住宅ローン選びの助けになるのが、「金利のランキングサイト」です。ランキングによって比較する商品を一気に絞り込むことができます。ただし、便利な反面、ランキングサイトは玉石混交です。どんなサイトなら信頼できるのか、正しい選び方を解説します。また、私が監修している「ダイヤモンド不動産研究所」の特徴と使い方もあわせてご紹介します。
ランキングサイトの順位を
鵜呑みにしてはいけない
お得な住宅ローン探しに便利なのが、金利のランキングサイトです。ただし、ランキングサイトの大半は、表面金利(基準金利から優遇幅を引いた金利)による順位です。そのため、表面金利は低くても、融資手済料や保証料などの諸費用を加えたトータルコスト(総支払額)では、順位が下の商品が上位にランク付けされていることも珍しくありません。
一例を挙げると、楽天銀行の変動金利型商品はトータルコストで見ると超割安な商品ですが、ランキングサイトではめったに見かけません。いかにランキングサイトが広告料ありきだったり、表面金利のみの比較にとどまっているかがわかります。
なかには、商品のランキングではなく、銀行のランキングになっているサイトもあります。順位が銀行順に並んでいて、その銀行名の欄に複数の商品が記載されているものには注意してください。
ダイヤモンド不動産研究所なら
実質金利で比較できる
ランキングサイトを選ぶうえで重要なのは、実質金利またはトータルコストで正確に比較していることです。
実質金利とは、簡単にいえば、借入から完済までのトータルコストを金利換算したものです。融資手数料や保証料、団体信用生命保険料などの諸費用のほか、固定金利期間終了後に適用される金利なども加味して算出します。
アメリカでは、一般的に使われている指標で、住宅ローンの貸し手は借り手への提示を義務づけられています。しかし、日本では提示の義務がなく、銀行は実質金利を明らかにしていません。実質金利で比較されてしまうと、お得な商品(=銀行にとって儲けの少ない商品)しか借りてもらえなくなるからです。
そのため、借り手が各商品の本当の損得を判断するには、自分で手数料や保証料を調べて、実質金利またはトータルコストを計算しなければなりません。途方に暮れそうな人もいるかもしれませんが、ご安心ください。ランキングサイトのなかには、この実質金利でランク付けをしているところがあります。
ただし、注意が必要なのは、肝心の実質金利の計算方法がサイトによってまちまちな点です。前述のとおり、日本では提示の義務がないため、計算方法もルール化されていないのです。そのため、実質金利のランキングサイト同士でも、順位が違っていることが珍しくありません。
ちなみに「ダイヤモンド不動産研究所」の「住宅ローン金利ランキング」では、信頼性の高いアメリカ基準の実質金利の計算方法を採用。広告料の有無にかかわらず、「新規借入」「借り換え」ごとに、主要銀行18行の「35年固定」「10年固定」「5年固定」「変動」「リフォーム一括」の金利タイプ別に各商品の実質金利を算出して、毎月ランキング化しています。
![]() 出所:ダイヤモンド不動産研究所の「住宅ローン金利ランキング」
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原則として、ランキング1位の商品が一番お得な商品だとひと目でわかるようになっています。
実質金利で絞り込み、
シミュレーションでトータルコストを比較
とはいえ、「ダイヤモンド不動産研究所」の「住宅ローン金利ランキング」にも、一つだけ限界があります。それは、新規借入は「借入金額3,000万円、借入期間35年」、借り換えは「借入金額2,500万円、借入期間30年」の前提でランク付けを行なっている点です(そのほか、いろいろな条件が設定されています)。
例えば、借り換えの10年固定金利の実質金利は、返済期間30年の前提で「当初10年は固定金利、残り20年は変動金利」で計算しています。しかし、現実には、返済期間15年で借りる人もいます。その場合、固定金利の期間は同じですが、変動金利の期間は5年となるため、実質金利の計算結果も違ってきます。そのため「ランキングの順位=自分にベストな商品」とは言い切れないのです。
そこで、ダイヤモンド不動産研究所では「返済額シミュレーション」も開発しました。借入額、借入期間などを入力すれば、「毎月返済額」が分かるだけでなく、諸費用込みの正確な「総返済額」「実質金利」が分かります。132銀行1000商品を安い順にランキングで掲載しているので、本当にお得な住宅ローンを見つけられます。
最新のランキングをチェック!
審査はまとめて申し込む
では、「ダイヤモンド不動産研究所」の「住宅ローン金利ランキング」、「返済額シミュレーション」使って、具体的にどう商品を絞り込んでいくか見ていきましょう。まず自分が選択する金利タイプを選びます。
金利タイプが決まっていない人は金利タイプを一つに絞らず、まずは各金利タイプで調べてみましょう。
変動金利については、基準金利が4%にアップすると考えてシミュレーションすることをお勧めします。現在、大手銀行の基準金利は2.475%なので、簡単にいえば、現在よりも金利が約1.5%上昇すると考えればいいでしょう。その結果、毎月返済額に不安があれば、その金利タイプについては除外して検討します。ダイヤモンド不動産研究所の「返済額シミュレーション」は、金利の上昇もシミュレーションできますので、参考にしてください。
言うまでもなく、ランキングやシミュレーションで実質金利が低く、トータルコストの最も少ないのが一番お得な商品です。ただし、通常、お得な商品ほど、審査は厳しくなります。仮に審査に通っても、公務員や一部上場企業勤務でないと、満額回答を得られないことも少なくありません。
そのため、申し込みはトータルコストの少なかった順に、第3候補くらいまでまとめて行うのが効率的です(審査に通っても、断るのにペナルティ等はかかりません)。特にネット銀行は審査が厳しいため、都市銀行なども加えておくことをおすすめします。
なお、固定金利と変動金利はほぼ毎月、各銀行で見直しが行われます(変動金利の金利の変更は4月と10月となっているケースが多いです)。わずかでも金利が変われば、ランキングの順位はすぐ入れ替わるため、実際に申し込む際は、最新のランキングやシミュレーションをもとに再確認するようにしてください。
- 【住宅ローンの基礎知識 リンク集】
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- ◆住宅ローン選びの実践法◆
- (3)諸費用込みの「総支払額」で比較しよう!
- (4)変動金利なら「金利上昇リスク」の想定を
- (5)固定金利は、固定期間終了後に注意!
- (6)借入金額、借入期間、金利タイプ決め方は?
- (7)正しい「ランキングサイト」の見分け方
- (8)「シミュレーションサイト」の使い方
132銀行を比較◆住宅ローン実質金利ランキング[新規借入] |
132銀行を比較◆住宅ローン実質金利ランキング[借り換え] |
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【金利動向】おすすめ記事 | 【基礎】から知りたい人の記事 |
【今月の金利】 【来月の金利】 【2025年の金利動向】 【変動金利】上昇時期は? 【変動金利】何%上昇する? |
【基礎の8カ条】 【審査】の基礎 【借り換え】の基礎 【フラット35】の基礎 【住宅ローン控除】の基礎 |
新規借入2025年4月最新 主要銀行版
住宅ローン変動金利ランキング
※借入金額3000万円、借入期間35年で試算
- 実質金利(手数料込)
- 0.540%
- 総返済額 3287万円
- 表面金利
- 年0.410%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 76,688円
①保証料など0円サービスが充実
②新規借入で変動金利の場合は自己資金10%以上で金利優遇あり
③最大3億円まで借入可能


