現在借りている住宅ローンが、5年固定金利などの「固定期間選択型」の場合、長期固定金利に借り換えて安心を買っておくのも選択肢の一つです。固定期間選択型は、固定期間終了後に金利上昇のリスクがあるからです。現在の住宅ローンは過去に類を見ない低金利ですが、国・日銀の方針による異例の措置であり、将来的に金利が上昇するのはほぼ確実と考えておくべきです。
金利が上昇すると1000万円返済が増えることも!

33歳とまだ若い会社員のDさんは、専業主婦の妻(33歳)と2歳の男の子の3人家族。子どもが成人するまでの約20年間、一家の家計はDさんの収入にかかっています。
一方で、住宅ローンの残存期間は約32年あり、しかも金利上昇リスクの高い5年固定金利で借り入れていました。3年後に固定期間が終了すると、Dさんの借りている住宅ローンは変動金利に切り替わるタイプのものです。もし2年後に、変動金利が3%まで上昇すると仮定してシミュレーションすると、毎月返済額は約3万円アップ、総返済額は約1000万円もアップすることになります。
今は「月3万円の振れ幅ならなんとか大丈夫」と感じるかもしれませんが、お子さんの成長にしたがって生活コストは上がり、教育費もかかります。このご時世ですから、仕事もどうなっているか分かりません。 これから約30年間にわたり、こうした金利上昇リスクを気にして過ごすのは避けたいなら、固定期間の長い金利タイプへの借り換えがおすすめです。
Dさんのケースでは、リスクとメリットのバランスを考え、少しでも金利の安い30年固定を選択しました。金利は1.15%から、1.10%にわずかながら低下しました。
当初、住宅ローンは3500万円借りましたが、2年たって、住宅ローン残高は3252万円まで減少しているので、この金額を借り換えます。
なお、借り換えの諸費用は、銀行に支払う手数料が72万円(借入額×2.2%)、抵当権設定のための登記費用やそれを依頼する司法書士への報酬、印紙代として合計20万円ほどかかります。シミュレーションしてみると、こうした諸費用を払うと、総支払額は101万円増加する計算となります。
【全期間固定金利で借り入れていたDさんのシミュレーション】
借り換え前 | 借り換え後 | |
借入時期 | 2017年 | 2020年に借り換え |
金利タイプ | 5年固定金利 | 30年固定金利 |
金利 |
1.150%(5年、現在) |
1.100%(30年) 1.025%(2年) |
残りの期間 | 約32年 | 約32年 |
毎月返済額 |
10万1263円(5年、現在) |
10万0503円(30年) |
残高/借入額 | 3252万円(残債) | 3252万円(借入額) |
借り換え諸費用 |
ー |
92万円(手数料、登記費用等) |
総支払額 |
約3850万円 |
約3951万円 (約101万円増加) |

金利上昇ケースでは、お得になる
金利がアップしなければ借り換えメリットが出ないため、「本当にやるべきなの?」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、この借り換えパターンは総返済額を減らすためでなく、リスクを減らすことを主目的に行うものです。
現在の金利水準が完済時まで続けば、101万円を損することになりますが、金利が上昇するとどうなるのでしょうか。シミュレーションしてみましょう。固定期間終了後の変動金利が上昇すると、以下のように、借り換えたほうが総支払額が少なくなります。
・変動金利2%に上昇=4344万円ー3954万円=391万円お得
・変動金利3%に上昇=4921万円ー3956万円=965万円お得
・変動金利4%に上昇=5540万円ー3958万円=1582万円お得
※左が借り換え前、右が借り換え後の総支払額
これは、2年後に変動金利が上昇するという極端なシミュレーションですが、一度金利が上昇すると、借り換え前の総支払額は大きく増えることが分かるでしょう。
残存期間が長くて、リスクを減らしたい人は検討を
過去には、変動金利が1年間で約2%、3年間で約4%上昇したこともあります。決して起こり得ない話ではありません。特にこれから子どもの教育費が増える、もう1人生まれる、転職する、共働きの妻が退職するなどの可能性がある人は、金利上昇の振れ幅によっては耐えられないケースも出てきます。そのため、変動金利を選択する人はこまめに金利動向をチェックし、上昇のトレンドを感じたら、その時点ですぐに固定金利に借り換える必要があります。
といっても、その時にはさらに固定金利も上昇していますから、借り換えの決断はなかなかできないものです。その点、今のうちに固定期間の長い金利タイプに借り換えておけば、総返済額が確定され、金利動向をチェックする必要もなく、ライフプランを立てやすくなります。長期固定金利の低い今だからこそ、コストよりリスクマネジメント優先の借り換えパターンもありなのです。
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1位
実質金利
(費用等含む)表面金利
