以下は2025年4月時点の金利予想です。
| 銀行名 | 10年後の変動金利(試算) | |
|---|---|---|
| 三井住友銀行 | 2.892% | |
| 楽天銀行 | 2.636% | |
| 三井住友信託銀行 | 2.580% | |
| りそな銀行 | 2.532% | |
| イオン銀行 | 2.440% | |
| 三菱UFJ銀行 | 2.109% | |
| auじぶん銀行 | 2.002% | |
| みずほ銀行 | 1.926% | |
| ソニー銀行 | 1.866% | |
| PayPay銀行 | 1.668% | |
| SBI新生銀行 | 1.563% | |
| 住信SBIネット銀行 | 1.493% | |
| ※2025年4月の各銀行の金利で試算。あくまでインプライド・フォワードレートの考え方で試算したものであり、10年後の変動金利を確約するものではない | ||
10年後の変動金利を試算した結果、金利が最も低いのは、住信SBIネット銀行の.493%で、金利が最も高いのは、三井住友銀行の2.892%。12銀行の平均値は2.142%です。
2025年1月に日銀の再利上げによって政策金利が0.25%引き上げられ、4月時点で0.5%となっています。
半年前の調査では10年後の変動金利の平均値が1.618%でした。今回は約0.543%上昇し、12行すべてが金利を引き上げました。
政策金利は0.25%程度の上昇でしたが、10年後の変動金利が0.543%も上昇したのは、調査したすべての銀行が「10年後の金利は上昇する」ということが共通認識になったと推測できます。
金利の先高感を銀行が意識している
実際の固定期間ごとの店頭金利は、すべての固定期間の金利が上昇しました。
前回の調査との違いとしては、固定期間が短い金利タイプの上昇より、固定期間の長い金利タイプの伸びがやや上回っていることです。これは、金利の先高感を銀行が意識しているからではないかと考えます。
また特徴的なのは、12銀行中、9行が10年固定金利の適用金利よりも、10年後の変動金利が高く設定されていることです。
前回の調査では銀行の営業戦略の変化を予想しましたが、実際に銀行の住宅ローンの取り組み方針に大きな変化が生まれてきたようです。
住宅ローンの変動金利の基準金利の変化だけでなく、調査した銀行の半数を超える7行が優遇金利を変更。そのうち5行は、基準金利の上昇を緩和するために優遇幅を拡大しています。おそらく、取引減少を嫌がってのことだと思われます。
残り2行は、金利優遇幅を縮小しました。住宅ローンによる収益性を健全な状態に戻そうとするものだと思われます。これは、正常な動きだと考えています。
銀行も今後は横並びではなく、それぞれの戦略にのっとって動いていくことが予想されるため、住宅ローンはより慎重に選ぶ必要があるでしょう。
10年後、20年後、30〜35年後までの変動金利推移を銀行ごとに予測
それでは各銀行の「X年後の変動金利推移」を試算していきます。
銀行により固定金利の最長固定期間が、10年、20年、30年または35年と3パターンあるので、3つに分けてグラフを作成してみました。
今後20年までの金利推移予測(三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行、ソニー銀行、SBI新生銀行、三井住友銀行)
今後30年or35年までの金利推移予測(三井住友信託銀行、住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、PayPay銀行)
10年後までの金利推移予測

イオン銀行と楽天銀行は、金利上昇のペースが前回調査より約0.5%上昇する見込みと予想しているようです。
具体的には、2年以内に金利が2%程度まで上昇し、10年前後の2.5%程度まで緩やかに上昇するという予想です。
20年後までの金利推移予測

三菱UFJ銀行
1年以内に変動金利が2%を超えると見込んでいるようです。その後、5年以内に3%近くまで上昇。その後は、金利が低下し10年後から金利の再上昇が始まるといった循環型の金利推移を予測しているようです。ある程度オーソドックスな予測のように思われます。
ただ、4月の変動金利は0.595%と適用金利を据え置いたので、将来の金利上昇を前提に、戦略的に変動金利の顧客の囲い込みを続けていると考えられます。
みずほ銀行
変動金利1%には1年以内に達すると予測してはいるものの、金利上昇は緩やかになると想定しており、変動金利が2%を超えるのは7年後と想定しているようです。その後、金利は徐々に上昇していきますが、20年後の変動金利は3%程度までと緩やかながら安定的な成長を見込んでいるようです。
三井住友銀行
当初の金利上昇スピードが速いと考えているようで、2年で2%の上昇を見込んでいます。ただ、その後は好況局面が終了し、10年後に3%まで緩やかに上昇すると予測しているようです。
りそな銀行
2年以内に2%になると見ているようですが、その後は金利が伸び悩み、また10年後以降、20年後までに5%を目指して上昇すると見込んでいるようです。
やや不自然なくらいに右肩上がりの金利上昇となっており、10年後以降は営業的な観点から数値を付けにいったにおいがします。
ソニー銀行
10年以内に金利は2%まで届くことはないという、かなり緩やかな金利上昇を予測しているようです。その後も緩やかな金利上昇を見込んでいますが、そこから10年かけて3%程度に上昇すると見ているようです。
SBI新生銀行
これまでの銀行とは大きく異なり、金利が2%になるのは11年目以降と金利上昇が緩やかなシナリオを持っているようです。
なお、SBI新生銀行は1年固定を有する数少ない銀行で、その金利はやや高く設定されているためデータとして異常値として取り扱っています。
今後30年or35年までの金利推移予測

