以下は2023年4月時の金利予想です。
「X年後の変動金利」を銀行ごとに試算(2023年4月時点の予想)
それでは各銀行の「X年後の変動金利推計」を紹介していきます。
銀行により固定金利の最長固定期間が、10年、20年、30年or35年と3パターンあるので、3つに分けてグラフを作成してみました。
【10年まで固定金利を提示している銀行】
三井住友銀行は、金利上昇のスピードが速いと考えているようで、5年という期間で急速に金利は上昇し、2%までの上昇を見込んでいるのが特徴です。それ以降は景気後退局面を予測しているのか、金利が低下していきますが、ゼロ金利などの金融政策は不要なレベルまでしか、景気は後退しないと考えているようです。
イオン銀行、楽天銀行は、10年かけて、緩やかに2.0%以上に上昇するという予想で、2年以内に「マイナス金利やイールドカーブ・コントロールの制限解除」を想定しているようです。6~10年以内に、金融政策の転換で通常の金利水準となり、経済成長が徐々に始まるイメージなのでしょう。
【20年まで固定金利を提示している銀行】
三菱UFJ銀行は、異次元緩和(YCCとマイナス金利)は2年以内に解除を見込んでいるようです。その後、5年以内にゼロ金利の解除を見込んでいるようで、三井住友銀行と同様に日本の将来が明るいと予想しているようで、元気がもらえます。
10年後の金利予想だけが落ち込んでいるのは、10年固定金利を営業政策上、低めに設定しているからでしょう。その後も、景気は好況と不況を繰り返し、11~15年以内には金利が4%超となるのを見込んでいて、金利が経済成長率を上回る正常な状態になると見ており、理想的な経済成長を想定しているようです。
みずほ銀行は、金利上昇は緩やかに起こると想定していて、変動金利が1%以上となるのは7年後以降と想定しているようです。その後、金利は徐々に上昇していきますが、上昇してもせいぜい2%を超える程度でとどまると見ているようです。
りそな銀行は、2年以内に1%を超えると見ており、異次元緩和の解除による金利上昇を見込んでいるようですが、金利は緩やかな上昇となります。その後も、持続的な経済成長により金利は4%程度まで上昇するという予想です。やや不自然なくらいに右肩上がりの金利上昇となっていて、10年以降は営業的な観点から数値をつけにいったにおいがしますが、このように景気が回復すればいいなと願わずにはいられません。
ソニー銀行は、7年以内はほぼ横ばいから微増なので、「質的・量的金融緩和の解除が行われない」と予想しているようです。その後は、一気に金融政策は正常化され、8~10年以内には、景気が好循環するところまで改善すると見込んでいます。なお、10年後の金利予想だけが低いのは、10年固定金利を営業政策上、低めに設定しているためでしょう。
SBI新生銀行は、「10年かけて金融緩和の正常化をゆっくりと行い、変動金利は1.6%程度まで緩やかに上昇していく」と予想しています。日本経済に対して、かなり期待をもっていない予想です。異次元緩和の解除は20年以内には起こらないだろうとのスタンスのようです。
【30年以上まで固定金利を提示している銀行】
三井住友信託銀行は、「2年以内に質的・量的金融緩和が解除される」と見込んでいるようです。その後は、経済成長がゆっくり進むと予想しているようで、ゼロ金利解除まで15年以内とみているようです。その後、景気は好循環に入り、変動金利は4%弱まで上昇すると予想していて、比較的明るい予想です。
住信SBIネット銀行は、他の銀行と異なって、変動金利がマイナスになったり、5%超まで金利が上昇したりするという結果になっています。かなり極端な結果ですが、おそらくこれは予想ではなく、営業的な金利設定により生じたゆがみではないかと思われます。異次元緩和の解除が11~15年以内とかなり将来の予想をしています。
auじぶん銀行は、異次元緩和の解除は10年以内との予想です。その後は緩やかに景気が回復し、変動金利は2%超になると予想しています。ゼロ金利解除は20~30年以内で、30~35年以内にようやく景気が好循環になると予想しているようです。
PayPay銀行は、異次元緩和の解除は3年後と見ているようで、景気回復のスピードは速いと見ています。しかしその後の金利上昇はなだらかです。
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今回作成した「住宅ローン利用者口コミ調査」の調査概要は以下のとおり。
【調査概要】
調査日:2023年12月
調査対象:大手金融機関の住宅ローン利用者(5年以内に住宅ローンを新規借り入れ、借り換えした人)
有効回答数:822人
調査:大手アンケート調査会社に依頼
評価対象:有効回答数47以上を対象とするアンケートの設問は以下の7問。回答は5段階評価とした。なお、評価点数の平均点は小数点第2位以降を四捨五入。
【アンケートの設問】
Q1.金利の満足度は?
Q2.諸費用・手数料等は妥当でしたか?
Q3.団体信用生命保険には満足しましたか?
Q4.手続き・サポートには満足しましたか?
Q5.審査について、満足していますか?
Q6.借り入れ後の対応に満足しましたか?
Q7.他の人にも現在の銀行を勧めたいと思いますか?
【回答の配点】
・各設問は5段階で回答してもらい、Q1なら以下のように配点。平均値を求めた。
満足している(5点)
どちらかといえば満足している(4点)
どちらともいえない(3点)
どちらかといえば不満である(2点)
不満である(1点)
・総合評価については、各項目の平均値を全て合算。読者が重視する「Q1金利の満足度」については点数を3倍、「Q3団信の満足度」の点数を2倍として、点数の合計を50点満点とし、10で割ることで5点満点の数値を求めた。
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淡河範明さん
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