「住宅ローン金利は上昇するはずだから固定金利にしましょう!」という勧誘に乗っていい? 銀行員が解説

【第9回】2023年2月10日公開(2023年3月18日更新)
加藤隆二:金融ライター(現役銀行員)

現在、住宅ローンの金利が上がるかどうかの話題が増えています。私は現役の銀行員でライターもしていますが、ローン金利の予想をする記事は立場上、書けません。しかし、今実際に金利が上がっているのか? また上がったときに返済額が増えるまでに具体的にどのような段階を踏むのか? であれば解説できます。住宅ローン金利上昇が話題になる今、どういうことに気をつければいいのかそのヒントをお伝えします(金融ライター・加藤隆二)。

住宅ローン金利はもう上昇しているのか?

住宅ローンの金利についておさらいしておきましょう
住宅ローンの金利は今どうなっているのか? 出所:PIXTA

 「住宅ローンの金利が上昇しているか否か」について、銀行員である私の回答は「いいえ、まだ上昇しているとまではいえない」です。正確に表現するなら、「これから借りる人の固定金利が上昇傾向で、いま返済している人の金利は上がっていない」となります。

今のところ「これから借りる人の固定金利」のみ上昇傾向

 実際に日銀が12月に大規模緩和を修正する方針を定め、住宅ローンの金利上昇が注目された2023年初頭。住宅ローン金利で上昇したのは、これから借りる人の固定金利だけです。変動金利は上昇していません。

 全期間固定金利(フラット35)の推移(返済期間21年〜35年)を見てみると、2022年は上昇傾向なのがわかります。そして2023年1月は1.68%に上昇。2022年12月の1.65%から0.03%上がっています。

変動金利は「これから借りる人」も「借りている人」も上昇していない

 一方、これから借りる変動金利は変更はありません。今返済している人の変動金利も上昇しておらず、銀行の公式ホームページなどには記載が見当たらないのが現状です。私も住宅ローンを変動金利で返済中ですが、銀行から金利についての連絡や手紙などは一切来ていませんし、もちろん毎月の返済額は変わっていません。

住宅ローン金利をザックリおさらい
 

<固定金利とは?>

  • ●固定金利は借り入れから一定の期間、または返済終了まで金利が変わらない
  • ●原則として固定金利は変動金利より金利が高く、さらに金利が固定される時間が長いほど(3年固定より5年固定、10年固定より全期間固定)金利は高くなる
  • ●固定金利は長期金利などを基準に、各金融機関が独自に決めている。基準金利、標準金利と呼ばれるベースの金利から、実際は引き下げられた金利が適用される

 

<変動金利とは?>

  • ●借入期間中に金利が変動する
  • ●変動金利は銀行の「新長期プライムレート(短プラ)」が基準。短プラが上がれば住宅ローン金利も上がり、下がれば下がる仕組み(新長期プライムレート連動方式などと呼ばれる)
  • ●変動金利には、返済額の急激な変動を防ぐためのルールがある
    <ルール1>変動金利は原則として半年ごとに見直される(年2回見直しルール)
    <ルール2>変動金利の返済額は5年ごとに見直される(返済額5年間固定ルール)
    <ルール3>見直し後に返済額が増加しても、以前の返済の1.25倍まで(1.25倍・125%ルール)
  • ●理論上、金利が上昇し続けると最終回返済までに利息を払い切れないこともあり得る。これを「未払い利息」と呼ぶ

【関連記事】>>住宅ローン金利(132銀行・1000商品)の金利推移・動向は? 金利タイプ別の相場、選び方も解説 【最新版】

金利上昇が話題となる今、気を付けてほしいこと

 現状を踏まえ、金利上昇が話題となっている今だからこそ気を付けてほしいことがあります。ポイントを見ていきましょう。

いろいろな声に惑わされすぎない

 私は「金利はズバリこうなる」という記事を一歩引いて見ます。繰り返しになりますが、金利を正確に予想するなど不可能です。そして、こうした記事でも結論はズバリではなく、根拠のない個人的見解が多い印象です。それより「金利はどうなるかわからない」とハッキリ書いている記事のほうを、むしろ参考にしています。

