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フラット35はやめたほうがいい?
民間銀行の住宅ローンのほうがおとく?
メリット・デメリット、金利、審査基準を徹底比較!

2020年4月1日公開(2021年4月20日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

「フラット35はやめたほうがいい?」「民間銀行の住宅ローンのほうがおとく?」  長期固定金利の住宅ローン「フラット35」は誰もが知っている有名な商品だが、民間銀行の住宅ローンと比較すると、おとくなのだろうか。そこでフラット35と民間銀行の住宅ローンの金利、審査基準、メリット・デメリットなどを比較してみた。

①フラット35と民間ローン、メリット・デメリットは?

 住宅ローンを借りるとき、住宅購入者が一番気になるのは、「フラット35と、民間銀行の住宅ローンとでは、どちらの方がおとくなのか?」ということだろう。そこで、金利や金利タイプ、手数料を比較してみよう。

■金利、手数料、保証料は?

 「フラット35」は独立行政法人・住宅金融支援機構が提供する住宅ローンで、「全期間固定」の金利タイプしかないというデメリットがある。実際の販売窓口は民間の銀行などとなる。

 「民間銀行の住宅ローン」の金利タイプは様々で、「変動金利」「固定金利」「全期間固定金利」などをラインアップする。変動金利は、固定金利に比べれば金利は低いが、その分、将来金利が上昇するリスクもある。なお、多くの銀行は自社の銀行ローンと、フラット35を併売している。

 そのため希望の金利タイプが、「変動金利」「10年固定などの固定金利」である場合は、民間銀行の住宅ローンを選択することになる。なお現在、変動金利は0.3%台と過去最低の金利水準であり、その金利の低さから現在、約6割の人が変動金利を選択している。

 しかし、変動金利は将来、金利が上昇すれば、毎月返済額が増加する可能性がある。「リスクを取りたくない」「毎月の支払いがギリギリになりそうだ」といった人は、フラット35を含む「全期間固定金利」を選ぶといいだろう。

【関連記事はこちら】>>今や、変動金利と全期間固定の金利差は1%以下! 住宅ローンを借り換えるなら全期間固定で

 では、全期間固定金利を借りる場合は、どちらがおとく、おすすめなのだろうか。住宅ローンを比較する際に一番重要なのは「金利」だが、それだけでは正確に比較できない。手数料、保証料も加味して比較する必要がある。まずは、それぞれの金利、手数料などを見ていこう。

「フラット35」と「民間銀行住宅ローン」の金利、諸費用を比較
※ 2021年4月現在。借入期間35年。民間銀行の諸費用は、代表的なケース
  フラット35
(21-35年固定)
民間銀行
(21-35年固定)
金利

1.37%〜(頭金10%の場合)
0.91%〜(頭金10%以上、35S・保証型。当初最大10年間、その後+0.25%、)

1.08%〜

手数料(税込) 借入額×0.66%~2.2%(銀行によって異なる) 0円〜借入額×2.20%(銀行によって異なる)
保証料(税込) 無料 0円〜借入額×2.06%(銀行によって異なる)
繰上返済手数料(一部) 無料 無料
 ※フラット35は、2017年9月までは保険料として、別途、融資残高×年0.358%を毎年支払っていた

 上記の表のように、金利については、どちらが低いとは断言できない。フラット35の場合、長期優良住宅などを対象とした「フラット35S」といった金利優遇制度があり、当初最大10年間は金利を0.25%も割り引かれる。しかし、金利割引終了後は、民間銀行の金利のほうが低い。

 手数料、保証料については、もっと複雑だ。

 フラット35は、窓口となる銀行によって手数料が異なる。「借入額×0.66%~2.2%」とかなり差があるので、よく調べて手数料が低い銀行を選びたい。

 一方で民間銀行は、諸費用としては「手数料」と「保証料」のどちらかを支払うことになる。なお、同じ銀行であっても商品によって手数料や保証料が違うこともあり、非常に複雑だ。なお、ネット銀行、大手銀行は「手数料」を支払うケースが多く、地方銀行は、手数料がない代わりに、「保証料」を支払う事が多い。

 結果として、フラット35と民間銀行の住宅ローンは、「どちらが絶対おとく」ということはなく、借入額や借入期間によってどちらがおとくなのかが決まる。以下、新規借入、借り換えの特定のケースでシミュレーションしてみよう。

■新規借入は、頭金があればフラット35が優位!?

