以下は、2020年版のランキングです。
希少価値が高い、「ヒルズ」ブランド!
価格ランキング1位は「虎ノ門ヒルズレジデンス」
最高額は「虎ノ門ヒルズレジデンス」で、坪単価(3.3㎡当たり)1415万円。ピンと来ない方も多いだろうが、70㎡に換算すると2億9962万円! とんでもない価格である。
新築分譲マンションは、バブルの最盛期でも「平均価格3.3㎡当たり1000万円」の壁を超えることができなかった。平均で3.3㎡当たり1000万円を超える新築マンションは売りに出されたが、買い手がつかず、ちょうどそこでバブルが弾けたので、誰も買うことがなかったのだ。
3.3㎡当たり1000万円は、100㎡(約30坪)のマンション住戸が3億円という水準だ。現在、高額化した都心マンションで、平均価格が3.3㎡当たり1000万円の壁を超えるようになった、というのが実情。そのため、3.3㎡当たり1415万円というのは、あきれてモノが言えないほどの高値ということになる。
虎ノ門ヒルズレジデンスは、新築分譲時もさぞや値段が高かったろう、と推測されるのだが、私は、このマンションの分譲を取材していない。おそらく、一般には分譲されていないはずだ。
虎ノ門ヒルズレジデンスの事業主は森ビル。「ヒルズ」の名称から分かる通り、六本木ヒルズや元麻布ヒルズと同じ事業主だ。森ビルがつくるヒルズのレジデンス(住居)は、基本的に賃貸だ。そして、一部は地権者の所有となる。
もともと、ビルの建設地に住んでいたり、建物を所有したりしていた人が地権者。地権者は土地を手放す代わりに土地代金を受け取ったり、新築された建物の一部を所有する。虎ノ門ヒルズの住居棟にも六本木ヒルズの住居棟にも、元麻布ヒルズの住居棟にも、そしてアークヒルズ仙石山レジデンスにも賃貸住宅に混じって地権者所有の住戸がある。
その地権者住戸は、希に中古マンションとして売り出されることがある。
その「ヒルズ」ブランドの中古住戸が、希少価値もあり、高値で売買されているのである。その住戸は一般に分譲されていないので、新築時価格は不明。騰落率は基本的に計算できない。
「ヒルズ」ブランドのなかでも、虎ノ門ヒルズレジデンスは築年数も浅いため、最高額となったのだろう。
ちなみに、売り出し価格で25位(関連記事「完全版」ご参照)にランクインしている「元麻布ヒルズ」は、内井昭蔵建築設計事務所がデザインを監修。故・内井昭蔵氏は、日本のデザイナーズマンションの先駆者で、私などは、それだけで元麻布ヒルズに憧れてしまう。
じつは、元麻布ヒルズのフォレストタワーには、1住戸だけ内井昭蔵建築設計事務所が内装まで手がけた大型住戸がある。私の記憶では300㎡ほどの広さがあり、細部までこだわった芸術品のような住戸だった。それは、コレクター垂涎の幻のマンション住戸といえるだろう。
東京五輪招致決定から値上がりし始めた都心部!