 また必要以上に不安を煽るような記事や報道にも注意が必要です。

 たとえば「住宅ローン金利は上昇傾向」といった見出しの記事では、そのあと「金利が上昇すると返済額がこれだけ増える!」と続くものが目立ちます。そのようなネット記事では、例えば「ローン残高3千万円で返済中の金利が3%上昇したと仮定したら」というような記述を見受けますが、そこまでダイナミックに急上昇するかはわかりません。しかし、テーマに注目させるには金利を相当高く過程しないと、話がテンポ良く進まないのです。
 
 ネット記事ではコラムや評論家など、さまざまな意見があります。ただ、意見は意見として受け取り、惑わされすぎないことが大切です。

固定金利を押し付けられないように注意

 「金利は上昇するはずだから固定金利にしましょう!」という勧誘には注意が必要です。実際、私も部下の銀行員に「金利上昇に備えて固定金利を」と安直な説明をしないように伝えています。

 銀行や担当銀行員により金利に対する考えや説明も異なります。そして、金利の選択はローンを返済する本人が決定することが大前提。いくら銀行員が強くすすめたとしても、ご自身で慎重に決める必要があります。

 ちなみに銀行では、変動金利でも固定金利でももうけは変わりません。

 一部のネット記事では「変動金利の方が顧客にリスクを負わせられるのでもうかる」という内容も見受けましたが、銀行員としては何の根拠で論じているのか疑問です。私が銀行で住宅ローンを取り扱うとき、お客さまが固定金利と変動金利のどちらを選んでも銀行員としての実績などの損得はありません。

 またこれは、銀行にローンを紹介するハウスメーカーや不動産の営業マンも同じです。彼らにとっては住宅ローンの橋渡しをすることで新築・売買など自己の実績に結び付けたいだけで、変動金利か固定金利かは、実はどうでもいいわけです。

 ただ、実績獲得を早めるため、ローンでもそのときの「売れ筋」を紹介する傾向があります。ですので、低金利や固定金利をすすめることはありますが、自分で決めるべきだ、という点は変わりません。

「金利が上がるから家を建てよう」はセールスの王道だが…

 これと似た理由で、不動産の営業マンから「金利が上昇するから早く建てちゃいましょう!(買っちゃいましょう)」とセールスされることも予想できます。

 これは銀行員の住宅ローン勧誘も同様です。大きなトレンドが動くときにはそれをきっかけとしてセールスするのは悪いことではありません。しかし、金利上昇が心配だからと、新築時期・購入時期を早めるのは止めたほうがいいでしょう。金利が上がるかどうか?は誰にも予想できないので、今動かないと損をするとも断言できないからです。

【関連記事】>>固定金利を押し付けられないように注意!銀行員が選ぶ住宅ローンの金利タイプが「変動金利」一択の理由とは?

返済中の変動金利が上昇するとき具体的に何が起きる?

 もし実際に金利が上昇を続けて返済額が増えたとしても、急に明日から返済額が増えるわけではありません。それまでに当然いくつかの段階を踏むことになります。では、具体的にどのようなことが起こるか、ここでおさえておきましょう。

【金利上昇で返済が増えるとき何が起こるのか?】

  • 1. 銀行が公表・通知する
  • 2. 半年に1回の見直しと、さらにその2カ月後から新金利が適用される?
  • 3. 金利変動から5年後に返済額が変わる

 上記はあくまでも「金利が上がり続けたら、そしてなにもせず金利上昇を迎えたと仮定すれば」というタラレバが前提となりますが、事前に知っておくことが重要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.銀行が公表・通知する

 変動金利が見直される場合、銀行から通知(「金利についてのお知らせ」といった手紙)が送られてきます。

 実際には今も年2回金利を見直していますが、見直しても金利に変更がなければ通知もないのが一般的です。変動金利も変更がなければなにも起こらないのが原則です。

 一方、金利が短期間で急激に上昇するような事態になる場合は、緊急措置的にローンの変動金利を引き上げる可能性があります。このことは住宅ローンの説明書(銀行の公式ホームページの「商品概要」など)にも記載されています。

 万一そのような事態になるとしたら、銀行は公式ホームページなどで周知しますし個別に通知を郵送し、さらに顧客に説明が必要と判断すれば電話や訪問で金利引き上げをお知らせします。

 なお銀行員の私も、電話連絡や訪問が必要な事態となり、銀行から指示があれば対応する体制になっています。ですが、現在のところ、緊急の指示はなにもありません。

2.半年に1回の見直しと、さらにその2カ月後から新金利

 変動金利で金利が上昇した場合、1年間に2回・半年ごとに金利を見直すタイミングが訪れます。具体的には、4月の金利見直し日に金利が上昇していた場合、そこから2カ月後の6月に新金利が適用されます。

