住宅ローンの借り換えが選択肢の一つとして注目されています。住宅ローンの金利上昇が現実に近づきつつある今、他の銀行への借り換え、特に変動金利から固定金利への借り換えを検討する人も少なくありません。そこで今回は、借り換えの基本や現実、金融機関の内部事情まで、銀行員の視点で語りたいと思います。(金融ライター・加藤隆二、現役銀行員)
住宅ローンの借り換えについて基礎からおさらい
借り換えのメリットは「変動金利への借り換えなら、
まず、借り換えについて基本事項からデメリットまで知識の確認をしておきましょう。

住宅ローンの借り換えとは?
借り換えとは「ほかの金融機関で住宅ローンを借り、返済中の住宅ローンを返すこと」です。現在の住宅ローンから、他の金融機関の住宅ローンに入れ替えるので借り換えと呼ばれています。別名で、乗り換えや肩代わりとも言いますが、特に銀行ではライバル関係の他金融機関の融資を奪い取るという意味合いで、肩代わりという表現を使っています。
また、基本事項として以下の2点を理解しておきましょう。
<住宅ローン借り換えの基本事項>
・返済中の銀行の内部で借り換えはできない
新規借入の方が金利が低いからといって、同じ銀行で借り換えはできない(※1)
・借り換えを検討するには「最低ライン」がある
借り換えでメリットが発生する最低ラインとして以下の3つがある(※2)
①「金利差が1%以上ある」
②「ローンが1,000万円以上残っている」
③「返済期間は10年以上」
(※1)固定金利から変動金利のように、金利タイプの変更は可能。金利優遇幅は借入時のものが適用される。
(※2)金利差が1%に満たなくても、借入残高が大きい場合にはメリットが発生することもある。
【関連記事はこちら】>>超低金利で、住宅ローン借り換えのタイミングが到来! 残高、返済期間が大きければ、金利低下▼0.5%でもメリットあり
借り換えのデメリット
ただし、借り換えには以下のようなデメリットもありますので注意が必要です。
<借り換えのデメリット>
・経費が必要登記費用や保証料・手数料などの経費が必要となり、これを上乗せして借り換えることになる
・総返済額のメリットは「タラレバ」
借り換え提案書は基本的に「最後まで金利が上昇しなかった場合」という仮定に基づいて作成されている
借り換えは銀行の提案を待てばいい?
実際に借り換えを検討するとして、金融機関が借り換え提案をしてくるのを待っていればいいのでしょうか。それとも、自分で動き出すべきなのでしょうか。
このあたりを「銀行の中の人」としてお話ししたいと思います。
いま、金融機関は積極的な借り換え提案をしていない
現在、借り換えの営業活動へ積極的に取り組んでいる金融機関は少ないのが実態です。なぜなら、ある程度は新築案件やマンション分譲などのローン相談が見込めますし、借り換えも顧客がネット経由で、シミュレーションや申し込みまでやってくれるので、わざわざ営業をかけなくても済むからです。
私が銀行に入行したバブル期では、それぞれの担当地区の家を軒並み、休日返上で訪問し、「住宅ローンは残っていませんか?借り換えしませんか」と飛び込み営業をしていた時代があります。現在は個人情報保護法の観点からも、また反社会的勢力に訪問してしまうリスクもあることから、こうした金融機関の軒並み・飛び込み営業は実施されることも少なくなりました。
こうした現在の金融機関事情から考えると、借り換え提案が来ることはあまり想定できそうもありません。だからこそ、自分で考えて動かなければ何も変わらないと私は考えます。
【関連記事はこちら】>>住宅ローン借り換えの提案書が銀行から来ていますか?どんな人に、どんなものが来るのかを銀行員が解説!
【銀行から提案された場合】の確認ポイント
とはいえ、金融機関からの借り換え提案が全くないわけではありません。提案された場合には、以下のポイントを確認しておきましょう。
<借り換えを提案された場合の要注意ポイント>
・提案書の内容は的確か?