その象徴、「ザ・パークハウスグラン千鳥ヶ淵」が2位に
二番目に高額の中古マンションとなったのが「ザ・パークハウスグラン千鳥ヶ淵」。2013年夏の新築分譲時価格は「3.3㎡当たり800万円前後」だった。現在の中古価格は、3.3㎡当たり1102万円だ。
都心の中でも格別の場所とされる千代田区三番町に建設され、全ての住戸から千鳥ヶ淵越しに皇居の緑を望むことができる立地。この希少性のため、ザ・パークハウスグラン千鳥ヶ淵の新築時販売価格は72.26~179.17m²が1億6000万円台から5億4000億円台。最多価格帯が2億7000円台(120m²台)だった。この新築時価格は、今から考えると、割安である。もし、今、新規分譲されれば、倍くらいの価格設定になるのではないだろうか。中古で値上がりするのは当然といえる。
ザ・パークハウスグラン千鳥ヶ淵については、三番町にあった販売センターを取材しており、その時期も特殊だったので、よく覚えている。
時期が特殊というのは、取材した直後に「2020年東京五輪の招致」が決定したからだ。東京五輪招致が決まってから、都心マンションの値上がりが始まった。価格上昇の出発点で分譲された一等地のマンションであるから、強く覚えているわけだ。
「ザ・パークハウス グラン」シリーズは、三菱地所レジデンスが分譲するマンション「ザ・パークハウス」の最高峰に位置し、高樹町、南青山に続いて3番目の「ザ・パークハウス グラン」が千鳥ヶ淵だった。
立地が飛び抜けて良いことから、全ての「ザ・パークハウス」の中でも、ピカイチの物件といえる。
その建物のつくりの良さは、尋常ではない。
例えば、バルコニーの手すりは素通しのガラスなのだが、桟を極力細くして眺望のよさを確保。当初は「継ぎ目なし」も考えられたという。一方で、ガラス手すりの高さを1.3mまで上げ、落下の恐怖心を和らげる心遣いもある。
軒のデザインも凝っている。黒く沈んだ色合いだが、軒先を複雑なデザインとし、"只者ではない"風情を漂わせる。
モデルルームでは、洗面所の蛇口コックをスワロフスキー社製のクリスタルにしていた。これは、ご婦人方に好評だった。
建具にも工夫が多い。リビングの室内ドアには、素通し部分が多いステンドグラスがはめ込まれる。金具に小さく千鳥の模様が入っているのも憎い演出。この千鳥模様は他の部分にも目立たないように配されていた。
細かな箇所に「そこまでするのか」という工夫が凝らされているわけだ。
ザ・パークハウスグラン千鳥ヶ淵の建設地は、三井不動産(当時)が分譲した「パークマンション千鳥ヶ淵」と同じブロック。そのパークマンション千鳥ヶ淵は、10位にランクインしている。「パークマンション」は、三井不動産(現・三井不動産レジデンシャル)がつくるマンションの最高峰で、都心一等地に建設される、比較的規模の小さいマンションに付けられる名称だ。
なお。パークマンション千鳥ヶ淵には、約335㎡で13億円を超える住戸もあった。また、メイドさん用に最適な1DK住戸も用意され、大型住戸とセットで購入する人が多かった。
3位の「パークコート赤坂檜町ザ タワー」は
新国立競技場の設計を行った隈研吾氏がデザイン
3位にランクインする「パークコート赤坂檜町ザ タワー」は、三井不動産レジデンシャルが事業主となり、六本木の東京ミッドタウンに連なる場所に建設されている。地上44階建ての超高層タワーマンションだ。
パークコート赤坂檜町ザ タワーには、最高価格15億円の住戸があり、新築分譲時の平均価格は3.3㎡当たり約1000万円となっていた。
全322戸のうち、一般に分譲された住戸は163戸(残りは地権者と事業協力者の住戸)。これが、あっという間に売れてしまった。
人気の理由は、立地のよさ。東京ミッドタウンと、その周囲に広がる檜町公園とが一体化した場所に建ち、東京ミッドタウンの敷地側から空中廊下が掛けられ、パークコート赤坂檜町ザ タワーの3階部分に入ることになる。
そして、建物のデザインも素晴らしい。
デザインを監修したのは建築家・隈研吾氏で、施工は大成建設……この組み合わせは、新国立競技場と同じだ。設計監修は、日本一の設計会社とされる日建設計。さらに、左官や照明、グラフィックアート、室内装飾の名工・有名グループを招集し、最高の技術によって仕上げられたマンションだ。
免震構造と制震構造を組み合わせて地震の揺れを大幅に軽減させ、長期優良住宅の認定も受ける。長期優良住宅を私は勝手に“200年住宅の工夫”と呼んでいる。それくらい長い耐久性を備えているわけだ。免震+制震+長期優良住宅の認定は、最新であり、羨望(せんぼう)の組み合わせとなる。
中古で高価格でも、買いたい人は少なくないはずだ。
このほか、中古での売り出し価格が高いマンションをみると、住友不動産のグランドヒルズや野村不動産のプラウドの名前も並ぶ。いずれも、都心一等地のプレミアマンションを多く輩出する不動産会社である。
さらに、NTT都市開発のウェリスや東急不動産のブランズという名前を冠したマンションが混じる。グループの力で、都心部一等地でマンション用地を仕入れやすい、というアドバンテージのある不動産会社である。
価格「上昇率」ランキングの上位には
新築時の価格が"安過ぎた"マンションが並ぶ
一方、新築分譲時の価格と比較した価格上昇率をみると、一般的には知名度の低いマンション名が並ぶ。が、不動産業界では有名なマンションばかりだ。
「有名」というのは、新築時の価格が安かったからだ。