 住宅ローンの返済は、前月の金利をその月に返す仕組みなので、このケースで実際に新金利の返済となるのは7月になります。

<ローン金利見直しのタイムスケジュール>

  • 1. (4月)金利見直しを銀行が決定
  • 2. (6月)見直し後の新金利が適用される
  • 3. (7月)新金利になって1回目の返済

 なお年2回の見直しは(見直し4月・10月)→(新金利6月・12月)→(新返済7月・1月)というスケジュールの銀行が多い(横浜銀行など※)ですが、銀行によって独自に決めているところもあります。

※参照 横浜銀行/商品概要説明書(住宅ローン 変動金利型(固定金利指定型3年・5年・10年))

3.金利変動から5年後に返済額が変わる

 上記で「(7月)新金利になって1回目の返済」と書きましたが、新金利が適用されても返済額はすぐには変わりません。

 これが「返済額5年固定ルール」です。変動金利の場合はとにかく5年間は返済額が変わらないことになっています。ここでいう5年とは、第1回の返済日を起点に5年間ごと、とカウントします。

 たとえば例示しているケースで、毎月返済が6万円・返済開始から3年目に金利変更があったとすると、返済額が変わるまでの経緯は下記の通りです。

<返済額5年固定ルールの例>

  • 1. (2023年4月・第1回返済日・返済額月6万円)
    第1回返済から5年(2028年3月の60回返済まで)は
  • 何があっても返済額は同じ
  • 2. (2026年に金利変更・返済額月6万円)
    5年固定ルールで返済額は変わらず、
  • 返済額は月6万円のまま
  • 3. (2028年4月:次の5年)
  • 金利変動後の新返済額(例えば7万円)となる。
    ただし前の返済額の125%以上にはしない、
  • 「125%ルール」がある。
  • 例:5万円×125%=6万2,500円でとどまる
    そして、ここからまた5年間は返済額が固定される
  • 4. (2033年4月:次の5年)
  • 5年間返済額が変わらないルールが続く

銀行が「金利を簡単に引き上げられない」理由

 金利の予想はできないと冒頭に申し上げましたが、その一方で簡単に金利は上がらないと考えています。なぜなら「銀行は簡単に住宅ローン金利を引き上げられない」事情があるからです。

銀行の事情とは? 出所:pixta

銀行は金利で競争している

 銀行が住宅ローン獲得のため、どこも低金利をアピールしていることはお分かりかと思います。そして前述した通り、住宅ローン金利は各銀行で自由に設定できるので、他行より低金利を打ち出そうと躍起になっているのが今の現状です。

 つまり、銀行はどこも「採算ラインギリギリ」の金利で競争していて、結果的に金利は大差がなくなっているのです。

銀行は赤字になるまで金利を上げずに頑張るのではないか

 そして競争状態の銀行は、金利を引き上げることで顧客を逃がすことは避けたいはず。採算ラインギリギリとはいっても、まだ多少の余力はあるので赤字にならない限り引き上げをせず頑張るのではないか?というのが個人的見解です。

 そうなると、知りたいのは住宅ローン金利の採算ラインはどのくらいの水準なのか?ですが、これは極秘事項。どこまで値引きできるか?という限界を教えたら、どんな商売もできないからです。とはいえ、銀行の動向を考えるうえで「住宅ローン金利の仕組み」にそのヒントがあるので説明したいと思います。

住宅ローン金利の「基準」と「優遇」から考える銀行の採算ラインとは?

 住宅ローンでは、優遇して引き下げた金利が適用されます。

 たとえばAさんの住宅ローンは10年固定金利で年1.05%だとします。このときAさんが利用する銀行では、住宅ローンで基準となる金利が10年固定では3.70%だったので「Aさんは2.65%優遇してもらい、10年固定1.05%で借りている」(3.70%-1.05%=2.65%)と表現できます。

 次にBさんは変動金利で年0.375%とします。Bさんの銀行では変動の基準金利が2.475%なので「Bさんは変動金利で基準より2.1%優遇されている」(2.475%-0.375%=2.1%)となります。

