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住宅ローンの基礎知識・仕組み[2020年]
【第3回】2019年2月27日公開(2019年11月14日更新)
淡河範明

淡河範明(おごう・のりあき)氏:日本興業銀行(現・みずほ銀行)出身で、過去10年で延べ5000件の住宅ローン相談実績を誇っています。2006年に設立したホームローンドクターにて、「住宅ローン借り換えクリニック」を運営しており、住宅ローンの借り換え・新規借入に、様々な相談に対応しています。

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住宅ローンの商品選びの簡単ステップ!
「金利タイプ」を決め、諸費用込みの
「トータルコスト」で比較する!!住宅ローンの基礎知識 第3回

住宅ローンで重要なのは金利ですが、とはいえ借入時に必要となる「融資手数料」や「保証料」などを含めないと、正確な商品比較は行えません。 総支払額は「トータルコスト」とも言い、それを利回りに換算した実質金利は、アメリカでは住宅ローン選びの一般的な指標となっています。ベストな住宅ローンを決めるには、欠かせない考え方です。

住宅ローン選びの最終判断は、トータルコストの比較で行う

 住宅ローン選びで大切なのは、「どこで借りるか」ではなく、「何をどのように借りるか」です。「何を」とは、どの商品ということで、「どのように」というのは、どのような条件で借りるのかと言い換えられます。

 商品によって、金利や費用が異なってきますし、同じ商品であっても借り方によって違いは出ます。そのため、当初の金利や、費用を個別に見ても、完済するまでにいくらかかるかを知らなければ、正しい判断などできないでしょう。

 トータルコストは、借入条件によって、そして金利の変化によって決定します。借入条件は、金融機関や商品にもよりますが、およそ9つあります。この決定がコストを左右するため、慎重に選択しなければなりません。

■「金利」以外の、気をつけたい借り入れ条件
条件 選択肢 コストを下げるには?
借入金額 1億円以下(商品により1億円超も可) 金額を少なくすればよい(少なくしすぎると、目的となる物件が買えないおそれあり)
借入期間 35年以内(商品により50年以内も) 期間を短くすればよい(家計収支が悪化するおそれあり)
金利タイプ 変動金利、固定期間選択型(1~30年)、全期間固定、その他 固定期間を短くすればよい(金利上昇時に負担が増えるおそれあり)
返済タイプ 元利均等、元金均等、ボーナス、増額他 なるべく早く返すように元金均等にすればよい(ただ、はじめは家計収支が悪化したり、審査的にきびしかったりする)
借入タイプ 一括融資、分割融資 金利や諸費用によりどの場合が安くなるかは一概には言えない
融資手数料タイプ 定率制、定額制、その他 金額が大きい場合は、定額制、小さい場合は定率制が有利
保証料タイプ 前払い、後払い、なし 期間が短ければ安くなるが、審査による 保証料なしにすると、融資手数料が高くなるのが一般的
優遇タイプ 当初期間優遇、全期間優遇 期間が短ければ当初期間優遇、長ければ全期間優遇が安くなる
団信特約タイプ 疾病特約、介護特約、就業不能特約他 特約をつけなければ安くなる
(注)いずれの条件もすべての金融機関で選べるものではないため、事前に確認しましょう。

 上記9つの中で、「借入金額」と「借入期間」については、おそらく商品を選ぶ前に決めるべき内容でしょう。従って、それ以外の7つは、個々の商品にあわせて選択すべきか検討しなければなりません。この7つの中で重視すべきは、金利タイプです。その理由は、総支払額の中で、元金以外では金利の支払いが最も大きくなる可能性があり、また、選択の違いによって最も大きく変化するものだからです。

 そこで、まずは「金利タイプ」を決め、住宅ローンの金利ランキング等を参考に商品を絞り込んでいきます。しかし、最終的に自分に合ったベストな一本に決めるには、金利以外の情報もチェックする必要があります。というのも、金利は低いものの融資手数料が割高になっていて、トータルで見れば得しない商品もあるからです。

【※関連記事はこちら!】>> 【住宅ローン「実質金利」ランキング(変動金利)】新規借入で、本当にお得なローンを毎月発表!

