住宅ローン審査時の必要書類は、「委任状」で家族や専門家にも協力してもらいながら、スピーディに集めよう!住宅ローンの基礎知識 第13回

【第13回】2019年7月29日公開(2021年5月10日更新)
淡河範明:住宅ローンアドバイザー

住宅ローンを借りるにあたっては、事前審査、本審査、契約の各段階で何種類もの書類を提出しなければなりません。その都度、役所などに足を運んでいたら手間ですし、用意するのに時間がかかって、月をまたいでしまうと、金利も変わります。委任状があれば第三者でも書類を取り寄せることができるので、家族や専門家の手を上手に借りて、すばやく一度に集めましょう。

書類集めの専門家選びでは、「実務経験」を重視する

 新規借入で提携ローンなどを利用する場合、住宅ローンの審査や契約に必要な不動産関係の書類は、不動産会社や工務店側で準備してくれます。そのほかの必要書類や手続き方法についても、きめ細かく指示してもらえるでしょう。

 しかし、提携ローンではなくネット銀行等に自分で申し込む人や、借り換えをする人は、自分主導で必要書類を手配しなければなりません。必要書類にはいろいろあって、なかには間違いやすいものもあります。また、一つでも書類に不備があると融資の審査に通りません。グズグズしているうちに、月をまたいで金利が上がってしまうと、取り返しのつかないことになります。

 書類の中には、「本人が受け取らなくてはならないもの」、「委任状があれば本人以外でも受け取れるもの」、「ネットで取り寄せが可能なもの」があります。また、事前審査までに必要なもの、本審査までに必要なもの、さらに借り換えであれば完済手続き日(融資実行日)までに必要なものなどがあり、各書類の提出期限にも注意しなければなりません。

 そのため、できれば家族や専門家の手を借りて、効率的に資料集めを行う方が得策です。例えば、借り換えであれば、土地、建物の登記簿謄本、公図、地積測量図などは法務局に取りに行く必要がありますが、自分で行くのはやや大変なので、司法書士に依頼するとよいでしょう。借り換え時に登記の手続きが発生するので、依頼予定の司法書士に併せてお願いすれば実費で取り寄せてくれます。

 ただし、金融機関が司法書士を指定する場合は、まとめてお願いするわけにはいかなくなります。そのため、商品選びから手続きまで一括して行える、住宅ローン専業のコンサルタントの手を借りるのがベストです。ただし、住宅ローン専業コンサルタントは人数が少なく、ご近所で見つけるのが難しい人もいるでしょう。

 その場合、ファイナンシャル・プランナーに依頼する選択肢もありますが、必ず、「住宅ローン手続きを扱ったことがありますか?」と質問してみてください。実務経験のないファイナンシャル・プランナーは、登記簿謄本の取り方を知らなかったり、「書類は銀行の規定どおりに集めるのが肝心」という勘所を知らなかったりすることが多いからです。

 ファイナンシャル・プランナーは業務の範囲が広いため、それぞれ専門分野を持っていますが、大半は生命保険の見直しや相続関係です。住宅ローンを扱っている人はそう多くないことを心に留めておきましょう。

思い込みで住宅ローン商品をすすめる専門家に要注意!

 この「実務経験の有無」は商品のすすめ方にも関係してきます。実務で住宅ローンを扱っていたり、仕事で金融情報を扱う立場にいるファイナンシャル・プランナーであれば、日々金利は変動していて、銀行のサービス内容や取り扱う範囲が変化していることを肌身に感じています。

 けれども、そうでないファイナンシャル・プランナーの場合、「この銀行はいい」「この商品がいい」と一度思うと、半永久的にそれがベストであるという思い込みがなかなか消えません。そのため、何年も前の情報をもとに「現在、最もおトクな商品はこれです!」とすすめてみたり、「どのお客さまにも、自信を持ってこの商品をオススメします」といった見当はずれのアドバイスにつながったりするのです。

 少し考えれば分かることですが、時間が経てば金利も変わっていますし、人によって収入も違います。また、借り換えであれば、ローンの残債も残存期間も人それぞれです。ひとつの商品が、全員にとってのベストであるわけがありません。

 繰り返しますが、専門家に相談するときは必ず具体的な実績を確認してください。工務店や不動産会社、マンション販売会社などで実務経験のあるファイナンシャル・プランナーであれば、心配ないでしょう。

委任状の作成は、思いのほか簡単!

 たいていの必要書類は、委任状さえあれば、配偶者や司法書士、ファイナンシャル・プランナーなどが「代理人」として代わりに申請して受け取ることができます。仕事のある平日に書類を集めるのは手間ですから、委任状を使って家族や専門家の協力を仰ぎましょう。 委任状は、書類の発行元である自治体などのホームページからダウンロードできる場合もありますが、必要事項が明記されていれば、自分で作成したものでも構わないとされています。

委任状のサンプル
写真を拡大 委任状は、必要な要件を満たしていれば自分で作ったものでも有効だ

 委任状に明記すべき項目は、次の通りです。

【代理人に関する事項】
・氏名、住所

【委任者に関する事項】
・誰が、誰に、何の権限(納税証明書の申請、受領など)を委譲するのか
・委任する日付
・氏名、住所
・押印
・日中に連絡の取れる電話番号

 なお、代理人は自身の本人確認書類を持参する必要があります。本人確認書類は、運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどであれば、1点を提示すればOKです。

 それ以外の、健康保険証や年金手帳、年金証書、住民基本台帳カードなどの場合は、2点を提示する必要があります。どの種類の本人確認書類がいくつ必要なのか、書類発行元のホームページなどでよく確認しておきましょう。

まとめ

 必要書類をスピーディーに集めるコツを振り返ってみましょう。

①提携ローン以外での新規借入や、借り換えの場合は、自分主導で必要書類を集める必要がある。
②書類集めは、専門家や家族にも協力してもらい、すばやく済ませる。
③専門家に依頼する場合は、住宅ローンに関する実務経験を確認する。

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