

投資目的での申し込みと、住宅購入価格の水増しの不正利用

 明らかになった不適正利用の内容は、大きくは本来あってはならない投資目的での利用と、申込み時の住宅価格を不正に水増しして、多額の融資を受けるという2点で、その両方ともに行ったケースが大半を占めている。

 この不正利用を主導したのは、中古マンションなどの住宅売主と不動産仲介会社などのグループで、投資を勧誘する紹介者、サブリース業者などを巻き込んで利用者を勧誘していたことが明らかになっている。

 利用者は、投資用の物件を手に入れられる上に、契約書の改ざんなどによって水増し融資を受けて、現金を手に入れることができる。

 しかも、投資用物件のローンは、自己居住用のローンに比べて金利が高いのが普通。不動産投資用ローンは2%、3%台が中心だが、フラット35は1%前後で利用できる。そのため、不動産投資の収益が向上し、賃料収入でローン返済のほとんどをカバーでき、持ち出しはゼロで済む――などと勧誘されたものとみられる。

フラット35不正利用調査結果

 ※「不正の疑いのある合計162件のうち、公表時点で面談拒否等の理由から不適正利用の事実を確認できていなかった15件についても、1件で融資申込み時からの投資目的利用及び住宅購入価格の水増しを確認し、14件で少なくとも住宅購入価格の水増しという不適正利用の事実があることが確認されています」(2020年1月時点の住宅金融支援機構経営企画部広報グループの追加コメント)

中古住宅の売主の事業者が中心になって、不正を誘導

 これによって、住宅売主の担当者は営業実績を上げることができ、歩合収入を得たり、社内での地位向上につなげようとする狙いがあっただろう。

 その勧誘先として、住宅の取得や不動産投資への関心が低そうな層が狙い撃ちされている。住宅金融支援機構が不正利用の疑いがある利用者に聞き取り調査を行ったところ、図表2のような傾向が浮かび上がったそうだ。

 年齢は30代前半までが中心で、年収も300万~400万円台が多い。本来、マイホーム取得の適齢期はそれより少し上の30代半ばから40代で、年収も500万円以上になる。いわば、プレマイホーム適齢期で、住宅や住宅ローンに対する知識もさほどない人たちが狙い撃ちされたのではないだろうか。

フラット35不正利用調査結果 住宅購入者および物件の特徴
表を拡大 資料:住宅金融支援機構ホームページ

住宅売主や仲介会社などには行政処分の可能性も

 以上のような点を踏まえて、住宅金融支援機構では不正に関与した事業者や個人、そしてフラット35利用者に対して厳正に対応すると同時に、再発防止策を実施する。

 住宅金融支援機構はこの不正を誘導した事業者や個人を罰する権限は持たないものの、国土交通省などの行政に通告しており、今後、国土交通省や自治体から行政処分などの措置が行われる可能性もある

 フラット35の不正利用者に対しては、原則的に一括返済を求めている。2016年度から2017年度の借り入れが大半なので、残高はほとんど減っていない。仮に2000万円の借入額であれば、1800万~1900万円程度の現金が必要になる。

 先の購入者の特性をみると、そんな現金をポンと用意できる人はまずいないだろうし、親に肩代わりしてもらうことなどが現実な対応になりそう。信用力があれば、別の金融機関で借り入れを行って借り換えるといった手もあるだろうが、先の購入者の特性をみると、多くの人は難しいだろう。

不正利用者は一括返済が求められ、できない場合は競売に

 それができないとどうなるのか――。

 住宅金融支援機構によると、「長期の延滞が発生した場合と同様に、競売にかけて代金を返済していただきます」とのこと。競売だと、市場の相場より安く落札されることが多いので、とても残高に達しないとみられるが、その不足分に関しては何年かかけて返済していかなければならない。たとえば、2000万円の借入額で取得した物件が、1500万円で落札されたとすれば、差額の500万円を5年、10年かけて返済することになる。

 当初の借入額が水増しされている場合には、もっと差額が大きくなる可能性もあるだろう。

 つまり、フラット35を不正に利用した人からみれば、取得した物件を失った上で、借金だけが残るという悲惨な結果になるわけだ。

本当にローンが必要なときに利用できなくなる!?