 このように「基準金利から〇〇%優遇」という表現を使いますが、要は銀行が住宅ローン金利を値引きしているわけです。そして、その値引き幅(優遇幅)は年収や勤続年数、銀行との取引内容などにより左右される仕組みです。

 これは言い換えれば優遇をしてもまだ銀行に利益が残る「採算ライン」まではまだ余力があるので優遇できる、ということ。あくまで参考ですが、銀行では金利を優遇したあと「利ザヤ」として、0.2%〜0.4%残れば採算は取れるとされています。

 またローン金利には団体信用生命保険の保険料が0.2%程度含まれるのが一般的なので、実際の採算ラインは少なくとも0.2%よりは高い金利となるはずです。

 ちなみにこの項で固定金利の例は三菱UFJ銀行、変動金利はみずほ銀行の公式ホームページを参考にしています。ご自身でも銀行の公式ホームページを確認し、金利の表現などを見比べてみてもいいでしょう。

※金利については保証料や団体信用生命保険などの金利上乗せは考慮していません。実際の金利は人によっても変わるので、必ずご自身で確認してください。

【関連記事】>>住宅ローンの変動金利が上昇する時期を予測!高い貸出金利の人が激減して、銀行が一斉に金利を引き上げるのは「2023~2026年」!?

銀行員は金利についてこう説明しています

銀行の窓口で実際にお客様にお話していることをお伝えします 出所:PIXTA
銀行の窓口で実際にお客さまにお話ししていることをお伝えします 出所:PIXTA

 銀行員という立場上、お客さまからは金利についてさまざまな質問が来ます。ここではお客さまからの質問と、銀行員としてお答えしていることをQ&A形式にして説明していきます。

Q1.今まで金利はどんな動きをしてきたの?

A1.ほとんど動かず低金利が続いています。

 バブル崩壊後は不況が長引いたことはご存じでしょう? ローン金利も最低水準を更新し続けてきました。

 たとえば、すでに借りている人にとって重要な「変動金利(店頭金利)」は、実際には瞬間的に上昇しても小幅な動きで、ニュースなどに大きく取り上げられることもありませんでした。

 2%台でわずかに上下動した程度で、現在の水準(年2.375%)が続いています。ただ、この話は過去がそうだったからといってこれからどうなるか?を予想する根拠にはなりません。

 なお、新規借り入れの人に適用される変動金利(適用金利)については、年々金利が下がっていますね

【フラット35】借入金利の推移
図版の著作権はダイヤモンド社にあります。コピー禁止とします

Q2.金利が上がったらどうなるの?

A2. 返済中のローン金利が上がれば返済額も増えますが、そうなるのもいくつかの段階を踏んだあとです。

 変動金利には『1.25倍ルール』『5年間返済額固定ルール』があるので、金利が明日上昇したとしてもすぐに返済額が増えることはありません。

 また過去の金利推移を見ても、金利がずっと上昇し続けると決まったわけではありません。ですから金利を払いきれない『未払い利息』のことを今から心配することはないと思います

 このように、過去の金利推移やローンの仕組みを交えて、お客さまに理解してもらいながら少しでも安心して考えられるように、銀行員として説明しています。

不安を煽る記事に惑わされすぎず慎重な判断を

 住宅ローン金利の引き上げが注目される中、今回は金利上昇の実態や返済額増額までのプロセスなど、銀行員の立場から知っておいていただきたいことを解説しました。

 長期金利など、一部で金利が上昇しているのは事実です。 

 そして金利が上昇すれば、返済額も増えることは否定しません。ただし、繰り返しますが上昇したのは、今のところはこれから借りる人の固定金利だけで、今返済している人のローン金利は上昇していません。

 大事なのは、情報に惑わされ過ぎず、慎重に判断することだと思います。この記事が参考になれば幸いです。

【関連記事】>>2023年の住宅ローン金利見通しは今後どうなる?日銀の政策転換で長期固定金利は上昇、変動金利も銀行の運用方針転換で上昇も

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新規借入2023年9月最新 主要銀行版

住宅ローン
変動金利ランキング

※借入金額3000万円、借入期間35年

自己資金が少ない人、短期返済の人におすすめ
実質金利(手数料込)
0.419%
表面金利
年0.290%
手数料(税込)
借入額×2.2%
保証料
0円
おすすめポイント

