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「当初金利の罠を見破る」など、住宅ローン借り換えで、お得な商品を探す方法とは!住宅ローン借り換えの注意点(17)

【第17回】2020年6月18日公開(2022年1月22日更新)
淡河範明:住宅ローンアドバイザー

住宅ローンの借り換えを検討している人は、超低金利のいまなら、簡単に低金利の住宅ローンを探し出せるでしょう。しかし、見つけた商品がベストなものであるかどうは別です。当初金利は低くても、数年後に金利が大幅にアップするワナが仕掛けられている商品もあるので要注意です。また、金利タイプについても、イールドカーブという指標を使えば、割安なものを見つけられます。ここでは、住宅ローンの借り換えで得する商品の探し方を、ズバリ解説します。

簡単に見つかる商品は、ベストな商品ではない可能性大

住宅ローンを選ぶ夫婦
出所:PIXTA

 住宅ローンを借り換える際、リスクを冒してまで低い金利に固執するのは考えものですが、リスクが同じなら、当然、少しでも低い金利の商品を選ぶべきです。「素人の自分がベストな商品を探し出すのは無理だ」と思うかもしれませんが、実は、数時間もあれば見つけることが可能です。

 考えてみてください。もし商品Aで手を打てば、借り換え効果は100万円。そこから5時間粘って、借り換え効果150万円の商品Bが見つかったとすれば、50万円の得。時給10万円の仕事です。月々の生活費を5,000円切り詰めて100カ月かかる貯金が、わずか数時間で達成できるのです。

 みなさんもマイホームの購入を決めたときは、たくさんの物件を見て回って、悩みに悩んだと思います。借り換えもたいていの人にとって、一生に一度の決断であり、チャンスでもあります。安易に妥協せず、調べ尽くすことをおすすめします。特に金利については、さまざまなカラクリや注意点があります。「安い金利には裏があると心得ておきましょう。その代表的なものが当初金利のワナ」です。

人気の10年固定は、固定期間終了後の金利に注意!

 たとえば、2020年6月現在、10年固定は変動金利と同じくらい金利が低いため、とても人気の金利タイプです。たしかに10年固定0.58%なんていう数字を見ると「安い!」と飛びついてしまうのも分かります。

 けれども、10年間だけの当初金利ばかりに目を奪われてはいけません。注目すべきは図表1のように、「固定期間終了後の金利」です固定期間が終わると、たいていの住宅ローンは変動金利に切り替わります。もし、すでに10年固定に目をつけている人は、期間終了後に何パーセントの変動金利に切り替わるのか、即答できるでしょうか。おそらく、大半の人が「固定期間終了後の金利って何?」と戸惑ってしまうのではないでしょうか。

  【図表1】固定期間終了後の金利に注意して住宅ローンを選ぶ

固定期間終了後の変動金利jは何%になる?
店頭金利/店頭表示金利/基準金利
いずれも各銀行が金利タイプごとに定めている住宅ローンの基準となる金利のこと。いわばローン商品の「定価」にあたる金利です。金利動向などによって、返済中に金利が変わる可能性があります。
表面金利/適用金利/優遇金利/キャンペーン金利/借入金利
いずれも「店頭金利」から「優遇幅」を引いた実際に借り入れる際に適用される金利のこと。「割引後の実売価格」にあたる。
当初金利/当初適用金利/当初優遇金利
途中で優遇幅が小さくなる(=金利が上がる)商品における、当初の表面金利のこと。

 しかも、図表2のように、固定期間終了後の金利は、見つけにくい場所にひっそりと表示されています。大きく表示されている10年固定金利の下に小さな文字で表示されているか、ずーっと下にスクロールしていき、目を皿のようにして探してようやく見つかる場合がほとんどです。また、「固定期間終了後から完済まで、店頭金利より▲年0.8%」と記載されていても、変動金利の店頭金利は銀行ごと、金利タイプごとに異なるため、パッと見ただけでは実際の金利は分かりません

