こんにちは、千日です。預金残高と同額分のローン残高に金利がかからない、預金連動型住宅ローンといえば、東京スター銀行の「スターワン住宅ローン」が有名ですが、果たして本当にメリットがある商品なのか、分かりにくいところが難点です。そこで、どう活用すればいいのかを徹底分析してみました。老後の資金繰りを考えると、「リバースモーゲージ」も併用することで、メリットを最大化できますよ。
「預金連動型住宅ローン」といえば、地銀の関西アーバン銀行や、一部のJAでも出していますね。この「預金連動型住宅ローン」の商品のメリットとして以下の3つがあります。
・預けた預金が、繰り上げ返済と同じ利息の節約効果になる
・ローン残高が減らないので、住宅ローン控除の恩恵が大きい
・預金はいつでも引き出し可能(仕組み預金など特殊なものを除く)
これは、定年の見えてきた50代から住宅ローンを組もうという人にとっては、魅力的な商品です。なぜなら、老後の生活資金や、いざというときの預金を確保したまま住宅ローンを組むことができて、なおかつ、利息を節約しながら住宅ローン控除が満額受けられるからです。
さらに東京スター銀行には、「リバースモーゲージ(充実人生)」という商品があります。自宅を担保に融資を受け、存命中は利息だけを払い、死亡後に自宅を処分して元本を返済する仕組みで、海外では欧米を中心にシニア層の自宅の有効活用法として、広く利用されています。特に東京スター銀行のリバースモーゲージでのメリットは、以下の3つです。
(1)預金連動型なので、利息の支払いは預金を上回る部分だけ
(2)契約者が死亡しても配偶者に引き継げる
(3)一戸建てなら1億円、マンションでも5000万円まで融資可能
不動産は「資産」というのが今の常識ですが、少子高齢化が進行すれば何十年も先の常識がどうなっているかは分かりません。使用しなくなった家は銀行に処分させることが、合理的な選択になるかもしれませんよ。
預金連動型住宅ローンのメリットを最大化する預金額は?
住宅ローンを繰り上げ返済したら、当然のことながら貯蓄は減ります。繰り上げ返済したお金は返ってきません。でも預金連動型住宅ローンなら、貯蓄を残したまま繰り上げ返済したのと同じ利息の節約効果があります。また、繰り上げ返済したら当然、ローン残高は減ります。住宅ローン控除はローン残高の1%相当の税金が還付(返金)されるというものですから、住宅ローン控除の恩恵も減ってしまいます。しかし預金連動型住宅ローンなら、ローン残高は減りませんよね。つまり、住宅ローン控除の恩恵も減らないということです。
とても魅力的な住宅ローンですが、適用金利が少しお高めというデメリットがあります。
2018年3月東京スター銀行の金利 | |||
---|---|---|---|
金利タイプ | 固定期間 | 基準金利 | 優遇後の金利 |
変動金利型 | 6カ月 | 2.40% | 0.80% |
固定金利型 | 3年 | 2.80% | 0.80% |
5年 | 2.85% | 0.85% | |
10年 | 2.95% | 0.95% | |
※スターワン住宅ローン契約月までに「スターワン口座」を開設すれば、当初固定期間中は「引き下げ後の金利」が適用され、その後は「基準金利▲1.60%」となる。 |
他行に比べると少しお高めな金利は、預金残高を増やすことによって減らせばいいですね。
「じゃあどのくらい貯金すればいいの?」
という疑問が出てくるはずです。早速、シミュレーションしてみましょう。
【関連記事はこちら!】⇒ 住宅ローン控除を最大化する新常識を公開!金利0.7%以下なら、税金の戻りが多く、「打ち出の小槌」状態に
金利はタダになっても、メンテナンスパックは加入しないとダメ
利息については、「ローン残高に対する預金の割合だけ金利が安くなる」というように考えれば、ザックリした計算が可能となります。
・10年固定最安の住信SBIネット銀行の当初10年間の金利0.66%
・東京スター銀行の預金連動型の10年固定金利0.95%
両社の利息が同じになる貯金の割合は、以下の式で概ね計算できます。
1-(0.66%÷0.95%)=0.305
つまり、だいたい住宅ローン残高の3割の貯金があれば、両者の利息は同じになるということです。
