住宅ローン選びを難しくする要因の一つは、「○○金利」という馴染みのない用語がいくつも出てくるからです。「変動金利」「固定金利」「店頭金利」「基準金利」「表面金利」「適用金利」「優遇金利」「当初優遇金利」「キャンペーン金利」……など、ワケがわからなくなるのも無理はありません。けれども、これらの用語には同じ意味のものがたくさんあります。一度整理してしまえば、実は拍子抜けするほど理解するのは簡単です。住宅ローンの基礎知識・第2回は、そんなさまざまな「○○金利」という用語について、わかりやすく解説します。
住宅ローンは「金利タイプ」で、4種類に分類できる!
住宅ローン選びでは「金利の高低」が重要な指標となりますが、それと並んで、金利の「タイプ」も大切です。金利タイプとは、金利が変更されるタイミングや変更方法を示すもので、住宅ローン商品の主たる特性を決定づけます。衣服にたとえれば、金利の高低はサイズ、金利タイプは材質です。
住宅ローンの商品数は数千に及びますが、金利タイプで分類すると、おおよそ4種類に分けられます。どれが得かは一概に言うことはできず、金利動向や本人が何を重視するかによって違ってきます。
まずは各金利プランの特徴を見てみましょう。
(1)「全期間固定金利型」商品
返済期間中に金利が変動しないタイプの商品です。借入時に総返済額と毎月返済額が確定するため、返済計画や将来設計が立てやすく安心です。現在では、固定期間が短い金利よりも金利が高くなる傾向があります。
将来の金利上昇リスクを心配する人に向いている商品です。
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(2)「変動金利型」商品
返済期間中に金利が変動する可能性のあるタイプの商品です。審査で優遇金利が得られれば、かなり低い金利で借りられます。通常、半年ごとに金利が見直されます。
そのため、金利動向によっては、金利が大幅に上がって、固定金利型の商品を選んでいたほうが、総返済額で得だったということも起こり得ます。一方で、現在のような低金利が長く続けば、金利が低い分、得をします。
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(3)「固定期間選択型」商品
「固定金利期間選択型」、「固定金利選択型」ともいいます。固定金利でスタートし、一定期間終了後、再び固定金利選択型にするか、変動金利型にするかを選択するタイプの商品です。固定金利の期間は、2年、3年、5年、7年、10年、15年、20年、25年、30年など商品によります。またこれらの固定期間は、金融機関により品揃えが異なることがありますが、一般に固定期間が長いほど金利は高くなります。
固定期間終了後の金利は、その時点における固定期間選択型や変動金利型の商品の金利が適用されます。「子育て中は、毎月返済額が上がるリスクを避けたい」といった人や、借入期間が短い方、繰上返済等により実質的に借入期間を短くできる人には、低金利のメリットをより活かせます。
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(4)「金利ミックス型」商品
借入額を任意の金額で分け、「変動金利+20年固定」「10年固定+35年固定」といったように、金利タイプの異なる住宅ローン契約を2本結ぶものです(一部、1本で済む商品を提供している金融機関もあります。ただし、取扱いしていない金融機関もあります)。
違ったタイプの住宅ローンを利用することで、基本的には金利上昇リスクを分散しますが、各タイプのメリットも半減することになります。
どのタイプの商品がどんな人に向いているかについては、金利リスクへの抵抗力や返済プランの考え方によって異なります。
そのため、実際の住宅ローン選びでは、「金利は多少高めでも、リスクを取りたくないので固定金利にする」「金利が上昇しても返済に余裕があるので、とにかく金利が低い変動金利を選んでおこう」など、自分の重視するポイント合った金利タイプを先に決め、その金利タイプの商品群から、金利の高低や商品の詳細を比較していきます。
住宅ローンの商品説明を理解するのに必要な
「〇〇金利」用語は、4種類に整理できる!
