豊洲の中古マンション相場は今いくら?代表的タワマンの価格・特徴を徹底解説

2025年6月17日公開(2025年7月8日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

首都圏では新築マンション価格の高騰により、中古マンションの購入を積極的に検討する人が増えている。今回は、都内でも屈指の人気エリアである豊洲の中古マンションの現状をレポートする。ランドマークマンション(ここでは地域内で視覚的に目立つ高層タワーマンションを指す)の情報を中心に、比較的手ごろな価格で手に入るマンションも紹介したい。

豊洲タワーマンションの歴史と街の変遷

 東京23区でも比較的手ごろな物件の多い江東区だが、豊洲物件は特殊だ。どちらかと言えば中央区の相場感に近いだろう。湾岸エリアでも特に人気の豊洲は、タワーマンションの街というイメージが定着している。

 そもそも豊洲にマンションが建ち始めたのは、1990年代後半。それまでは、石川島播磨重工業(IHI)などの工場が点在する重工業エリアで、まだまだ住む人は少なく、小さな商店が点在する程度の街だった。

 その豊洲の印象が大きく変わったのは、2000年代に入ってから。2006年、駅前再開発でつくられた「アーバンドック ららぽーと豊洲」の誕生が大きい。ウオーターフロントの立地にオシャレな商業施設の出現で、どこかリゾートのような解放感を感じる特別な街というイメージが定着。常に人でごったがえしている新宿や渋谷のような都心とは一線を画す存在となった。また、豊洲は銀座から地下鉄で5分という立地も利点で、都心の住宅地としても人気を集めるようになる。

 豊洲のタワマン黎明期にできた代表的な物件が、「アーバンドック ららぽーと豊洲」に隣接する「アーバンドック パークシティ豊洲」だ。2008年に完成したこのマンションは、今も豊洲を代表するタワーマンションとして君臨している。このころから駅周辺を中心に、数多くのタワーマンションがつくられていった。

豊洲の代表的中古タワーマンション3選

 では、豊洲のランドマークマンションを紹介しよう。この章では主に下記3つのマンションについて解説していく。

アーバンドック パークシティ豊洲

「アーバンドック パークシティ豊洲」外観(出典:三井のリハウス公式ホームページから)
「アーバンドック パークシティ豊洲」外観(出典:三井のリハウス公式ホームページから)

 「アーバンドック パークシティ豊洲」は、東京湾につながる運河沿いに建つ、53階建てのA棟と32階建てのB棟からなる2棟編成のマンションだ。新築当時の価格は、平均でなんと5000万円(70㎡換算)程度だった。

 当時としては決して安くない価格だったが、それが今や平均1億5000万円(70㎡換算)前後で取引されている。およそ3倍に跳ね上がった計算だ。(売り出し価格参考:マンションレビュー

※「アーバンドック パークシティ豊洲」A棟の位置を示す

 マンションの特徴をまとめると、以下の通りとなる。

「アーバンドック パークシティ豊洲」のメリット
・圧倒的なウオーターフロントの立地
・地下で「ららぽーと豊洲」に直結
・充実した共有施設

「アーバンドック パークシティ豊洲」のデメリット
・駅から徒歩6~8分かかる

 眺望については、西向きの部屋はさえぎるものがなにもない状態で、東京湾の景観が楽しめるまさにオーシャンフロント。また、A棟とB棟は渡り廊下でつながり、B棟は地下で「ららぽーと豊洲」につながっている。雨の日でも傘は不要なだけでなく、「ららぽーと豊洲」内スーパーの買い物カートを利用することができ、マンション内にはカート置場が設置されている。

 一方、共有施設は非常に豪華で、マンション内にはプールやエステサロン、スカイラウンジもあり、初期の湾岸マンションならではの豪華さと言える。デメリットを挙げるとすると、駅までの距離だろう。B棟で徒歩6分、A棟は7~8分程度かかるため、駅近物件とするには多少難がある。

アーバンドック パークシティ豊洲タワーA

交通:東京メトロ有楽町線 豊洲駅 徒歩8分
築年月:2008年2月
総戸数:53階建て/1020戸
管理費等:約311円/㎡
修繕積立金:約202円/㎡
売り主(分譲時):石川島播磨重工業、三井不動産

アーバンドック パークシティ豊洲タワーB

交通:東京メトロ有楽町線 豊洲駅 徒歩6分
築年月:2007年11月
総戸数:32階建て/ 420戸
管理費等:約308円/㎡
修繕積立金:約200円/㎡
売り主(分譲時):石川島播磨重工業、三井不動産

 

 

豊洲シエルタワー

「豊洲シエルタワー」外観(画像出典:三井のリハウス公式ホームページから)
「豊洲シエルタワー」外観(画像出典:三井のリハウス公式ホームページから)

 「豊洲シエルタワー」も「アーバンドック パークシティ豊洲」と同様、豊洲タワマン黎明期に建てられた代表的なタワーマンションだ。マンション建設初期につくられた物件は、駅近の土地がまだ空いている時期であり、街の一等地に建てられることが多い。「豊洲シエルタワー」はその典型と言えるだろう。この物件の特徴をまとめた。