①手数料5.5万円〜で、初期費用が少ない
②がん団信が金利上乗せ0.1%

口コミ・団信・審査基準などを表示

特徴・評判

諸費用

審査基準

団体信用
生命保険

  • 事務手数料11万円なら、要介護状態になると住宅ローン残高がゼロになる「安全保障付団信」が付く
  • 長期固定には「ステップダウン金利」と「長期固定金利」がある。ステップダウン金利タイプは、10年後以降、5年ごとに金利が当初金利の10%分ずつ下が理、長期で借りる人はお得

プロの評判・口コミ

淡河範明さん
住宅ローンアドバイザー
淡河範明さん

新生銀行の住宅ローンは、手数料が5.5万円からと非常に安いので、うまく使うとおとくになります。特に「借り換え」で利用される方が多く、「新規」であっても「借入金額が大きい」「期間が短い」といったケースでは魅力的な銀行となります。

 

10年固定、15年固定、20年固定といった金利が低いのも特徴的です。

商品も特徴的で、介護保障保険が付帯した商品や、長く借りていると金利が下がっていく「ステップダウン金利」があるのも主要銀行ではここだけです。

 

審査はオーソドックスに行なっている感じです。住宅ローン処理センターで集中審査しているので、窓口のかたの力量があまり問われず、公平に審査されるという印象です。

 

なお、相談から審査、契約の手続きまでネットで完結できるようになりました。不安な方には、ビデオ通話で自宅から気軽に相談ができるので、コロナ禍の現状では最適な方法が用意されているようです。

関連記事 SBI新生銀行の金利推移、審査基準、注意点は?
手数料(税込)
【通常商品】5万5000円~
【変動フォーカス】借入残高×2.2%
【ステップダウン金利】16万5000円
保証料
0円
繰上返済手数料(一部)
0円(1円以上1円単位)
繰上返済手数料(全額)
0円。電話にて連絡
(安心パックW(ダブル)の場合、借り入れ日から5年以内に完済すると、繰上返済手数料として完済時に別途165,000円必要)
借入額
500万円以上3億円以下
(ステップダウン金利タイプは、2000万円以上、3億円以下)
借入期間
5年以上35年以内
融資を受けられるエリア
全国
使い道
本人または家族が居住するための、
●戸建・マンション(中古物件を含む)の購入資金
●戸建住宅の新築資金
●戸建・マンションにかかる他の金融機関で現在借入中の住宅ローンの借換資金
●戸建・マンションのリフォーム資金
●上記にかかる諸費用
●延床面積で50平米以上(マンションの場合は専有面積30平米以上)
●住居専用、もしくは店舗や事務所との併用住宅(住居部分が延床面積の50%以上で、併用部分(店舗・事務所)は、自己使用であるものに限る)であるもの
年収
(給与所得者)
300万円以上
勤続年数
(給与所得者)
2年以上
年収
(個人事業主等)
300万円以上(2年平均)
事業年数
(個人事業主等)
2年以上
年齢
(借入時)
20歳以上65歳以下
年齢
(完済時)
80歳未満
その他条件
・SBI新生銀行が指定する団体信用生命保険への加入資格を有すること
・日本国籍または永住許可を有すること(永住許可を有していない場合は、配偶者が日本国籍または永住許可を有し、かつその配偶者が連帯保証人になること)
・その他SBI新生銀行所定の資格・要件を満たしていること
無料の団信
一般団信(加入時年齢:65歳以下)
死亡・高度障害と診断された場合
オプション
(特約)の団信
安心保障付団信(加入時年齢:65歳以下)
11万円
要介護3以上。または、所定の状態が180日超と診断された場合、ローン残高が0円
がん保障(借入時年齢:50歳未満)
金利+0.10%
死亡・高度障害、がんと診断された場合、ローン残高が0円
閉じる
au携帯&新電力契約で、金利▲0.1%
実質金利(手数料込)
0.449%
表面金利
年0.319%
手数料(税込)
借入額×2.2%
保証料
0円
おすすめポイント

①「がん・4疾病50%+全疾病+月次返済保障」が無料!
②au金利優遇ならダントツの低金利

2023/9/1現在の金利であり、実際の借入日の金利により変動する。審査の結果によっては保証付金利プランとなり、上記とは異なる金利になる。 保証付金利プランは固定金利特約が3年、5年、10年に限定され、審査の結果、保証会社を利用する場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されるが、別途、保証料の支払いは不要。
口コミ・団信・審査基準などを表示

