「ブランズタワー豊洲」は豊洲駅徒歩4分にある、48階建て1152戸の大規模タワーマンションだ。豊洲最後の駅近マンションとの呼び声が高く、売り出されるや瞬く間に完売となった。「ブランズタワー豊洲」の価格、メリット・デメリットとともに、潜入調査第2弾は、入居後ほどなくして売りに出された中古物件を内覧した様子をレポートする。販売価格は驚くほど高額だ。※新築販売時の記事です。
「ブランズタワー豊洲」で、販売後すぐに売却された部屋に潜入!
「ブランズタワー豊洲」は、2021年のベストマンションとの呼び声も高く、コロナ禍にもかかわらず、大反響のうちに完売となった。そして、2022年春から入居が始まった。
既に完売しており、現在行われているのは中古物件としての販売だが、入居後数カ月で売却される部屋が次々と出ている。2022年9月某日、東急リバブル(東急不動産販売)に内覧を申し込み、一般の顧客として潜入取材することにした。
3,500万円値上がりした部屋も!
まず驚いたのは、販売価格だ。今回内覧した部屋は、2LDKタイプ2部屋だが、どちらも販売前にモデルルームで予定価格が発表されていた部屋と同タイプ(階数は異なる)の部屋なので、購入時のおおよその価格はわかっている。
▪2LDK(61.15㎡)南東22階
購入時推定:7,420万円 → 内覧時:8,980万円
+1,560万円値上げ
▪2LDK(58.02㎡)南西29階
購入時推定:7,500万円 → 内覧時:1億1,000万円
+3,500万円値上げ
このほか、購入時に6,380万円の2LDK(57.02㎡)が、8,190万円と1,810万円アップで売り出されていた部屋もあった。
この3部屋を例にとってみると、たった数カ月で、60㎡前後の2LDKの部屋が平均で約2,300万円値上げして売り出さ
*編集部注:2LDK(61.15㎡)については、購入時推定価格と値上がり価格を訂正しました(2022年12月21日)
【完売】ブランズタワー豊洲(※新築時のデータです)
- 価格
- ー
- 完成時期
- 2021年10月下旬予定
- 東京都江東区豊洲5丁目2番1の一部他(底地地番)
- 東京メトロ有楽町線「豊洲」駅から徒歩 4分(高層棟入口まで5分) ゆりかもめ「豊洲」駅から徒歩 4分(高層棟入口まで4分)
- 間取り
- 1LDK ~ 3LDK
- 専有面積
- 43.41㎡ ~ 112.52㎡
- 総戸数
- 1152戸(事業協力者住戸1戸含む)
- 売主
- 東急不動産株式会社(売主・販売管理)・株式会社NIPPO(売主) 他2社
- 施工会社
- 株式会社熊谷組首都圏支店
※データは2022年10月18日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
売却理由は転売目的か?
では、これらの部屋は転売目的で購入されたものなのかと言えば、必ずしもそうではない。筆者が内覧した2部屋については、一つは入居中、もう一つは、入居予定の住人がすでに間取りをリフォームしていた。どちらも事情が変わって住むことができなくなったようだ。
ほかの住戸の売却理由も聞いてみると、東急リバブルの担当者は実需目的で購入したが、事情が変わった住人が多いと話していたが、少し慌てた様子だったので、転売目的の人も中にはいるのだろう。
初めから値上がりを期待していたかどうかは別として、今回の売却により数カ月で2,300万円以上の値上がり益を手に入
「ブランズタワー豊洲」のメリット、デメリット
では、次に完成物件を見て分かった「ブランズタワー豊洲」のメリット、デメリットをまとめてみよう。まずは、メリットから紹介する。
メリット①住環境の素晴らしさ
