住宅ローンの審査に落ちた人、落ちたくない人向けに、審査とは何かを解説します。住宅ローン審査は、年収、勤続年数、不動産の担保価値、健康状態などを元に住宅ローン融資の可否、融資可能額を決めるものです。しかし何も準備していなかったり、知識がないと、厳しい審査で落とされたり、融資額を削られたりします。どうすれば、審査をうまくクリアできるのか、10のポイントを紹介します。
■その1■
住宅ローン審査では、「信用情報」を利用
銀行や保証会社が住宅ローンの審査をするとき、参考にしているのは申請者本人からの情報だけではありません。信用情報登録機関が管理・提供している「信用情報」を真っ先にチェックしています。信用情報の内容が悪ければ、住宅ローン審査に落ちてしまいますが、金融機関はその詳細を本人に伝えてはくれません。
「信用情報」とは、クレジットカードやローンなどの返済・支払い・利用状況(滞納・延滞履歴を含む)が記載されている個人情報のこと。基本的には過去5年分の状況を確認することができます。
信用情報を管理している「信用情報登録機関」は主に3つあります。審査に落ちた理由が分からない場合には、CICをはじめとした3つ全ての機関から自分の信用情報を取り寄せ、現状を把握することをおすすめします。
【詳細はこちらの記事を読もう!】>>過去にローンの遅延がある人でも住宅ローンは借りられる? 信用情報の裏側を大解剖!
■その2■
携帯電話代金の支払い遅れで、借りにくくなる
携帯電話代金の支払い忘れや延滞をすると、その後の5年間は住宅ローンが借りられなくなる可能性があることを知っていますか?
あまり知られていませんが、携帯電話の分割払いはローンの一種です。ローンやクレジットの支払い忘れや延滞は、CICなどの「個人信用情報機関」に登録されていて、5年間も記録が残っています。
また、自己破産をしたことがある人は、10年間も記録が残るため、住宅ローンの借り入れはかなり難しいでしょう。ただし、税金や社会保険料、公共料金の延滞は銀行側が簡単には調べられないために、審査に影響しません。
また、他の銀行で住宅ローン審査に落とされた経験がある人は、その記録が6カ月間残るので注意しましょう。そのため、最初から複数の銀行に事前審査を申し込むといいでしょう。
【詳細はこちらの記事を読もう!】>>携帯電話代金の支払い遅れで、住宅ローンが5年間も借りにくくなるって本当? 信用情報の審査で知っておきたい5つのポイント
■その3■
奨学金の返済状況も、審査に使っている
住宅ローンの審査で、必ず聞かれるのが「借金の有無」です。ここでいう借金とは、銀行や消費者金融からの借り入れや各種ローン、クレジットカードのキャッシング枠はもちろんのこと、意外にも奨学金や携帯電話の分割払いまで含みます。
大概の借金は銀行が調査でき、住宅ローン審査に活用しています。今ある借金を返済して、与信状況(クレジットヒストリー)を少しでもきれいにする努力から始めるのがいいでしょう。
【詳細はこちらの記事を読もう!】>> 銀行が調べても、ばれない借金がある!? 住宅ローンの元審査担当が明かす、真の「調査力」
■その4■
審査が通りやすい銀行は? 勤続年数、年収を徹底比較
従来、銀行の住宅ローン審査基準はほぼ横並びでしたが、ネット銀行の登場により審査に通りやすい銀行が登場しています。ネット銀行の中には、従来の厳しい審査基準にとらわれず「勤続年数」や「前年度年収」を引き下げている銀行もあります。
・ネット銀行…「勤続年数」が1~2年以上とかなり短いが、「前年度年収」は400万円以上と比較的高い。書面による審査のため厳しく、融通が利かない。
・大手銀行…「勤続年数」は3年以上と従来通りだが、「前年度年収」は200万円以上とネット銀行より少し安い。対面での相談が可能なため、融通が利きやすい。
なお、「イオン銀行」は「勤続年数」が「6カ月以上」、「前年度年収」が「100万円以上」と低めです。大手銀行なら「りそな銀行」が審査基準の緩和に積極的です。
また、独立行政法人の住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が組成する「フラット35」も審査基準が緩く、住宅ローンを借りやすいことで有名。「勤続年数」や「(最低限必要な)前年度年収」の規定がなく、返済負担率が基準を満たしてさえいれば借りられます。
【詳細はこちらの記事を読もう!】>> 住宅ローンの審査基準を15銀行で徹底比較! 年収100万円、勤続6カ月で借りられる銀行は?
