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住宅ローン借り換えシミュレーション 
「ミックスローン→ミックスローン」への借り換えで、変動金利と固定金利のいいとこ取り住宅ローン借り換えの注意点(11)

【第11回】2020年5月2日公開(2020年6月18日更新)
淡河範明:住宅ローンアドバイザー

ミックスローン(変動金利と固定金利を組み合わせた借り方・商品)からミックスローンへの借り換えは珍しいケースですが、定年退職や減収など、将来の住宅ローン返済に不安がある人は検討する価値のある借り換えパターンです。今回の事例では、借り換えした場合と借り換えしない場合を比較シミュレーションしたところ、400万円以上もお得になることが分かりました。

リスクは変わらないが、コストを確実に削減できる

住宅ローンの借り換えを検討している家族
出所:PIXTA

 Iさんは夫婦とも会社員で、年齢は46歳になります。小学校低学年の女の子が2人いる4人家族です。マンションを購入したのは13年前のこと。家族が増えることを想定して、少し郊外ですが、広いリビングと2つの子ども部屋のある間取りを選びました。

 Iさんの借り換えは、ミックスローンからミックスローンというややまれなケースです。

 ミックスローンとは、変動金利と固定金利という異なる金利タイプを組み合わせた借り方・商品のことです。たとえば、4000万円の借り入れで2000万円を変動金利、残り2000万円を固定金利と組み合わせることで、「当初の毎月返済額を抑えられる変動金利と、金利上昇時の負担増を抑えられる固定金利のいいとこ取りができる」というメリットがあり、近年、取り扱い銀行が増えています。Iさんのように夫婦共働きなら、1つの銀行で2つのローンを独立して組むことも可能です。

 Iさんのケースでは、最初にミックスローンで住宅ローンを組んだ時に、夫は35年の全期間固定、妻は20年の変動金利を選択し、金利タイプだけでなく借入期間も変えていました。これは、金利上昇リスクのある変動部分は早めに返済し、その後、固定金利の分だけが残ってもリスクはなく、返済負担も軽くすることを狙いとしたものです。そこで、借り換えにあたっても、その意図を反映しました。

借り換えシミュレーションでは、429万円も得する計算に

 当初、住宅ローンは4000万円(夫3000万円、妻1000万円)借りましたが、15年たって、住宅ローン残高は夫婦合計で2345万円まで減少しているので、この金額を借り換えます。

 なお、借り換えの諸費用は以下のようになります。夫は、新生銀行の20年固定金利に借り換えました。妻は諸費用がかかることを考慮すると、借り換えのメリットがあまりないため、借り換えないことにしました(2020年4月の金利でシミュレーション)。

夫:銀行に支払う手数料が5.5万円、登記費用・司法書士報酬など20万円

 借り換えシミュレーションをしてみると、夫婦合計で、総支払額は429万円も得する計算となりました(下表を参照)。

【ミックスローンで借り換えた場合のIさん夫婦のシミュレーション】

  借り換え前 借り換え後
借入時期 2005年 2020年に借り換え
金利タイプ

夫:全期間固定

妻:変動金利

夫:20年固定

妻:そのまま

金利

夫:2.890%

妻:1.375%

夫:0.950%

妻:そのまま

残りの期間

夫:20年

妻:5年

夫:20年

妻:そのまま

毎月返済額

夫:11.4万円

妻:4.8万円

夫:9.5万円

妻:そのまま

残高/借入額

夫:2069万円(残高)

妻:276万円(残高)

夫:2069万円(借入額)

妻:そのまま

借り換え諸費用

夫:25.5万円(手数料、登記費用等)

妻:そのまま

総支払額

夫:2727万円

妻:316万円

合計:3043万円

夫:2298万円

妻:316万円

合計:2614万円

429万円もお得

※1万円単位で借りられる金融機関は少ないですが、比較のため、借り換え額は借り換え前と同額としています

※変動金利は、今後も現在の水準を維持するものとして試算しています

シミュレーションでは、1年後に元が取れる

借り換えなしの場合と、借り換えをした場合の総支払額推移シミュレーション
借り換えなしの場合と、借り換えをした場合の総支払額推移。住宅金融支援機構の「返済プラン比較シミュレーション」で作成したグラフに、編集部で一部加筆

 借り換えなしの場合と、借り換えをした場合の総支払額推移のグラフからも分かるように、借り換えをしなかった場合と、借り換えをした場合の総支払額が同額となるポイントが約1年後です。つまり、借り換えからわずか1年で元が取れる計算になります。

 この借り換えプランでは、金利の総支払額を、借り換え前の658万円から借り換え後の204万円へと、大幅に下げることができます。その結果、諸費用を入れても429万円得することになりました(下表参照)。