充実した周辺環境は、完成前の想像以上だった。マンションの足元には、緑豊かな公共の広場が広がり、その突き当たりには運河が流れている。広場の横には、スーパーの「ダイエー」、徒歩1分の場所には「江東区立豊洲西小学校」、その隣には「昭和大学江東豊洲病院」という大きな総合病院がある。
加えて、大型ショッピングセンター「ららぽーと豊洲」へは徒歩2分。ウオーターフロントの開放感と生活に必要な施設がすべてそろった環境で、豊洲駅まで徒歩4分というのだから、これ以上望めないほど最高の立地と言えるだろう。
メリット②広いトランクルーム
「ブランズタワー豊洲」には、防災備蓄倉庫という名目のトランクルームが各住戸についている。住戸の広さによって大きさは若干異なるが、畳1.5畳分はありそうな大きなトランクルームは他の物件では見たことがない広さだ。住人は、ゴルフクラブやサーフィンボードなど、室内に置くには邪魔になる大きな荷物をトランクルームに納めている。かなり重宝していると話していた。
では、内覧時に感じたデメリットについてまとめてみる。
デメリット①4階で乗り換えが必要なエレベーター
最大のデメリットは、すべての部屋の住民がエレベーターの乗り換えが必要になることだ。これは、中間免震という免震構造を採用しているからというのが大きな理由だ。
住民は、一度大きなロビーのある4階まで行き、そこで乗り換えをして、自分の住戸フロアに行かなければならない。特に地下の駐車場を契約した場合には、地下から1階、1階から4階、そして住戸フロアへ2回乗り換えをする。毎日のことを考えると、混雑も予想され、かなり面倒だと感じた。
デメリット②車寄せのないエントランス
「ブランズタワー豊洲」は、豊洲駅につながる大通りに面した正面玄関にエントランスがあるが、植林に隠れるように奥まった場所につくられており、わかりにくく、車寄せがない。エントランスはマンションの顔であり、このクラスのタワーマンションのエントランスとしては威厳がなく、堂々とした車寄せがないのは物足りなさを感じた。
敷地横の通りに目立たないエントランスと小さめの車寄せはあったが、気がつかないくらい控えめなものだった。大通りには、歩道と車道を分けるレールがつくられているため、車寄せがつくれなかったのかもしれない。レールをまたいで車道に入り、タクシーに乗る住民の姿も見られた。ここは非常に残念な点だ。
「ブランズタワー豊洲」以外の選択肢は?
では、次に「ブランズタワー豊洲」を検討している場合、他の選択肢はないのかを考えてみたい。高額となる湾岸物件をターゲットにした場合、夫婦または家族3人で60㎡前後の2LDKを探す人も多いだろう。
今すぐに引っ越しをする必要がある人は別だが、2,000万円以上値上がりしたとわかっている物件を購入するなら、ほかの新築物件を買うという選択肢もあるはずだ。同じ8,000万~9,000万円の予算で、湾岸ではどんな物件が購入可能なのか見てみよう。
パークタワー勝どきミッド/サウス
まず、最初に挙げておきたいのが「パークタワー勝どきミッド/サウス」だ。
「パークタワー勝どきミッド/サウス」は、58階建てのサウスと45階建てのミッドからなるツインタワーで、総戸数は2,786戸。都営大江戸線「勝どき」駅と直結するミッドは徒歩1分、サウスは徒歩2分という超駅近物件。中央区アドレス&駅直結物件は、資産性でも「ブランズタワー豊洲」を超えるマンションと言える。
2020年の第1期1次時点での平均坪単価は約415万円、60㎡で約7,550万円という価格がついた。現在は第3期となっており、価格は上昇する見込みで、2LDKは8,000万円台半ばから後半が多くなりそうだ。ただし、8,000万~9,000万円の予算があれば十分可能性がある。すべての部屋に抽選倍率がつく人気となっているため、抽選覚悟でのぞむ必要があるだろう。
【関連記事はこちら】>>「パークタワー勝どきミッド/サウス」の価格大公開! 潜入レポートで分かったメリット・デメリットや抽選倍率は!?