ただし、これだけじゃありません。東京スター銀行には借入残高の0.3%から0.702%の料率となるメンテナンスパックというサービスがあり、必ずどれかを利用しなければならないという「縛り」が存在します。
東京スター銀行の「メンテナンスパック」一覧 | |||
---|---|---|---|
メンテナンスパック1 | メンテナンスパック2 | メンテナンスパック3 | |
メンテナンスパック料率 | 0.504% | 0.720% | 0.300% |
返済休暇(料金に込み)※1 | 〇 | 〇 | 〇 |
入院時の保証※2 | 〇 | 〇 | × |
死亡・高度障害時の保障(団信)※3 | 〇 | 〇 | × |
ガン団信※4 | × | 〇 | × |
※1 返済休暇とは…返済開始2年目からいつでも、最長36カ月間まで、元本返済額を1円まで減額することができる ※2 入院時の保証とは…病気やケガで入院すると、入院費用保険金10万円が支払われる(日帰り入院も対象)。入院期間がローンの返済日を含む場合は、当月の返済額相当額も支払われる ※3 死亡・高度障害時の保証(団信)とは…死亡・所定の高度障害になったとき、または余命6カ月以内と判断されたときに、住宅ローン残高に相当する保険金が支払われる ※4 ガン団信とは…医師によりガンと診断された場合、住宅ローン残高に相当する保険金が支払われる |
このメンテナンスパックは預金によって減るということがありません。借入残高満額に対してかかってきます。利息だけでなく、これも加味してシミュレーションする必要があるのです。なお、シミュレーションでは、基本的に「メンテナンスパック1」を選択します。通常の団信が含まれており、民間の銀行の住宅ローンを比較する場合は、これが一番近い保障を提供してくれます。
前置きはこの辺りにして、シミュレーションしていきましょう。
住宅ローンと同額の貯金を維持し続ければ、27万円お得!
まずは、常に最大の恩恵を受ける場合のシミュレーションです。住宅ローンの借り入れが2000万円として、それと同額の2000万円を東京スター銀行に預けます。契約時は借入期間30年で借りますが、実際には10年後に住宅ローン残高を一括繰り上げ返済するというシミュレーションです。
では2つの住宅ローンを比較しましょう。
・10年固定でトップクラスに金利が低い、住信SBIネット銀行の当初10年固定金利0.66%
・東京スター銀行の預金連動型の10年固定金利0.95%(メンテナンスパック1(団信)0.504%に加入)
借り入れの100%の預金だと、いくらお得?(10年で完済) | ||
---|---|---|
住信SBIネット銀行 (10年固定 0.66%) |
東京スター銀行 (メンテナンスパック 0.504%) +預金2000万円 |
|
毎月返済額 | 6.1万円 | 5.6万~5.9万円 |
10年返済額 | 735万円 | 690万円 |
10年後残高 | 1377万円 | 1396万円 |
住宅ローン控除 | ▲166万円 | ▲167万円 |
総返済額 |
1946万円 |
1919万円 27万円お得! |
東京スター銀行は、預金連動型なので、常に利息がゼロ円になるということですね。ただし、元本に対して「メンテナンスパック1」の料率0.504%が発生します。元本は徐々に減っていくので、メンテナンスパックへの支払いは徐々に減っていきます。
メンテナンスパック1の料率が費用となりますから、住信SBIネット銀行の金利より低い分だけ総返済額は少なくなります。これによって当初固定の10年で完済すれば、返済額は東京スター銀行の預金連動型の方が27万円も安くなります。
虎の子の貯金2000万円を温存しつつ、10年固定最安の住信SBIネット銀行よりも27万円少ない支払いで住宅ローンを完済できました。現在50代であれば10年後には定年退職です。10年固定で10年後に完済するのが最もロスの少ないプランなのです。
なお、両行とも、契約時に支払う事務手数料は借入額×2.16%で43万2000円ですが、これにその他税金を支払っても、2000万円よりは少なくなります。つまり、現金で住宅を購入するよりも、住宅ローンを借りたほうが、返済額が少なく、さらに借入期間は団信に加入することができてお得ということです。
では、次に少し貯金の割合を減らしてみましょう。
「借入額の約70%の預金」だと、支払額はほぼ一緒