住宅ローン 全期間引下げプラン(新規借入、頭金20%以上)・変動金利
- 実質金利(手数料込)
- 0.766%
- 総返済額 3412万円
- 表面金利
- 年0.634%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 79,665円
①「がん・4疾病50%+全疾病+月次返済保障」が無料!
②住宅ローン金利優遇割ならダントツの低金利
③KDDIグループのインターネット銀行で全国に対応


- 実質金利(手数料込)
- 0.779%
- 総返済額 3419万円
- 表面金利
- 年0.647%
- 手数料(税込)
- 借入額×2.2%
- 保証料
- 0円
- 毎月返済額
- 79,840円
①がん50%団信が無料付帯!
②手数料4.4万円〜と安く、自己資金が少なくてもOK
③ミックスローンに対応しており、最大3つまで組み合わせOK


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住宅ローン利用者口コミ調査の詳細を見る
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今回作成した「住宅ローン利用者口コミ調査」の調査概要は以下のとおり。
【調査概要】
調査日:2023年12月
調査対象:大手金融機関の住宅ローン利用者(5年以内に住宅ローンを新規借り入れ、借り換えした人)
有効回答数:822人
調査:大手アンケート調査会社に依頼
評価対象:有効回答数47以上を対象とするアンケートの設問は以下の7問。回答は5段階評価とした。なお、評価点数の平均点は小数点第2位以降を四捨五入。
【アンケートの設問】
Q1.金利の満足度は?
Q2.諸費用・手数料等は妥当でしたか?
Q3.団体信用生命保険には満足しましたか?
Q4.手続き・サポートには満足しましたか?
Q5.審査について、満足していますか?
Q6.借り入れ後の対応に満足しましたか?
Q7.他の人にも現在の銀行を勧めたいと思いますか?
【回答の配点】
・各設問は5段階で回答してもらい、Q1なら以下のように配点。平均値を求めた。
満足している(5点)
どちらかといえば満足している(4点)
どちらともいえない(3点)
どちらかといえば不満である(2点)
不満である(1点)
・総合評価については、各項目の平均値を全て合算。読者が重視する「Q1金利の満足度」については点数を3倍、「Q3団信の満足度」の点数を2倍として、点数の合計を50点満点とし、10で割ることで5点満点の数値を求めた。
132銀行の住宅ローンを比較 >>返済額シミュレーションで、全銀行の金利を一気に比較・調査
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- 年収に対して安心して買える物件価格は?
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- ・年収200万円で妻が妊娠中の家族の上限は1600万円!?
- ・年収250万円の単身者の上限は1800万円!?
- ・年収300万円の4人家族の上限は1800万円!?
- ・年収350万円の2人家族の上限は2100万円!?
- ・年収400万円の単身者の上限は2500万円!?
- ・年収450万円の4人家族の上限は2000万円!?
- ・年収500万円の4人家族の上限は3000万円!?
- ・年収600万円の3人家族の上限は3500万円!?
- ・年収600万円の40代独身の上限は3000万円!?
- ・年収700万円の共働き夫婦の上限は5000万円!?
- ・年収800万円の3人家族の上限は4500万円!?
- ・年収1000万円の30代4人家族の上限は5000万円!?
- ・年収1000万円の40代4人家族の上限は3500万円!?
- ・年収1000万円の50代夫婦の上限は3000万円!?
※サイト内の金利はすべて年率で表示
プロの評判・口コミ
淡河範明さん
SBI新生銀行の住宅ローンは、10年固定、15年固定、20年固定といった金利が低い点が特徴です。
商品も特徴的で、介護状態を保障する団信や、長く借りていると金利が下がっていく「ステップダウン金利」があるのも主要銀行ではここだけです。
審査はオーソドックスに行なっている感じです。住宅ローン処理センターで集中審査しているので、窓口のかたの力量があまり問われず、公平に審査されるという印象です。
なお、相談から審査、契約の手続きまでネットで完結できるようになりました。不安な方には、ビデオ通話で自宅から気軽に相談ができるので、コロナ禍の現状では最適な方法が用意されているようです。