「変動金利」から「固定金利」への借り換えは、金利上昇リスクが不安な人向けの借り換えパターンですが、リスクをゼロにしたいのであれば、「全期間固定」への借り換えがおすすめです。もし、変動金利のままで、金利上昇と収入減のタイミングが重なってしまったら、と不安に思っている人もいるでしょう。そこで、今回は「変動金利」から「全期間固定」への借り換えをシミュレーションしてみました。
収入減などが予想される場合、
リスクマネジメント優先の借り換えを
 
会社員のGさん(48歳)は、パート勤めの妻(47歳)と2人の子ども(長女19歳、長男16歳)の4人家族です。12年前に親から相続した土地に一戸建てを建てました。その際、ほかにカーローンなども借りていて、融資枠ギリギリだったことから、利息の低い変動金利で住宅ローンを組んだまま、現在に至っています。
Gさんはご自身の年齢を考え、これから収入が減っていくリスクがあると判断。今のうちに金利上昇リスクを避けたいという思いから、全期間固定金利への借り換えを決意しました。
当初、住宅ローンは4400万円借りましたが、15年たって、住宅ローン残高は2769万円まで減少しているので、この金額を借り換えます。
今回は、フラット35を提供するアルヒの「スーパーフラット借換」に借り換えます。手数料はキャンペーン中(2020年4月現在)のため、WEBで申し込めば、借入額×1.1%ですみます。
なお、借り換えの諸費用は、銀行に支払う手数料が30.5万円(借入額×1.1%)、抵当権設定のための登記費用やそれを依頼する司法書士への報酬、印紙代として合計20万円ほどかかります。シミュレーションしてみると、こうした諸費用を払った上で、総支払額は12万円増加する計算となりました(下表を参照)。
【全期間固定金利で借り換えた場合のGさんのシミュレーション】
| 借り換え前 | 借り換え後 | |
| 借入時期 | 2005年 | 2020年に借り換え | 
| 金利タイプ | 変動金利 | 全期間固定金利 | 
| 金利 | 1.375%(変動、現在) | 1.250%(全期間固定) | 
| 残りの期間 | 20年 | 20年 | 
| 毎月返済額 | 13.2万円 | 13.0万円 | 
| 残高/借入額 | 2769万円(残高) | 2769万円(借入額) | 
| 借り換え諸費用 | ー | 50.5万円(手数料、登記費用等) | 
| 総支払額 | 3169万円 | 3181万円 (12万円増加) | 
| ※1万円単位で借りられる金融機関は少ないですが、比較のため、借り換え額は借り換え前と同額としています ※変動金利は、今後も現在の水準を維持するものとして試算しています | ||
将来の金利上昇を想定した早めの借り換えで、コストを最小限に抑えつつリスクをゼロに
 
この借り換えプランでは、総支払額が12万円増加していますが、下表を見ると分かるように、利息の返済額は400万円から362万円に減額しています。
当初、固定期間よりも利息が低いことを理由に選んだ変動金利は1.375%でしたが、金利水準がこの約10年で下がっていたため、全期間固定に借り換えても1.250%となりました。
借り換えに際しての諸費用が50.5万円かかっているため、総支払額が増え、借り換えによって負担が増えたかのように見えます。しかし、「借り換えなしの場合と、借り換えをした場合の総支払額推移のグラフ」からも分かるように、諸費用を支払った1年目以降は、年々、借り換え前の返済額に近づき、総支払額としてはほとんど変わらない結果となっています。
今後も低金利が続けばいいのですが、もし、6年目に金利が4%まで上昇したとすると、変動金利のままだと総支払額は481万円もアップしてしまいます。マイナス金利導入で固定金利が変動金利並みに下がっている今、金利が上昇して数百万円もコストアップするリスクを考えれば、思い切ってリスクをゼロにする選択肢は大いにあるでしょう。
 
「全期間固定」への借り換えは、リスク要因があるのに変動金利を借りている人向け
この借り換えパターンがおすすめなのは、リスク要因を抱えている人、金利上昇リスクをとりたくない人です。超低金利の現在、変動金利から変動金利へ借り換える人が多いですが、今後、10年、20年先も今と同じ金利状況が続くとは限りません。
たしかに「勇気ある借り換え」ではありますが、ひと昔前なら全期間固定金利は2~3%が当たり前。それを考えると、将来の収入減が予想されるなど、リスク要因を抱えている人は、全期間固定金利が1%前後という異常な低金利である今のうちに、変動金利から全期間固定に借り換えて、金利上昇リスクをゼロにしておくといいでしょう。
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 調査日:2023年12月
 調査対象:大手金融機関の住宅ローン利用者(5年以内に住宅ローンを新規借り入れ、借り換えした人)
 有効回答数:822人
 調査:大手アンケート調査会社に依頼
 評価対象:有効回答数47以上を対象とするアンケートの設問は以下の7問。回答は5段階評価とした。なお、評価点数の平均点は小数点第2位以降を四捨五入。 【アンケートの設問】 
 Q1.金利の満足度は?
 Q2.諸費用・手数料等は妥当でしたか?
 Q3.団体信用生命保険には満足しましたか?
 Q4.手続き・サポートには満足しましたか?
 Q5.審査について、満足していますか?
 Q6.借り入れ後の対応に満足しましたか?
 Q7.他の人にも現在の銀行を勧めたいと思いますか?
 【回答の配点】
 ・各設問は5段階で回答してもらい、Q1なら以下のように配点。平均値を求めた。
 満足している(5点)
 どちらかといえば満足している(4点)
 どちらともいえない(3点)
 どちらかといえば不満である(2点)
 不満である(1点)
 ・総合評価については、各項目の平均値を全て合算。読者が重視する「Q1金利の満足度」については点数を3倍、「Q3団信の満足度」の点数を2倍として、点数の合計を50点満点とし、10で割ることで5点満点の数値を求めた。
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プロの評判・口コミ
淡河範明さん
SBI新生銀行の住宅ローンは、10年固定、15年固定、20年固定といった金利が低い点が特徴です。
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審査はオーソドックスに行なっている感じです。住宅ローン処理センターで集中審査しているので、窓口のかたの力量があまり問われず、公平に審査されるという印象です。
なお、相談から審査、契約の手続きまでネットで完結できるようになりました。不安な方には、ビデオ通話で自宅から気軽に相談ができるので、コロナ禍の現状では最適な方法が用意されているようです。