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「5年固定金利」などは、総支払額が増えても長期固定へ借り換えを! 金利上昇リスクを減らそう住宅ローン借り換えの注意点(6)

【第6回】2020年4月6日公開(2020年6月18日更新)
淡河範明
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現在借りている住宅ローンが、5年固定金利などの「固定期間選択型」の場合、長期固定金利に借り換えて安心を買っておくのも選択肢の一つです。固定期間選択型は、固定期間終了後に金利上昇のリスクがあるからです。現在の住宅ローンは過去に類を見ない低金利ですが、国・日銀の方針による異例の措置であり、将来的に金利が上昇するのはほぼ確実と考えておくべきです。

金利が上昇すると1000万円返済が増えることも!

3人家族
出所:PIXTA

 33歳とまだ若い会社員のDさんは、専業主婦の妻(33歳)と2歳の男の子の3人家族。子どもが成人するまでの約20年間、一家の家計はDさんの収入にかかっています。

 一方で、住宅ローンの残存期間は約32年あり、しかも金利上昇リスクの高い5年固定金利で借り入れていました。3年後に固定期間が終了すると、Dさんの借りている住宅ローンは変動金利に切り替わるタイプのものです。もし2年後に、変動金利が3%まで上昇すると仮定してシミュレーションすると、毎月返済額は約3万円アップ、総返済額は約1000万円もアップすることになります。

 今は「月3万円の振れ幅ならなんとか大丈夫」と感じるかもしれませんが、お子さんの成長にしたがって生活コストは上がり、教育費もかかります。このご時世ですから、仕事もどうなっているか分かりません。 これから約30年間にわたり、こうした金利上昇リスクを気にして過ごすのは避けたいなら、固定期間の長い金利タイプへの借り換えがおすすめです。

 Dさんのケースでは、リスクとメリットのバランスを考え、少しでも金利の安い30年固定を選択しました。金利は1.15%から、1.10%にわずかながら低下しました。

 当初、住宅ローンは3500万円借りましたが、2年たって、住宅ローン残高は3252万円まで減少しているので、この金額を借り換えます。

 なお、借り換えの諸費用は、銀行に支払う手数料が72万円(借入額×2.2%)、抵当権設定のための登記費用やそれを依頼する司法書士への報酬、印紙代として合計20万円ほどかかります。シミュレーションしてみると、こうした諸費用を払うと、総支払額は101万円増加する計算となります。

【全期間固定金利で借り入れていたDさんのシミュレーション】

  借り換え前 借り換え後
借入時期 2017年 2020年に借り換え
金利タイプ 5年固定金利 30年固定金利
金利

1.150%(5年、現在)
1.075%(30年)

1.100%(30年)
1.025%(2年)
残りの期間 約32年 約32年
毎月返済額

10万1263円(5年、現在)
10万0191円(30年)

10万0503円(30年)
10万0426円(2年)

残高/借入額 3252万円(残債) 3252万円(借入額)

借り換え諸費用

92万円(手数料、登記費用等)

総支払額

約3850万円

約3951万円

約101万円増加)

住宅金融支援機構の返済プラン比較シミュレーションで作成。編集部で一部加筆
住宅金融支援機構の返済プラン比較シミュレーションで作成。編集部で一部加筆

金利上昇ケースでは、お得になる

 金利がアップしなければ借り換えメリットが出ないため、「本当にやるべきなの?」と感じる人もいるかもしれません。

 しかし、この借り換えパターンは総返済額を減らすためでなく、リスクを減らすことを主目的に行うものです。

 現在の金利水準が完済時まで続けば、101万円を損することになりますが、金利が上昇するとどうなるのでしょうか。シミュレーションしてみましょう。固定期間終了後の変動金利が上昇すると、以下のように、借り換えたほうが総支払額が少なくなります。

・変動金利2%に上昇=4344万円ー3954万円=391万円お得
・変動金利3%に上昇=4921万円ー3956万円=965万円お得
・変動金利4%に上昇=5540万円ー3958万円=1582万円お得
※左が借り換え前、右が借り換え後の総支払額

 これは、2年後に変動金利が上昇するという極端なシミュレーションですが、一度金利が上昇すると、借り換え前の総支払額は大きく増えることが分かるでしょう。

残存期間が長くて、リスクを減らしたい人は検討を

 過去には、変動金利が1年間で約2%、3年間で約4%上昇したこともあります。決して起こり得ない話ではありません。特にこれから子どもの教育費が増える、もう1人生まれる、転職する、共働きの妻が退職するなどの可能性がある人は、金利上昇の振れ幅によっては耐えられないケースも出てきます。そのため、変動金利を選択する人はこまめに金利動向をチェックし、上昇のトレンドを感じたら、その時点ですぐに固定金利に借り換える必要があります。