貯金の残高を70%に減らしてみましょう。住宅ローンの借り入れは2000万円に対して1400万円の貯金です。何となく7割ということではなく、これには意味があります。10年固定の0.95%で返済した10年後のローン残高に近似してますよね。
つまり、東京スター銀行の10年固定金利0.95%で元利均等返済していくと、10年後には借入元本が約7割になるということです。この7割の貯金は基本的に他の用途には使わないつもりで貯金しておくという前提を置きます。そうすれば、10年後にきっちりと住宅ローンを完済できます。ちゃんと意味があるんです。
・10年固定最安の住信SBIネット銀行の当初10年固定金利0.66%
・東京スター銀行の預金連動型の10年固定金利0.95%(メンテナンスパック1(団信)0.504%に加入)
借り入れの70%の預金だと、いくらお得?(10年で完済) | ||
---|---|---|
住信SBIネット銀行 (10年固定 0.66%) |
東京スター銀行 (10年固定 0.95%) +預金1400万円 |
|
毎月返済額 | 6.1万円 | 5.9万~6.1万円 |
10年返済額 | 735万円 | 719万円 |
10年後残高 | 1377万円 | 1396万円 |
住宅ローン控除 | ▲166万円 | ▲167万円 |
総返済額 |
1946万円 2万円お得! |
1948万円 |
今度は住信SBIネット銀行の方が2万円有利という結果になりました。ほぼ同額であると言っても良いと思います。つまり、10年後の一括返済資金を貯金しておくという前提であれば、住信SBIネット銀行と東京スター銀行の預金連動型住宅ローンはほぼ同じ返済額になるということで、一つの損益分岐点と言えるでしょう。
「メンテナンスパック1」(料率0.504%)ではなく、「メンテナンスパック3」(料率0.3%)にすれば、まだ東京スター銀行の方が返済額は少なくなるでしょう。しかし、50歳からということになると、病気のリスクが上がりますので疾病保障のランクを落とさない方が良いと思います。
この点、住信SBIネット銀行は他の民間銀行より手厚い「全疾病保障」団信が無料で付帯しており、2017年6月には「8疾病保障」から「全疾病保障」にグレードアップしています。ほぼ同じ返済額であれば、疾病保障が手厚い住信SBIネット銀行の方がよりおすすめであると言えるでしょう。
【関連記事はこちら!】⇒ 無料の疾病保障団信がついた住宅ローンを徹底比較!住信SBIネット銀行、auじぶん銀行のどちらが有利?
リバースモーゲージへの切り替えという選択肢を持つ
「住宅ローンの7割以上の預金を常にキープできる自信はないから、自分には縁のない商品だな……」
ここまで読んでこのように思われた方もいると思います。しかし、東京スター銀行の預金連動型の実力はここからなんです。固定期間が終了し、定年退職となる10年後に一括返済できる貯金が確実にできるという保証はありませんよね。その頃には、両親の介護など思わぬ出費があるかもしれません。そういうリスクを考えて、転ばぬ先の杖として、リバースモーゲージという選択肢があるのです。
冒頭でも書きましたが、リバースモーゲージとは、家を担保にお金を借りて存命中は利息だけ支払い、死亡時に家を処分して元本を返済するスキームです。いわゆる住宅ローンのリバース(逆)ですね。住宅ローンの完済時には抵当権が外れますが、再度、家に抵当権を設定して、老後の生活資金や家の修繕に充てる資金を借り入れるということです。リバースモーゲージは元本を払わず利息だけを払いますので、当たり前ですが支払い負担は小さくなります。
金利は以下のようになっています。
東京スター銀行のリバースモーゲージの金利は高い! | |
---|---|
基準金利(変動金利) | 借入金利(変動金利) |
0.106% | 2.906% (基準金利+2.8%) |
※100万円を超えるカードローンやキャッシングからの借り換え、または100万円を超える借入残高がある場合、借入金利は基準金利+4.0%とする。 |
高い金利ではありますが、東京スター銀行の場合は、「預金連動型」ですので、預金の部分には利息の支払いがなくなります。
【関連記事はこちら!】⇒ 急増するリバースモーゲージを徹底比較!自宅に住みながら老後資金を手に入れよう!