  【図表2】パッと見ではなく実際の金利を見て住宅ローンを選ぶ

【図表2】実際の金利は見つけづらいように書かれている

 さらに、もう1つワナがあります。仮に店頭金利2.341%だとすると、「そこから優遇金利▲年0.8%を差し引いた1.541%が、固定期間終了後の金利でしょ?」と誰しも考えるはずです。しかし、残念ながら不正解です。ここでの店頭金利は「現在の店頭金利」ではなく、「固定期間終了後(=10年後)の店頭金利」のことを指します。つまり、未来の店頭金利を予想しないと、正確な「固定期間終了後の変動金利」は算出できないのです。

優遇幅〇%/-〇%優遇/引き下げ幅
実際に貸し出す際に、店頭金利から何パーセント割り引くかを示す。優遇幅〇%~〇%と表示されている場合、引き下げの金利が人によって異なるということ。「全期間型」という商品だと、優遇幅はずっと変わらない。「当初型」という商品だと、固定期間終了後に優遇幅が小さくなる。

当初金利が低いからと安易に選んではいけない

 将来の金利は、銀行員やファイナンシャルプランナーにも予測がつきません。それに加えて前記のとおり、店頭金利は銀行によって異なるため、「優遇幅は大きいけれど、店頭金利が高いローン」より、「優遇幅は小さいけれど、店頭金利が低いローン」のほうがお得なケースも出てきます

 スーパーの割引と同じです。ある商品を普段2,000円で売っているA店が5割引きすれば1,000円。同じ商品を1,000円で売っているB店が1割引きすれば900円、というように、割引率だけ見ても、どちらが得かは分かりません。

 銀行の中には、固定期間選択型の当初金利をあえて低くするというワナを仕掛け、代わりに固定期間終了後の優遇幅を小さくしたり、手数料などを高く設定したりしているところもあるので要注意です。もちろん、金利だけではなく、ローン残債や残りの返済期間によっても、有利なローンは変わってくるため、単に「当初金利が安いから」という理由で住宅ローンを選んではいけないのです。

 そのため本当におとくな住宅ローンを見つけるためには、「総支払額」や、手数料や優遇幅を考慮した「実質金利」で比較する必要があります。下記の「返済額シミュレーション(借り換え)」なら、借り換えのメリット額も試算できて便利です。

住宅ローン返済額シミュレーション(新規借入)

イールドカーブから、割安感な金利タイプを見分ける

 もちろん、最高に低い金利の住宅ローンを探すのが、借り換えの最優先課題であることは揺るぎない事実です。子どもがいる人は教育費を死守するためにも、できるだけリスクを避けたほうが無難な一方で、変動金利と固定金利の差があまりに大きい時期に当たってしまうと、総返済額が膨らみすぎるため、多少はリスクを取る必要もあるでしょう。

 問題は、変動金利と固定金利の差がどれくらいならリスクを取っていいのか、ダメなのか、判断がつきにくいことです。では、どのようにして「金利が低いわりにリスクの少ない、割安感のある金利タイプ」を見極めればいいのでしょうか。その強い味方となるのが、「イールドカーブ分析」です。"イールド"とは金利のことなので、イールドカーブとは、住宅ローンの当初の固定期間ごとの金利を固定期間の順に線で結んだ曲線のことをいいます。縦軸は金利、横軸は当初固定期間を表します。

 たとえば、2017年7月のりそな銀行の10年固定と20年固定のどちらが割安感があるかどうかを、イールドカーブ分析で比較してみましょう(図表3)。りそな銀行の当時の変動金利は0.497%、10年固定金利は0.650%、20年固定金利は2.232%。全期間固定金利は1.400%です。変動金利と全期間固定を結んだ点線の下にくるなら「割安」上にくるなら「割高」と判断できます。このケースだと、10年固定金利は「割安」で、20年固定は「割高」であることが分かります。

  【図表3】イールドカーブを参考に割安感のある金利タイプを選ぶ

イールドカーブで割安な住宅ローンを見つける

現在、割安な金利タイプは「全期間固定」と「10年固定」

 図表4のとおり、イールドカーブの描く形は、金利タイプを選ぶときの目安になるので、ぜひ覚えておいてください。

 カーブが右肩上がりの「順イールド」のときは、変動金利より全期間固定金利のほうが高い状態です。金利上昇局面なので、固定金利の方がが高くなります。反対に、右肩下がりの「逆イールド」は、全期間固定金利より変動金利のほうが高い状態です。金利下落局面なので、固定金利が低くなります