■その5■
転職直後でも審査に通るための秘訣は?
住宅ローン審査時には「勤続年数」が問われることが多いです。なので一昔前までは、転職直後の審査申し込みは不利だということが知られていました。ところが最近は単純な返済能力が問われる傾向にあり、「勤続年数」が審査基準として入っていない銀行も出てきました。
ただし、いくら勤続年数を問わないとはいえ、基本的には1カ月以上勤務した後に、審査申し込みをオススメします。そうしないと、年収計算をする際に金額が低くなってしまうケースがあります。
また、転職直後には保証料が高くなる可能性もあるので注意したいところです。
【詳細はこちらの記事を読もう!】>>転職直後でも住宅ローン審査に通るための注意点は?勤続年数を問わない銀行はどこ?
■その6■
低年収でも借りられる住宅ローンがある?
アルバイト、派遣社員など、年収200万円程度だったり、既存の借り入れがある人など、様々な事情を抱える人でも、住宅ローンを借りられるのでしょうか?
実は、低収入であったり、諸事情があっても住宅ローンを借りやすいのは「フラット35」です。フラット35は持ち家を促進するための住宅ローンで、全国300以上の金融機関が、独立行政法人・住宅金融支援機構と提携して扱っている。
フラット35の特徴は以下の通りです。
・アルバイト、年金受給者、派遣社員、契約社員、勤続1ヶ月以上の人でも対応(年収制限なし)
・審査基準が柔軟である
・団体信用生命保険(団信)に加入しなくても可
民間銀行は団信への加入が借り入れの条件となっているため、持病があると借りられないことがあります。フラット35なら団体信用生命保険への加入は必須でないので、借りることができます。
【詳細はこちらの記事を読もう!】>> アルバイトや年収200万円未満でも、住宅ローンは借りられる? 年収が低くても借りられる銀行、商品を紹介!
■その7■
個人事業主の審査基準は?
個人事業主やフリーランスは、直近3期分の「所得」を年収とみなして住宅ローンの審査するのが一般的です。多くの銀行では、仮審査時に、直近3期分の決算書や確定申告書の提出が必要となっています。
会社の経営者の場合、更に大変です。本人の収入を証明する直近3年分の源泉徴収票(または確定申告書)と3期分の決算書の双方を提出する必要があります。いくら役員報酬を多くもらっていても、その母体となる会社の決算内容が悪ければ、審査には通らないのです。
なお、事業年数に条件を設けていない銀行もあります。ただし事業を始めてから3期経過していないと、審査のハードルは高めなので、心得ておいたほうがいいでしょう。
【詳細はこちらの記事を読もう!】>> 年収200万の自営業・個人事業主でも住宅ローンの審査は通る!14銀行の審査基準を徹底比較!
■その8■
健康状態、年齢…。銀行が重視する項目とは?
改めて銀行が住宅ローンの審査で、どんな項目をチェックしているのか確認しておきましょう。以下の6項目については、ほぼすべての銀行が審査時に重要視しています。
- ・住宅ローン完済時年齢
- ・健康状態
- ・不動産の担保評価
- ・住宅ローン借入時年齢
- ・年収
- ・勤続年数
他にも、既存の借り入れがあるかどうか、返済負担率なども審査の際に見ています。家族構成、会社の業種などをチェックする銀行もあります。住宅ローンは長期に渡ってきちんと返済を続けられるかが重要視されるため、こうした項目も重視されるのです。
【詳細はこちらの記事を読もう!】>> 住宅ローンの仮審査で基準となる21項目を徹底解説! 本審査までの流れや必要な書類とは
■その9■
審査が早い・短い銀行はどこ?
住宅ローンの手続きは、「事前審査(仮審査)」「本審査」「契約」「融資実行」という流れです。仮審査から実際の融資実行までは、最短でも1カ月弱、長いと1カ月半以上かかります。1〜3月など申込が多い時期はそれ以上かかることもあります。時間があまりないときは審査が早めの銀行に申し込みたいところです。
銀行の中で、住宅ローンの審査が早いのは、auじぶん銀行、楽天銀行、りそな銀行などです。フラット35なら、アルヒも審査スピードが速めです。
【詳細はこちらの記事を読もう!】>> 住宅ローンの審査期間が短い銀行は? 15銀行の審査期間とネット申し込み対応状況を比較
■その10■
銀行の「借入可能額」の決め方とは?
