住宅ローンを少しでも早く完済したいのなら、繰り上げ返済を積極的に行おう。早く完済できれば、それだけ金利負担も減るので総支払額も抑えることができてお得だ。そこで、17銀行・金融機関について、住宅ローンの繰り上げ返済がしやすいのはどこなのか、ダイヤモンド不動産研究所で調べてみた。
今や、住宅ローンの一部繰り上げ返済は無料が当たり前!
住宅ローンを借りる際、実際は短期間で完済できる人でも、銀行が勧めることもあり、借入期間35年といった長期で借りる人が多い。ただし、それでは完済するのが老後になったり、総返済額が大きく膨らんでしまう。そこで活用したいのが、繰り上げ返済だ。通常の返済とは別に、借入残高の一部または全額を返済することで、借入残高を一気に減らすことができる。
繰り上げ返済したあとは、毎回の返済額はそのままで返済期間を短縮する「期間短縮型」か、返済期間はそのままで毎回の返済額を減らす「返済額軽減型」か、選ぶことができる銀行が多い。一般的には完済を早めたい人の方が多いので、返済期間を短縮できる「期間短縮型」が選ばれている。
では繰り上げ返済がしやすい銀行はどこなのだろうか。下表は主要銀行について、WEB経由での繰上返済手数料をまとめたものだ。
銀行名 | 一部を繰上返済(WEB経由) | 全額を繰上返済(WEB経由) | |
---|---|---|---|
ネット系銀行 | 0円 | 不可 | |
0円 | 5万5000円 | ||
0円 | 変動金利期間=0円 固定金利期間=3万3000円(税込) |
||
0円 | 0円 | ||
0円 | 変動金利期間=0円 固定金利期間=3万3000円 |
||
0円 | 0円 | ||
0円 | 0円 | ||
0円 | 不可 | ||
0円 | 変動金利期間=0円 固定金利期間=3万3000円 |
||
大手銀行 | 0円 | 不可 | |
0円 | 5500円 | ||
0円 | 1万6500円 | ||
0円 | 不可 | ||
信託銀行 | 0円 | 不可 | |
0円 | 不可 | ||
その他 | 0円 | 0円 | |
※2023年12月調べ |
まず、借入残高の一部をインターネット経由で繰り上げ返済する際の手数料は、無料なのが当たり前になっている。メガバンクや地方銀行の上位行、ネット銀行は、ほとんどが無料だ。ところが、地方銀行の下位行(かつての第二地銀など)や信用金庫、信用組合では、いまだに店頭に出向いての手続きのみというところがある。その場合、5000円から3万円程度の手数料がかかるのが一般的だ。繰り上げ返済を積極的に行う人にとって、大きな負担だろう。
借入残高全額をインターネット経由で返済する際の手数料は、ばらつきがあった。メガバンクや信託銀行は、ネット経由で全額繰り上げ返済ができず、店頭に行かなければならないケースが意外と多い。一方で、ネット銀行はネット経由で全額返済することはできるが、手数料については0円から5万5000円まで、結構幅がある。ネット経由でいつでも無料で全額返済できるのは、ARUHI、SBI新生銀行、ソニー銀行、楽天銀行、優良住宅ローンなどだ。
【関連記事はこちら】>>ソニー銀行の住宅ローンの金利・手数料は?業界トップクラスの低金利や安い諸経費が人気!
なお、固定金利で借りている期間に、借入残高全額を繰り上げ返済すると手数料がかかるのは、auじぶん銀行、住信SBIネット銀行などだ。銀行は固定金利で貸す際に、金利の変動で損をしないよう固定期間について保険料などを支払っており、固定期間の途中で完済されるとコスト割れになってしまうので、そのコストを借り手に請求している。
ソニー銀行、三井住友銀行は、即日の返済が可能!
