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不動産売却の注意点
【第23回】2019年4月22日公開(2019年4月26日更新)
梶本幸治
梶本幸治

梶本幸治(かじもと・こうじ)氏:不動産売買の業界の裏の裏まで知りつくした不動産業専門コンサルタント。普段は売却を中心とする不動産梅者のコンサルティングを中心としていますが、こダイヤモンド不動産研究所では、売主の立場に立って、「不動産を売却するときの注意点」を解説します!

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不動産の売却益と税金について事前に調べておきたいのなら、親切な不動産仲介会社に相談しよう

不動産を売った時に儲けが出ると、土地や建物の譲渡所得に対する税金を支払う必要があります。バブル崩壊後はこうした心配をする人はあまりいませんでしたが、地価高騰を受けて、税金の心配する人が増えてきました。そんな時は不動産仲介会社にきけば、簡単に見積もりを作ってくれる会社もあるので便利です。

「売却益が大きくなりそう」と心配する売り主が増加

不動産の売却益と税金

 冒頭からいきなり横道に逸れますが、私が不動産仲介会社の20代若手営業だった頃(平成8年~平成15年頃)は、この「土地や建物の譲渡所得に対する税金」をあまり気にする必要はございませんでした。

 何故かと申しますと、バブル崩壊後の不動産価格暴落で「買った価格よりも高く売れる物件」は、よほどの長期保有不動産くらいしか無く、殆どの物件が買った価格には遠く及ばない安い価格で売りに出されていたのです。

 ある営業担当者などは売り主の前で「税金を心配するような価格で売れたらボーナス欲しいくらいですよ! わっはっは~!」と発言し、不動産暴落で意気消沈している売り主の逆鱗に触れていました。

 しかし、不動産市場は紆余曲折を経ながらも改善し、今では都市部を中心に「売却益が結構大きくなりそうだけど、税金はどうなるのだろうか?」と心配する売り主も増えて来ました。つまり、それだけ高く売れる可能性が出てきたということです。

 そんな時、誰に相談すれば良いのでしょうか?

不動産を売った時の税金は、ネットでも調べられる

 「誰に相談すれば良いのか」について触れる前に、不動産を売却した時の税金に関し少し説明をしておきます。但し、「不動産を売った時の税金」でネット検索すれば、かなり多くのページがヒットしますので、ここでは基本中の基本にのみ触れます。

【課税譲渡所得金額の計算方法】

課税譲渡所得金額=
譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)- 特別控除額(一定の場合)

【税額の計算】

長期譲渡所得:(所得税)15%     (住民税)5%
短期譲渡所得:(所得税)30%     (住民税)9%

※不動産所得は、所有期間が5年以下の場合「短期譲渡所得」、5年以上の場合「長期譲渡所得」となります。また、特別控除は一定の要件を満たす場合に適用されます。詳しくは、国税庁ホームページの「土地や建物の譲渡所得に対する税金」等、信頼出来る記事をご参照するか、最寄りの税務署へご相談下さい。
*参照または出典:国税庁ホームページの「土地や建物の譲渡所得に対する税金」(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm

 今、「ネットでお調べ頂くか、最寄りの税務署へご相談下さい」とさらっと申し上げてしまいましたが、不動産を売却した時の税金は、このような手法である程度確認する事が出来ます。

 これが「売却益が結構大きくなりそうだけど、誰に相談すれば良いのでしょうか?」という質問に対する基本的な回答です。

 「土地や建物の譲渡所得に対する税金」を考える時、重要な事柄は、以下のような点です。

・「長期譲渡所得か短期譲渡所得か?」
・「マイホームか否か」
・「建物の築年数はどのくらいか?」
・「買った時の価格を証明出来るか?」

 ただし、こうしたポイントは、何も専門家のアドバイスを得ずとも、ネット等でその定義を読めば誰にでも分かると思います。従って、特別誰かに相談しなくてはいけない訳ではありません。

【関連記事はこちら】不動産の相続時の諸費用(登録免許税、司法書士報酬)と
税金(譲渡益課税など)の計算方法は?不動産を相続するときの基礎知識(4)

