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住宅ローン借り換えシミュレーション
「変動金利」から「10年固定」への借り換えで、
家計の出費が多い期間の金利上昇リスクを回避住宅ローン借り換えの注意点(8)

【第8回】2020年4月24日公開(2020年6月18日更新)
淡河範明

住宅ローンを変動金利で借りている場合、借り換えも変動金利を選択する人が多く見られます。しかし、ライフプランによっては10年固定への借り換えでリスクを抑えた方が良いケースも。そこで、家計の出費が増える期間には、金利上昇によるダメージを抑えたいという人のために、「変動金利」から「10年固定」への借り換えをシミュレーションしてみました。

10年固定なら、金利上昇リスクが変動金利より少ない

4人家族の住宅ローン借り換えシミュレーション
出所:PIXTA

 自営業のFさん(42歳)は、パート勤めの妻(38歳)と2人のお子さま(長男14歳、長女12歳)の4人家族です。9年前に35年ローンでマンションを購入。当時は住宅ローンのことよりも、憧れのマンションを手に入れることで頭がいっぱいで、住宅ローンは銀行員にすすめられた変動金利を選択しました。

 ところが、先日、某銀行の変動金利がわずかながら引き上げられたことを知って、途端に変動金利のままでいいのだろうかと心配になってきました。調べたところ、過去には変動金利が1年間で2%、3年間で4%上昇したことがあったことを知り、リスクをある程度減らすために、10年固定金利への借り換えを決意しました。

 当初、住宅ローンは3600万円借りましたが、9年たって、住宅ローン残高は2822万円まで減少しているので、この金額を借り換えます。

 なお、借り換えの諸費用は、銀行に支払う手数料が65.4万円(借入額×2.32%)、抵当権設定のための登記費用やそれを依頼する司法書士への報酬、印紙代として合計20万円ほどかかります。シミュレーションしてみると、こうした諸費用を払ったとしても、総支払額は198万円も得する計算となりました(下表を参照)。

【10年固定金利で借り換えた場合のFさんのシミュレーション】

  借り換え前 借り換え後
借入時期 2011年 2020年に借り換え
金利タイプ 変動金利 10年固定金利
金利

1.275%(変動、現在)

0.645%(10年固定)
0.429%(16年、変動金利)

残りの期間 26年 26年
毎月返済額

10.6万円

9.8万円(10年)
9.7万円(16年)

残高/借入額 2822万円(残高) 2822万円(借入額)

借り換え諸費用

85.4万円(手数料、登記費用等)

総支払額

3317万円

3119万円

198万円お得)

※1万円単位で借りられる金融機関は少ないですが、比較のため、借り換え額は借り換え前と同額としています

※変動金利は、今後も現在の水準を維持するものとして試算しています

シミュレーションでは変動金利のほうがお得だが…

 変動金利で借りている人は、借り換えも変動金利を希望することが多くなっています。現在の超低金利なら、変動から変動への借り換えでメリットを得られる人は少なくないでしょう。

 しかし、Fさんの場合、本人の希望もそうですし、残存期間が26年と長いことから、やはり金利上昇リスクを回避すべきです。

【関連記事はこちら】>>住宅ローン借り換え時に、金利タイプは何にする?
変動金利に借り換えていい人の3条件を紹介

 仮に楽天銀行の変動金利(2020年4月の金利は0.527%)に借り換えた場合、今の金利水準が続けば、借り換え諸費用の53万円(銀行への手数料33万円、登記関連費用20万円)を支払っても、トータルコストで244万円もお得になります。しかし、これでは金利上昇のリスクはなくなりません。特にこれからの十数年は、Fさん家族にとっては子どもの教育費もかさむ時期で、金利上昇リスクは避けたいところです。

借り換えなしの場合と、借り換えをした場合の総支払額推移
借り換えなしの場合と、借り換えをした場合の総支払額推移。住宅金融支援機構の「返済プラン比較シミュレーション」で作成したグラフに、編集部で一部加筆

 そこで、Fさんは変動金利ほどのメリットは出ないものの、リスクを減らせる、りそな銀行の10年固定(WEB申込限定プラン「はじめがお得!当初型・借り換え」2020年4月の金利は0.645%)を選択しました。

