住宅ローンの借入期間ってどう設定すればいいのでしょうか。80歳までに完済するというのが銀行の一般的な決まりとなっていますが、80歳まで借りる人は、実はわずかです。
80歳まで返済するの?
多くの銀行は、住宅ローンの返済が完了する年齢を「80歳」としています。あまりにも高齢に設定すると借り手が死亡してしまい、融資を回収できないリスクが高くなるからです。
借入期間については35年を上限とする銀行が大半です。借入期間が長期になると、その分だけ金利の支払いが多くなり、支払いが大変になるため、35年程度を上限にしています。
なお、独立行政法人の住宅金融支援機構が提供している「フラット50」という住宅ローンでは、最長50年の借り入れが可能です。しかし、金利が高く、長期優良住宅だけを対象とするなど、使い勝手がいいとは言えません。借入期間が長いだけに、総返済額が増加してしまう可能性もあります。
【参考記事はこちら】>>住宅ローンに年齢の上限・制限はある? 15銀行の審査基準を徹底比較!
伊藤さん家族は、夫(35)、妻(32)、長女メイ(3)の3人家族。家が手狭になり、娘が"イヤイヤ期"に差し掛かってきたことから、生活を一新するために住宅の購入を検討し始めた。
その相談に乗ってくれるのが、ファイナンシャルプランナーの金剛石麻美さん(年齢不詳)。歯にきぬ着せぬ物言いで、相談者の悩みをズバズバ解決していくが、たまに暴走することも…。
返済できる?
住宅ローンを借りる際、完済時の年齢が70歳以上という契約を結んでいる人も結構います。しかし会社員だと、60歳、65歳で定年を迎えるとその後の収入は大きく減少してしまいます。どうやって返済するのでしょうか。
多いのが、退職時の退職金で住宅ローンを一気に繰り上げ返済しようと計画している人です。公務員や大企業の会社員であれば、数千万円の退職金が出ることもあります。
しかし誰もが多額の退職金をもらえるわけではないので、老後の住宅ローン返済をどうすべきか、検討しておくべきでしょう。
例えば、老齢基礎年金については原則、65歳から受け取れますが、希望すれば60歳まで繰り上げて受け取ることができます。しかし、そうすると30%も受給額が減ってしまうというデメリットがあります。
自分が定年のころには子供も独立して、広い家はいらなくなるので、売却して住宅ローンの残債を返そうと考えている人もいるでしょう。ただし、物件の価値が予想以上に下がっていれば「売るに売れない」という状況にもなりうるので、駅から近い物件、都心の物件など資産価値が下がりにくい不動産を選んでおくことも重要です。
自宅を売却せずに住み続けたいという場合は、「リバースモーゲージ(自宅に住み続けながら、自宅を担保に融資を受ける商品)」が使えます。従来は、自宅の住宅ローンが残っていると利用できませんでしたが、最近は残債があってもリバースモーゲージを借りられる銀行も出てきました。
【参考記事はこちら】>>住宅ローンを借りる人の年収や頭金の目安は? ゆとりある返済比率の目安を知っておこう
ギリギリの返済は禁物
会社員や公務員であれば、定年を迎える60歳、65歳までに住宅ローンを返済するめどを立てておくべきです。しかし、そのためにぎりぎりの返済計画を組んでしまうことは危険です。
住宅ローンの返済は長期にわたります。契約時は「このくらいは支払えるはず」と考えていても、返済している間にはさまざまなことが起こりえます。給与が減ってしまったり、病気になるリスクがあります。子供の教育費が思いのほか高かったり、親の介護費用が必要という人もあるでしょう。
そのため、ぎりぎりの返済計画はおすすめできません。
住宅ローンの審査では、「返済負担率(=年間返済額を年収で割った比率)」を見ます。全期間固定の住宅ローンの代表であるフラット35の場合、以下のような基準になっています。
・年収400万円未満は、返済負担率30%以下
・年収400万円以上は、返済負担率35%以下
毎月の返済額が多いほど、借入額も多くできるので、ついつい返済負担率を高めに設定しがちです。しかし、この基準目いっぱいの返済負担率だと、返済はかなりきついのではないでしょうか。
住宅金融支援機構の調査「2018年度 民間住宅ローン利用者の実態調査」によると、返済負担率で最も多いのは「15%超〜20%以内」となっています。返済負担率が30%超となると、全体の1割程度しかいません。
家族構成、暮らし方は様々なので、なにが正しいとは言えませんが、一般に返済負担率は25%以下にするのが余裕を持った返済でしょう。(編集協力・株式会社ゲネシス)
【参考記事はこちら】>>住宅ローンの「借入金額」「借入期間」「金利タイプ」はどう決めるべきか、住宅ローンのプロが計算方法を解説!