 新規借入の場合、フラット35には、省エネルギー性などに優れた住宅について、金利を最大10年間、0.25%引き下げる「フラット35S」という商品がある。

 また、住信SBIネット銀行、住宅ローン専門機関・アルヒなどから、従来のフラット35よりも低金利で競争力のある、「保証型」という商品も登場している。数あるフラット35の中でも、突出した低金利を実現したおとくな商品だ。頭金が10%~50%必要というのはハードルが高いが、用意できれば、有力な候補になる。

【関連記事はこちら!】
フラット35の住宅ローンとは? メリット・デメリット、主要9銀行の金利・手数料を徹底比較!

 下記は「新規借入」について、最もおとくなフラット35と、最もおとくな民間銀行の長期固定住宅ローンをピックアップしたものだ(主要18銀行について、諸費用込みの「実質金利」を計算。借入金額3000万円、借り入れ期間35年で計算)。

フラット35 VS 民間住宅ローン(新規借入)
 2021年4月時点、借入金額3000万円、借り入れ期間35年、団信ありで計算。主要18銀行が対象
銀行名
<商品名>
<フラット35で1位>
アルヒ
「スーパーフラット5S」

<民間銀行で1位>
みずほ銀行
「全期間固定プラン(ネット専用)」

実質金利(費用等含む)  1.168%  1.214%
表面金利(費用等除く)

 0.910%(1〜10年)

 1.160%(11年〜)

 1.080%

手数料(税込)・保証料

 借入額×2.2%  65.1万円
総支払額  3646万円  3669万円
【関連記事】「住宅ローン35年ランキング(新規借入)

 上記の条件では、アルヒの「スーパーフラット5S(頭金50%以上)」が最も実質金利が低かった。実質金利とは、表面金利(借入金利)に手数料などの諸費用を加味したものだ。総支払額とほぼ同じものだ。総支払額で見ると、民間銀行で1位となったみずほ銀行の住宅ローンよりも23万円も少ないことが分かる。

 ただし、アルヒのスーパーフラット5Sは、頭金が50%以上必要という特殊な商品なのがデメリット。用意できる頭金が少ない場合は、別のフラット35を選ぶ必要がある。

■借り換えは、民間銀行の方がメリットあり

 次に「借り換え」のケースを見てみよう(借入金額2500万円、借り入れ期間30年、全期間固定金利で計算)。

フラット35 VS 民間住宅ローン(借り換え)
  借入金額2500万円、借り入れ期間30年、全期間固定金利、団信ありで計算、2021年4月現在
銀行名
<商品名>

<フラット35で1位>
アルヒ

「住宅ローン スーパーフラット」
<民間銀行で1位>
みずほ銀行
「全期間固定プラン(ネット専用)」
実質金利(費用等含む)  1.399%  1.206%
表面金利(費用等除く)  1.320%  1.060%
事務手数料(税込)  27.5万円  51.1万円
総支払額  3056万円  2970万円
【関連記事】⇒「住宅ローン35年ランキング(借り換え)

 借り換えの場合、上記の条件では、みずほ銀行の住宅ローンのほうが、メリットがあるという結果になった。実質金利では0.2%近い金利差であり、総支払額だと86万円もの差がついた。もし、変動金利に借り換えるのであれば、更に差は大きくなるだろう。

 フラット35は、借り換えの場合は「35S」のような金利優遇策がないため、民間お住宅ローンのほうが有利になりやすいのだ。借り換えについては、フラット35が第一選択肢という状況ではなくなっている。

■シミュレーションで比較すべき

 なお、上記のシミュレーション(試算)は2021年4月現在のものであり、各銀行が金利を見直せば順位が入れ替わる。また、借入条件(借入金額、借入期間、頭金比率、地域など)が違うと、有利な商品も変わってくる。

 そこでより正確におとくな住宅ローンを探したいのであれば、毎月、金利更新をしており、諸費用も自動計算してくれる「返済額シミュレーション」を使うのがいいだろう。

【関連記事はこちら】>>132銀行を最新金利で比較! ダイヤモンド不動産研究所の住宅ローン「返済額シミュレーション」

②フルローンを借りるなら、おすすめは?