 また、マイナス金利導入後には、特に長期の固定金利が大きく金利を下げたため、イールドカーブの曲線がなだらかになる「フラット化」が進みました。変動金利と固定金利の金利差が小さく、固定金利を選んだほうが有利な状態です。

 ただし、「フラット化」が進み過ぎたことから、その後、日銀はイールドカーブコントロールという政策を打ち出しました。これにより、若干ですが、10年超の固定金利が上がりました。いわゆる「スティープ化」の傾向が出てきました。長期金利があまりにも低いと、銀行や生命保険会社の資産運用がうまくいかなくなることから、日銀も多少の長期金利の上昇は容認しています。とはいえ2020年6月の現状は、かなり「フラット化」が進んでいる状態といえます。

  【図表4】イールドカーブの動き方でお得な金利タイプを見分ける

イールドカーブの動き方

 2016年に変動金利と全期間固定の金利差が過去最小を記録して以来、変動金利と固定金利の金利差は少し広がっていますが、それでも過去の平均値から比べれば現在の金利差は小さく、全期間固定金利や10年固定金利に割安感があります

 また、過去の変動金利の変動幅は、この約10年間で1.3%であるのに対して、現在の変動金利と固定金利の金利差はその半分強程度です。それならば、あえてリスクを取って変動金利を選ぶ必要がないほど、固定金利はまだまだ低さを保っています。

 割安感という金利の探し方を身につければ、表面的な金利の安さだけに目を奪われることなく、本当にお得な金利を選べるので、住宅ローンの借り換えを検討している人は、覚えておくとよいでしょう。

【住宅ローン借り換えの注意点 リンク集】

◆基本編◆
(1)借りてから5年未満でも、チャンスあり
(2)借り換えでマイナス金利のメリットを享受
◆シミュレーション編◆
(3)「固定金利」から「固定金利」に借り換え
(4)「固定金利」から「期間固定」に借り換え
(5) リフォームなら、借り換え時がチャンス
(6)「5年固定」から「30年固定」に借り換え
(7)「10年固定」から「10年固定」に借り換え
(8)「変動金利」から「10年固定」に借り換え
(9)「変動金利」から「全期間固定」に借り換え
(10)「リバースモーゲージ」に借り換え
(11)「ミックスローン」から「ミックスローン」に借り換え
(12)「元金均等」から「元利均等」に借り換え
◆実行編◆
(13)「条件変更」と「借り換え」どちらがいい?
(14)変動、固定…。金利タイプは何にする?
(15)変動金利と全期間固定の金利差は1%以下!
(16)借り換え時の3つのタブーとは?
(17)おとくな商品の見分け方
(18)借り換え手続きでの4つの疑問点
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【2022年11月最新版、主要銀行版】 「変動金利」住宅ローン金利ランキング(借り換え) ※借入金額2500万円、借入期間30年

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    実質金利
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    【auじぶん銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】

    • 三菱UFJ銀行とKDDIが共同で立ち上げたネット銀行で、変動金利は業界トップクラスの低金利
    • 無料団信が充実しており、がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」のほか、「全疾病保障」「月次返済保障」が無料で付帯
    • ネットだけで契約を完了でき、仮審査は最短当日回答、本審査は最短2~3営業日で回答など、審査スピードも速い
      (審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。au金利優遇割は、au回線とじぶんでんきをセットで契約された場合に適用されるプラン。審査によっては、割引が適用されない場合がある)

     

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      (死亡・高度障害状態、がんと診断された場合。または、すべてのけが・病気で入院が180日超の場合、ローン残高が0円)
      ※2022年5月2日以降借り入れの顧客が対象
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      (死亡・高度障害、がんと診断された場合。または、10種類の生活習慣病で入院が180日超の場合、ローン残高が0円)
      ※2022年5月2日以降借り入れの顧客が対象
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    借入期間 1年以上35年以内(1ヶ月単位)
    融資を受けられるエリア 全国
    使いみち 本人または家族が住むための以下の資金
    ・戸建・マンション(中古物件含む)の購入資金
    ・戸建の新築資金
    ・他の金融機関で現在借入中の住宅ローンのお借換え(住宅ローンとリフォームローンの一括での借り換えを含む)資金
    ・上記に伴う諸費用
    年収(給与所得者) 200万円以上
    勤続年数(給与所得者)
    年収(個人事業主等) 200万円以上
    事業年数(個人事業主等)
    年齢(借入時) 満18歳以上〜満65歳未満
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    その他条件