「豊洲シエルタワー」のメリット
・豊洲駅直結
・同敷地内に商業棟がある

「豊洲シエルタワー」のデメリット
・古さが気になる
・共有部が洗練されていない

 価格については、「アーバンドック パークシティ豊洲」以上に高騰している。理由は、分譲時の価格が安かったということが大きく影響している。分譲時の平均価格は4000万円程度(70㎡換算)で、現在の売り出し価格は、16000万円前後(70㎡換算)となっている。もちろん、階数や広さなど条件によって販売価格は異なるが、単純計算すると、分譲時から4倍近く上昇していることになる。(売り出し価格参考:マンションレビュー

豊洲シエルタワー
交通:東京メトロ有楽町線 豊洲駅 徒歩1分
築年月:2006年9月
総戸数:40階建て/565戸
管理費等:約222円/㎡
修繕積立金:約164円/㎡
売り主(分譲時):豊洲駅前地区市街地再開発組合

 有楽町線の地下通路にマンション専用の入り口がある「豊洲シエルタワー」は、駅直結の中でも最も利便性の高い部類のマンションと言える。また、併設されている商業棟には、スーパーマーケット、クリニック、飲食店などがあり、生活利便性も非常に高い。

 一方、築20年近くが経過し、最近は多少古さも目立ってきた。また、売り主がデベロッパー大手でなかったことも関係しているのか、共有部は洗練されているとは言えず、ひと昔前のホテルのような印象がある。専有部はリフォームしているケースが多いが、建物部分に高級感を感じられないというのがデメリットと言えるだろう。

 

ブランズタワー豊洲

 現在、豊洲で人気のマンションといえば、真っ先に名前が挙がるのが「ブランズタワー豊洲」だろう。2021年に完成した築浅の新築物件で、販売中に価格がどんどん上昇していったマンションだ。その特徴は以下の通りだ。

「ブランズタワー豊洲」のメリット
・豊洲駅から徒歩4分の立地
・免震構造
・充実した共有施設

「ブランズタワー豊洲」のデメリット
・直通エレベーターがない
・管理費が高い

 豊洲駅から4分という駅近立地に加え、海沿いにある豊洲公園に近く、「ららぽーと豊洲」まで徒歩2分という絶好のポジションにある。

 また、2000年代に建てられた「アーバンドック パークシティ豊洲」や「豊洲シエルタワー」との違いは、建物が免震構造になっていること。地盤がしっかりしているとは言えない埋め立て地である豊洲と言う立地を考えると、地震に強い免震構造であることは重要な要素だ。「アーバンドック パークシティ豊洲」は免震よりは揺れを強く感じる制震構造で、「豊洲シエルタワー」にいたっては、耐震構造で、制震でも免震構造でもない。

 また、共用施設も充実している。東京湾を一望するスカイビューラウンジ、フィットネススタジオ、パーティールーム、個室ブースのあるワーク&スタディルーム、ランドリールームなどの設備が整っている。

 一方、デメリットはとして挙げられるのは、住戸への直通エレベーターがないこと。各部屋へは、コンシェルジュのいる受付などのある4階で必ず乗り換えをする必要がある。毎日のこととなると、これは面倒に感じる住民も多いことだろう。

 また、管理費については、全国的に値上がり傾向にあるが、充実した共有施設のあるタワーマンションということを勘案しても、「ブランズタワー豊洲」の管理費は高めだ。都心タワーマンションの場合、㎡単価250円~300円程度が平均で、「ブランズタワー豊洲」は、㎡単価で約400円となっている。

「ブランズタワー豊洲」
交通:東京メトロ有楽町線 豊洲駅 徒歩4分
築年月:2021年10月
総戸数:48階建て/1152戸
管理費等:約399円/㎡
修繕積立金:約104円/㎡
売り主(分譲時):東急不動産/NIPPO/大成有楽不動産/JR西日本プロパティーズ 

【関連記事】>>「ブランズタワー豊洲」の価格、メリット、デメリットは? 潜入レポ第2弾、売り出された部屋は早くも2000万円を超える値上がり!(2022年10月)

 

豊洲で、6,000万円以下で買えるファミリータイプの物件はあるのか?

 高額物件の多い豊洲マンションだが、6,000万円以下で買えるマンションもある。例えば、豊洲駅 徒歩10分にある「シティコープ豊洲」だ。3LDK(71.92m2)が5,998万円で売り出されている(2025年4月24日 Yahoo不動産)。

シティコープ豊洲

「シティコープ豊洲」外観(東急リバブル公式ホームページから)
「シティコープ豊洲」外観(東急リバブル公式ホームページから)

 豊洲運河沿いに建つ14階建て165戸の存在感のあるマンションだ。築44年と年月を経ているが、タワーマンションにこだわらなければ、こうした物件を購入して自分好みにつくりかえて住むという選択肢もある。

「シティコープ豊洲」
交通:東京メトロ有楽町線 豊洲駅 徒歩10分
築年月:1981年10月
総戸数:14階建て/165戸
管理費等:約97円/㎡
修繕積立金:約125円/㎡
売り主(分譲時):東京都住宅供給公社 
 

まとめ

 豊洲の駅近にあるランドマークマンションは、環境、利便性、眺望も申し分ないが、価格はファミリータイプの部屋の場合、1億5000万円~2億円程度の価格帯が中心となる。一般世帯にはなかなか手が届かない価格だ。

 だが一方で、築年数が経ったマンションでは6000万円程度の3LDが売り出されているケースもあった。購入希望者は、自分たちの譲れない条件を絞り込み、より広い選択肢をもつことが大切になるだろう。

【関連記事】>>江東区の中古マンションランキング・トップ100! 東陽町、住吉、木場などの購入・売却価格や値上がり率は?

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