住宅ローンの借入可能額については、民間銀行では、実際に貸し出す金利とは別に、住宅ローンの審査用に設定された「審査金利」という独自の金利を使って審査を行っています。審査金利の相場は3~4%と、公表されている金利よりかなり高く設定されています。将来、金利上昇したときでもきちんと返済できるかをチェックしているのです。審査が厳しい分、金利は低めに設定されています。
一方、フラット35は「実際に融資する金利」=「審査金利」なので、審査結果の予想がしやすくなっています。審査は緩めですが、全期間固定金利しかラインアップしていないため、金利は高めです。
なお、審査金利はほとんど公表されておらず、銀行によって異なるため、正確な借入可能額は分かりません。確実に借りたいのなら、あらかじめ複数の銀行の事前審査に申し込みをしておくべきでしょう。
【詳細はこちらの記事を読もう!】>> 住宅ローンの「借入可能額」の決め方とは? 審査の専門家が、銀行内部の計算法を公開。年収別に、本当に借りられる額を試算してみた!
まとめ
住宅ローン審査に通るためにはある程度の「知識」が必要
審査は水物なので、複数の銀行に申し込みをしておこう!
銀行は、住宅ローンの細かい審査基準を公開しておらず、最終的に審査は水物と言えます。しかし、審査の考え方、調査方法を知ることで審査に通る確率はぐっと上がるはずです。また、複数の銀行に同時に申し込みをしておけばその分、審査に通りやすくなる可能性は高まります
また、銀行によって審査基準は違うので、各銀行の審査基準は、下記の記事リンクから確認しておきましょう。
132銀行の「審査基準」を確認しようネット銀行 イオン銀行 auじぶん銀行 PayPay銀行 SBI新生銀行 住信SBIネット銀行 ソニー銀行 楽天銀行都市銀行 三井住友銀行 三菱UFJ銀行 みずほ銀行 りそな銀行 信託銀行 ・その他金融機関 アルヒ SBIマネープラザ 三井住友信託銀行 三菱UFJ信託銀行 中央労働金庫 東北ろうきん 新潟ろうきん 長野ろうきん 静岡ろうきん 北陸ろうきん 東海ろうきん 近畿ろうきん 中国ろうきん 四国ろうきん 九州ろうきん 沖縄ろうきん 優良住宅ローン JAバンク埼玉 地方銀行 北海道銀行 青森銀行 みちのく銀行 秋田銀行 北都銀行 荘内銀行 山形銀行 岩手銀行 東北銀行 七十七銀行 東邦銀行 群馬銀行 足利銀行 筑波銀行 常陽銀行 埼玉りそな銀行 武蔵野銀行 千葉銀行 横浜銀行 千葉興業銀行 きらぼし銀行 第四北越銀行 静岡銀行 山梨中央銀行 八十二銀行 北陸銀行 富山銀行 北國銀行 福井銀行 スルガ銀行 清水銀行 大垣共立銀行 十六銀行 三重銀行 百五銀行 滋賀銀行 京都銀行 関西みらい銀行 池田泉州銀行 南都銀行 紀陽銀行 但馬銀行 鳥取銀行 山陰合同銀行 中国銀行 広島銀行 山口銀行 阿波銀行 百十四銀行 伊予銀行 四国銀行 福岡銀行 筑邦銀行 佐賀銀行 十八親和銀行 肥後銀行 大分銀行 宮崎銀行 鹿児島銀行 琉球銀行 沖縄銀行 西日本シティ銀行 北九州銀行 第二地方銀行 北洋銀行 きらやか銀行 北日本銀行 仙台銀行 福島銀行 大東銀行 東和銀行 栃木銀行 京葉銀行 東日本銀行 東京スター銀行 神奈川銀行 大光銀行 長野銀行 富山第一銀行 福邦銀行 静岡中央銀行 愛知銀行 名古屋銀行 中京銀行 第三銀行 みなと銀行 島根銀行 トマト銀行 もみじ銀行 西京銀行 徳島大正銀行 香川銀行 愛媛銀行 高知銀行 福岡中央銀行 佐賀共栄銀行 長崎銀行 熊本銀行 豊和銀行 宮崎太陽銀行 南日本銀行 沖縄海邦銀行 |
銀行ごとの「審査基準」を比較 |
132銀行を比較◆住宅ローン実質金利ランキング[新規借入] |
132銀行を比較◆住宅ローン実質金利ランキング[借り換え] |
【金利動向】おすすめ記事 | 【基礎】から知りたい人の記事 |
【今月の金利】 【来月の金利】 【2024年の金利動向】 【変動金利】上昇時期は? 【変動金利】何%上昇する? |
【基礎の8カ条】 【審査】の基礎 【借り換え】の基礎 【フラット35】の基礎 【住宅ローン控除】の基礎 |
新規借入2024年12月最新 主要銀行版
住宅ローン変動金利ランキング
※借入金額3000万円、借入期間35年で試算
- 実質金利(手数料込)
- 0.413%
- 総返済額 3218万円
- 表面金利
- 年0.284%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 75,045円
①「がん・4疾病50%+全疾病+月次返済保障」が無料!