 その結果、諸費用を計算に入れても、総額で198万円得することになりました。

  借り換えにより、金利の支払額は大きく減少します。変動金利1.275%から、0.645%(10年固定。10年目以降は0.429%の変動金利)となるため、金利(利息)は495万円から212万円へと減少するのです(下表参照)。

 上のグラフは、借り換えをしなかった場合と、借り換えをした場合の総支払額の推移です。緑のラインが、借り換えをしなかった場合と、借り換えをした場合の総支払額が同額となるポイントなので、借り換えから約9年後には、総支払額が少なくなり、元が取れることが分かります。

住宅金融支援機構の返済プラン比較シミュレーション
住宅金融支援機構の返済プラン比較シミュレーションで作成。編集部で一部加筆

「変動金利」から「10年固定」への借り換えは、コスト削減とリスク軽減をかなえたい人向け

 変動金利の場合、当初金利は大きく下がりますが金利上昇時の振れ幅は非常に大きくなります。1991年(バブル末期)に日銀が短期金利引き上げの金融政策を実行した際には、変動金利の基準金利は年8.50%でした。

 変動金利から固定期間選択型金利に借り換える場合、悩ましいのは何年間の固定にするかということでしょう。Fさんの条件でシミュレーションしたところ、10年固定であれば、現在より毎月の返済額が減りますが、より金利上昇リスクに強い20年固定だと、金利が今のまま推移した場合、借り換えの諸費用も含めたトータルコストでは、現在の変動金利よりも損をします。勇気がなければなかなか20年固定は選択できません。

 この借り換えパターンがおすすめなのは、金利リスクはある程度とってもよいと考えているが、家計に対して過大なリスクは避けるタイミングだと気付いている人です。現在、10年固定金利はリスクがそれなりに低く、毎月返済と総返済額もしっかり下げることが可能です。

 そういう意味で、変動金利から10年固定への借り換えは、コスト面(総支払額)でのメリットとリスク(金利変動リスク)軽減を同時に追求したいという人向けの借り換えパターンとも言えます。

【住宅ローン借り換えの注意点 リンク集】

◆基本編◆
(1)借りてから5年未満でも、チャンスあり
(2)借り換えでマイナス金利のメリットを享受
◆シミュレーション編◆
(3)「固定金利」から「固定金利」に借り換え
(4)「固定金利」から「期間固定」に借り換え
(5) リフォームなら、借り換え時がチャンス
(6)「5年固定」から「30年固定」に借り換え
(7)「10年固定」から「10年固定」に借り換え
(8)「変動金利」から「10年固定」に借り換え
(9)「変動金利」から「全期間固定」に借り換え
(10)「リバースモーゲージ」に借り換え
(11)「ミックスローン」から「ミックスローン」に借り換え
(12)「元金均等」から「元利均等」に借り換え
◆実行編◆
(13)「条件変更」と「借り換え」どちらがいい?
(14)変動、固定…。金利タイプは何にする?
(15)変動金利と全期間固定の金利差は1%以下!
(16)借り換え時の3つのタブーとは?
(17)おとくな商品の見分け方
(18)借り換え手続きでの4つの疑問点
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【2021年10月最新版、主要銀行版】 「変動金利」住宅ローン金利ランキング(借り換え) ※借入金額2500万円、借入期間30年

  • 1
    実質金利
    (費用等含む)
    表面金利
    (費用等除く)
    手数料
    (税込)
    保証料
    0.53% 0.38% 借入額×2.2% 0円

    【注目ポイント】「全疾病」+「がん50%」保障が無料付帯

    【auじぶん銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】

    • 三菱UFJ銀行とKDDIが共同で立ち上げたネット銀行で、変動金利は業界トップクラスの低金利
    • 無料団信が充実しており、がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」のほか、「全疾病保障」「月次返済保障」が無料で付帯
    • ネットだけで契約を完了でき、仮審査は最短即日回答、本審査は最短2~3営業日で回答など、審査スピードも速い
      (審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません)

     

    詳細はこちら(公式サイト)

    auじぶん銀行の住宅ローンの詳細

    手数料・保証料は?