頭金なし、つまりフルローン(100%ローンともいう)で借りるのであれば、民間銀行の方がメリットが大きい。

 「フラット35」の金利は、頭金の比率によって金利が変わる。住宅購入価格の10%未満しか頭金を用意できなかった場合、元の金利に「プラス0.3%」近い金利が上乗せされてしまう。民間の長期固定型住宅ローンでは、フルローンでもフラット35より金利の低い商品が多数存在する。フルローンを検討するなら、民間の長期固定型住宅ローンに軍配が上がる。

 なお、住宅ローンを借りる際には、頭金以外に諸費用を用意する必要がある。融資手数料、登記費用といった住宅ローンに関わるものから、住宅の外構費用、長期優良住宅の認定関係費用、火災保険料などだ。こうした諸費用は民間でもフラット35でも借りられるようになったので、手持ちの資金が少ない場合は検討したい。民間の銀行だと、引越し費用などまで住宅ローンとして借りられることもある。
【関連記事はこちら!】⇒住宅ローン手数料・引越し代などの「諸費用」まで借りられる住宅ローンを、17銀行で徹底比較!

③審査に通りやすいのはどっち?

 ここまで見てきたように、長期固定の住宅ローン金利については、民間銀行の方がメリットが大きい。ただし、民間銀行はフラット35に比べて、審査が厳しい。苦労して住宅ローンを選んでも、銀行の審査に通らなければ意味がない。そこで、フラット35と民間の銀行の審査基準を比較してみた。

フラット35と民間銀行との審査基準の比較
 審査項目 フラット35 民間の住宅ローン
(平均的な例)
前年度年収  規定なし
 ※年収400万円以上/返済負担率35%以下
 ※年収400万円未満/返済負担率30%以下
・大手銀行/200万円以上
・ネット銀行/400万円以上
勤続年数  規定なし ・大手銀行/3年以上
・ネット銀行/2年以上
借入時年齢  70歳未満
(親子リレーはそれ以上でも可)
・大手銀行/70歳未満
・ネット銀行/65歳未満
団信  未加入でもOK  団信は必須

 上表から、フラット35は全般的に審査基準が緩やかで借りやすいことがメリットだと分かるだろう。フラット35は政府系の独立行政法人が運営している事業なので、収入が少ない若い世代など、できるだけ多くの人が住宅ローンを借りられるよう配慮がなされている。また、フラット35は審査基準さえクリアすれば、ほぼ借り入れできると考えていい。

 一方で、民間銀行は審査基準をはっきりと書いていないことが多く、公開している基準をクリアしても貸してくれないことがあるので、やはり、ハードルは高い。

 それでは、ひとつひとつ項目を見ていこう。

■フラットは最低年収、勤続年数の縛りなし

 「前年度年収」については、フラット35は規定がなく、返済負担率(年間返済額÷年収)が基準を満たしてさえいれば良い。つまり、年収はいくらでも大丈夫ということだ。ただし、年収400万円未満なら返済負担率は30%以下、年収400万円以上なら返済負担率は35%以下に収まっていることが条件となる。例えば、前年度年収が200万円の場合、年間返済額60万円(毎月返済額5万円)以下なら借りられるということだ。

 民間銀行については、大手銀行では200万円以上、ネット銀行では400万円以上に設定されていることが多い。ネット銀行は大手銀行よりも低い金利を提示していることが多く、その分、審査を厳しくしているのだ。

 また、「対象となる収入の定義」も違う。フラット35は、給与以外の年金などすべての所得が対象となる。また、申し込んだ本人と同居する70歳未満の親族、または配偶者の所得も、1名まで合算できる。住宅に太陽光発電設備を設置した場合は、売電収入額も年収に加算できるのだ。収入に不安がある人だけでなく、個人事業主やフリーランスなど、一般に審査が厳しいとされる人も使いやすい。

 一方、民間銀行では通常、個人の給与のみしか対象としてくれないことが多く、融通がきかない。

 さらに、「勤続年数」の基準も、フラット35は緩い。前年度及び前々年度の所得を証明する書類さえ提出できれば、「勤続年数」のしばりもない。そのため、転勤したばかりの人でも安心して借りられる。あるフィナンシャルプランナーは「転勤後1ヵ月で借りられた人もいた」という。民間銀行は2年以上という基準を持っていることが多いので、転勤したばかりなら、フラット35がおすすめだ。

 最後に、申し込み時の上限年齢は70歳未満で、大手銀行とあまり変わらない。ネット銀行については、65歳未満が多く、やはり審査は厳しいようだ。

【関連記事はこちら!】
勤続年数1年、年収100万円でも住宅ローンを借りられる!? 主要17行で審査基準が甘いのはどこ?