また、繰り上げ返済をこまめにする人の場合、即日決済してくれる銀行かどうかも気に留めよう。大半の銀行は繰り上げ返済の手続きはいつでもできるが、実際に決算されるのは毎月の返済日に限られている。つまり1カ月に1回しか返済できないということだ。店頭での手続きでもインターネットで手続きしても同じだ。

これに対して、即日で決済できる、つまり申し込んだ日にすぐに繰り上げ返済できる銀行も登場してきた。現在のところ、メガバンクでは三井住友銀行、ネット銀行ではソニー銀行が代表例。毎月の返済日まで待たずに繰上返済できれば、わずかだが支払う利息をカットできる。この2行が好きな日に繰り上げ返済できるのは、住宅ローンを管理する銀行内のシステムに投資し、機能を高めたからだ。
【関連記事はこちら】>>三井住友銀行の住宅ローンの金利・手数料は?毎月の決済日まで待たなくても繰り上げ返済できてお得
住宅ローンを繰り上げ返済する際の注意点
以上のように、繰り上げ返済はメリットだらけのように見えるが、気をつけたい点もある。それは、少しでもお金が貯まったらすぐに繰り上げ返済をするのはいいのだが、やり過ぎると、俗に言う「繰り上げ返済貧乏」に陥る可能性があるということ。
例えば、家族に子どもがいる場合は、大学進学時の入学金や、留学でまとまった出費が必要だったりする。それなのに、繰り上げ返済をし過ぎて教育資金を確保しておかないと、教育ローンや奨学金を借りて、高い金利を支払うことになってしまうかもしれない。教育資金はある程度予想できる出費なだけに、繰り上げ返済よりも優先して積み立てておく方がいいだろう。
他にも、住宅ローンを借りている間に必要な資金があれば、ある程度計算し、預金してから繰り上げ返済したほうが、トータルでみてお得になるのだ。
【関連記事はこちら】>>132銀行を比較! 住宅ローン返済額シミュレーション
132銀行を比較◆住宅ローン実質金利ランキング[新規借入] |
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- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%+55000円
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
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- 表面金利
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- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
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③金利+0.1%で、がん100%団信も付帯OK


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今回作成した「住宅ローン利用者口コミ調査」の調査概要は以下のとおり。
【調査概要】
調査日:2023年12月
調査対象:大手金融機関の住宅ローン利用者(5年以内に住宅ローンを新規借り入れ、借り換えした人)
有効回答数:822人
調査:大手アンケート調査会社に依頼
評価対象:有効回答数47以上を対象とするアンケートの設問は以下の7問。回答は5段階評価とした。なお、評価点数の平均点は小数点第2位以降を四捨五入。
【アンケートの設問】
Q1.金利の満足度は?
Q2.諸費用・手数料等は妥当でしたか?
Q3.団体信用生命保険には満足しましたか?
Q4.手続き・サポートには満足しましたか?
Q5.審査について、満足していますか?
Q6.借り入れ後の対応に満足しましたか?
Q7.他の人にも現在の銀行を勧めたいと思いますか?
【回答の配点】
・各設問は5段階で回答してもらい、Q1なら以下のように配点。平均値を求めた。
満足している(5点)
どちらかといえば満足している(4点)
どちらともいえない(3点)
どちらかといえば不満である(2点)
不満である(1点)
・総合評価については、各項目の平均値を全て合算。読者が重視する「Q1金利の満足度」については点数を3倍、「Q3団信の満足度」の点数を2倍として、点数の合計を50点満点とし、10で割ることで5点満点の数値を求めた。
132銀行の住宅ローンを比較 >>返済額シミュレーションで、全銀行の金利を一気に比較・調査
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プロの評判・口コミ
淡河範明さん
りそな銀行の住宅ローンは、まず金利設定がかなりチャレンジングです。期間固定金利の場合、固定期間終了後も当初の金利優遇がずっと大きいままなので、金利は低いですね。そのため借り換えをするならメリットが大いにあります。
審査は、厳しくも緩くもないですね。用意する書類に関して厳格で、お客様の属性にもよりますが、必要書類が他の金融機関に比べて提出書類が多く、また、一つ不備があるときっちり揃えるまで何度もやり取りをしなければならず、煩わしいかもしれません。書類の不備があると審査が長びくリスクもあります。
一般に、自営業や会社経営をしている場合は、直近3期分の決算書と確定申告書、役員報酬の源泉徴収票の提出を求められます。りそな銀行では、さらなる書類を求められることもあり、会社の納税証明書の提出が必要となることもあります。そのため審査に時間がかかりがちで、事前審査も本審査もそれぞれ2〜3週間かかることも珍しくなく、融資実行を早めにしたい人は要注意です。