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中古マンション価格が割安で、将来性が期待できる首都圏エリアトップ3は「柏市」「さいたま市桜区」、1位はどこ!?

2023年8月10日公開(2023年8月28日更新)
山下和之:住宅ジャーナリスト

マンション価格が新築、中古にかかわらず上がり続けているため、平均的な会社員の収入では簡単に買えないようなエリアが多くなっている。しかし、なかには、まだまだリーズナブルな価格帯で購入できるのに、将来的に値上がりが期待できそうなエリアもある。(住宅ジャーナリスト・山下和之)

首都圏マンションは、新築も中古も簡単には買えない価格になっている

 新築分譲マンションの市場動向を毎月調査している不動産経済研究所によると、首都圏の新築マンション価格は2022年度の平均が6907万円だった。

 購入するとなると、907万円の自己資金を準備できても、6000万円の住宅ローン借り入れが必要で、金利1.5%、35年元利均等・ボーナス返済なしの場合、毎月返済額は18万3710円となる。

 返済負担率(年収に占める住宅ローンの年間返済額の割合)を、より安全な範囲といわれる25%以内に抑えるためには、およそ882万円の年収が必要になる。これではとても買えないという人も多いのではないか。

 そのため、割安感のある中古マンションに目を向ける人が増えているが、その中古マンション、実は新築マンションより高い上昇率で上がり続けている。

 不動産流通市場のデータを集約している東日本不動産流通機構によると、2022年度の首都圏中古マンションの成約価格の平均は4343万円で、10年前の2515万円に比べて72.7%も上がっているのだ。

 343万円の自己資金を準備し、4000万円を金利1.5%、35年元利均等・ボーナス返済なしで借り入れるとすれば、毎月返済額は12万2473円。

 返済負担率を25%に抑えるためには、588万円の年収が必要。新築よりはかなり買いやすくなるとはいっても、年収的にまだまだ難しいという人もいるのではないだろうか。

【関連記事】>>中古マンションで割安感を求めるなら築20年超えの築古物件だが、デメリットもあるので要注意!

中古マンション価格が3年前から大きく上がったエリアはどこか?

 そこで注目しておきたいのが、いまはまださほど高い価格帯ではないけれど、将来の資産価値の向上が期待できるエリアだ。

 マンション情報サイト「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインドでは、全国市区町村別の中古マンション価格ランキングと、価格上昇率である騰落率のランキングを作成している。

 その中から、3年前の首都圏中古マンションの70㎡換算価格と現在の価格を比較した騰落率のランキングが、下表にある通りだ。

全国の市区町村別の中古マンション騰落率ランキング(3年前比)

 首都圏平均価格に比べてまだまだ価格が安く、平均的な会社員が購入しやすく、かつこの3年間の上昇率が高いエリアであれば、今後も首都圏平均並みの価格帯に向けて資産価値の上昇が期待できるのではないだろうか。

中古価格3000万円台の「藤沢市」は、将来5000万円台乗せも期待できる!?

神奈川県藤沢市にある藤沢駅周辺の様子
神奈川県藤沢市にある藤沢駅周辺の様子(出所:PIXTA)

 3年前に比べて騰落率が最も高かったのは「神奈川県藤沢市」で、2020年5月の70㎡換算価格が2572万円だったのが、2023年5月には3808万円に上がっている。

 3年間の騰落率は+48.08%だから、3年前から1.5倍だ。年平均で16%程度上がっており、このペースが今後も続けば、2024年は4417万円、2025年には5214万円に値上がりする計算だ。

 藤沢市は神奈川県の東南部に位置し、江の島、片瀬海岸、鵠沼海岸などがあるマリンリゾートの聖地である。

 同時に、早くから東京・横浜のベッドタウンとしての開発が進み、マンションや戸建て住宅が多く建てられ、人口は44万人を超え、県内で屈指の人口増加率を誇る。また、横浜や東京方面への交通アクセスに恵まれている一方、鎌倉、伊豆方面などの観光地にも恵まれたロケーションだ。

 JR東海道線・湘南新宿ライン・上野東京ライン、小田急江ノ島線、江ノ島電鉄、相模鉄道いずみ野線、横浜市営地下鉄ブルーライン、湘南モノレールなどが乗り入れており、都心だけではなく、さまざまな方面にアクセスしやすくなっている。