預金が潤沢にあれば、わずかな手数料で多額の預金をキープ可能
では、先ほどと同じ、1400万円の貯金で、実際の返済額をシミュレーションしましょう。
・10年固定最安の住信SBIネット銀行の当初10年金利0.66%で借り入れ、その後も返済を継続する。
・東京スター銀行の預金連動型の10年固定金利0.95%(メンテナンスパック1(団信)0.504%に加入)で借り入れ、10年後にリバースモーゲージに引き継ぐ。
10年後にリバースモーゲージに引き継ぐ場合 (借り入れの70%の預金をキープ) |
||
---|---|---|
住信SBIネット銀行 (~10年) 0.66% (11年~) 2.075% |
東京スター銀行 (~10年) 0.95% +預金1400万円 +リバースモーゲージ (11年~) 2.906% |
|
当初10年毎月返済額 | 6.1万円 | 5.9万~6.1万円 |
11年目以降の毎月返済額 | 7.0万円 | 0.1万円 |
10年返済額 | 735万円 | 652万円 |
住宅ローン控除 | ▲166万円 | ▲167万円 |
事務手数料 | 0円 | 10.8万円 |
抵当権設定費用 | 0円 | 20万円 |
担保管理料(1.3万円/年) | 0円 | 26万円 |
11年~30年返済額 | 1683万円 | 0円 |
総返済額 |
2252万円 |
542万円 1710万円安い! |
※この計算式は、記事公開当時の消費税率8%として計算しています。 |
リバースモーゲージに切り替えるには、一旦残債を完済する必要がありますが、家の担保評価額が住宅ローンの残高を超えていれば、東京スター銀行からリバースモーゲージで借りる金額で借り換えることができます。
ただし、その際には事務手数料(10万8000円)と抵当権の抹消費用と設定費用(約20万円)が必要です。
なお、東京スター銀行の「リバースモーゲージ」の金利は変動金利のみです。固定金利は選択できません。終了の時期があらかじめ決められないからですね。金利もかなりお高めです。ただし、「預金連動型」ですので、預金の部分には利息がかかりません。
これがミソですよね。なので、その後は毎年1万2960円の担保管理料を払うだけで元本・金利の返済を免れるということです。であれば、住宅ローンを借りているよりも、リバースモーゲージに借り換えたほうが有利です。実際、住信SBIネット銀行で当初固定期間後の金利(基準金利2.775%から0.7%優遇されて、2.075%)で返済を継続するよりも、30年で1710万円も支払いが少なく済むのです。
ただし、あくまで存命中のお金の出入り(キャッシュ・フロー)がいくらかという話です。まるまる1710万円儲かった訳ではありません。30年後の時点では、住信SBIネット銀行のケースは借金ゼロ、一方の東京スター銀行のケースは、依然として借金が残っており死亡後に清算します。とはいえ、存命中の万一のときにそなえて、常にまとまった預金を持っていられるメリットは大きいのです。
リバースモーゲージ後に貯金がゼロとなっても、資金繰りは良好
最初は貯金が借り入れの70%あったが、10年後にリバースモーゲージへと切り替えた直後に、貯金がゼロ円になった場合でシミュレーションしました。例えば、両親が要介護になってしまい、老人ホームに入居させなければならなくなった場合、入居一時金として1400万円くらいを支払わなければならないケースは多々あります。
支払額はどうなるのでしょうか。シミュレーションしてみましょう。
10年後にリバースモーゲージに引き継ぐ場合 (借り入れの70%の預金が10年後にゼロ円に) |
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---|---|---|
住信SBIネット銀行 (~10年) 0.66% (11年~) 2.075% |
東京スター銀行 (~10年) 0.95% +預金1400万円(~10年) +リバースモーゲージ (11年~) 2.906% |
|
当初10年毎月返済額 | 6.1万円 | 5.9万~6.1万円 |
11年目以降の毎月返済額 | 7.0万円 | 3.5万円 |
10年返済額 | 735万円 | 719万円 |
住宅ローン控除 | ▲166万円 | ▲167万円 |