132銀行を比較◆住宅ローン実質金利ランキング[新規借入] |
132銀行を比較◆住宅ローン実質金利ランキング[借り換え] |
【金利動向】おすすめ記事 | 【基礎】から知りたい人の記事 |
【今月の金利】 【来月の金利】 【2023年の金利動向】 【変動金利】上昇時期は? 【変動金利】何%上昇する? |
【基礎の8カ条】 【審査】の基礎 【借り換え】の基礎 【フラット35】の基礎 【住宅ローン控除】の基礎 |
新規借入2024年3月最新 主要銀行版
住宅ローン変動金利ランキング
※借入金額3000万円、借入期間35年で試算
- 実質金利(手数料込)
- 0.428%
- 総返済額 3226万円
- 表面金利
- 年0.298%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 75,227円
①3大疾病50%保障+全疾病保障が無料
②先進医療特約も無料で付帯
③無料団信でも、急性心筋梗塞・脳卒中の手術をすれば、ローン残高の50%を保障するなど手厚い対応
- 実質金利(手数料込)
- 0.428%
- 総返済額 3226万円
- 表面金利
- 年0.298%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 75,227円
①店舗相談でも、低金利商品あり
②注文住宅で必要な「つなぎ融資」に対応!
③無料で、3大疾病50%保障&就業不能保障&就業不能保障を付帯する
- 実質金利(手数料込)
- 0.445%
- 総返済額 3235万円
- 表面金利
- 年0.315%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 75,447円
①低金利の上、がん50%団信無料
②金利+0.1%で、がん100%団信も付帯OK
③個人事業主は対象外だが、低金利&手厚い団信で、会社員・公務員におすすめ
-
住宅ローン利用者口コミ調査の詳細を見る
-
今回作成した「住宅ローン利用者口コミ調査」の調査概要は以下のとおり。
【調査概要】
調査日:2023年12月
調査対象:大手金融機関の住宅ローン利用者(5年以内に住宅ローンを新規借り入れ、借り換えした人)
有効回答数:822人
調査:大手アンケート調査会社に依頼
評価対象:有効回答数47以上を対象とするアンケートの設問は以下の7問。回答は5段階評価とした。なお、評価点数の平均点は小数点第2位以降を四捨五入。
【アンケートの設問】
Q1.金利の満足度は?
Q2.諸費用・手数料等は妥当でしたか?
Q3.団体信用生命保険には満足しましたか?
Q4.手続き・サポートには満足しましたか?
Q5.審査について、満足していますか?
Q6.借り入れ後の対応に満足しましたか?
Q7.他の人にも現在の銀行を勧めたいと思いますか?
【回答の配点】
・各設問は5段階で回答してもらい、Q1なら以下のように配点。平均値を求めた。
満足している(5点)
どちらかといえば満足している(4点)
どちらともいえない(3点)
どちらかといえば不満である(2点)
不満である(1点)
・総合評価については、各項目の平均値を全て合算。読者が重視する「Q1金利の満足度」については点数を3倍、「Q3団信の満足度」の点数を2倍として、点数の合計を50点満点とし、10で割ることで5点満点の数値を求めた。
132銀行の住宅ローンを比較 >>返済額シミュレーションで、全銀行の金利を一気に比較・調査
|
- 年収に対して安心して買える物件価格は?
-
- ・年収200万円で妻が妊娠中の家族の上限は1600万円!?
- ・年収250万円の単身者の上限は1800万円!?
- ・年収300万円の4人家族の上限は1800万円!?
- ・年収350万円の2人家族の上限は2100万円!?
- ・年収400万円の単身者の上限は2500万円!?
- ・年収450万円の4人家族の上限は2000万円!?
- ・年収500万円の4人家族の上限は3000万円!?
- ・年収600万円の3人家族の上限は3500万円!?
- ・年収600万円の40代独身の上限は3000万円!?
- ・年収700万円の共働き夫婦の上限は5000万円!?
- ・年収800万円の3人家族の上限は4500万円!?
- ・年収1000万円の30代4人家族の上限は5000万円!?
- ・年収1000万円の40代4人家族の上限は3500万円!?
- ・年収1000万円の50代夫婦の上限は3000万円!?
※サイト内の金利はすべて年率で表示
プロの評判・口コミ
淡河範明さん
住信SBIネット銀行の強みは業界トップクラスの金利の低さでしょう。ネット銀行なのですが、何故か店舗の方が金利や団信サービスで魅力的なことがあるのもユニークです。
住宅ローンの品揃えもバラエティで充実しています。利用するなら、金利の低い変動型がいいですね。
審査はとても厳格です。提出書類は、一切の代筆を許さない厳格さがありますね。もちろん書類に不備があればいちいち取り直しになったりし、意外と手間が発生することもあります。書類をしっかり用意することがポイントですね。
審査が通って融資実行までは3週間以上あけるのが原則なので、年末年始をまたいだりすると実際の融資実行がかなり遅れることがあるので注意です。
ただし、金利設定の細かな条件を理解していないと後で「そんなつもりじゃなかった」ということになりかねません。例えば、「固定金利特約タイプ」は、特約期間中に金利タイプを変更することはできません。その上、固定金利期間終了後は、何もしないと変動金利になりますが、その場合の変動金利はかなり高くなる(現在の金利設定の場合)ので、気をつける必要があります。
なお、給与振込銀行は別にしておきたい場合、住信SBIネット銀行は自動で毎月の返済分を他の銀行の口座から無料で吸い上げてくれる仕組みがあって便利です。