住宅金融支援機構の返済プラン比較シミュレーション
住宅金融支援機構の返済プラン比較シミュレーションで作成。編集部で一部加筆

今は家計に余裕があるが、将来の返済に不安がある人向け

 ミックスローンからミックスローンへの借り換えパターンは、目先の20年ほどはキャッシュフローが潤沢であるものの、定年退職などでそれ以降の返済が不安な人に向いています

 Iさんのケースでは、借り換え後の5年間は、夫婦合わせて毎月返済額は14.3万円になりますが、5年後には妻が完済となります。その後は夫の固定部分の9.5万円だけを毎月返済していけばいいので、月4.8万円も支払いを減らすことができます。

 注意点としては、マイナス金利導入後は変動金利と固定金利の金利差が小さくなり、固定金利単独で借り換えても、十分借り換えメリットが得られる例もあるということです。そのため、借り換えを検討する際は、こういったことも踏まえて考えるようにしましょう。

【住宅ローン借り換えの注意点 リンク集】

◆基本編◆
(1)借りてから5年未満でも、チャンスあり
(2)借り換えでマイナス金利のメリットを享受
◆シミュレーション編◆
(3)「固定金利」から「固定金利」に借り換え
(4)「固定金利」から「期間固定」に借り換え
(5) リフォームなら、借り換え時がチャンス
(6)「5年固定」から「30年固定」に借り換え
(7)「10年固定」から「10年固定」に借り換え
(8)「変動金利」から「10年固定」に借り換え
(9)「変動金利」から「全期間固定」に借り換え
(10)「リバースモーゲージ」に借り換え
(11)「ミックスローン」から「ミックスローン」に借り換え
(12)「元金均等」から「元利均等」に借り換え
◆実行編◆
(13)「条件変更」と「借り換え」どちらがいい?
(14)変動、固定…。金利タイプは何にする?
(15)変動金利と全期間固定の金利差は1%以下!
(16)借り換え時の3つのタブーとは?
(17)おとくな商品の見分け方
(18)借り換え手続きでの4つの疑問点
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  • 1
    実質金利
    (費用等含む)
    表面金利
    (費用等除く)
    手数料
    (税込)
    保証料
    0.440% 0.289% 借入額×2.2% 0円

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    • 三菱UFJ銀行とKDDIが共同で立ち上げたネット銀行で、変動金利は業界トップクラスの低金利
    • 無料団信が充実しており、がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」のほか、「全疾病保障」「月次返済保障」が無料で付帯
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    手数料・保証料は?

    手数料(税込) 融資額×2.20%(税込)
    保証料 0円(審査の結果、保証会社を利用する場合があるが、保証料相当額は金利に含まれており、別途、保証料は発生しない)
    繰上返済手数料(一部) 0円(1円以上1円単位)
    繰上返済手数料(全額) ・変動金利/0円
    ・固定金利/3万3000円(税込)

    団信(団体信用生命保険)は?

    無料の団信 一般団信
    (借入時年齢:65歳以下)
    +がん50%保障団信
    (借入時年齢:50歳以下)
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    (借入時年齢:50歳以下)
    +月次返済保障団信
    (借入時年齢:50歳以下)
    無料
    (死亡・高度障害と診断された場合。または、すべてのけが・病気で入院が180日超の場合、ローン残高が0円。がんと診断された場合、ローン残高が半分)
    オプション(特約)の団信
    • がん100%保障団信
      (借入時年齢:50歳以下)

      上乗せ金利年0.10%
      (死亡・高度障害状態、がんと診断された場合。または、すべてのけが・病気で入院が180日超の場合、ローン残高が0円)
      ※2022年5月2日以降借り入れの顧客が対象
    • 11疾病保障団信
      (借入時年齢:50歳以下)

      上乗せ金利年0.20%
      (死亡・高度障害、がんと診断された場合。または、10種類の生活習慣病で入院が180日超の場合、ローン残高が0円)
      ※2022年5月2日以降借り入れの顧客が対象
    • ワイド団信
      (借入時年齢:65歳未満)

      上乗せ金利年0.30%
      (死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円)

    審査基準は?

    借入額 500万円以上、2億円以下
    借入期間 1年以上35年以内(1ヶ月単位)
    融資を受けられるエリア 全国
    使いみち 本人または家族が住むための以下の資金
    ・戸建・マンション(中古物件含む)の購入資金
    ・戸建の新築資金
    ・他の金融機関で現在借入中の住宅ローンのお借換え(住宅ローンとリフォームローンの一括での借り換えを含む)資金
    ・上記に伴う諸費用
    年収(給与所得者) 200万円以上
    勤続年数(給与所得者)
    年収(個人事業主等) 200万円以上
    事業年数(個人事業主等)
    年齢(借入時) 満18歳以上〜満65歳未満
    年齢(完済時) 満80歳の誕生日まで
    その他条件