 たとえば、平日の昼間帯の所要時間は「横浜」駅までが19分、「品川」駅が40分、「東京」駅が48分で、「渋谷」駅が44分、「新宿」駅が50分で行ける。他方、江ノ島電鉄では「鎌倉」駅までが37分で、JR東海道線では、「小田原」駅までが32分、「熱海」駅までが54分となっている。 

中長期的な視点から都市としての発展が期待される

藤沢市の辻堂駅にあるテラスモール湘南
藤沢市の辻堂駅にあるテラスモール湘南(出所:PIXTA)

 以上のような現状だけではなく、藤沢市は将来に向けての発展の準備が進められており、注目度が一段と高まるのではないかと期待されている。

 たとえば、藤沢市内にあるJR東海道線の「辻堂」駅では、テラスモール湘南などの大規模商業施設がオープンし、各種生活利便施設が集積、湘南エリア屈指のターミナルに発展している。

 また、武田薬品工業の工場跡地では湘南アイパークが建設され、ヘルスイノベーションに関する産官学連携の一大拠点となっている。

 2009年に撤退が完了したパナソニック関連工場跡地では、太陽光発電や家庭用蓄電池などを大規模に配備した新しい街をつくる「サスティナブル・スマートタウン(SST)構想」が進められており、新たな機能が充実しつつある。マンションや戸建て住宅などの供給も多い。

 従来のリゾート地、東京・横浜のベッドタウンを超えた都市へのステップアップが期待されており、中長期的な視点からも、マンションの資産価値向上につながるのは間違いない

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中古価格が3000万円を切る「さいたま市桜区」も注目エリア

今後の発展が期待される「さいたま市桜区」西浦和駅の様子
今後の発展が期待されるさいたま市桜区西浦和駅の様子(出所:PIXTA)

 3年前に比べての騰落率2位は「さいたま市大宮区」の45.96%で、3位は「さいたま市桜区」の45.94%だった。

 2023年5月の70㎡換算の中古マンション価格、大宮区は4404万円だが、桜区は2964万円と3000万円を切っている。

 大宮区は、いまや各種の住みたい街ランキングのベスト10に入るほどの人気になっており、価格水準も上がっている。

 一方、桜区は同じさいたま市でもまだまだ一般的な注目度は高くないので、その分、今後、将来性が期待できるエリアといえるのではないか。

 桜区はさいたま市南西部に位置し、東はさいたま市中央区、南はさいたま市南区、北はさいたま市西区、西は荒川を挟んで志木市や富士見市などと隣接している。

 桜区という名称にあるように、区内には「鴨川堤桜通り公園」、一本桜として名高い「林鐘寺のイトザクラ」、さまざまな品種の桜が見られる「プラザウエスト」など、桜の名所が多く、さいたま市でも自然と緑の多いエリアとなっている。

 マンションや戸建て住宅の分譲が徐々に増えており、区内の南側を走るJR武蔵野線「西浦和」駅を中心に、今後の発展が期待されるエリアといっていいだろう。

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「千葉県柏市」も2000万円台で取得可能に

千葉県柏市の柏の葉キャンパス駅周辺の様子
千葉県柏市の柏の葉キャンパス駅周辺の様子(出所:PIXTA)

 騰落率6位の「千葉県柏市」も、2023年5月の70㎡換算の中古マンション価格が2790万円と3000万円を切って、2000万円台で取得できるエリア。3年前からの騰落率は40.69%と4割以上の上昇を記録している。

 JR常磐線の「柏」駅では商業施設の競合が激化。一部で百貨店が閉店するなどの動きもみられるものの、その分、駅前の再開発構想が進んでおり、新たな街づくりが進められている。

 その一方、つくばエクスプレスの「柏の葉キャンパス」駅周辺には、研究・教育施設が集積。公共団体、企業、大学が連携した国際学術都市が形成され、都心に勤める人だけではなく、そこで働く人向けの職住隣接型のマンションや戸建住宅の開発が進められ、大規模商業施設も充実している。

 一定の範囲内にあらゆる機能がそろい、コンパクトシティーが形成されつつあるわけだ。人口40万を超える大都市である一方、豊かな自然環境が残されており、子育て世帯や高齢世帯の移住も盛んで人口が増加。それがマンション価格の上昇につながっているのではないだろうか。

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 このように、まだまだ割安感がありながら、将来性豊かなエリアは少なくない。それぞれに特色があるので、自分たちに合うエリアを探してみてはどうだろうか。

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