たとえば、価格上昇率第1位の「シティタワー品川」は、土地所有者が東京都の定期借地権付きマンションで、借地期間が70年。いわゆる70年定借で、価格が驚くほど安かった。80㎡の3LDKが3600万円というような価格設定であったため、購入希望者が殺到。800戸以上の住戸が即日完売したマンションである。
はっきり言って、住戸のつくりが良いわけではない。ごく普通のマンション住戸だが、品川駅から600mという立地の良さで、中古価格は高くなっている。
また、価格上昇率第2位の「豊洲シエルタワー」は、東京メトロ有楽町線豊洲駅に直結する超高層タワーマンション。新築分譲時はららぽーとも開業しておらず、「湾岸の豊洲はダメ。あんなところ、住む場所じゃない」という人が多かった時期。そのため、豊洲シエルタワーは新築分譲時に、約45㎡1LDKが2380万円、約110㎡の4LDKが6720万円といった価格で分譲された。
湾岸には「あんなところダメ」と言われた場所が多かった。が、ダメと言われた場所がすべて値上がりしている。
ちなみに、今、分譲されている「HARUMIFLAG」(東京五輪選手村を利用するマンション)にも、「あんなところダメ」との声がある。さて、どうなるだろうか。
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東京そのほか
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対応物件 | マンション、戸建て、土地 |
紹介会社数 | 10社(主要一括査定サイトで最多) |
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対応物件 | マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所 |
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対応物件 | マンション、戸建て、土地、一棟マンション、一棟ビル |
紹介会社数 | 最大6社 |
運営会社 | ウェブクルー |
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◆イエウール | |
特徴 |
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対応物件 | マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地 |
紹介会社数 | 最大6社 |
運営会社 | Speee |
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◆LIFULL HOME'S(ライフルホームズ) | |
特徴 |
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対応物件 | マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件 |
紹介会社数 | 最大6社 |
運営会社 | LIFULL(東証プライム) |
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◆マンションナビ | |
特徴 |
・マンションの売却に特化 |
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対応物件 | マンション |
紹介会社数 | 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社) |
運営会社 | マンションリサーチ |
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◆いえカツLIFE | |
特徴 |
・対応可能な不動産の種類がトップクラス ・共有持ち分でも相談可能 |
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対応物件 | 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・マンション・ビル、投資マンション、区分所有ビル(1室)、店舗、工場、倉庫、農地、再建築不可物件、借地権、底地権 |
紹介会社数 | 最大6社(売買2社、買取2社、リースバック2社) |
運営会社 | サムライ・アドウェイズ(上場子会社) |
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一括査定サイトと合わせて
利用したい査定サイト!
◆ソニーグループの「SRE不動産」売却査定 | |
特徴 | ・両手仲介・囲い込みを行わない ・上場企業のソニーグループが運営 ・売却専門の担当者がマンツーマンで高値売却を追求 |
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対応物件 | マンション、戸建て、土地(建物付きを含む)、収益用不動産 |
対応エリア | 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県 |
運営会社 | SREホールディングス株式会社(ソニーグループ) |
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