トータルコストを計算してみよう

 具体的には、商品の価値を正しく判断するには、以下の計算で借入から完済までの「トータルコスト(≒実質金利)」で比較します。

<金利タイプ別・トータルコストの計算方法>
●「全期間固定金利型」商品
 =元本+金利+諸費用
●「変動金利型」商品
 =元本+当初の金利+諸費用+将来の金利
●「固定期間選択型(固定金利期間選択型、固定金利選択型)」商品
 =元本+当初固定期間の金利+諸費用+固定期間終了後の金利
※「金利ミックス型」商品の場合は、選んだ金利タイプごとに計算して合計


 たとえば、ソニー銀行には「変動セレクト住宅ローン」と「住宅ローン」(商品名です)という大きく2タイプの借り換えローンがあります。この2タイプそれぞれに変動金利と固定金利が用意されていますが、ここでは変動金利について見てみましょう。

 「変動セレクト」の場合、変動金利は0.457%、手数料は借入額×2.16%(借入額3000万円なら、64万8000円)。これに対し、「住宅ローン」は変動金利0.757%とやや金利が割高ですが、手数料は借入額にかかわらず、一律4万3200円と低く設定されています。

 この2つのローンで、同じ借入額3000万円を借入期間30年で借り入れた場合、どちらがお得かを即答できる人はいないでしょう。答えは下表のとおりです(2019年年2月時点)。

ソニー銀行「変動セレクト」「住宅ローン」のトータルコストの違い
〈借入金額3000万円、返済期間30年、変動金利、元利均等払い〉
商品タイプ 金利(変動) 手数料 支払金利総額 トータルコスト
変動セレクト住宅ローン 0.457% 64万8000円 210万8991円 3275万6991円
83万円お得!
住宅ローン 0.757% 4万3200円 354万4586円 3358万7786円
損!
※借入期間中、金利の変動はなかったものとして計算


 手数料の比較では、「変動セレクト」のほうが約60万円多くかかりますが、金利が0.3%低いため、30年間のトータルでは約83万円の得となります。ただし、手数料の少ない「住宅ローン」のほうが自己資金は少なくて済みます。

 このように住宅ローンの損得は、トータルコストで比較しないと判明しません。さらに、人によっては、借りやすさや返済計画なども考えて、総合的に判断する必要があるのです。

「金利計算」では、固定期間終了後の優遇幅に注意!

 トータルコストの計算方法を見ていきましょう。まず「金利」の計算は、選んだ金利タイプによって微妙に異なります。全期間固定金利型は金利が一定のため、金利計算も単純ですが、ほかのタイプは多少計算が複雑です。なぜなら、金利が変化することで支払金利総額が大きく変わってしまうからです。

 変動金利型では、現状維持シナリオとして「現在の金利が完済まで続いた」場合と、リスクシナリオとして「返済開始から11年後に基準金利が4%に上昇」した場合の金利を計算するのが、私(淡河)独自の金利上昇リスクを計算する方法です。  4%は過去の平均値です。

 固定期間選択型では、変動金利型と同様に、現状維持シナリオとリスクシナリオの2パターンの金利を計算します。ポイントとなるのは固定期間終了後の金利設定です。固定期間終了後は何も手続きしなければ変動金利に移行しますが、注意しなければならないのは、その際に金利の「優遇幅」が小さくなる商品があることです。「基準金利-優遇幅」が実際の借入金利ですから、優遇幅は金利を決めるカギを握るものです。固定期間終了後の優遇幅をしっかりと確認のうえ、金利計算を行いましょう。

「諸費用」には3つのタイプがある

 最後は「諸費用」についてです。諸費用のうち、手数料と保証料は各銀行のホームページを見れば記載されていますが、計算の仕方や金額がまちまちです。そのため、割安なのか割高なのかひと目で判断がつきづらくなっています。

 そこで目安として、諸費用のタイプを以下の3つに分類してみました。一部、該当しない金融機関および商品もありますが、基本的にはいずれかに似ているはずですので、手数料や保証料をチェックする際の参考にしてください。

(1)メガバンクに多い「王道タイプ」
 手数料3万2400円、保証料は借入額×2.06%(借入期間35年の場合)でほぼ横並びです。残存期間に応じて保証料が減っていく方式を採用している銀行が多いので、借入期間が短い人はお得になるケースが多くなります。保証料は繰上返済すると、利用していない期間の分を返ってきます。

(2)ネット銀行に多い「見かけに騙されるなタイプ」
 保証料を無料とし、手数料でとるところが多くなっています。
 一部のネット銀行では、借入金額に応じて手数料が発生します。借入額×2.16%と高めの設定にしているところもあります。ちなみに同じ方式をフラット35で採用している株式会社優良住宅ローンの場合、手数料は借入額×0.66%、保証料なしとなっています。借入額3000万円なら、手数料は19万8000円です。

(3)フラット35など「定額ポッキリタイプ」
 一部のネット銀行は、手数料は一律定額、保証料なしという明朗会計を採用しています。ソニー銀行楽天銀行などがこのタイプです。
 手数料は各金融機関で異なりますが、ソニー銀行4万3200円、新生銀行5万4000円、楽天銀行32万4000円と総じて安く抑えられています。

【※関連記事はこちら!】>> 【住宅ローン「実質金利」ランキング(変動金利)】新規借入で、本当にお得なローンを毎月発表!