 しかも、その住宅ローン履歴が信用情報機関の「ブラックリスト」に掲載されてしまう可能性がある。信用情報機関では、借金やローンの返済状況、クレジットカードの支払い状況などのほか、過去のローン事故などについても情報を収集している。住宅ローンを行う金融機関では、審査に当たってこの信用情報機関からの情報を必ずチェックする。そのとき、不正利用の履歴が残っていると、本当に必要になったときに利用できなくなってしまうのだ。

 利用者からすれば、業者に勧められるままに軽い気持ちで利用してしまった、不正とは知らなかった、悪意はなかったといっても通用しない。

 こうした悪質業者は、忘れたころにまた現れるものだが、絶対に乗せられないようにしたいものだ。

再発防止のために審査が厳しくなる可能性も

 一方、住宅金融支援機構では不正利用を防ぐための再発防止策も打ち出している。

  • (1)利用者への注意喚起の徹底
    ア.フラット35は投資用物件の取得には利用できないことを、機構ホームページ、各種パンフレット、新聞広告などで徹底。

    イ.取扱金融機関の借入時の面談などで、利用者に投資用物件の取得には利用できないことを説明した上で、説明を受けた旨の署名・捺印した書面の提出を求める


    (2)融資審査の強化
    ア.取扱金融機関に対して、不正防止のために、不正利用事案の特徴などを記載した注意喚起文書を通知

    イ.取扱金融機関向けの説明会などを開催、不適正利用の実態、未然防止のための審査ポイントを共有、審査強化の働きかけを実施


    ウ.不適正利用が疑われる案件の融資審査の強化

借り入れ後に金融機関などから問い合わせが入ることも

 融資審査の強化に関しては、住宅金融支援機構では具体的な対策に触れてはいないものの、今回の不正利用の特徴などに照らして、融資住宅に居住していない可能性があるとみられる案件に関しては、住民票での確認、直接の問い合わせなどの確認の徹底を行うようになるのではないかと予想される。

 特に、若くて、まだ年収もさほどないなかで、頑張ってマイホームを取得した人は、問い合わせなどの対象になる可能性が高い。もちろん、不正をしていなければ、びくびくする必要はないし、堂々と本人が居住していることを伝えれば問題はない。

 年収や自己資金などの面から、マイホームや投資用物件取得はまだ少し先と考えているなか、おいしい話がくれば飛びつきたくなるかもしれないが、くれぐれも悪質な不正に誘導されないようにしていただきたいものだ。

転勤等による一時的な賃貸は認められるが

 以上のように、賃貸目的でのフラット35の利用は禁止されているが、フラット35によって取得した住宅を一時的に賃貸住宅にできる例外的なケースもある。

 たとえば、住宅取得後に転勤などよって、一時的に居住できなくなったときには、一定期間後に融資を受けた住宅に戻ることを前提に、賃貸での運用が可能だ。あくまで「一時的に居住できず、いずれ戻ってくる」というのが前提だ。「結婚を機に、配偶者の家に住むようになったので人に貸す」というのは、認められない可能性があるということだ。(※編集部注を参照)

 この場合、事前に取扱金融機関で住所変更などの手続きを行う必要がある。当然ながら、融資対象の住宅に「一時的に住まない」ことになるので、その間の住宅ローン減税は受けられない

 不正利用の発覚を機に、「一時的に賃貸に出す」ことについても、運用が厳格化される可能性もありそうだ。

 なお、2009年に施行された、「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」(返済猶予法)後に、返済が苦しくなったときには賃貸住宅に回して、賃料で返済することを認める措置が実施されたことがある。

 この法律は2013年に期限切れになっているが、現在も、返済が苦しい場合には、機構は個別に返済相談に応じている。返済が苦しいからといって、自分の判断で機構に無断で賃貸するのではなく、事前に取扱金融機関で可能かどうかを相談して、慎重に対応しないと、やはり一括返済を求められる可能性があるので、十分に注意が必要だ。

※編集部注:フラット35は、賃貸に出せる基準を明記はしていないが、提出書類の賃貸に出す理由欄には、「転勤・転職、長期出張、療養・介護、教育、その他(該当がない場合には具体的な理由をその他にご記入ください)」を選ぶように記載されている。そのため、上記の理由であれば、一時的に賃貸に出すことは認められやすいと考えられる。出典:住宅金融支援機構「ご返済開始後の注意事項について」https://www.jhf.go.jp/faq/hensai3_2.html
 
◆住宅ローン実質金利ランキング[新規借入]
◆住宅ローン実質金利ランキング[借り換え]
住宅ローン返済額シミュレーション 借入可能額シミュレーション

 

【金利動向】 【住宅ローンの基礎】
>>【最新版】金利動向
>>【翌月の金利】を予想
>> 2020年の金利動向
>> 変動金利の上昇時期は?
>> 基本「8カ条」
>>「審査」の基本
>>「借り換え」の基本
>> フラット35はどの銀行がいい?

