家は人生最大の買い物で最大の資産。物件選びや住宅ローンの選択、その後の返済や売却でアナタの資産状況は大きく変わる。これらを上手くくぐり抜け買った人にも、まだまだワナが待ち受ける。今回はマンション&一戸建の購入後のワナを紹介しよう。
買った後のワナから逃れるために
今からできることはたくさんあった!
マンションや一戸建てを買ったら後はもう安心、なんて大間違い。そこで今発売中のダイヤモンド・ザイ1月号の特集「買う前・買う時・買った後!家購入に潜む100の罠」の中から、今回は買った後のワナ10を解説。
【ワナ01】
繰上げ返済の先送りで待ち受ける貧乏老後
繰り上げ返済には「期間短縮」と「返済額の軽減」の2つがある。「期間短縮」の繰上げ返済をせずに退職後にローンが残るのは最も危険なこと。年金や老後資金を削ったローン返済は、貧乏老後の入口だ。そもそも年金額の減額は濃厚だし、退職金も想定どおりもらえるとは限らないので、今のうちから繰上げ返済をしておくべきだ。天引きで貯金し、必要額を残して繰上げ返済へ回そう。「余裕ができたら」と考えていると、いつまで経っても繰上げ返済はできない。
【ワナ02】
消費増税で発生したチャンスを見逃し!
「よくわからない」「面倒だ」と言って住宅ローンを高い金利で借りたまま放置している人がいる。今日は史上最低の金利水準に加え、消費増税で落ち込んだ客足を取り戻そうと、金利引き下げ競争も起きているので借り換えの絶好のチャンス。仮に残債が2000万円、残り20年で金利が3%の場合、1%金利が低いローンに借り換えただけで約230万円のトクだ。

【ワナ03】
貯めてから繰上げ返済というのは愚の骨頂
「まとまった資金ができたら繰上げを」と考えていたら間違いだ。例えば図のように3000万円を金利3%、期間35年で借りていた場合、コツコツ貯めて10年後に500万円を一括して繰上げ返済するより、毎年50万円ずつ繰上げ返済したほうが、繰上げした額は同じ500万円なのに、利息額は142万円も節約できる。繰上げ返済は貯めてからより、こまめな返済が鉄則だ。

あわせて繰上げ返済の手数料も要チェック。無料が増えている一方で、繰上げ返済額の1%を徴収する銀行も。繰上げ返済の額にかかわらず一定額を取られる銀行ではこまめな返済ができないので要注意。
【ワナ04】
収入の条件をクリアでも借り換えは不適に
収入は安定していても、以前はローン審査を軽々とパスしていても、借り換えでは審査をパスできない人がいる。家を買った後に健康問題が生じて住宅ローンとセットの生命保険に加入できないような人だ。高血圧や通風なども審査を落ちる要因で、血圧や尿酸値などに無自覚な人は、審査で初めて病気を認識する人も多い。また、借り換えできたとしても特別な保険なので金利が高くなりがちだ。

また共稼ぎ夫婦で妻と共有で購入し、夫も妻もローンを組んだ場合、例えば夫はきちんと返済していたのに、妻に支払い遅延などがあると、夫婦ともに審査で落ちることがある。共稼ぎだと夫婦の財布が別々で不干渉になりがちだが、お互いで確認し合うこと。
最後にローン返済に追われついクレジットカードの支払い遅延をしてしまいがちな人も要注意。こうした遅延の履歴が1回でもあるとローン審査を通りにくくなる。
【ワナ05】
管理費やエレベーター保守費が高額な裏に系列の癒着
新築時の管理会社は多くは売主の系列会社がなるので、管理費も適正かどうか不明だ。今や管理会社の交代は一般的なので競争原理を働かせれば、たいてい管理費は下げられる。1戸当たり月額3000円下げれば、10年で36万円だ。
エレベーターの保守費用もメーカー系列の業者が市場を支配して高価格を維持する傾向がある。過去には公正取引委員会の勧告も受けている。しかし、独立系の業者もあるので、保守業者を交代させるだけで保守費用が浮くことが多い。
【ワナ06】
12年ごとの大規模修繕には明確な根拠なし
大規模修繕の周期は国交省のガイドラインで12年ごとと書かれたのを業者がセールストークに使用し、それが浸透している。しかし、初期不良の補修など、一般的なメンテナンスをしておけば15~20年周期でも問題はない。1回数千万円する大規模修繕は、1回でも減ると月々の修繕積立金の削減額も大きい。

【ワナ07】
資産をみすみす劣化させる地価への無関心
近年は不動産価格も株価のように変動が激しい。あなたの財産額も100万円単位で上下している自覚があるだろうか。家の売却も子どもの入学など「自分の都合」ではなく、「高値で売り抜ける」という視点が必要だ。地価の動向はネットで簡単に調べられるので、時価の目安となる公示地価(1月1日時点)や基準地価(7月1日時点)にも注意を払おう。
【ワナ08】
住宅ローンを組んで生保の見直しをしないと大損
住宅ローンは生命保険とセットなので、返済中に死ねば返済義務がなくなる。つまり住宅ローンは数千万円の死亡保障なので、その分は死亡保障を減らせるのだ。だが、それに気付かず保険の見直しをせず高額な死亡保障の高い保険料を払い続けている人が多い。仮に月額1万円の保険料を節約できるのに、20年間払ったとしたら240万円の損だ。

【ワナ09】
火災保険の複数加入は無意味、地震保険が満額でても再建は無理!
「焼け太り」を阻止するため生命保険と異なり、火災保険は複数加入しても、高額な保険に加入しても、もらえる保険金は実際の損害額が上限。さらに多くの銀行では住宅ローンには火災保険がセットとなるが、これは盗難や水漏れといった被害を保障する住宅総合保険ではない。
また、国が運営する地震保険の主旨は被災からの生活再建。全損の被害に遭っても自宅が再建できる金額はもらえない。

【ワナ10】
独身が家を買う際に見落とすローンの掟
住宅ローンは投資用物件には使えない。「結婚後は賃貸へ回し家賃収入を」と考えている単身者は注意。購入後、短期間のうち結婚して賃貸に出すと契約違反でローンの一括返済を求められるリスクも。
>>関連記事「物件情報や住宅ローンだまされるな!マンション&一戸建購入はワナだらけ」はこちら
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淡河範明さん
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