住宅ローンの借入期間ってどう設定すればいいの?
若林健次さんの4コマ漫画「住宅ローンは五里霧中」⑫
【第12回】2021年4月15日公開(2021年4月12日更新)
住宅ローンの借入期間ってどう設定すればいいのでしょうか。80歳までに完済するというのが銀行の一般的な決まりとなっていますが、80歳まで借りる人は、実はわずかです。
80歳まで返済するの?
多くの銀行は、住宅ローンの返済が完了する年齢を「80歳」としています。あまりにも高齢に設定すると借り手が死亡してしまい、融資を回収できないリスクが高くなるからです。
借入期間については35年を上限とする銀行が大半です。借入期間が長期になると、その分だけ金利の支払いが多くなり、支払いが大変になるため、35年程度を上限にしています。
なお、独立行政法人の住宅金融支援機構が提供している「フラット50」という住宅ローンでは、最長50年の借り入れが可能です。しかし、金利が高く、長期優良住宅だけを対象とするなど、使い勝手がいいとは言えません。借入期間が長いだけに、総返済額が増加してしまう可能性もあります。
【参考記事はこちら】>>住宅ローンに年齢の上限・制限はある? 15銀行の審査基準を徹底比較!
登場人物紹介
伊藤さん家族は、夫(35)、妻(32)、長女メイ(3)の3人家族。家が手狭になり、娘が"イヤイヤ期"に差し掛かってきたことから、生活を一新するために住宅の購入を検討し始めた。
その相談に乗ってくれるのが、ファイナンシャルプランナーの金剛石麻美さん(年齢不詳)。歯にきぬ着せぬ物言いで、相談者の悩みをズバズバ解決していくが、たまに暴走することも…。
返済できる?
住宅ローンを借りる際、完済時の年齢が70歳以上という契約を結んでいる人も結構います。しかし会社員だと、60歳、65歳で定年を迎えるとその後の収入は大きく減少してしまいます。どうやって返済するのでしょうか。
多いのが、退職時の退職金で住宅ローンを一気に繰り上げ返済しようと計画している人です。公務員や大企業の会社員であれば、数千万円の退職金が出ることもあります。
しかし誰もが多額の退職金をもらえるわけではないので、老後の住宅ローン返済をどうすべきか、検討しておくべきでしょう。
例えば、老齢基礎年金については原則、65歳から受け取れますが、希望すれば60歳まで繰り上げて受け取ることができます。しかし、そうすると30%も受給額が減ってしまうというデメリットがあります。
自分が定年のころには子供も独立して、広い家はいらなくなるので、売却して住宅ローンの残債を返そうと考えている人もいるでしょう。ただし、物件の価値が予想以上に下がっていれば「売るに売れない」という状況にもなりうるので、駅から近い物件、都心の物件など資産価値が下がりにくい不動産を選んでおくことも重要です。
自宅を売却せずに住み続けたいという場合は、「リバースモーゲージ(自宅に住み続けながら、自宅を担保に融資を受ける商品)」が使えます。従来は、自宅の住宅ローンが残っていると利用できませんでしたが、最近は残債があってもリバースモーゲージを借りられる銀行も出てきました。
【参考記事はこちら】>>住宅ローンを借りる人の年収や頭金の目安は? ゆとりある返済比率の目安を知っておこう
ギリギリの返済は禁物
会社員や公務員であれば、定年を迎える60歳、65歳までに住宅ローンを返済するめどを立てておくべきです。しかし、そのためにぎりぎりの返済計画を組んでしまうことは危険です。
住宅ローンの返済は長期にわたります。契約時は「このくらいは支払えるはず」と考えていても、返済している間にはさまざまなことが起こりえます。給与が減ってしまったり、病気になるリスクがあります。子供の教育費が思いのほか高かったり、親の介護費用が必要という人もあるでしょう。
そのため、ぎりぎりの返済計画はおすすめできません。
住宅ローンの審査では、「返済負担率(=年間返済額を年収で割った比率)」を見ます。全期間固定の住宅ローンの代表であるフラット35の場合、以下のような基準になっています。
・年収400万円未満は、返済負担率30%以下
・年収400万円以上は、返済負担率35%以下
毎月の返済額が多いほど、借入額も多くできるので、ついつい返済負担率を高めに設定しがちです。しかし、この基準目いっぱいの返済負担率だと、返済はかなりきついのではないでしょうか。
住宅金融支援機構の調査「2018年度 民間住宅ローン利用者の実態調査」によると、返済負担率で最も多いのは「15%超〜20%以内」となっています。返済負担率が30%超となると、全体の1割程度しかいません。
家族構成、暮らし方は様々なので、なにが正しいとは言えませんが、一般に返済負担率は25%以下にするのが余裕を持った返済でしょう。(編集協力・株式会社ゲネシス)
【参考記事はこちら】>>住宅ローンの「借入金額」「借入期間」「金利タイプ」はどう決めるべきか、住宅ローンのプロが計算方法を解説!