(費用等除く)手数料
(税込)保証料 0.440% 0.289% 借入額×2.2% 0円 【注目ポイント】「全疾病」+「がん50%」保障が無料付帯。au金利優遇割は、au回線とじぶんでんきをセットで契約された場合に適用されるプラン
【auじぶん銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
- 三菱UFJ銀行とKDDIが共同で立ち上げたネット銀行で、変動金利は業界トップクラスの低金利
- 無料団信が充実しており、がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」のほか、「全疾病保障」「月次返済保障」が無料で付帯
- ネットだけで契約を完了でき、仮審査は最短当日回答、本審査は最短2~3営業日で回答など、審査スピードも速い
(審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。au金利優遇割は、au回線とじぶんでんきをセットで契約された場合に適用されるプラン。審査によっては、割引が適用されない場合がある)(変動金利(全期間引下げプラン)と、固定35年(当初期間引下げプラン)は、2022年6月現在の金利にau金利優遇割および金利引下げキャンペーンの金利引下幅を適用した金利であり、実際の借入日の金利により変動する。審査の結果によっては、本金利プランおよび本キャンペーンを利用できない場合がある)
auじぶん銀行の住宅ローンの詳細
手数料・保証料は?
手数料(税込) 融資額×2.20%(税込) 保証料 0円(審査の結果、保証会社を利用する場合があるが、保証料相当額は金利に含まれており、別途、保証料は発生しない) 繰上返済手数料(一部) 0円(1円以上1円単位) 繰上返済手数料(全額) ・変動金利/0円
・固定金利/3万3000円(税込)団信(団体信用生命保険)は?
無料の団信 一般団信
(借入時年齢:65歳以下)
+がん50%保障団信
(借入時年齢:50歳以下)
+全疾病保障団信
(借入時年齢:50歳以下)
+月次返済保障団信
(借入時年齢:50歳以下)
無料
(死亡・高度障害と診断された場合。または、すべてのけが・病気で入院が180日超の場合、ローン残高が0円。がんと診断された場合、ローン残高が半分)オプション(特約)の団信 - がん100%保障団信
(借入時年齢:50歳以下)
金利+0.10%
(死亡・高度障害状態、がんと診断された場合。または、すべてのけが・病気で入院が180日超の場合、ローン残高が0円)
※2022年5月2日以降借り入れの顧客が対象 - 11疾病保障団信
(借入時年齢:50歳以下)
金利+0.20%
(死亡・高度障害、がんと診断された場合。または、10種類の生活習慣病で入院が180日超の場合、ローン残高が0円)
※2022年5月2日以降借り入れの顧客が対象 - ワイド団信
(借入時年齢:65歳未満)
金利+0.30%
(死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円)
審査基準は?
借入額 500万円以上、2億円以下 借入期間 1年以上35年以内(1ヶ月単位) 融資を受けられるエリア 全国 使いみち 本人または家族が住むための以下の資金
・戸建・マンション(中古物件含む)の購入資金
・戸建の新築資金
・他の金融機関で現在借入中の住宅ローンのお借換え(住宅ローンとリフォームローンの一括での借り換えを含む)資金
・上記に伴う諸費用年収(給与所得者) 200万円以上 勤続年数(給与所得者) ー 年収(個人事業主等) 200万円以上 事業年数(個人事業主等) ー 年齢(借入時) 満20歳以上〜満65歳未満 年齢(完済時) 満80歳の誕生日まで その他条件 ー 自社住宅ローンについて解説 参考:auじぶん銀行の公式サイト
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2位
実質金利
(費用等含む)表面金利
(費用等除く)手数料
(税込)保証料 0.481% 0.330% 借入額×2.2% 0円 【注目ポイント】借り換え(変動金利)は、▲0.05%引き下げキャンペーン実施中(2022年7月1日~2022年9月30日)
【PayPay銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
- 割引サービスなどを併用しなくても、変動金利は業界最低水準
- 審査結果によって金利が上がることがない、安心の一律金利
- がん100%保障団信が、わずか0.1%の上乗せで加入できる
PayPay銀行の住宅ローンの詳細
手数料・保証料は?
手数料(税込) 借入金額×2.20% 保証料 0円 繰上返済手数料(一部) ホームページでの手続き:無料
電話での手続き:5,500円(税込)繰上返済手数料(全額) 手数料:33,000円(消費税含む)
PayPay銀行住宅ローンセンターに電話で申し込み団信(団体信用生命保険)は?