②住宅ローン金利優遇割ならダントツの低金利
③三菱UFJ銀行とKDDIが立ち上げたネット銀行。ネット申し込みで、全国に対応
- 実質金利(手数料込)
- 0.512%
- 総返済額 3271万円
- 表面金利
- 年0.375%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%+33000円
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 76,229円
①注文住宅なら、分割融資に対応でお得
②手数料不要の「借入時負担ゼロ型」は、将来住み替えを考えている人におすすめ
③中古物件でもリフォーム資金含めて借り入れが可能
- 実質金利(手数料込)
- 0.531%
- 総返済額 3281万円
- 表面金利
- 年0.390%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%+55000円
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 76,426円
①「団信革命」は要介護まで保障も
②自社商品なら、最大3億円まで借り入れOK!
③【期間限定】WEB完結金利優遇キャンペーン実施中。変動金利が年0.390%~
-
住宅ローン利用者口コミ調査の詳細を見る
-
今回作成した「住宅ローン利用者口コミ調査」の調査概要は以下のとおり。
【調査概要】
調査日:2023年12月
調査対象:大手金融機関の住宅ローン利用者(5年以内に住宅ローンを新規借り入れ、借り換えした人)
有効回答数:822人
調査:大手アンケート調査会社に依頼
評価対象:有効回答数47以上を対象とするアンケートの設問は以下の7問。回答は5段階評価とした。なお、評価点数の平均点は小数点第2位以降を四捨五入。
【アンケートの設問】
Q1.金利の満足度は?
Q2.諸費用・手数料等は妥当でしたか?
Q3.団体信用生命保険には満足しましたか?
Q4.手続き・サポートには満足しましたか?
Q5.審査について、満足していますか?
Q6.借り入れ後の対応に満足しましたか?
Q7.他の人にも現在の銀行を勧めたいと思いますか?
【回答の配点】
・各設問は5段階で回答してもらい、Q1なら以下のように配点。平均値を求めた。
満足している(5点)
どちらかといえば満足している(4点)
どちらともいえない(3点)
どちらかといえば不満である(2点)
不満である(1点)
・総合評価については、各項目の平均値を全て合算。読者が重視する「Q1金利の満足度」については点数を3倍、「Q3団信の満足度」の点数を2倍として、点数の合計を50点満点とし、10で割ることで5点満点の数値を求めた。
132銀行の住宅ローンを比較 >>返済額シミュレーションで、全銀行の金利を一気に比較・調査
|
- 年収に対して安心して買える物件価格は?
-
- ・年収200万円で妻が妊娠中の家族の上限は1600万円!?
- ・年収250万円の単身者の上限は1800万円!?
- ・年収300万円の4人家族の上限は1800万円!?
- ・年収350万円の2人家族の上限は2100万円!?
- ・年収400万円の単身者の上限は2500万円!?
- ・年収450万円の4人家族の上限は2000万円!?
- ・年収500万円の4人家族の上限は3000万円!?
- ・年収600万円の3人家族の上限は3500万円!?
- ・年収600万円の40代独身の上限は3000万円!?
- ・年収700万円の共働き夫婦の上限は5000万円!?
- ・年収800万円の3人家族の上限は4500万円!?
- ・年収1000万円の30代4人家族の上限は5000万円!?
- ・年収1000万円の40代4人家族の上限は3500万円!?
- ・年収1000万円の50代夫婦の上限は3000万円!?
※サイト内の金利はすべて年率で表示
プロの評判・口コミ
淡河範明さん
auじぶん銀行の魅力は、業界トップクラスの変動金利です。変動金利が大好きな人なら、最上位にすすめたいですね。最大2億円まで借りられるのも大きなポイントです。
審査に関しては、めちゃくちゃ早いです。申し込んでから基本的には1ヶ月以内に融資実行ができるので、急いでいる場合にはありがたい。「今月中に融資して欲しい」とアピールすれば、審査がスムーズに運びやすいです。
団信では「がん・4疾病50%保障団信」が無料で付いているので、通常の団信より手厚いと言えます。通常、保障を厚くするのであれば、金利を上乗せする必要がありますが、無料でつくのは魅力です。