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住宅ローン
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住宅ローン金利優遇割で、金利年▲0.15%
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2023/9/1現在の金利であり、実際の借入日の金利により変動する。審査の結果によっては保証付金利プランとなり、上記とは異なる金利になる。 保証付金利プランは固定金利特約が3年、5年、10年に限定され、審査の結果、保証会社を利用する場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されるが、別途、保証料の支払いは不要。住宅ローン金利優遇割は、au回線、じぶんでんき、J:COM NET、J:COM TVをセットで利用した場合、金利引下幅は最大▲年0.15%。J:COM NET優遇割、J:COM TV優遇割は戸建のみ対象
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・固定金利/3万3000円(税込)
- 借入額
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- 借入期間
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- 本人または家族が住むための以下の資金
・戸建・マンション(中古物件含む)の購入資金
・戸建の新築資金
・他の金融機関で現在借入中の住宅ローンのお借換え(住宅ローンとリフォームローンの一括での借り換えを含む)資金
・上記に伴う諸費用
- 年収
(給与所得者)
- 200万円以上
- 勤続年数
(給与所得者)
- ー
- 年収
(個人事業主等)
- 200万円以上
- 事業年数
(個人事業主等)
- ー
- 年齢
(借入時)
- 満18歳以上〜満65歳未満
- 年齢
(完済時)
- 満80歳の誕生日まで
- その他条件
- ー
- 無料の団信
- 一般団信(借入時年齢:65歳以下)
+がん・4疾病50%保障団信(借入時年齢:50歳以下)
+全疾病保障団信(借入時年齢:50歳以下)
+月次返済保障団信(借入時年齢:50歳以下)
死亡・高度障害と診断された場合。または、すべてのけが・病気で入院が180日超の場合、ローン残高が0円。がんと診断された場合、ローン残高が半分)。急性心筋梗塞、脳卒中を発病し60日以上労働制限等が継続または手術を受けた場合、肝疾患または腎疾患で60日以上入院した場合、ローン残高が半分に。
- オプション
(特約)の団信
- がん100%保障団信(借入時年齢:50歳以下)
上乗せ金利年0.05%
死亡・高度障害状態、がんと診断された場合、または、すべてのけが・病気で入院が180日超の場合、ローン残高が0円。4疾病50%保障は付帯せず。
がん100%保障団信プレミアム(借入時年齢:50歳以下)
上乗せ金利年0.15%
死亡・高度障害、がんと診断された場合。ローン残高が0円。急性心筋梗塞、脳卒中を発病し60日以上労働制限等が継続または手術を受けた場合、肝疾患または腎疾患で60日以上入院した場合、ローン残高がゼロ円に。
ワイド団信(借入時年齢:65歳未満)
上乗せ金利年0.30%
死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円
※新団信は2023年7月1日以降借入れの人に適用
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自己資金が少ない人、短期返済の人におすすめ
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- 手数料(税込)
- 【通常商品】5万5000円~
【変動フォーカス】借入残高×2.2%
【ステップダウン金利】16万5000円
- 保証料
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- 繰上返済手数料(一部)
- 0円(1円以上1円単位)
- 繰上返済手数料(全額)
- 0円。電話にて連絡
(安心パックW(ダブル)の場合、借り入れ日から5年以内に完済すると、繰上返済手数料として完済時に別途165,000円必要)
- 借入額
- 500万円以上3億円以下
(ステップダウン金利タイプは、2000万円以上、3億円以下)
- 借入期間
- 5年以上35年以内
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- 本人または家族が居住するための、
●戸建・マンション(中古物件を含む)の購入資金
●戸建住宅の新築資金
●戸建・マンションにかかる他の金融機関で現在借入中の住宅ローンの借換資金
●戸建・マンションのリフォーム資金
●上記にかかる諸費用
●延床面積で50平米以上(マンションの場合は専有面積30平米以上)
●住居専用、もしくは店舗や事務所との併用住宅(住居部分が延床面積の50%以上で、併用部分(店舗・事務所)は、自己使用であるものに限る)であるもの
- 年収
(給与所得者)
- 300万円以上
- 勤続年数
(給与所得者)
- 2年以上
- 年収
(個人事業主等)
- 300万円以上(2年平均)
- 事業年数
(個人事業主等)
- 2年以上
- 年齢
(借入時)
- 20歳以上65歳以下
- 年齢
(完済時)
- 80歳未満
- その他条件
- ・SBI新生銀行が指定する団体信用生命保険への加入資格を有すること
・日本国籍または永住許可を有すること(永住許可を有していない場合は、配偶者が日本国籍または永住許可を有し、かつその配偶者が連帯保証人になること)
・その他SBI新生銀行所定の資格・要件を満たしていること
- 無料の団信
- 一般団信(加入時年齢:65歳以下)
死亡・高度障害と診断された場合
- オプション
(特約)の団信
- 安心保障付団信(加入時年齢:65歳以下)
11万円
要介護3以上。または、所定の状態が180日超と診断された場合、ローン残高が0円
がん保障(借入時年齢:50歳未満)