 ちなみに、フラット35(と一部の大手銀行)には「親子リレー返済」という制度が存在する。親子リレー返済とは、申し込んだ本人が亡くなったあと、住宅ローンを子どもや孫に引き継ぐという制度だ。この制度を利用すれば、70歳以上の人でも申し込むことができる。しかし、住宅ローンの返済が終了するまで、対象の子どもや孫は他のローンが組めなくなるといったデメリットがある。将来、子どもが結婚しても必ず申し込んだ本人と同居しなければならず、あまり現実的ではない。あくまで、「そういう選択肢もあるんだ」程度の認識に留めておくのが無難だろう。

■フラット35は団信が任意

 団信とは「団体信用生命保険」のことで、借り手が死亡したりした場合に、住宅論の残債を支払ってくれる保険のことだ。

 民間銀行の住宅ローンは原則、団信加入が義務付けられている。そのため、団信の審査で落とされると、住宅ローンを借りられない。

 一方で、フラット35は団信の加入は「任意」というのがメリットだ。つまり加入しなくてもよい。表示している金利には団信保険料が含まれているので、もし団信に加入したくない場合は、金利が0.2%割り引かれる仕組みとなっている。

 健康状態に不安がある場合は、フラット35が有力な選択肢となる。

④<まとめ> 変動金利なら民間、審査が緩いフラット35

 最後に、フラット35と民間銀行の長期固定住宅ローンを比較して分かったことを振り返ろう。

  • (1)変動金利、期間固定金利があるのは民間だけ
  • (2)長期固定は、新規借入ならシミュレーションすべき。借り換えは民間優位
  • (3)頭金なし(100%フルローン)なら、民間銀行
  • (4)収入、健康に不安がある人は、審査が緩めのフラット35

 かつては住宅ローンといえば「フラット35」だ代表的な商品だったが、現状では民間銀行の住宅ローンが低金利で、頭金なしなどの特徴があるため、利用されるようになっている。

 とはいえ実際に住宅ローンを借りる際には、審査で落とされることがあるので、フラット35と民間銀行の住宅ローンの両方に仮申込するようにしたい。

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◆「変動金利」住宅ローン金利ランキング(新規借入)
※借入金額3000万円、借入期間35年

順位 銀行名 <商品名>
実質金利
(費用等含む)
表面金利
(費用等除く)
保証料
(税込)
事務手数料
(税込)
1
0.510%
全疾病+がん50%
0.380%
0円
借入額×2.2%
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PayPay銀行 <住宅ローン 全期間引下げ(自営業、市街化調整区域は不可)・変動金利>
0.510%
0.380%
0円
借入額×2.2%
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個人事業主、家族が経営する会社に勤務している場合も原則利用不可。借地、市街化調整区域なども不可
【関連記事】PayPay銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
3
0.540%
全疾病保障付き
0.410%
0円
借入額×2.2%
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【関連記事】SBIマネープラザの住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
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4
0.571%
全疾病保障付き
0.440%
0円
借入額×2.2%
【住信SBIネット銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
・三井住友信託銀行とSBIホールディングスが設立したネット銀行で、変動金利の低さではトップクラス
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・審査結果によっては、表面金利に年0.1%を上乗せする
【関連記事】住信SBIネット銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
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※実質金利は、借入金額3000万円、借入期間35年、団信加入、元利均等返済、ボーナス払いなし、最優遇金利を適用として、実質金利を計算。固定期間終了後は変動金利を選択(現在の水準が継続と仮定)。実質金利の計算法はこちら。諸費用は、事務手数料等、保証料とする。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料率となる。主要銀行・金融機関の主な商品を対象とし、ランキングに掲載するのは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品のみとする。ホームローンドクター代表の淡河範明氏の協力で作成。

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