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住宅ローン借り換えシミュレーション 
「変動金利」から「全期間固定」への借り換えで、将来のリスクをゼロに住宅ローン借り換えの注意点(9)

【第9回】2020年4月30日公開(2020年8月3日更新)
淡河範明

淡河範明(おごう・のりあき)氏:日本興業銀行(現・みずほ銀行)出身で、過去10年で延べ5000件の住宅ローン相談実績を誇っています。2006年に設立したホームローンドクターにて、「住宅ローン借り換えクリニック」を運営しており、住宅ローンの借り換え・新規借入に、様々な相談に対応しています。

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「変動金利」から「固定金利」への借り換えは、金利上昇リスクが不安な人向けの借り換えパターンですが、リスクをゼロにしたいのであれば、「全期間固定」への借り換えがおすすめです。もし、変動金利のままで、金利上昇と収入減のタイミングが重なってしまったら、と不安に思っている人もいるでしょう。そこで、今回は「変動金利」から「全期間固定」への借り換えをシミュレーションしてみました。

収入減などが予想される場合、
リスクマネジメント優先の借り換えを

住宅ローン借り換えを検討する4人家族
出所:PIXTA

 会社員のGさん(48歳)は、パート勤めの妻(47歳)と2人の子ども(長女19歳、長男16歳)の4人家族です。12年前に親から相続した土地に一戸建てを建てました。その際、ほかにカーローンなども借りていて、融資枠ギリギリだったことから、利息の低い変動金利で住宅ローンを組んだまま、現在に至っています。

 Gさんはご自身の年齢を考え、これから収入が減っていくリスクがあると判断。今のうちに金利上昇リスクを避けたいという思いから、全期間固定金利への借り換えを決意しました。

 当初、住宅ローンは4400万円借りましたが、15年たって、住宅ローン残高は2769万円まで減少しているので、この金額を借り換えます。

 今回は、フラット35を提供するアルヒの「スーパーフラット借換」に借り換えます。手数料はキャンペーン中(2020年4月現在)のため、WEBで申し込めば、借入額×1.1%ですみます。

 なお、借り換えの諸費用は、銀行に支払う手数料が30.5万円(借入額×1.1%)、抵当権設定のための登記費用やそれを依頼する司法書士への報酬、印紙代として合計20万円ほどかかります。シミュレーションしてみると、こうした諸費用を払った上で、総支払額は12万円増加する計算となりました(下表を参照)。

【全期間固定金利で借り換えた場合のGさんのシミュレーション】

  借り換え前 借り換え後
借入時期 2005年 2020年に借り換え
金利タイプ 変動金利 全期間固定金利
金利

1.375%(変動、現在)

1.250%(全期間固定)

残りの期間 20年 20年
毎月返済額

13.2万円

13.0万円

残高/借入額 2769万円(残高) 2769万円(借入額)

借り換え諸費用

50.5万円(手数料、登記費用等)

総支払額

3169万円

3181万円

12万円増加

※1万円単位で借りられる金融機関は少ないですが、比較のため、借り換え額は借り換え前と同額としています

※変動金利は、今後も現在の水準を維持するものとして試算しています

将来の金利上昇を想定した早めの借り換えで、コストを最小限に抑えつつリスクをゼロに

借り換えなしの場合と、借り換えをした場合の総支払額推移シミュレーション
借り換えなしの場合と、借り換えをした場合の総支払額推移。住宅金融支援機構の「返済プラン比較シミュレーション」で作成したグラフに、編集部で一部加筆

 この借り換えプランでは、総支払額が12万円増加していますが、下表を見ると分かるように、利息の返済額は400万円から362万円に減額しています。

 当初、固定期間よりも利息が低いことを理由に選んだ変動金利は1.375%でしたが、金利水準がこの約10年で下がっていたため、全期間固定に借り換えても1.250%となりました。

 借り換えに際しての諸費用が50.5万円かかっているため、総支払額が増え、借り換えによって負担が増えたかのように見えます。しかし、「借り換えなしの場合と、借り換えをした場合の総支払額推移のグラフ」からも分かるように、諸費用を支払った1年目以降は、年々、借り換え前の返済額に近づき、総支払額としてはほとんど変わらない結果となっています。

 今後も低金利が続けばいいのですが、もし、6年目に金利が4%まで上昇したとすると、変動金利のままだと総支払額は481万円もアップしてしまいます。マイナス金利導入で固定金利が変動金利並みに下がっている今、金利が上昇して数百万円もコストアップするリスクを考えれば、思い切ってリスクをゼロにする選択肢は大いにあるでしょう。