特徴・評判

諸費用

審査基準

団体信用
生命保険

  • 三菱UFJ銀行とKDDIが共同で立ち上げたネット銀行で、変動金利は業界トップクラスの低金利
  • 無料団信が充実しており、「がん・4疾病50%保障団信」「全疾病保障」「月次返済保障」が無料で付帯
  • ネットだけで契約を完了でき、仮審査は最短当日回答、本審査は最短2~3営業日で回答など、審査スピードも速い

プロの評判・口コミ

淡河範明さん
住宅ローンアドバイザー
淡河範明さん

auじぶん銀行の魅力は、業界トップクラスの変動金利です。変動金利が大好きな人なら、最上位にすすめたいですね。最大2億円まで借りられるのも大きなポイントです。

審査に関しては、めちゃくちゃ早いです。申し込んでから基本的には1ヶ月以内に融資実行ができるので、急いでいる場合にはありがたい。「今月中に融資して欲しい」とアピールすれば、審査がスムーズに運びやすいです。

団信では「がん・4疾病50%保障団信」が無料で付いているので、通常の団信より手厚いと言えます。通常、保障を厚くするのであれば、金利を上乗せする必要がありますが、無料でつくのは魅力です。

関連記事 auじぶん銀行の金利推移、審査基準、注意点は?
手数料(税込)
融資額×2.20%(税込)
保証料
0円(審査の結果、保証会社を利用する場合があるが、保証料相当額は金利に含まれており、別途、保証料は発生しない)
繰上返済手数料(一部)
0円(1円以上1円単位)
繰上返済手数料(全額)
・変動金利/0円
・固定金利/3万3000円(税込)
借入額
500万円以上、2億円以下
借入期間
1年以上35年以内(1ヶ月単位)
融資を受けられるエリア
全国
使い道
本人または家族が住むための以下の資金
・戸建・マンション(中古物件含む)の購入資金
・戸建の新築資金
・他の金融機関で現在借入中の住宅ローンのお借換え(住宅ローンとリフォームローンの一括での借り換えを含む)資金
・上記に伴う諸費用
年収
(給与所得者)
200万円以上
勤続年数
(給与所得者)
年収
(個人事業主等)
200万円以上
事業年数
(個人事業主等)
年齢
(借入時)
満18歳以上〜満65歳未満
年齢
(完済時)
満80歳の誕生日まで
その他条件
無料の団信
一般団信(借入時年齢:65歳以下)
+がん・4疾病50%保障団信(借入時年齢:50歳以下)
+全疾病保障団信(借入時年齢:50歳以下)
+月次返済保障団信(借入時年齢:50歳以下)
死亡・高度障害と診断された場合。または、すべてのけが・病気で入院が180日超の場合、ローン残高が0円。がんと診断された場合、ローン残高が半分)。急性心筋梗塞、脳卒中を発病し60日以上労働制限等が継続または手術を受けた場合、肝疾患または腎疾患で60日以上入院した場合、ローン残高が半分に。
オプション
(特約)の団信
がん100%保障団信(借入時年齢:50歳以下)
上乗せ金利年0.05%
死亡・高度障害状態、がんと診断された場合、または、すべてのけが・病気で入院が180日超の場合、ローン残高が0円。4疾病50%保障は付帯せず。
がん100%保障団信プレミアム(借入時年齢:50歳以下)
上乗せ金利年0.15%
死亡・高度障害、がんと診断された場合。ローン残高が0円。急性心筋梗塞、脳卒中を発病し60日以上労働制限等が継続または手術を受けた場合、肝疾患または腎疾患で60日以上入院した場合、ローン残高がゼロ円に。
ワイド団信(借入時年齢:65歳未満)
上乗せ金利年0.30%
死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円
※新団信は2023年7月1日以降借入れの人に適用
閉じる
自社商品は、3大疾病50%保障が無料付帯
実質金利(手数料込)
0.450%
表面金利
年0.320%
手数料(税込)
借入額×2.2%
保証料
0円
おすすめポイント

①3大疾病50%保障+全疾病保障が無料
②先進医療特約も無料で付帯

※同社または保証会社の審査結果によっては、表示金利に年0.1%~0.75%上乗せ
口コミ・団信・審査基準などを表示

特徴・評判

諸費用

審査基準

団体信用
生命保険

  • 三井住友信託銀行とSBIホールディングスが設立したネット銀行で、変動金利の低さではトップクラス
  • 通常の団信に加えて、3大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)50%保障(40歳未満)と、全疾病保障(8疾病+病気・ケガ)を無料で付帯
  • フラット35も取り扱う