 といっても、その時にはさらに固定金利も上昇していますから、借り換えの決断はなかなかできないものです。その点、今のうちに固定期間の長い金利タイプに借り換えておけば、総返済額が確定され、金利動向をチェックする必要もなく、ライフプランを立てやすくなります。長期固定金利の低い今だからこそ、コストよりリスクマネジメント優先の借り換えパターンもありなのです。

【住宅ローン借り換えの注意点 リンク集】

◆基本編◆
(1)借りてから5年未満でも、チャンスあり
(2)借り換えでマイナス金利のメリットを享受
◆シミュレーション編◆
(3)「固定金利」から「固定金利」に借り換え
(4)「固定金利」から「期間固定」に借り換え
(5) リフォームなら、借り換え時がチャンス
(6)「5年固定」から「30年固定」に借り換え
(7)「10年固定」から「10年固定」に借り換え
(8)「変動金利」から「10年固定」に借り換え
(9)「変動金利」から「全期間固定」に借り換え
(10)「リバースモーゲージ」に借り換え
(11)「ミックスローン」から「ミックスローン」に借り換え
(12)「元金均等」から「元利均等」に借り換え
◆実行編◆
(13)「条件変更」と「借り換え」どちらがいい?
(14)変動、固定…。金利タイプは何にする?
(15)変動金利と全期間固定の金利差は1%以下!
(16)借り換え時の3つのタブーとは?
(17)おとくな商品の見分け方
(18)借り換え手続きでの4つの疑問点
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※借入金額2500万円、借入期間30年

順位 銀行名 <商品名>
実質金利
(費用等含む)
表面金利
(費用等除く)
保証料
(税込)
事務手数料
(税込)
1
0.531%
全疾病+がん50%
0.380%
0円
借入額×2.2%
【auじぶん銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
・三菱UFJ銀行とKDDIが共同で立ち上げたネット銀行で、変動金利は業界トップクラスの低金利
・無料団信が充実しており、がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」のほか、「全疾病保障」「月次返済保障」が無料で付帯
・ネットだけで契約を完了でき、仮審査は最短即日回答、本審査は最短2~3営業日で回答など、審査スピードも速い
・じぶんでんきセット割引も用意。新電力「じぶんでんき」に加入できた場合、金利を0.03%引き下げるもので、適用されない場合の金利は0.41%。
【関連記事】auじぶん銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
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1
0.531%
0.380%
0円
借入額×2.2%
【ジャパンネット銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
・ネット銀行のジャパンネット銀行が、2019年7月末に住宅ローンの貸し出しをスタート
業界最低水準という低い金利で、特に「変動金利」「10年固定金利」に強みがある
・オプションの団体信用生命保険も豊富に取りそろえる
個人事業主、家族が経営する会社に勤務している場合も原則利用不可。借地、市街化調整区域なども不可
【関連記事】ジャパンネット銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
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3
0.562%
全疾病保障付き
0.410%
0円
借入額×2.2%
【住信SBIネット銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
・三井住友信託銀行とSBIホールディングスが設立したネット銀行で、変動金利の低さではトップクラス
・通常の団信に加えて、全疾病保障(8疾病+病気・ケガ)を無料で付帯しているので、おとくな商品と言える
・女性には、がんと診断されると30万円が支給される保障も無料で付けている
・審査結果によっては、表面金利に年0.1%を上乗せする
【関連記事】住信SBIネット銀行の住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
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3
0.562%
全疾病保障付き
0.410%
0円
借入額×2.2%
【SBIマネープラザの住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
・SBIマネープラザは、証券、保険、住宅ローンなどを取り扱う、SBIグループのマネー相談プラザ
全国9支店において対面で相談できるので、初心者でも安心
変動金利が低い「ミスター住宅ローンREAL」(住信SBIネット銀行の商品)と、全期間固定金利が低い「フラット35」を取り扱っており、2種類の住宅ローンを比較して申し込める
【関連記事】SBIマネープラザの住宅ローンの金利、手数料、ポイント、注意点は?
公式サイトはこちら
※実質金利は、借入金額2500万円、借入期間30年、団信加入、元利均等返済、ボーナス払いなし、最優遇金利を適用として、実質金利を計算。固定期間終了後は変動金利を選択(現在の水準が継続と仮定)。実質金利の計算法はこちら。諸費用は、事務手数料等、保証料とする。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料率となる。主要銀行・金融機関の主な商品を対象とし、ランキングに掲載するのは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品のみとする。ホームローンドクター代表の淡河範明氏の協力で作成。

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