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住宅ローンの返済が苦しい時に、キャッシングに手を出してはダメ! 初動3カ条と事前対策を、住宅ローンのプロが教えます!

【第32回】2019年3月4日公開(2020年6月8日更新)
千日太郎

住宅ローンは最長で35年も返済をし続けるものであり、返済が滞って、破綻しそうになる人もいます。そんな時にどう対応すればいいのか、そもそも事態が悪化する前にすべきことは何かを解説したいと思います。

住宅ローンは420回も銀行に返済すること

 こんにちは、ブロガーの千日太郎です。住宅ローンとは何か?と聞かれたら「契約で決まったお金を35年なら420回銀行に返済することだよ」と答えます。これが教科書的に正確な定義でないことは百も承知ですが、住宅ローン利用者にとっての本質だと思っています。

 住宅ローンは最長35年ですから420回の時間は結構な長さですよね。その間にやむにやまれぬ事情により貯金の残高がゼロになってしまい、住宅ローンの返済が出来ない!ということは十分に有り得ることです。

 今日はそんな人生のピンチを乗り切り、住宅ローンで破綻しないための正しい対処法についてお話します。

カードキャッシングで住宅ローンを払うのは多重債務への入り口

 まず、絶対にやってはいけないのが、借金を払うために借金を重ねることです。これは、多重債務への入り口です。しかし、意外とこれをやってしまう人が多いのですよ。

 こちらは、「破産債務者が多重債務を負うに至った主たる理由」のアンケート結果(2014年日弁連調査)です。

 1位の「生活苦」、2位の「連帯保証等」などはよく聞くケースですが、意外にも「住宅購入」という理由が上位に食い込んでいます。これは、ホントに住宅を購入したことだけが破綻の原因なのでしょうか?

 わたしは、住宅ローンを返せなくなりそうになった時にカードキャッシングで住宅ローンを払い、それがきっかけで多重債務に陥ってしまったからだと考えています。

 そもそも住宅ローンは家の評価額までしか貸さないのです。しかも、金利は激安の1%くらいです。これに対してカードキャッシングの金利は15%くらいです。全く桁がちがいますよ。

 裏を返せば、破綻した人のうち何割かの人は正しい対処をしていれば破産しなくても済んだのかもしれません。正しい対処法、優先順位を知っているか知らないかが運命の分かれ道になるのです。

毎月の支払が出来ない時の最善策とは?

 以下が正しい対処とその手順です。とてもシンプルですが、初動でこれが出来るか出来ないかでその後の難易度が大きく変わります。

【延滞しそうになった時に最初にすべきこと3カ条】
1. 遅れる前に連絡するべし
2. 確実に払える日と金額を約束するべし
3. 約束した日に必ず払うべし

◆1. 遅れる前(債権者から連絡が来る前)に連絡すべし

 返済が遅れた場合に、多くの人は銀行への連絡を躊躇してしまいます。イメージとして嫌みを言われたり、蔑まれたりすることが頭に浮かぶからです。しかし、だからといってキャッシングに走ると後になって最悪の結果に繋がってしまうというのは前述のとおりです。

 返済が遅れた場合は、銀行への連絡をためらってはいけません。とにかく、遅れる前に電話して相談するべきです。すでにこれを読んでいる時点で遅れてしまっていたら、それでも一刻も早く連絡を入れるべきです。

 債権者から連絡が来る前に連絡したかどうかで印象がかなり違います。

◆2. 確実に払える日と金額を約束するべし=現実的な返済計画の提示

 今回遅れることは遅れるとして、確実に何日までに幾らなら支払えるか(返済計画)を説明し約束します。

 このときに約束した返済を確実に実行することが重要です。もちろん、できない約束をしてはいけませんが、できるだけ当初の毎月返済額に近づけるように努力する必要があります。この時点で軽微な遅れならば延滞扱いにならない可能性もあります。

◆3. 約束した日に必ず支払う=履行する

 約束した返済日に約束した金額を確実に返済、 先方の対応を待つことになります。「今月はこれで処理が終わりましたので来月からは従来通りの返済をお願いします」と言われた場合は、今回の返済遅れが延滞扱いにならなかったということです。

