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住宅ローンの基礎知識[2019年]
【第7回】2019年4月19日公開(2019年8月19日更新)
淡河範明
淡河範明

淡河範明(おごう・のりあき)氏:日本興業銀行(現・みずほ銀行)出身で、過去10年で延べ5000件の住宅ローン相談実績を誇っています。2006年に設立したホームローンドクターにて、「住宅ローン借り換えクリニック」を運営しており、住宅ローンの借り換え・新規借入に、様々な相談に対応しています。

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住宅ローンを金利で選ぶなら、「実質金利」がわかる「ランキングサイト」を活用しよう
住宅ローンの基礎知識 第7回

住宅ローン選びの助けになるのが、「金利のランキングサイト」です。ランキングによって比較する商品を一気に絞り込むことができます。ただし、便利な反面、ランキングサイトは玉石混交です。どんなサイトなら信頼できるのか、正しい選び方を解説します。また、私が監修している「ダイヤモンド不動産研究所」の特徴と使い方もあわせてご紹介します。

■住宅ローンの基礎知識 リンク集■
(1)住宅ローン選びで最も大事なのは「金利」!
(2)「○○金利」…頻出ワード、用語を解説
(3)諸費用込みの「総支払額」で比較しよう!
(4)変動金利なら「金利上昇リスク」の想定を
(5)固定金利は、固定期間終了後に注意!
(6)借入金額、借入期間、金利タイプ決め方は?
(7)正しい「ランキングサイト」の見分け方
(8)「シミュレーションサイト」の使い方
(9)「申し込み」から「融資実行」までの流れ
(10)借り換えは1カ月以内の実行を目指そう
(11)借り換え審査は複数銀行へ同時に申し込もう
(12)ネット・郵送だけで手続きできる銀行も登場
(13)委任状を作れば、書類集めがスピーディに!
(14)必要書類集めで、よくある失敗と注意点
(15)転職後や個人事業主が審査時に気を付けること
(16)借金は、上手に整理すれば審査に通る!?
(17)ローン遅延は要注意!信用情報を確認しよう

ランキングサイトの順位を
鵜呑みにしてはいけない

 お得な住宅ローン探しに便利なのが、金利のランキングサイトです。ただし、ランキングサイトの大半は、表面金利(基準金利から優遇幅を引いた金利)による順位です。そのため、表面金利は低くても、融資手済料や保証料などの諸費用を加えたトータルコスト(総支払額)では、順位が下の商品が上位にランク付けされていることも珍しくありません。

 一例を挙げると、楽天銀行の変動金利型商品はトータルコストで見ると超割安な商品ですが、ランキングサイトではめったに見かけません。いかにランキングサイトが広告料ありきだったり、表面金利のみの比較にとどまっているかがわかります。

 なかには、商品のランキングではなく、銀行のランキングになっているサイトもあります。順位が銀行順に並んでいて、その銀行名の欄に複数の商品が記載されているものには注意してください。

ダイヤモンド不動産研究所なら
実質金利で比較できる

 ランキングサイトを選ぶうえで重要なのは、実質金利またはトータルコストで正確に比較していることです。

 実質金利とは、簡単にいえば、借入から完済までのトータルコストを金利換算したものです。融資手数料や保証料、団体信用生命保険料などの諸費用のほか、固定金利期間終了後に適用される金利なども加味して算出します。

 アメリカでは、一般的に使われている指標で、住宅ローンの貸し手は借り手への提示を義務づけられています。しかし、日本では提示の義務がなく、銀行は実質金利を明らかにしていません。実質金利で比較されてしまうと、お得な商品(=銀行にとって儲けの少ない商品)しか借りてもらえなくなるからです。

 そのため、借り手が各商品の本当の損得を判断するには、自分で手数料や保証料を調べて、実質金利またはトータルコストを計算しなければなりません。途方に暮れそうな人もいるかもしれませんが、ご安心ください。ランキングサイトのなかには、この実質金利でランク付けをしているところがあります。

 ただし、注意が必要なのは、肝心の実質金利の計算方法がサイトによってまちまちな点です。前述のとおり、日本では提示の義務がないため、計算方法もルール化されていないのです。そのため、実質金利のランキングサイト同士でも、順位が違っていることが珍しくありません。

 ちなみに「ダイヤモンド不動産研究所」の「住宅ローン金利ランキング」では、信頼性の高いアメリカ基準の実質金利の計算方法を採用。広告料の有無にかかわらず、「新規借入」「借り換え」ごとに、主要銀行18行の「35年固定」「10年固定」「5年固定」「変動」「リフォーム一括」の金利タイプ別に各商品の実質金利を算出して、毎月ランキング化しています。

ダイヤモンド不動産研究所の「住宅ローン金利ランキング」
ダイヤモンド不動産研究所の「住宅ローン金利ランキング」

 原則として、ランキング1位の商品が一番お得な商品だとひと目でわかるようになっています。

実質金利で絞り込み、
シミュレーションでトータルコストを比較

 とはいえ、「ダイヤモンド不動産研究所」の「住宅ローン金利ランキング」にも、一つだけ限界があります。それは、新規借入は「借入金額3,000万円、借入期間35年」、借り換えは「借入金額2,500万円、借入期間30年」の前提でランク付けを行なっている点です(そのほか、いろいろな条件が設定されています)。

 例えば、借り換えの10年固定金利の実質金利は、返済期間30年の前提で「当初10年は固定金利、残り20年は変動金利」で計算しています。しかし、現実には、返済期間15年で借りる人もいます。その場合、固定金利の期間は同じですが、変動金利の期間は5年となるため、実質金利の計算結果も違ってきます。そのため「ランキングの順位=自分にベストな商品」とは言い切れないのです。