【住宅ローンの基礎知識 リンク集】

◆基本編◆
(1)住宅ローン選びで最も大事なのは「金利」!
(2)「○○金利」…頻出ワード、用語を解説
◆住宅ローン選びの実践法◆
(3)諸費用込みの「総支払額」で比較しよう!
(4)変動金利なら「金利上昇リスク」の想定を
(5)固定金利は、固定期間終了後に注意!
(6)借入金額、借入期間、金利タイプ決め方は?
(7)正しい「ランキングサイト」の見分け方
(8)「シミュレーションサイト」の使い方
◆申し込み手続き 成功法◆
(9)「申し込み」から「融資実行」までの流れ
(10)借り換えは1カ月以内の実行を目指そう
(11)借り換え審査は複数銀行へ同時に申し込もう
(12)ネット・郵送だけで手続きできる銀行も登場
(13)委任状を作れば、書類集めがスピーディに!
(14)必要書類集めで、よくある失敗と注意点
◆審査のツボと対応法、ローン選びの注意点◆
(15)転職後や個人事業主が審査時に気を付けること
(16)借金は、上手に整理すれば審査に通る!?
(17)ローン遅延は要注意!信用情報を確認しよう
(18)今さら聞けない「団信」の基本!タイプや保障は?
(19)夫婦で住宅ローンを借りる3つの方法とは?
 
◆住宅ローン実質金利ランキング[新規借入]
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住宅ローン返済額シミュレーション 借入可能額シミュレーション

 

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【2020年6月最新版】競争が激しく、過去最低水準の低金利!
◆「変動金利」住宅ローン金利ランキング(新規借入)
※借入金額2500万円、借り入れ期間35年(詳細な条件は表組の下に記載)
順位 銀行名 <商品名>
実質金利
(費用等含む)
表面金利
(費用等除く)
保証料
(税込)
事務手数料
(税込)
1
◆ジャパンネット銀行 <住宅ローン 全期間引下げプラン(自営業、市街化調整区域は不可)>
0.529%
0.399%
0円
借入額×2.2%
【ジャパンネット銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
ネット銀行のジャパンネット銀行は2019年7月末に住宅ローンの貸し出しをスタート。最大の特徴は、業界最低水準という低い金利で、特に「変動金利」「10年固定金利」に強みがある。オプションの団体信用生命保険も豊富に取りそろえる。
2
◆auじぶん銀行 <住宅ローン 全期間引下げプラン(新規借入)>
0.540%
全疾病+がん50%
0.410%
0円
借入額×2.2%
【auじぶん銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
三菱UFJ銀行とKDDIが共同で立ち上げたネット銀行。変動金利の競争力が高く、業界トップクラスの低金利となっている。がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」が無料付帯。ネットだけで契約を完了でき、仮審査は最短即日回答、契約は最短10日とい短期間での契約が可能だ。
【関連記事】auじぶん銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
公式サイトはこちら
2
◆SBIマネープラザ <ミスター住宅ローンREAL・通期引下げプラン(新規借入)>
0.540%
全疾病保障付き
0.410%
0円
借入額×2.2%
【SBIマネープラザの住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
SBIマネープラザは、証券、保険、住宅ローンなどを取り扱う、SBIグループのマネー相談プラザ。支店において対面で相談できるので、初心者でも安心だ。変動金利が低い「ミスター住宅ローンREAL」(住信SBIネット銀行の商品)と、全期間固定金利が低い「ARUHIのフラット35」を取り扱っているので、2種類の住宅ローンを比較して申し込みできる。
【関連記事】SBIマネープラザの住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
公式サイトはこちら
4
◆新生銀行 <住宅ローン 変動金利半年型タイプ・変動フォーカス(新規借入)>
0.581%
0.450%
0円
借入額×2.2%
【新生銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
2019年7月の商品改訂に伴い、金利を大きく引き下げた。「変動フォーカス」は他の商品と違って、手数料は借入金額×2.2%と高めだが、金利が低いため、競争力がある。過去に繰り上げ返済で期間短縮した場合、入院時などにその期間だけ元本返済を止められるサービスもある。
【関連記事】新生銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
公式サイトはこちら
※実質金利は、借入金額3000万円、借り入れ期間35年、団信加入、元利均等返済、ボーナス払いなし、最優遇金利を適用として、実質金利を計算。固定期間終了後は変動金利を選択(現在の水準が継続と仮定)。実質金利の計算法はこちら。諸費用は、事務手数料等、保証料とする。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料率となる。主要18銀行・金融機関の主な商品を対象とし、ランキングに掲載するのは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品のみとする。ホームローンドクター代表の淡河範明氏の協力で作成。

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