事務手数料 | 0円 | 10.8万円 |
抵当権設定費用 | 0円 | 20万円 |
担保管理料(1.3万円/年) | 0円 | 26万円 |
11年~30年返済額 | 1683万円 | 811万円 |
総返済額 |
2252万円 |
1420万円 832万円安い! |
※この計算式は、記事公開当時の消費税率8%として計算しています。 |
金利が2.906%と高いとはいっても、元本の返済を免れるメリットは大きいです。住信SBIネット銀行で当初固定期間後の金利(基準金利2.775%から0.7%の優遇)で返済を継続するより、30年合計で832万円も支払いが少なくて済むのです。
急な出費がある可能性を考えると、キャッシュ・フローが832万円も優れているということは重要です。こちらも、30年後の時点では、住信SBIネット銀行のケースは、借金ゼロ、一方の東京スター銀行のケースは、依然として借金が残っています。とはいえ、急に資金が必要になったときに、住信SBIネット銀行のケースでは、すぐに自宅を売却して資金を用立てるのは難しいでしょうし、リバースモーゲージで借りるにしても、手続きには一定の時間がかかりますから、やはり手許にある預金はありがたいのです。
配偶者に引き継げるというメリットも大きい
上記のシミュレーションはあくまで存命中のものであり、元本は最終的に家を売却して回収に充てられることになります。
冒頭にも書いたように「(2)契約者が死亡した後は配偶者に引き継げる」ので、その点も安心ですね。あくまで元本は夫婦両方が他界した後に銀行が家を売却した代金で充てられます。
ですから、その家を子供たちに相続させるということはできません。なので、リバースモーゲージを組む場合には推定相続人全員の書面での同意が必要になります。
また、リバースモーゲージは自宅の担保価値まで借り入れることが出来ます。その上限としては、冒頭に書いたように「(3)一戸建てなら1億円、マンションでも5000万円」となっています。そしてその資金の用途は広く、本人、または配偶者の生活にかかる資金であれば何でもOKとなっています(ただし事業目的、投資目的はダメです)。
医療費や介護費など万一のときに必要になったら、上記の上限の範囲内で何度でも借りることができるということです。
ただし、自宅の担保価値が上限で年に1回その見直しをしますので、自宅の担保価値が借入金額を下回った場合は、下回った部分を1年以内に一括または分割で返済しなければならない点に注意が必要です。
【関連記事はこちら!】
⇒ 急増するリバースモーゲージを徹底比較!自宅に住みながら老後資金を手に入れよう!
まとめ~ リバースモーゲージの社会的意義
リバースモーゲージの社会的な意義として、老後の安心に加えて不動産の市場価値を維持する狙いがあるんです。
老後の生活が困窮して資金面で行き詰まると、家の維持費が後回しになります。また、所有者が死亡して相続人がその家の管理をしなくなると、長年空き家として放置されて危険建造物になってしまいます。
不動産の相続人には相続税に加えて、今後ずっと固定資産税という自治体に対する家賃の支払い義務が課せられることになります。社会保険料や年金の負担が今とは比べ物にならないくらい重くなっている子ども世代には重すぎる負担になるでしょうね。
リバースモーゲージは60歳以上の持家率が8割を超える日本において、少子高齢化社会で深刻化していく空き家問題を解決する手段としても注目されているのです。自分たちが豊かな老後を過ごすためだけでなく、先々の社会を見据えて、将来世代にツケを残さない合理的な資産運用の手段として、一考の価値がある商品だと思います。
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【調査概要】
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132銀行の住宅ローンを比較 >>返済額シミュレーションで、全銀行の金利を一気に比較・調査
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淡河範明さん
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