 これに対して「今後の返済に関して改めて相談させてください」と言われた場合は、今回の返済遅れが延滞扱いになっています。

 どちらの対応になるかは、金融機関の考え方やそれまでの返済状況によって異なります。

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返済が遅れても延滞にならないケース

 金融機関にとって最も困るのは返済が遅れても連絡してこない債務者や、口では払うと言いながら当日に連絡なく入金しないなど「嘘をつく債務者」なのです。

 原則として、住宅ローンの返済日に口座から引き落としができないと、「延滞」となりますが、金融機関によっては1日から1週間程度の返済の遅れは延滞と見なさないこともあります。

 1日~数日までの遅れを延滞に含めると全体の延滞率が大幅に上昇してしまい、金融機関の決算にも悪影響を与えてしまうからです。そこで、数日の軽微な遅れについては、延滞にしないという慣習があるのです。

どの程度の遅れから延滞扱いになるか?

 延滞と見なされるのは、2~3週間の遅れから月をまたぐ遅れです。この状態は明らかな延滞で銀行と保証会社の台帳に記録され、実質的な債務者属性が下げられることになります。

 そして、61日以上の延滞となると事故情報・異動情報として個人信用情報機関に報告され記録されます。つまり、いわゆるブラックリスト入りとなり、記録の残る5年間はカードローンやクレジットカードの審査にパスできなくなります。

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住宅ローンを延滞してしまう前にできること

 いきなりとんでもないトラブルに巻き込まれて、どうしても住宅ローンを払えなくなるようなことは少ないはず。事前に準備できることをやっておけば、住宅ローンの延滞を防止することが出来ます。以下がその3カ条です。

【住宅ローンの返済に困る前にすべきこと3カ条】
1. 家計を見直し、貯金を増やす
2. 金利の安い住宅ローンに借り換える
3. 条件緩和に応じてくれる金融機関で借りるor借り換える

◆1.家計を見直し、貯金を増やす

 住宅ローンというのは、家計の中でも中心的な支出です。そのお金が足りなくなるというのは、家計の中でムダがあるからです。

 特に習慣化してしまったムダな支出というのは、長い期間で累積していき、知らず知らずに家計に大きな穴を空けてしまっていることがあります。そうしたムダを省き、いざというときの貯蓄をプールしておくことが重要です。貯金もまた保険なのです。

◆2.金利の安い住宅ローンに借り換える

 住宅ローンは借りた後でも、借り換えれば今の低金利が適用できますし、借り換えの審査に通れば現在の銀行に金利交渉して金利を下げてもらうこともできます。そうすれば毎月の返済は減ります。

 住宅ローンの借り換えというのは、必ずしもトクすることだけを目指すものではありません。マイホームと家族の生活を守るために、適時に行うべきタスクなのです。

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◆3.条件緩和に応じてくれる金融機関で借りるor借り換える

 公的融資のフラット35や非営利法人は営利を目的としていません。公益や会員の利益を第一とするのが特徴です。つまり、民間の金融機関よりも少し金利は高いかもしれませんが、条件の緩和に応じてくれる可能性は少し高いのです。

 例えば、フラット35では住宅ローンの返済継続が困難になった場合には、下記のような返済方法の変更を申請する手続きが予め用意されています(返済の継続が可能かどうかの審査あり)。

・離職や病気等で収入が減少し、返済が大変になった → 返済期間の延長など
・しばらくの間、返済額を減らして返済したい → 一定期間における返済額の減額
・ボーナス返済が負担になっている → ボーナス返済の変更など

 こうした観点から金融機関を選ぶor借り換えるというのも転ばぬ先の杖です。

まとめ ~ 対処法を誤らず
投げやりにならなければ必ず道はある

 「住宅ローンを返せなくなったら自己破産か…?」

 こんな風に思っているかもしれませんが、それは本当に最後の手段です。多重債務にさえなっていなければ、自己破産する前にやれることは実に沢山あります。

 例えば、今の約定で住宅ローンの返済の継続が難しいのであれば、弁護士・司法書士などの専門家に相談してみてください。

 裁判所を通じて、負債を整理しながら生活を再建する個人版民事再生法を利用することもできます。手続の費用はそれほど高くはなく、分割払いに応じてくれる弁護士事務所も少なくありません。

 「自己破産」の恐怖から逃れるためにカードキャッシングなどで誤った対処をすると、かえって自分の首を絞めてしまいます。けっして投げやりにならず、対処法を誤らなければ、必ず活路はあるのですよ!

 千日太郎と出会った皆様が、家と住宅ローンで正しい選択をして、素敵な人生を送られることを心から祈っています。

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