    手数料(税込) 融資額×2.20%(税込)
    保証料 0円(審査の結果、保証会社を利用する場合があるが、保証料相当額は金利に含まれており、別途、保証料は発生しない)
    繰上返済手数料(一部) 0円(1円以上1円単位)
    繰上返済手数料(全額) ・変動金利/0円
    ・固定金利/3万3000円(税込)

    団信(団体信用生命保険)は?

    無料の団信 死亡・高度障害
    +がん50%保障団信
    +全疾病保障(入院が継続180日以上となった場合)
    +月次返済保障(31日以上連続入院、以降30日ごと)
    オプション(特約)の団信
    • がん100%保障団信
      (一般団信+がんを含む全疾病保障+月次返済保障)

      金利+0.20%
    • 11疾病保障団信(生活習慣病団信)
      金利+0.30%
    • ワイド団信
      金利+0.30%

    審査基準は?

    借入額 500万円以上、2億円以下
    借入期間 1年以上35年以内(1ヶ月単位)
    融資を受けられるエリア 全国
    使いみち 本人または家族が住むための以下の資金
    ・戸建・マンション(中古物件含む)の購入資金
    ・戸建の新築資金
    ・他の金融機関で現在借入中の住宅ローンのお借換え(住宅ローンとリフォームローンの一括での借り換えを含む)資金
    ・上記に伴う諸費用
    年収(給与所得者) 200万円以上
    勤続年数(給与所得者)
    年収(個人事業主等) 200万円以上
    事業年数(個人事業主等)
    年齢(借入時) 満20歳以上〜満65歳未満
    年齢(完済時) 満80歳の誕生日まで
    その他条件

    自社住宅ローンについて解説 参考:auじぶん銀行の公式サイト

     

    詳細はこちら(公式サイト)

  • 1

    PayPay銀行「住宅ローン 全期間引下げ(借り換え、自営業、市街化調整区域は不可)・変動金利」

    実質金利
    (費用等含む)
    表面金利
    (費用等除く)
    手数料
    (税込)
    保証料
    0.53% 0.38% 借入額×2.2% 0円

    【PayPay銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】

    • 個人事業主、家族が経営する会社に勤務している場合も原則利用不可。借地、市街化調整区域なども不可

     

    PayPay銀行の住宅ローンの詳細

    手数料・保証料は?

    手数料(税込) 借入金額×2.20%
    保証料 0円
    繰上返済手数料(一部) ホームページでの手続き:無料
    電話での手続き:5,500円(税込)
    繰上返済手数料(全額) 手数料:33,000円(消費税含む)
    PayPay銀行住宅ローンセンターに電話で申し込み

    団信(団体信用生命保険)は?

    無料の団信 一般団信(死亡・高度障害)
    +がん診断給付金
    +先進医療給付金
    +がん50%保障団信
    オプション(特約)の団信
    • がん100%保障団信
      金利+0.20%
    • 11疾病保障団信
      (がん100%保障団信+10種類の生活習慣病)

      金利+0.30%
    • ワイド団信
      金利+0.30%

    審査基準は?

    借入額 500万円以上2億円以下
    借入期間 1年以上35年以内(1ヶ月単位)
    融資を受けられるエリア 全国
    使いみち 本人が住む住宅に関する以下の資金
    ・戸建またはマンションの購入(中古物件を含む)
    ・戸建の新築・現在借入中の住宅ローンの借り換え
    ・上記に伴う諸費用
    年収(給与所得者) 200万円以上
    勤続年数(給与所得者)
    年収(個人事業主等) 原則、利用不可
    事業年数(個人事業主等)
    年齢(借入時) 65歳未満
    年齢(完済時) 80歳未満
    その他条件

    自社住宅ローンについて解説 参考:PayPay銀行の公式サイト

     

  • 3

    みずほ銀行「住宅ローン 最後まで変わらずオトク!全期間重視プラン(ネット専用、ローン取扱手数料型)・変動金利」

    実質金利
    (費用等含む)
    表面金利
    (費用等除く)
    手数料
    (税込)
    保証料
    0.536% 0.375 % 借入額×2.2%+33000円 0円

    【みずほ銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】

    • 3大メガバンクの一つ。ネット専用商品は店舗での相談はできない分、金利が低い
    • 返済期間は変えずに、一定期間返済額を増減額したり、借り入れ期間を延長したりできる「ライフステージ応援プラン」も用意する

     

    みずほ銀行の住宅ローンの詳細

    手数料・保証料は?