プロの評判・口コミ

淡河範明さん
住宅ローンアドバイザー
淡河範明さん

住信SBIネット銀行の強みは業界トップクラスの金利の低さでしょう。ネット銀行なのですが、何故か店舗の方が金利や団信サービスで魅力的なことがあるのもユニークです。

 

住宅ローンの品揃えもバラエティで充実しています。利用するなら、金利の低い変動型がいいですね。

 

審査はとても厳格です。提出書類は、一切の代筆を許さない厳格さがありますね。もちろん書類に不備があればいちいち取り直しになったりし、意外と手間が発生することもあります。書類をしっかり用意することがポイントですね。

 

審査が通って融資実行までは3週間以上あけるのが原則なので、年末年始をまたいだりすると実際の融資実行がかなり遅れることがあるので注意です。

 

ただし、金利設定の細かな条件を理解していないと後で「そんなつもりじゃなかった」ということになりかねません。例えば、「固定金利特約タイプ」は、特約期間中に金利タイプを変更することはできません。その上、固定金利期間終了後は、何もしないと変動金利になりますが、その場合の変動金利はかなり高くなる(現在の金利設定の場合)ので、気をつける必要があります。

 

なお、給与振込銀行は別にしておきたい場合、住信SBIネット銀行は自動で毎月の返済分を他の銀行の口座から無料で吸い上げてくれる仕組みがあって便利です。

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手数料(税込)
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借入額
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借入期間
■自社商品
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融資を受けられるエリア
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全国
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使い道
■自社商品
住宅に関する次の資金
・【新規住宅ローン】ご本人またはご家族がお住まいになるための住宅の新築・購入資金、これにかかわる諸費用、健全な個人消費資金
・【借換住宅ローン】ご本人のご自宅にかかわる現在お借入中の住宅ローンの借換資金、これにかかわる諸費用、借換えと同時に行う増改築資金、健全な個人消費資金
年収
(給与所得者)
■自社商品
安定かつ継続した収入がある人
■フラット35
総返済負担率が、
年収400万円未満は30%以下
年収400万円以上は35%以下
勤続年数
(給与所得者)
■自社商品

■フラット35
年収
(個人事業主等)
■自社商品
安定かつ継続した収入がある人
■フラット35
総返済負担率が、
年収400万円未満は30%以下
年収400万円以上は35%以下
事業年数
(個人事業主等)
■自社商品

■フラット35
年齢
(借入時)
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満18歳以上満65歳以下
■フラット35
70歳未満
年齢
(完済時)
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80歳未満
■フラット35
80歳未満
その他条件
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住信SBIネット銀行指定の団体信用生命保険への加入を認められる方、国内に住んでいる方
無料の団信
一般団信
+全疾病保障
+スゴ団信・3大疾病50プラン(借入時年齢:40歳以下)
+先進医療特約
一般団信(死亡・高度障害と診断された場合)
全疾病保障(けが・病気により就業不能状態が12ヵ月継続すると、住宅ローン残高がゼロ円に)
3大疾病50プラン(がんと診断、または急性心筋梗塞・脳卒中で60日以上労働の制限か後遺症が継続した場合または手術を受けた場合、ローン残高が50%に)
オプション
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がんと診断、または急性心筋梗塞・脳卒中で60日以上労働の制限か後遺症が継続した場合または手術を受けた場合、ローン残高が0円
スゴ団信・3大疾病100プラン(借入時年齢:40歳以上)
金利+0.40%
がんと診断、または急性心筋梗塞・脳卒中で60日以上労働の制限か後遺症が継続した場合または手術を受けた場合、ローン残高が0円
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死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円
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※実質金利は、借入金額3000万円、借入期間35年、団信加入、元利均等返済、ボーナス払いなし、最優遇金利を適用として、実質金利を計算。変動金利は現在の水準が継続と仮定。実質金利の計算法はこちら。諸費用は、事務手数料等、保証料とする。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料率となる。主要銀行・金融機関の主な商品を対象とし、ランキングに掲載するのは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品のみとする。ホームローンドクター代表の淡河範明氏の監修で作成。変動金利ランキング完全版はこちら

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