    自社住宅ローンについて解説 参考:auじぶん銀行の公式サイト

  • 2
    実質金利
    (費用等含む)
    表面金利
    (費用等除く)
    手数料
    (税込)
    保証料
    0.500% 0.349% 借入額×2.2% 0円

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    手数料(税込) 借入金額×2.20%
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    がん50%保障団信(死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円。また、がんと診断された場合、ローン残高が半分)
    オプション(特約)の団信
    • がん100%保障団信
      (借入時年齢:51歳未満)

      金利+0.10%
      (死亡・高度障害、がんと診断された場合、ローン残高が0円。または、がんと診断された場合、100万円の給付金。上皮内がん・皮膚がんと診断された場合、50万円の給付金)
    • 11疾病保障団信
      (借入時年齢:51歳未満)

      金利+0.30%
      (死亡・高度障害、がんと診断された場合。10種類の生活習慣病で入院が180日超の場合、ローン残高が0円。または、がんと診断された場合、100万円の給付金。上皮内がん・皮膚がんと診断された場合、50万円の給付金。病気やけがで入院が連続5日以上の場合、10万円の給付金)
    • ワイド団信
      (借入時年齢:65歳未満)

      金利+0.30%
      (死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円)

    審査基準は?

    借入額 500万円以上2億円以下
    借入期間 1年以上35年以内(1ヶ月単位)
    融資を受けられるエリア 全国
    使いみち 本人が住む住宅に関する以下の資金
    ・戸建またはマンションの購入(中古物件を含む)
    ・戸建の新築・現在借入中の住宅ローンの借り換え
    ・上記に伴う諸費用
    年収(給与所得者) 200万円以上
    勤続年数(給与所得者)
    年収(個人事業主等) 原則、利用不可
    事業年数(個人事業主等)
    年齢(借入時) 65歳未満
    年齢(完済時) 80歳未満
    その他条件

    自社住宅ローンについて解説 参考:PayPay銀行の公式サイト

  • 3
    実質金利
    (費用等含む)
    表面金利
    (費用等除く)
    手数料
    (税込)
    保証料
    0.501% 0.350% 借入額×2.2% 0円

    【新生銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】

    • 事務手数料を11万円支払った場合、要介護状態になると住宅ローン残高がゼロになる「安全保障付団信」が付く。また、事務手数料を16.5万円支払った場合には、急病の子供を預かったり、家事代行をするなどの充実したオプションサービスを用意している
    • 長期固定には「ステップダウン金利」と「長期固定金利」がある。ステップダウン金利タイプは、10年後以降、5年ごとに金利が当初金利の10%分ずつ下がる

     

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    手数料(税込) 【通常商品】5万5000円~
    【変動フォーカス】借入残高×2.2%
    【ステップダウン金利】16万5000円
    保証料 0円
    繰上返済手数料(一部) 0円(1円以上1円単位)
    繰上返済手数料(全額) 0円。電話にて連絡
    (安心パックW(ダブル)の場合、借り入れ日から5年以内に完済すると、繰上返済手数料として完済時に別途165,000円必要)

    団信(団体信用生命保険)は?

    無料の団信 一般団信
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    無料
    オプション(特約)の団信
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      (加入時年齢:65歳以下)

      11万円
      (要介護3以上。または、所定の状態が180日超と診断された場合、ローン残高が0円)

    審査基準は?

    借入額 500万円以上1億円以下
    (ステップダウン金利タイプは、2000万円以上、1億円以下)
    借入期間 5年以上35年以内
    融資を受けられるエリア 全国
    使いみち 本人または家族が居住するための、
    ●戸建・マンション(中古物件を含む)の購入資金
    ●戸建住宅の新築資金
    ●戸建・マンションにかかる他の金融機関で現在借入中の住宅ローンの借換資金
    ●戸建・マンションのリフォーム資金
    ●上記にかかる諸費用
    ●延床面積で50平米以上(マンションの場合は専有面積30平米以上)
    ●住居専用、もしくは店舗や事務所との併用住宅(住居部分が延床面積の50%以上で、併用部分(店舗・事務所)は、自己使用であるものに限る)であるもの
    年収(給与所得者) 300万円以上
    勤続年数(給与所得者) 2年以上
    年収(個人事業主等) 300万円以上(2年平均)
    事業年数(個人事業主等) 2年以上
    年齢(借入時) 65歳以下
    年齢(完済時) 80歳未満
    その他条件

    自社住宅ローンについて解説 参考:新生銀行の公式サイト

※実質金利は、借入金額2500万円、借入期間30年、団信加入、元利均等返済、ボーナス払いなし、最優遇金利を適用として、実質金利を計算。変動金利は現在の水準が継続と仮定。実質金利の計算法はこちら。諸費用は、事務手数料等、保証料とする。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料率となる。主要銀行・金融機関の主な商品を対象とし、ランキングに掲載するのは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品のみとする。ホームローンドクター代表の淡河範明氏の監修で作成。

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