無料の団信 一般団信
(借入時年齢:65歳未満)
+一般団信プラス
(借入時年齢:51歳未満)
+がん50%保障団信
(借入時年齢:51歳未満)
無料
一般団信プラス(死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円。がんと診断された場合、100万円の給付金。または、がん先進医療を受けた場合は、通算1000万円まで給付金)
がん50%保障団信(死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円。また、がんと診断された場合、ローン残高が半分)オプション(特約)の団信 - がん100%保障団信
(借入時年齢:51歳未満)
金利+0.10%
(死亡・高度障害、がんと診断された場合、ローン残高が0円。または、がんと診断された場合、100万円の給付金。上皮内がん・皮膚がんと診断された場合、50万円の給付金) - 11疾病保障団信
(借入時年齢:51歳未満)
金利+0.30%
(死亡・高度障害、がんと診断された場合。10種類の生活習慣病で入院が180日超の場合、ローン残高が0円。または、がんと診断された場合、100万円の給付金。上皮内がん・皮膚がんと診断された場合、50万円の給付金。病気やけがで入院が連続5日以上の場合、10万円の給付金) - ワイド団信
(借入時年齢:65歳未満)
金利+0.30%
(死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円)
審査基準は?
借入額 500万円以上2億円以下 借入期間 1年以上35年以内(1ヶ月単位) 融資を受けられるエリア 全国 使いみち 本人が住む住宅に関する以下の資金
・戸建またはマンションの購入(中古物件を含む)
・戸建の新築・現在借入中の住宅ローンの借り換え
・上記に伴う諸費用年収(給与所得者) 200万円以上 勤続年数(給与所得者) ー 年収(個人事業主等) 原則、利用不可 事業年数(個人事業主等) ー 年齢(借入時) 65歳未満 年齢(完済時) 80歳未満 その他条件 ー 自社住宅ローンについて解説 参考:PayPay銀行の公式サイト
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3位
実質金利
(費用等含む)表面金利
(費用等除く)手数料
(税込)保証料 0.501% 0.350% 借入額×2.2% 0円 【新生銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
- 事務手数料は5.5万円からと、非常に安い
- 事務手数料を11万円支払った場合、要介護状態になると住宅ローン残高がゼロになる「安全保障付団信」が付く。また、事務手数料を16.5万円支払った場合には、急病の子供を預かったり、家事代行をするなどの充実したオプションサービスを用意している
- 長期固定には「ステップダウン金利」と「長期固定金利」がある。ステップダウン金利タイプは、10年後以降、5年ごとに金利が当初金利の10%分ずつ下がる
新生銀行の住宅ローンの詳細
手数料・保証料は?
手数料(税込) 【通常商品】5万5000円~
【変動フォーカス】借入残高×2.2%
【ステップダウン金利】16万5000円保証料 0円 繰上返済手数料(一部) 0円(1円以上1円単位) 繰上返済手数料(全額) 0円。電話にて連絡
(安心パックW(ダブル)の場合、借り入れ日から5年以内に完済すると、繰上返済手数料として完済時に別途165,000円必要)団信(団体信用生命保険)は?
無料の団信 一般団信
(加入時年齢:65歳以下)
無料オプション(特約)の団信 - 安心保障付団信
(加入時年齢:65歳以下)
11万円
(要介護3以上。または、所定の状態が180日超と診断された場合、ローン残高が0円)
審査基準は?
借入額 500万円以上1億円以下
(ステップダウン金利タイプは、2000万円以上、1億円以下)借入期間 5年以上35年以内 融資を受けられるエリア 全国 使いみち 本人または家族が居住するための、
●戸建・マンション(中古物件を含む)の購入資金
●戸建住宅の新築資金
●戸建・マンションにかかる他の金融機関で現在借入中の住宅ローンの借換資金
●戸建・マンションのリフォーム資金
●上記にかかる諸費用
●延床面積で50平米以上(マンションの場合は専有面積30平米以上)
●住居専用、もしくは店舗や事務所との併用住宅(住居部分が延床面積の50%以上で、併用部分(店舗・事務所)は、自己使用であるものに限る)であるもの年収(給与所得者) 300万円以上 勤続年数(給与所得者) 2年以上 年収(個人事業主等) 300万円以上(2年平均) 事業年数(個人事業主等) 2年以上 年齢(借入時) 65歳以下 年齢(完済時) 80歳未満 その他条件 ー 自社住宅ローンについて解説 参考:新生銀行の公式サイト
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