パークタワー勝どきミッド/パークタワー勝どきサウス
- 価格
- 未定
- 完成時期
- サウス:2023年8月下旬竣工予定、ミッド:2023年8月下旬竣工予定
- 東京都中央区勝どき4丁目1500番地(サウス)(地番)、1501番地(ミッド)(地番)
- 都営大江戸線「勝どき」駅 徒歩1分〜2分 ※サウス徒歩2分、ミッド徒歩1分
- 間取り
- 2LDK〜3LDK
- 専有面積
- 55.10〜106.15㎡
- 総戸数
- 2786戸(販売総戸数1715戸、事業協力者戸数1071戸含む)
- 売主
- サウス:三井不動産レジデンシャル株式会社、鹿島建設株式会社/ミッド:三井不動産レジデンシャル株式会社、清水建設株式会社
- 施工会社
- サウス:鹿島建設株式会社、ミッド:清水建設株式会社
※データは2022年4月15日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
ジオ品川天王洲
「ジオ品川天王洲」は、りんかい線「天王洲アイル」徒歩7分にある15階建て総戸数135戸のマンション。主要路線が通っていない立地やタワーマンションでないなどの条件面では、「ブランズタワー豊洲」に劣るが、魅力はその価格だ。
販売中の53.29㎡の2LDKは、6,730万円~7,590万円。65.67㎡の3LDKで7,990万円~9,290万円などとなっており、同じ予算で3LDKの検討が可能となる。また、運河沿いに立ち、天王洲の水辺の開放感を味わうことができるため、環境は良好だ。東京モノレール「天王洲アイル」へ徒歩8分で、「浜松町」まで東京モノレールで直通4分という近さ。品川、浜松町方面に職場があるという人なら十分検討の余地がある。
【完売】ジオ品川天王洲(※新築時のデータです)
- 価格
- 【先着順】5,790万円~9,890万円/最終期6,000万円台予定~1億円台予定※1000万円単位
- 完成時期
- 2024年07月下旬予定
- 東京都品川区東品川1丁目296番1(地番)
- 東京臨海高速鉄道りんかい線 「天王洲アイル」駅 徒歩7分
- 間取り
- 【先着順】1LDK・3LDK/最終期1LDK・3LDK
- 専有面積
- 【先着順】45.51~70.98㎡/最終期45.51~65.67㎡
- 総戸数
- 135戸
- 売主
- 阪急阪神不動産株式会社
- 施工会社
- 不二建設株式会社
※データは2023年8月31日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
ベイサイドタワー晴海
「ベイサイドタワー晴海」は、都営大江戸線「勝どき」駅から 徒歩10分にある33階建て352戸のタワーマンション。徒歩10分という駅までの距離は気になるものの、こちらも価格は「ブランズタワー豊洲」に比べかなり割安となる。
2LDK(57.20㎡)が6380万円など、2LDKは6,000万円台後半~7,000万円台前半で手に入る。また、すでに完成済みマンションのため、現地建物内のモデルルームがオープンしている。現地で実際の部屋を内覧できるというのは大きなメリットだ。引き渡しは2023年7月下旬の予定となっている。
【完売】ベイサイドタワー晴海(※新築時のデータです)
- 価格
- 6,900万円~12,100万円
- 完成時期
- 2023年07月下旬
- 東京都中央区晴海三丁目103番(地番)
- 都営大江戸線「勝どき」駅徒歩10分
- 間取り
- 2LD・K~3LD・K
- 専有面積
- 54.73㎡~76.13㎡
- 総戸数
- 352戸
- 売主
- 住友不動産
- 施工会社
- 前田建設
※データは2022年9月21日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
今後販売予定の湾岸エリアの新築マンション
最後に、今後湾岸エリアで販売される大規模マンションについて押さえておこう。湾岸エリアでは、複数の再開発事業が計画されており、大規模なタワーマンションの供給が予定されている。
ひとつは、東京都中央区勝どき6丁目、豊海町の「豊海地区第一種市街地再開発事業」だ。54階建ての超高層ツインタワーマンションが建設予定で、総戸数は2,150戸。竣工は2027年の予定となっている。
もうひとつの注目は、月島3丁目の「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」だ。東京メトロ有楽町線「月島」駅と、都営大江戸線「勝どき」駅の中間に位置し、50階建てのタワーマンションが建設予定。総戸数は約720戸で、商業施設とともにつくられる大規模複合開発となる。竣工は2026年の予定だ。
このように、湾岸エリアには今後大規模な再開発の予定がある。まだ詳細は未定だが、こうした情報も頭に入れ、多くの選択肢から物件選びをすることが大切だ。
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