銀行員が推測で試算した提案書の内容が、そもそも現在返済中のローンと違っている可能性がある
・諸経費が抜け落ちてはいないか?
借り換えに必要な諸経費が抜け落ちていることがある。
担当が不慣れで抜け落ちていることもあれば、「別途費用が必要」と小さく注意書きがあるだけの場合も
・返済期間を延ばしただけの提案になっていないか?
返済期間が長くなれば毎回の返済額が減ってくるのは当たり前なので、支払い金利の比較などを慎重に行う必要がある
・条件の劣化はないか?
金利が固定金利になるなどのメリットがあったとしても、その他の部分で今の住宅ローンより条件が劣化している場合がある
【例】「保証会社なし」が「保証会社付き」に変わる
→別に保証料が必要となり、その分借り換え金額が増える
また、この他にも「どうやって自分がターゲットになったのか?」という点も気にかけておきましょう。
金融機関が住宅ローン借り換えの顧客を探す時、不動産の登記内容(誰でも閲覧可能)を調べ、担保の内容から借入残高や金利などを推測するのが一般的な手法です。しかし、それ以外(飛び込みの営業など)なら、借り換え提案の内容の精度が怪しくなります。
銀行員からの提案がメリットのある提案ばかりとは限りません。ノルマに追われてメリットを無理やり引き出した提案をしたり、顧客には不利となる説明をあやふやにしたりする銀行員も少なからず存在しますので、注意が必要です。
【自分で借り換えに動く場合】のポイント
提案を待たず、自分で動き出す場合にも注意すべきポイントがあります。
住宅ローンは現在、ネット経由の申し込みが多くなっていますが、ネット上で「仮申し込み」などを進める際には、必ずクリックをする前に一呼吸置くようにしてください。
仮申し込みをしてしまうと、個人信用情報へのアクセスに同意をしたこととなり、仮審査で個人信用情報のチェックをしたという「申し込み記録」が累積されます。
この記録が、複数の金融機関を候補として借り換えの検討を進める場合、マイナスに作用する可能性があります。俗に「申し込みブラック」などと呼びますが、直前に別の申し込み記録があると借り換えの審査を通りにくくなってしまう場合もありますので注意が必要です。
銀行員が考える「借り換えを検討してもよいケース」
続いて、銀行員として借り換えを取り扱ってきた経験から、「この人なら借り換えを検討する価値がある」と考えるケースを紹介していきます。
ケース1.とにかく今の返済を減らしたい人
たとえば固定金利から変動金利に借り換えた後で金利が急上昇し、借り換えのメリットが吹っ飛んでしまう可能性があったとしても、とにかく毎月返済が少なくなればいいと考える人であれば、借り換えを前向きに検討していいかもしれません。
損得は自分の価値基準。将来のことより今が大事なのであれば、借り換えを考えてみる価値もあるでしょう。
ケース2.完済できる「当てがある」人
親・祖父母からの援助や相続など、ほぼ間違いなくまとまった大金を受け取れる予定がある人ならば、借り換えをして目先のメリットを享受するという選択肢もあります。
ただし、借り換えによるメリットと返済までの時期などを慎重に見極める必要があります。
ケース3.自分の金利観を持っている人
今後の金利がどうなるのかなど、確固たる金利観に基づいて借り換えを選ぶとするならば、その結果がどのようなものでも自分自身で納得できるはずです。
そのため、このような人は借り換えを自分で進める選択をしてもいいでしょう。
まとめ
今回は借り換えについて、基本事項の部分から解説してきました。
金利上昇など心配なことは増えてきていますが、大事なのは情報に振り回されないことです。本当に正しい情報かと疑う目を持つことが大事だと思います。
そして結局のところ、損得は人それぞれの価値観です。借り換えをするかどうかも最終的には自分で決めることであり、周りから強制されることではありません。
ただし、一度借り換えをしたら後戻りはできません。決断するときは後悔しないよう、慎重に考えることをおすすめします。
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淡河範明さん
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