三井住友信託銀行
固定金利の最長固定期間が30年までの三井住友信託銀行の金利は、2年以内に2%まで上昇すると見込んでいるようです。3年たって景気は減速するも徐々に持ち直し、15年後までに変動金利は4%を超えるという予想です。
住信SBIネット銀行
5年かけて徐々に金利が上昇し、3年目でようやく1%に到達、5年後には金利が大きく下落、7年目以降には上昇に転じ、20年目には6%まで上昇すると見込んでいるようです。
おそらくこれは予測ではなく、営業的な金利設定により生じた"ゆがみ"ではないかと思われます。
auじぶん銀行
金利は10年以内に2%になると予想しており、その後、20年くらいかけて3%まで上がるという予想です。
PayPay銀行
金利2%は11年目以降になると見ているようですが、15年目にはいきなり3%近くまで上昇するという非常に大胆は金利設定となっています。おそらく営業政策的な金利設定なのでしょう。
変動金利上昇は想定すべき
以上のように、銀行によって変動金利の見通しはかなり違います。また、繰り返しになりますが、あくまで固定金利との金利差から試算したものであり、確定的な情報ではありません。
とはいえ、主要12銀行は10年後の変動金利が、1.493%〜2.892%になると想定していると試算できることはお分かりいただけたかと思います。
銀行は変動金利が何年以内に1%、2%を超えると予想しているか
各銀行が変動金利の上昇時期をどのように想定しているのか、試算してみましょう。
政策金利0.5%の壁は突破する
2025年1月、日銀の再利上げにより政策金利がとうとう0.5%になりました。2007年に政策金利を0.5%まで引き上げた後、リーマンショックの影響で再び金利を引き下げざるを得なくなった経緯があることから、政策金利は0.5%が一つの壁とみなされています。
日銀は現在の金融緩和の状態から徐々に正常な状態に近づけていく方針を示しているので、年内にあと1、2回の利上げを見込む識者も多数いました。
しかし現在、利上げの前提条件である好景気や賃上げに黄信号がともっています。トランプ関税政策が景気の悪化要因になる恐れが出てきました。
そのため、トランプショックの影響を見極める時間が必要になってくると予想されます。ただし、基本方針は変わっていません。政策金利の引き上げは、将来的に行われる可能性が高いと見ています。
今後は国内景気の動向、賃金動向を見極め、日銀が政策金利を再度引き上げに転じるタイミングに注目すべきです。
1995年以来、30年以上も政策金利が1%を超えていないので、なかなか金利が上昇するというイメージを持てない人も多いかと思いますが、金融緩和の状態を永続させることはないでしょう。
いつ変動金利が上がるのかがわかれば、金利タイプを適切に判断できる
政策金利が0.5%の壁を超えると、おそらく変動金利は1%を超えるようになるでしょう。ただし、1%になったとしてもそれ以上の上昇がなければ変動金利が有利となります。
もし、変動金利が早期に2%を超えるようであれば、固定金利を選択したほうが有利になる可能性が高くなります。
つまり、いつ変動金利が上がるのかがわかれば、金利タイプを適切に判断できるというわけです。
以下は、主要12銀行が何年以内に変動金利が1%、2%を超えると予想しているのかを試算した結果です。
| 時期 | 銀行名 |
|---|---|
| 1年以内 | みずほ銀行、三菱U F J銀行、三井住友銀行、ソニー銀行、auじぶん銀行、りそな銀行、イオン銀行、SBI新生銀行、楽天銀行、PayPay銀行 |
| 2年以内 | ー |
| 3年以内 | 住信SBIネット銀行 |
| 4年以内 | ー |
試算の結果、変動金利が1%を超える時期はほぼ1年以内と考えている銀行がほとんどでした。前回の試算と比べ、金利上昇のスピードが加速していることを感じます。ただし、住信SBIネット銀行だけが3年目に上がると予想しているようです。
| 時期 | 銀行名 |
|---|---|
| 2年以内 |
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、りそな銀行 |
| 5年以内 | 楽天銀行 |
| 7年以内 | みずほ銀行、イオン銀行 |
| 10年以内 |
auじぶん銀行 |
| 15年以内 |
ソニー銀行、住信SBIネット銀行、SBI新生銀行、PayPay銀行 |
2%を超える時期は各銀行のスタンスにバラツキがあることがわかります。2年以内と予想しているのはメガバンクや信託銀行が中心で、ネット銀行などは10年後、15年後までは2%を超えないと予想しているようです。
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淡河範明さん
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