    手数料(税込) ■自社商品
    ①保証料を一部前払いする方式
    事務手数料:33,000円、保証料:融資額×2.06%(借入期間35年)
    ②保証料を前払いしない方式(金利上乗せ型)
    事務手数料:33,000円、保証料:金利+0.2%
    ③保証料を前払いしない方式(ローン取扱手数料型)
    事務手数料:融資額×2.20%
    ■フラット35
    融資額×1.045%~(定率型、頭金10%以上)
    ④固定金利選択方式利用時に11,000円
    保証料 ■自社商品
    上記を参照
    ■フラット35
    0円
    繰上返済手数料(一部) ■自社商品
    みずほダイレクト[インターネットバンキング]:無料(1万円以上1億円以内1万円単位)
    店頭:33,000 円
    ■フラット35
    0円(100万円以上)
    繰上返済手数料(全額) ■自社商品
    店頭のみ:33,000 円
    ■フラット35
    0円

    団信(団体信用生命保険)は?

    無料の団信 一般団信
    (死亡・高度障害)
    オプション(特約)の団信
    • 8大疾病補償プラスがんサポートプラン
      (がん<診断で給付>+がん以外の全傷病+7大疾病<1年超就業障害継続>)

      月1886円から※35歳加入、借入金額2000万円、借入期間35年、金利1.5%、元利均等返済の場合の初回保険料。詳しくはこちらの記事を参照
    • 8大疾病補償がんサポートプラン
      (がん<診断で給付>+7大疾病<1年超就業障害継続>)

      月1647円から※35歳加入、借入金額2000万円、借入期間35年、金利1.5%、元利均等返済の場合の初回保険料。詳しくはこちらの記事を参照
    • 8大疾病補償プラス
      (全傷病+8大疾病<1年超就業障害継続>)

      月717円から※35歳加入、借入金額2000万円、借入期間35年、金利1.5%、元利均等返済の場合の初回保険料。詳しくはこちらの記事を参照
    • 8大疾病補償
      (8大疾病<1年超就業障害継続>)

      月478円から
      ※35歳加入、借入金額2000万円、借入期間35年、金利1.5%、元利均等返済の場合の初回保険料。詳しくはこちらの記事を参照
    • がん団信<診断で給付>
      金利+0.20%

    審査基準は?

    借入額 ■自社商品
    50万円以上、1億円以下
    ■フラット35
    100万円以上8,000万円以下(1万円単位)
    借入期間 1年以上35年以内(1年単位)
    融資を受けられるエリア ■自社商品
    全国
    ■フラット35
    全国
    使いみち (1)本人居住用の土地・住宅の購入、住宅の新築、底地の買取資金
    (2)火災保険料、保証会社手数料・保証料、仲介手数料、担保関連費用、印紙税、引越費用、修繕積立金、付帯工事費用、管理準備金、水道加入金、リフォーム費用(住宅の購入資金と同時申込の場合)
    年収(給与所得者) ■自社商品
    安定した収入がある人
    ■フラット35
    【年収400万円未満】総返済負担率が30%以下
    【年収400万円以上】総返済負担率が35%以下
    勤続年数(給与所得者) ■自社商品

    ■フラット35
    年収(個人事業主等) ■自社商品
    安定した収入がある人
    ■フラット35
    【年収400万円未満】総返済負担率が30%以下
    【年収400万円以上】総返済負担率が35%以下
    事業年数(個人事業主等) ■自社商品

    ■フラット35
    年齢(借入時) ■自社商品
    71歳未満
    ■フラット35
    70歳未満
    年齢(完済時) ■自社商品
    81歳未満
    ■フラット35
    80歳未満
    その他条件

    自社住宅ローンについて解説 参考:みずほ銀行の公式サイト

     

※実質金利は、借入金額2500万円、借入期間30年、団信加入、元利均等返済、ボーナス払いなし、最優遇金利を適用として、実質金利を計算。固定期間終了後は変動金利を選択(現在の水準が継続と仮定)。実質金利の計算法はこちら。諸費用は、事務手数料等、保証料とする。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料率となる。主要銀行・金融機関の主な商品を対象とし、ランキングに掲載するのは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品のみとする。ホームローンドクター代表の淡河範明氏の協力で作成。
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