 ですから、自分にとって最もお得なローンを探し出すには、実質金利のランキングを目安に商品を絞り込み、自分の借入条件でシミュレーションを行ってトータルコストを比較する必要があります。

最新のランキングをチェック!
審査はまとめて申し込む

 では、「ダイヤモンド不動産研究所」の「住宅ローン金利ランキング」を使って、具体的にどう商品を絞り込んでいくか見ていきましょう。まず「35年固定」「10年固定」「5年固定」「変動」「リフォーム一括」と金利タイプ別になっているランキングのうち、自分が選択する金利タイプのページを開きます。

 実質金利のランキングなので、特別な理由がなければ、上位7つ程度の商品をピックアップし、各商品の諸費用を確認します。続いて一般のシミュレーションサイトにアクセスして、借入金額や返済期間、諸費用などの条件を入力。自分のケースにおける各商品のトータルコストを比較します。

 手順の冒頭で、金利タイプが決まっていない人は金利タイプを一つに絞らず、まずは各金利タイプのランキング1位の商品について、変動金利の基準金利を4%としてシミュレーションしてみましょう。4%は金利上昇リスクを想定したシナリオです。その結果、毎月返済額などに不安のある金利タイプについては除外して検討します。金利タイプを決めた後は前記の手順に進みます。

 言うまでもなく、シミュレーションの結果、トータルコストの最も少ないのが一番お得な商品です。ただし、通常、お得な商品ほど、審査は厳しくなります。仮に審査に通っても、公務員や一部上場企業勤務でないと、満額回答を得られないことも少なくありません。

 そのため、申し込みはトータルコストの少なかった順に、第3候補くらいまでまとめて行うのが効率的です(審査に通っても、断るのにペナルティ等はかかりません)。特にネット銀行は審査が厳しいため、都市銀行なども加えておくことをおすすめします。

 なお、固定金利と変動金利はほぼ毎月、各銀行で見直しが行われます(変動金利の金利の変更は4月と10月となっているケースが多いです)。わずかでも金利が変われば、ランキングの順位はすぐ入れ替わるため、一度、シミュレーションを行って商品の候補を絞り込んでいても、実際に申し込む際は、最新のランキングをもとに再確認するようにしてください。

 
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◆「変動金利」住宅ローン金利ランキング(新規借入)
※借入金額2500万円、借り入れ期間30年
順位 銀行名 <商品名>
実質金利
(費用等含む)
表面金利
(費用等除く)
保証料
(税込)
事務手数料
(税込)
1
◆ジャパンネット銀行 <全期間引下げプラン>
0.545%
0.415%
0円
借入額×2.2%
【ジャパンネット銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
ネット銀行のジャパンネット銀行は2019年7月末に住宅ローンの貸し出しをスタート。最大の特徴は、業界最低水準という低い金利で、特に「変動金利」「10年固定金利」に強みがある。オプションの団体信用生命保険も豊富に取りそろえる。
【関連記事】ジャパンネット銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
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2
◆新生銀行 <変動金利半年型タイプ・変動フォーカス(新規借入)>
0.581%
0.450%
0円
借入額×2.2%
【新生銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
2019年7月の商品改訂に伴い、金利を大きく引き下げた。「変動フォーカス」は他の商品と違って、手数料は借入金額×2.2%と高めだが、金利が低いため、競争力がある。過去に繰り上げ返済で期間短縮した場合、入院時などにその期間だけ元本返済を止められるサービスもある。
【関連記事】新生銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
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3
◆じぶん銀行 <全期間引下げプラン(新規借入)>
0.588%
全疾病+がん50%
0.457%
0円
借入額×2.2%
【じぶん銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
三菱UFJ銀行とKDDIが共同で立ち上げたネット銀行。変動金利の競争力が高く、業界トップクラスの低金利となっている。がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」が無料付帯。ネットだけで契約を完了でき、仮審査は最短即日回答、契約は最短10日とい短期間での契約が可能だ。
【関連記事】じぶん銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
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3
◆ソニー銀行 <変動セレクト住宅ローン(新規借入、頭金10%以上)>
0.588%
0.457%
0円
借入額×2.2%
【ソニー銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
外貨預金などで有名なソニーグループの銀行。「変動セレクトローン」は変動金利向けの商品で、手数料は借入額の2.2%かかるものの、表面金利が低いので、実質金利でも競争力がある。新規借入で頭金が10%以上あれば、借り換えよりも低い金利が適用される。
【関連記事】ソニー銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
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3
◆住信SBIネット銀行 <通期引下げプラン(新規借入、ネット専用)>
0.588%
全疾病保障付き
0.457%
0円
借入額×2.2%
【住信SBIネット銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
三井住友信託銀行とSBIホールディングスが設立したネット銀行で、変動金利の低さではトップクラス。通常の団信に加えて、全疾病保障(8疾病+病気・ケガ)を無料で付帯しているので、おとくな商品と言える。女性には、がんと診断されると30万円が支給される保障も無料で付けている。三井住友信託銀行の口座を開設した場合、金利を0.01%引き下げる特典あり。
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※実質金利は、借入金額3000万円、借り入れ期間35年、団信加入、元利均等返済、ボーナス払いなし、最優遇金利を適用として、実質金利を計算。固定期間終了後は変動金利を選択(現在の水準が継続と仮定)。実質金利の計算法はこちら。諸費用は、事務手数料等、保証料とする。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料率となる。主要18銀行・金融機関の主な商品を対象とし、ランキングに掲載するのは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品のみとする。ホームローンドクター代表の淡河範明氏の協力で作成。

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