住宅金融支援機構の返済プラン比較シミュレーション
住宅金融支援機構の返済プラン比較シミュレーションで作成。編集部で一部加筆

「全期間固定」への借り換えは、リスク要因があるのに変動金利を借りている人向け

 この借り換えパターンがおすすめなのは、リスク要因を抱えている人、金利上昇リスクをとりたくない人です。超低金利の現在、変動金利から変動金利へ借り換える人が多いですが、今後、10年、20年先も今と同じ金利状況が続くとは限りません。

 たしかに「勇気ある借り換え」ではありますが、ひと昔前なら全期間固定金利は2~3%が当たり前。それを考えると、将来の収入減が予想されるなど、リスク要因を抱えている人は、全期間固定金利が1%前後という異常な低金利である今のうちに、変動金利から全期間固定に借り換えて、金利上昇リスクをゼロにしておくといいでしょう。

【住宅ローン借り換えの注意点 リンク集】

◆基本編◆
(1)借りてから5年未満でも、チャンスあり
(2)借り換えでマイナス金利のメリットを享受
◆シミュレーション編◆
(3)「固定金利」から「固定金利」に借り換え
(4)「固定金利」から「期間固定」に借り換え
(5) リフォームなら、借り換え時がチャンス
(6)「5年固定」から「30年固定」に借り換え
(7)「10年固定」から「10年固定」に借り換え
(8)「変動金利」から「10年固定」に借り換え
(9)「変動金利」から「全期間固定」に借り換え
(10)「リバースモーゲージ」に借り換え
(11)「ミックスローン」から「ミックスローン」に借り換え
(12)「元金均等」から「元利均等」に借り換え
◆実行編◆
(13)「条件変更」と「借り換え」どちらがいい?
(14)変動、固定…。金利タイプは何にする?
(15)変動金利と全期間固定の金利差は1%以下!
(16)借り換え時の3つのタブーとは?
(17)おとくな商品の見分け方
(18)借り換え手続きでの4つの疑問点
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【2020年10月最新版、主要銀行版】
◆「変動金利」住宅ローン金利ランキング(借り換え)
※借入金額2500万円、借入期間30年

順位 銀行名 <商品名>
実質金利
(費用等含む)
表面金利
(費用等除く)
保証料
(税込)
事務手数料
(税込)
1
◆auじぶん銀行 <住宅ローン 全期間引下げプラン(借り換え、じぶんでんきセット割引)・変動金利>
0.531%
全疾病+がん50%
0.380%
0円
借入額×2.2%
【auじぶん銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
三菱UFJ銀行とKDDIが共同で立ち上げたネット銀行。変動金利の競争力が高く、業界トップクラスの低金利となっている。がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」「全疾病保障」が無料付帯。ネットだけで契約を完了でき、仮審査は最短即日回答、本審査は最短2~3営業日で回答など、審査スピードも早い。じぶんでんきセット割引は、新電力サービス「じぶんでんき」に加入できた場合、金利を0.03%引き下げるもので、適用されない場合の金利は0.41%となる。
【関連記事】auじぶん銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
公式サイトはこちら
1
◆ジャパンネット銀行 <住宅ローン 全期間引下げプラン(自営業、市街化調整区域は不可)・変動金利>
0.531%
0.380%
0円
借入額×2.2%
【ジャパンネット銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
ネット銀行のジャパンネット銀行は2019年7月末に住宅ローンの貸し出しをスタート。最大の特徴は、業界最低水準という低い金利で、特に「変動金利」「10年固定金利」に強みがある。オプションの団体信用生命保険も豊富に取りそろえる。
【関連記事】ジャパンネット銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
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3
◆SBIマネープラザ <ミスター住宅ローンREAL・通期引下げプラン(店舗相談、借り換え)・変動金利>
0.562%
全疾病保障付き
0.410%
0円
借入額×2.2%
【SBIマネープラザの住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
SBIマネープラザは、証券、保険、住宅ローンなどを取り扱う、SBIグループのマネー相談プラザ。支店において対面で相談できるので、初心者でも安心だ。変動金利が低い「ミスター住宅ローンREAL」(住信SBIネット銀行の商品)と、全期間固定金利が低い「ARUHIのフラット35」を取り扱っているので、2種類の住宅ローンを比較して申し込みできる。
【関連記事】SBIマネープラザの住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
公式サイトはこちら
※実質金利は、借入金額2500万円、借入期間30年、団信加入、元利均等返済、ボーナス払いなし、最優遇金利を適用として、実質金利を計算。固定期間終了後は変動金利を選択(現在の水準が継続と仮定)。実質金利の計算法はこちら。諸費用は、事務手数料等、保証料とする。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料率となる。主要18銀行・金融機関の主な商品を対象とし、ランキングに掲載するのは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品のみとする。ホームローンドクター代表の淡河範明氏の協力で作成。

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