【注目の記事はこちら】(クリックで該当する情報へ移動します)
【金利】18銀行の住宅ローン金利動向をプロが解説(毎月更新)
金利】変動金利が上がる時期を大胆予測! 2023年?
【読み物】東京の年収700万円台世帯は破綻必至!貯金は月2万円弱!
借換】多くの人は「高い変動金利」が適用!300万円もうかる人も
【諸費用】手数料・引越し代なども借りられる銀行は?18銀行で比較
【審査】「審査基準」を18銀行で比較!年収100万円、勤続6カ月で大丈夫?
 <Sponsored Content>じぶん銀行は、「がん+全疾病」の団信が無料付帯!

【2020年6月最新版】競争が激しく、過去最低水準の低金利!
◆「変動金利」住宅ローン金利ランキング(新規借入)
※借入金額2500万円、借り入れ期間35年(詳細な条件は表組の下に記載)
順位 銀行名 <商品名>
実質金利
(費用等含む)
表面金利
(費用等除く)
保証料
(税込)
事務手数料
(税込)
1
◆ジャパンネット銀行 <住宅ローン 全期間引下げプラン(自営業、市街化調整区域は不可)>
0.529%
0.399%
0円
借入額×2.2%
【ジャパンネット銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
ネット銀行のジャパンネット銀行は2019年7月末に住宅ローンの貸し出しをスタート。最大の特徴は、業界最低水準という低い金利で、特に「変動金利」「10年固定金利」に強みがある。オプションの団体信用生命保険も豊富に取りそろえる。
2
◆auじぶん銀行 <住宅ローン 全期間引下げプラン(新規借入)>
0.540%
全疾病+がん50%
0.410%
0円
借入額×2.2%
【auじぶん銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
三菱UFJ銀行とKDDIが共同で立ち上げたネット銀行。変動金利の競争力が高く、業界トップクラスの低金利となっている。がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」が無料付帯。ネットだけで契約を完了でき、仮審査は最短即日回答、契約は最短10日とい短期間での契約が可能だ。
【関連記事】auじぶん銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
公式サイトはこちら
2
◆SBIマネープラザ <ミスター住宅ローンREAL・通期引下げプラン(新規借入)>
0.540%
全疾病保障付き
0.410%
0円
借入額×2.2%
【SBIマネープラザの住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
SBIマネープラザは、証券、保険、住宅ローンなどを取り扱う、SBIグループのマネー相談プラザ。支店において対面で相談できるので、初心者でも安心だ。変動金利が低い「ミスター住宅ローンREAL」(住信SBIネット銀行の商品)と、全期間固定金利が低い「ARUHIのフラット35」を取り扱っているので、2種類の住宅ローンを比較して申し込みできる。
【関連記事】SBIマネープラザの住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
公式サイトはこちら
4
◆新生銀行 <住宅ローン 変動金利半年型タイプ・変動フォーカス(新規借入)>
0.581%
0.450%
0円
借入額×2.2%
【新生銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
2019年7月の商品改訂に伴い、金利を大きく引き下げた。「変動フォーカス」は他の商品と違って、手数料は借入金額×2.2%と高めだが、金利が低いため、競争力がある。過去に繰り上げ返済で期間短縮した場合、入院時などにその期間だけ元本返済を止められるサービスもある。
【関連記事】新生銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
公式サイトはこちら
※実質金利は、借入金額3000万円、借り入れ期間35年、団信加入、元利均等返済、ボーナス払いなし、最優遇金利を適用として、実質金利を計算。固定期間終了後は変動金利を選択(現在の水準が継続と仮定)。実質金利の計算法はこちら。諸費用は、事務手数料等、保証料とする。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料率となる。主要18銀行・金融機関の主な商品を対象とし、ランキングに掲載するのは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品のみとする。ホームローンドクター代表の淡河範明氏の協力で作成。

住宅ローンおすすめ比較

【auじぶん銀行の住宅ローン】
がんと診断されるとローン残高が半分!
トップクラスの低金利も魅力⇒
関連記事はこちら

「8疾病+ケガ・病気」まで無料保障する
住信SBIネット銀行⇒関連記事はこちら

住信SBIネット銀行 ネット銀行住宅ローンはこちら!

 

新生銀行は来店不要 アプリもある三井住友銀行 フラット35はアルヒがお得
新生銀行 ネット銀行住宅ローンはこちら!
三井住友銀行住宅ローンはこちら!
アルヒの詳細はこちら(公式サイトへ)
団信保険料・保証料が0円。トータルでおトク⇒関連記事はコチラ ネット銀行並みの低金利で、ウェブでも、スマホでも入力可能! 頭金を積むほど、金利が低くなる!関連記事はコチラ!
TOP