譲渡価額、譲渡費用は複数の不動産仲介会社に聞くのがお勧め

 しかし、「税金がいくらかかるかの試算を事前に正確に行う場合」は、細かい部分で専門家に相談する必要が出てきます。

 先述の「課税譲渡所得金額の計算方法」を用いて事前に税金のシミュレーションをする場合、一般の売り主では分かりにくい点は下記の様な金額です。

1. 譲渡価額(本来は売れた価格ですので、シミュレーションの段階では「査定価格」で計算します)

 譲渡価額の想定(不動産査定価格)は複数の不動産会仲介会社に価格査定を依頼すれば、無料で査定書を送ってくれますので、その査定書を参考になさって下さい。

 この場合、いつもチラシが入っている複数の不動産仲介会社に依頼するか、不動産一括査定サイトを利用しても良いでしょう。しかし、「名前が知られている大手不動産仲介会社だから」という理由だけで、大手1社にのみ査定依頼する事はあまりお勧め出来ません。地域の事をあまり知らない場合や、強引に買い取りの提案をされる恐れがあります。

 譲渡価額の想定(不動産査定価格)に関しては、地域に密着した複数の不動産仲介会社の意見も聞き、ご自身でご判断下さい。

2.譲渡費用(不動産を売却するに当たり支払った費用です。主なものは下記の通りです)

・仲介手数料
・測量費など土地や建物を売るために直接要した費用
・さん貸家の売却に際して支払った立ち退き料
​・建物を取壊して土地を売ったときの取壊し費用など。

 最初の項目、「仲介手数料」は、譲渡価額の想定(不動産査定価格)の「3%+6万円(税別)」が上限ですので、売り主ご自身で計算が可能です。しかし、測量費の見積りは「測量士」、解体費用の見積もりは「解体業者」に依頼する必要があり、貸家の立ち退き料は物件や地域によって異なります。このような譲渡費用を各専門家に1件1件個別に相談しても良いでしょうが、やはりワンストップで全てを知る事が出来れば便利ですよね。

 そこで、譲渡価額のところでもご説明しましたが、いつもチラシが入っている複数の不動産仲介会社か、不動産一括査定サイトを通じて連絡が来た不動産仲介会社に譲渡費用の見積もりをお願いしては如何でしょうか。

 譲渡費用の見積もりが複数手に入れば比較検討も出来ます。

見積もりが出せないような不動産仲介会社はNG

 尚、不動産仲介会社の中には「正式な売却の依頼も受けていないのに、そんな見積りは出せない」や「あくまでも概算しか分からないので、現時点での見積りはご容赦願いたい」といってくる事があると思います。

 「正式な売却の依頼も受けていないのに、そんな見積りは出せない」などという回答をしてくるような不動産仲介会社は今後、相手にしなくて良いでしょう。むしろ、「横着な不動産仲介会社」である事が早めに判明して良かったと思って下さい。こんな「大昔の不動産屋」みたいな会社は断りましょう。

 次に「あくまでも概算しか分からないので、現時点での見積りはご容赦願いたい」と回答してきた不動産仲介会社に関しては、その言い分ももっともだと感じます。

 この場合は不動産仲介会社に対し概算である事は了承し、決して実際の金額と異なったとしても不動産仲介会社の責任は問わない旨を伝えた上で、各種見積りの提出を依頼して下さい。

 大切な不動産の売却ですから、しっかりと計画を立てて下さいね。

 しかし、計画通りに行かないのも不動産取引ですから、そんな時に相談出来るしっかりとした不動産仲介会社を選ばれる事をお勧めします。

【関連記事はこちら】不動産売却のプロが教えてくれた、正しい不動産会社・営業担当者の選び方とは?騙されたくない人向けに「7カ条」を公開!

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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産仲介会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産仲介会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産仲介会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産仲介会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、便利な「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 1300社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U無料査定はこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点。弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール無料査定はこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点。弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S無料査定はこちら
◆リビンマッチ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
掲載する不動産会社数 1400社 不動産一括査定サイト「スマイスター」の公式サイトはこちら
サービス開始 2006年
運営会社 リビン・テクノロジーズ
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
【ポイント】強みは、掲載している不動産仲介会社数が多く、マンション、戸建て、土地以外の工場、倉庫、農地も取り扱いがある点。弱点は、運営会社が広告代理店で上場していないこと。
スマイスター無料査定はこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ無料査定はこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ無料査定はこちら
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