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マンションは駅徒歩3分以内、一戸建てなら徒歩20分以内⁉ 高値で売却できるマイホームの条件を徹底分析!

2022年7月5日公開(2022年7月5日更新)
山下和之:住宅ジャーナリスト

マンションは駅徒歩3分以内、一戸建てなら徒歩20分以内が高値で売れる⁉ 立地、駅からの距離や築年数など、どんな条件の物件なら売りやすいのかを調べてみた。売却希望者だけでなく、これからマイホームの取得を考えている人も将来のことを考えて、ぜひとも知っておきたいポイントだ。(住宅ジャーナリスト・山下和之)

高く売れるマンションの条件は、第一に立地

「マンションは立地が一番」といわれる(出典:PIXTA)

 どんな物件が売りやすいのか、まずマンションの場合から見てみよう。マンションは、「何よりも立地」といわれる。

 東京カンテイが毎年実施している「中古マンションのリセールバリュー」調査によると、2020年の首都圏の中古マンションリセールバリューは、平均で101.9%になった。10年前に売り出された分譲のマンションが、10年後には分譲価格より1.9%高い価格で取引されていることになる。

 ただ、リセールバリューが100%を超えている物件の所在地をみると、多くは山手線の内側か外周部がほとんどで、郊外は100%以下のエリアが多い。駅別のリセールバリューランキングをみても、トップの東急東横線の代官山駅の164.3%をはじめ、上位はほとんど都心部や都心近郊が占めている。

 マンションの資産価値は立地による部分が大きく、将来の資産価値を考えれば、何より都心やその周辺の資産価値上昇が期待できるエリアを選ぶべきだろう。

値上がりしている新築マンションは、駅から徒歩2~3分が最も多い

 最寄り駅からの徒歩時間も重要だ。株式会社ワンノブアカインドの「築5年以内の値上がりマンション」の調査では、新築マンションは、駅から徒歩5分以内が値上がりしやすいとされているが、最近は徒歩5分ではなく、徒歩3分以内が大きな値上がりが期待できるボーダーラインといわれている(図表1)。

図表1 「築5年以内の値上がりマンション」ランクイン物件の傾向

分類 区分 件数 ベスト100に占める割合 関東全体に占める割合
徒歩時間 1分以内 9件 8.9% 5.2%
2~3分 27件 26.7% 17.4%
4~5分 26件 25.7% 21.7%
6~10分 32件 31.7% 36.4%
11~15分 7件 6.9% 15.2%
徒歩5分以内の合計 62件 61.4% 44.3%

 また、図表2にあるように、2021年に首都圏で発売された新築マンションの徒歩時間を1分刻みで見た場合、徒歩3分が最も多く、徒歩5分までが大きな山を築いている。新築物件で駅近物件が多いということは、中古物件の場合、駅から離れると売りにくくなってしまうのではないだろうか。

【関連記事はこちら】>>資産価値が上がる首都圏マンションの条件は、都心、大手不動産、タワー、駅徒歩5分以内!

図表2 2021年首都圏一戸建てと新築マンションの徒歩時間別分譲戸数分布(バス便除く)

中古マンションを有利に売却するなら、築20年までを目安に

 高値でマンションを売却するためのひとつの要素として築年数を挙げることができる。いうまでもなく建築後の経過年数が短い、いわゆる築浅物件ほど売りやすく、高く売れる可能性が高い

 東日本不動産流通機構の調査によると、首都圏の中古マンションの築年数帯別の成約件数と成約価格は図表3のようになっている。

 築5年以内だと、成約件数はさほど多くないが、成約価格は6486万円だった。不動産経済研究所による2021年の首都圏新築マンションの平均価格は6260万円だから、それより高くなっている。新築供給が極端に少ない人気エリアだと、築浅物件が新築マンションの相場より高い価格で取引されるケースが増えているといわれている。

 ただ、5年以内の売却を前提に購入する人は少ないだろうから、高く売るためには築20年を目安にするのがいいだろう。成約価格をみると築20年以内なら5000万円台を維持しており、それを過ぎると成約価格のカーブはガクンと落ちてしまうからだ。

図表3 首都圏中古マンションの築年帯別の成約件数と成約価格

一戸建てを高値で売却する条件は?

 一戸建てについても見てみよう。条件が極端に変わるわけではないが、いくつか一戸建てならではの特徴もある。

 第一に、立地についてはマンションのように都心やその周辺にさほどこだわる必要はないだろう。新築一戸建ての分譲実績を見ても、図表4にあるように、首都圏で最も多いのは埼玉県川口市の1455戸で、以下千葉県船橋市、東京都足立区などが続いている。

 一戸建ての購入を考える人は近郊から郊外エリアをメインターゲットとしているので、こうした一戸建ての多いエリアであれば一定の資産価値を維持できるのではないだろうか。  

 もちろん、東京都港区や渋谷区などで一戸建てを取得できれば値上がりを期待しやすいのはいうまでもないが、一定の広さのある一戸建てだとすぐに億単位の価格になって、取得は簡単ではない。

図表4  首都圏行政区別新築一戸建て住宅分譲戸数ランキング(単位:戸)

(資料:東京カンテイ『2021年行政区別新築分譲戸数ランキング』)

一戸建てなら徒歩20分以上、築30年~でも売れる

 徒歩時間については、マンションなら徒歩5分以内、できれば3分以内がいいのだが、一戸建てではそうはいかない。先の図表2(2021年の首都圏一戸建てと新築マンションの徒歩時間別分譲戸数分布)を見てほしい。一戸建ての場合は、徒歩5分以内は極めて少なく、徒歩15分がピークになっている。徒歩20分だとマンションは48戸に減るのに対して、一戸建ては2150戸と決して少なくはない。

 マンションなら徒歩10分を超えるとそれだけ売りにくくなるが、一戸建てであればそう大きなハンディにはならない。徒歩15分でも比較的売りやすく、物件しだいでは徒歩20分でもそれなりの値段での成約を期待できると言えるだろう。

 また、図表5でもわかるように、築年数が長くなっても成約件数が極端に減るわけではなく、成約価格もマンションのように急カーブで低下するわけではない。一戸建ては土地が付いているので、土地の値段で歩留まりがかかるという特性がある。築26年~築30年のマンションだと築浅の3分の1以下の水準に落ちるが、一戸建てはほぼ半値の水準を維持している。

図表5  中古一戸建ての築年数帯別の成約件数と成約価格

 マンションと一戸建てには売りやすさや価格水準が異なるので、購入するときにはその点もある程度念頭に置きながら、物件の選択を行うのがいいだろう。

【関連記事はこちら】>>不動産を高値で売却する方法

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