住宅ローン選びの前に、もう一つ身に付けておきたいのは、住宅ローンの商品説明に頻出する「〇〇金利」という用語についての知識です。
というのも、広告などの商品説明を読もうとすると、前記の金利タイプを示す用語のほかに、「店頭金利」「基準金利」「表面金利」「適用金利」「優遇金利」「当初優遇金利」など、たくさんの「金利付き」用語が出てくるからです。
なぜ、こんなに「〇〇金利」用語が多いかというと、各金融機関で独自の用語を使っているためです。そのため、同じ意味を指す用語がいくつも生まれ、余計に商品比較を難しくしているのです。
以下に「〇〇金利」用語と関連用語を、意味別に整理してみました。覚えておかなければならないのは、たった4種類です。

(1)金利の「定価」を示す用語
「店頭金利」
「店頭表示金利」
「基準金利」
「標準金利」
「ネット専用金利」
各金融機関が「金利タイプ」ごとに定めている住宅ローンの基準となる金利のことです。いわば、金利の「定価」に当たるもので、各金融機関で自由に決められます。以前は、どこの金融機関もほぼ横並びでしたが、今では金融機関がそれぞれ独自の金利を設定しています。
ただし、定価販売しても売れないため、顧客獲得のため、金利の激しい値引き合戦が行われています。
なお、注意したいのは、変動金利型、固定期間選択型(固定期間終了後)の場合、ローン返済中でも、金利動向によって定価(基準)が変わる可能性のあることです。「店頭金利より△△%優遇」といった契約になっている場合、将来、店頭金利が上がれば、返済額も増えることになります。
(2)「金利の定価」からの「値引き幅」を示す用語
「優遇幅□□%」
「△△%優遇」
「引き下げ幅▲▲%」
「優遇金利」
実際に貸し出す際に、店頭金利から何パーセント割り引くかを示すものです。いわば「値引き幅」に相当します。「優遇幅□%~□□%」と表示されいる場合、引き下げの金利が人によって違うことを意味します。
また、当初の固定期間の優遇幅と、固定期間終了後の優遇幅が異なるタイプのあります。「当初期間優遇」と呼んでいるのは、固定期間の優遇幅の方が大きい場合で、「全期間優遇」と呼んでいるのは全期間の優遇幅が同じ場合です。
店頭金利と違って優遇幅は、将来、契約内容によって狭まることはあっても、金利動向によって変化することはありません。
(3)金利の「実売価格」を示す用語
「表面金利」
「適用金利」
「借入金利」
「優遇金利」
(1)の「店頭金利」から「優遇幅」を引いた、実際に借り入れる際に適用される金利のことです。定価に対して、割り引き後の「実売価格」に相当します。
なお、(2)にも「優遇金利」を入れていますが、間違いではありません。前記のとおり、金融機関の間で用語が統一されていないため、どちらの意味でも使われています。
(4)「当初数年の金利」を示す用語
「当初適用金利」
「当初優遇金利」
「キャンペーン金利」
契約してから数年後に、優遇幅が小さくなる商品(=金利が上がる商品)における、当初の表面金利(当初の実売価格)のことです。そのため、優遇幅が小さくなった後の金利も計算に入れて総返済額を予測しないと、本当にお得な商品かどうかはわかりません。
「当初数年の金利」を示す用語ですが、現在の非常に低い金利水準であれば、「後に上がることが約束された金利」とも覚えておきましょう。
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難しい感じがするだけで、難しいことは書かれていない!
いかがでしょうか? 住宅ローン選びを難しく感じる理由の大半は、単に用語の整理がなされていないためだということが、おわかりになったと思います。このほかにも独自の「スラング」を使っている金融機関がありますが、ここで紹介した用語をもとに頭を働かせば、たいてい解読できます。
ある金融機関では、ネット専用住宅ローンとして「全期間固定プラン」と「全期間重視プラン」という商品を取り扱っています。前者は「全期間固定型」であることがすぐわかると思いますが、後者の「重視」が何を指すのかわかりません。
そこで該当ページを開いてみると、大きな文字で「店頭表示金利より年率マイナス△%~最大マイナス△△%」、小さな文字で「変動金利・さまざまな年数の固定金利からお選びいただけます。お借り入れから完済まで金利引き下げ幅が変わらないので、ずーっとお得が続きます」と記されています。
どうやら「人によって値引き率は異なりますが、変動金利でも固定金利でも、初めに決めた値引き率を返済期間中に変えることはありません」というプランのようです。
どうしても不明点がある場合は、遠慮なくコールセンターに問い合わせてみましょう。ほとんどの人は住宅ローンの”初心者”です。相手は慣れていますので、どんな質問でも気後れする必要はありません。
- 【住宅ローンの基礎知識 リンク集】
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- ◆住宅ローン選びの実践法◆
- (3)諸費用込みの「総支払額」で比較しよう!
- (4)変動金利なら「金利上昇リスク」の想定を
- (5)固定金利は、固定期間終了後に注意!
- (6)借入金額、借入期間、金利タイプ決め方は?
- (7)正しい「ランキングサイト」の見分け方
- (8)「シミュレーションサイト」の使い方
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淡河範明さん
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