金利+0.10%
死亡・高度障害、がんと診断された場合、ローン残高が0円
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自社商品は、3大疾病50%保障が無料付帯
- 実質金利(手数料込)
- 0.450%
- 表面金利
- 年0.320%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%
- 保証料
- 0円
①3大疾病50%保障+全疾病保障が無料
②先進医療特約も無料で付帯
※同社または保証会社の審査結果によっては、表示金利に年0.1%~0.75%上乗せ
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- 三井住友信託銀行とSBIホールディングスが設立したネット銀行で、変動金利の低さではトップクラス
- 通常の団信に加えて、3大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)50%保障(40歳未満)と、全疾病保障(8疾病+病気・ケガ)を無料で付帯
- フラット35も取り扱う
- 手数料(税込)
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■フラット35
【保証型】
融資額×2.2%
【買取型・新規借入】
融資額×1.1%
【買取型・借り換え】融資額×0.99%
- 保証料
- ■自社商品
0円
■フラット35
0円
- 繰上返済手数料(一部)
- ■自社商品
0円(1円以上1円単位)
■フラット35
0円(10万円以上)
- 繰上返済手数料(全額)
- ■自社商品
0円(固定金利特約期間中は33,000円)
■フラット35
店頭のみ、無料
- 借入額
- ■自社商品
500万円以上、2億円以下
■フラット35
100万円以上8,000万円以下
- 借入期間
- ■自社商品
・新規借入の場合:1年以上50年以内
・借換の場合:[35年-借換対象となる住宅ローンの経過期間]が上限
※当初35年超で借入れした住宅ローンの借換えの場合は、その住宅ローンの残存期間が上限
- 融資を受けられるエリア
- ■自社商品
全国
■フラット35
ー
- 使い道
- ■自社商品
住宅に関する次の資金
・【新規住宅ローン】ご本人またはご家族がお住まいになるための住宅の新築・購入資金、これにかかわる諸費用、健全な個人消費資金
・【借換住宅ローン】ご本人のご自宅にかかわる現在お借入中の住宅ローンの借換資金、これにかかわる諸費用、借換えと同時に行う増改築資金、健全な個人消費資金
- 年収
(給与所得者)
- ■自社商品
安定かつ継続した収入がある人
■フラット35
総返済負担率が、
年収400万円未満は30%以下
年収400万円以上は35%以下
- 勤続年数
(給与所得者)
- ■自社商品
ー
■フラット35
ー
- 年収
(個人事業主等)
- ■自社商品
安定かつ継続した収入がある人
■フラット35
総返済負担率が、
年収400万円未満は30%以下
年収400万円以上は35%以下
- 事業年数
(個人事業主等)
- ■自社商品
ー
■フラット35
ー
- 年齢
(借入時)
- ■自社商品
満18歳以上満65歳以下
■フラット35
70歳未満
- 年齢
(完済時)
- ■自社商品
80歳未満
■フラット35
80歳未満
- その他条件
- ■自社商品
住信SBIネット銀行指定の団体信用生命保険への加入を認められる方、国内に住んでいる方
- 無料の団信
- 一般団信
+全疾病保障
+スゴ団信・3大疾病50プラン(借入時年齢:40歳以下)
+先進医療特約
一般団信(死亡・高度障害と診断された場合)
全疾病保障(けが・病気により就業不能状態が12ヵ月継続すると、住宅ローン残高がゼロ円に)
3大疾病50プラン(がんと診断、または急性心筋梗塞・脳卒中で60日以上労働の制限か後遺症が継続した場合または手術を受けた場合、ローン残高が50%に)
- オプション
(特約)の団信
- スゴ団信・3大疾病100プラン(借入時年齢:40歳未満)
金利+0.20%
がんと診断、または急性心筋梗塞・脳卒中で60日以上労働の制限か後遺症が継続した場合または手術を受けた場合、ローン残高が0円
スゴ団信・3大疾病100プラン(借入時年齢:40歳以上)
金利+0.40%
がんと診断、または急性心筋梗塞・脳卒中で60日以上労働の制限か後遺症が継続した場合または手術を受けた場合、ローン残高が0円
ワイド団信
金利+0.30%
死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円
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※実質金利は、借入金額3000万円、借入期間35年、団信加入、元利均等返済、ボーナス払いなし、最優遇金利を適用として、実質金利を計算。変動金利は現在の水準が継続と仮定。
実質金利の計算法はこちら。諸費用は、事務手数料等、保証料とする。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料率となる。主要銀行・金融機関の主な商品を対象とし、ランキングに掲載するのは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品のみとする。ホームローンドクター代表の淡河範明氏の監修で作成。
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プロの評判・口コミ
淡河範明さん
auじぶん銀行の魅力は、業界トップクラスの変動金利です。変動金利が大好きな人なら、最上位にすすめたいですね。最大2億円まで借りられるのも大きなポイントです。
審査に関しては、めちゃくちゃ早いです。申し込んでから基本的には1ヶ月以内に融資実行ができるので、急いでいる場合にはありがたい。「今月中に融資して欲しい」とアピールすれば、審査がスムーズに運びやすいです。
団信では「がん・4疾病50%保障団信」が無料で付いているので、通常の団信より手厚いと言えます。通常、保障を厚くするのであれば、金利を上乗せする必要がありますが、無料でつくのは魅力です。