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      (借入時年齢:51歳未満)

      金利+0.30%
      (死亡・高度障害、がんと診断された場合。10種類の生活習慣病で入院が180日超の場合、ローン残高が0円。または、がんと診断された場合、100万円の給付金。上皮内がん・皮膚がんと診断された場合、50万円の給付金。病気やけがで入院が連続5日以上の場合、10万円の給付金)
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      金利+0.30%
      (死亡・高度障害と診断された場合、ローン残高が0円)

    審査基準は?

    借入額 500万円以上2億円以下
    借入期間 1年以上35年以内(1ヶ月単位)
    融資を受けられるエリア 全国
    使いみち 本人が住む住宅に関する以下の資金
    ・戸建またはマンションの購入(中古物件を含む)
    ・戸建の新築・現在借入中の住宅ローンの借り換え
    ・上記に伴う諸費用
    年収(給与所得者) 200万円以上
    勤続年数(給与所得者)
    年収(個人事業主等) 原則、利用不可
    事業年数(個人事業主等)
    年齢(借入時) 65歳未満
    年齢(完済時) 80歳未満
    その他条件

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    実質金利
    (費用等含む)
    表面金利
    (費用等除く)
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    (税込)
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    • 事務手数料を11万円支払った場合、要介護状態になると住宅ローン残高がゼロになる「安全保障付団信」が付く。また、事務手数料を16.5万円支払った場合には、急病の子供を預かったり、家事代行をするなどの充実したオプションサービスを用意している
    • 長期固定には「ステップダウン金利」と「長期固定金利」がある。ステップダウン金利タイプは、10年後以降、5年ごとに金利が当初金利の10%分ずつ下がる

     

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    手数料(税込) 【通常商品】5万5000円~
    【変動フォーカス】借入残高×2.2%
    【ステップダウン金利】16万5000円
    保証料 0円
    繰上返済手数料(一部) 0円(1円以上1円単位)
    繰上返済手数料(全額) 0円。電話にて連絡
    (安心パックW(ダブル)の場合、借り入れ日から5年以内に完済すると、繰上返済手数料として完済時に別途165,000円必要)

    団信(団体信用生命保険)は?

    無料の団信 一般団信
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      11万円
      (要介護3以上。または、所定の状態が180日超と診断された場合、ローン残高が0円)

    審査基準は?

    借入額 500万円以上1億円以下
    (ステップダウン金利タイプは、2000万円以上、1億円以下)
    借入期間 5年以上35年以内
    融資を受けられるエリア 全国
    使いみち 本人または家族が居住するための、
    ●戸建・マンション(中古物件を含む)の購入資金
    ●戸建住宅の新築資金
    ●戸建・マンションにかかる他の金融機関で現在借入中の住宅ローンの借換資金
    ●戸建・マンションのリフォーム資金
    ●上記にかかる諸費用
    ●延床面積で50平米以上(マンションの場合は専有面積30平米以上)
    ●住居専用、もしくは店舗や事務所との併用住宅(住居部分が延床面積の50%以上で、併用部分(店舗・事務所)は、自己使用であるものに限る)であるもの
    年収(給与所得者) 300万円以上
    勤続年数(給与所得者) 2年以上
    年収(個人事業主等) 300万円以上(2年平均)
    事業年数(個人事業主等) 2年以上
    年齢(借入時) 65歳以下
    年齢(完済時) 80歳未満
    その他条件

    自社住宅ローンについて解説 参考:新生銀行の公式サイト

※実質金利は、借入金額2500万円、借入期間30年、団信加入、元利均等返済、ボーナス払いなし、最優遇金利を適用として、実質金利を計算。変動金利は現在の水準が継続と仮定。実質金利の計算法はこちら。諸費用は、事務手数料等、保証料とする。保証料は、大手銀行の一般的な保証料率を記載しているので、銀行によっては違う保証料率となる。主要銀行・金融機関の主な商品を対象とし、ランキングに掲載するのは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品のみとする。ホームローンドクター代表の淡河範明氏の監修で作成。

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