BLUE FRONT SHIBAURA、高輪ゲートウェイシティ、八重洲、築地、など2025年の都心大型再開発を解説

2025年6月9日公開(2025年6月8日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

全国各地で進む再開発。東京都心部でも、ターミナル駅を中心に活発になっている。中でも注目なのが、2025年にまちびらきを迎える「BLUE FRONT SHIBAURA」と「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」だ。このビッグプロジェクトを中心に、首都圏の注目度の高い再開発プロジェクトを紹介していこう。

2025年夏開業「BLUE FRONT SHIBAURA」

「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」の用途構成
「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」の用途構成(出所:野村不動産プレスリリース

 多くの再開発プロジェクトが進行し、熱視線がそそがれる品川周辺エリア。高輪ゲートウェイ、浜松町駅に近接するエリアでは、2025年大型施設が次々と開業を迎える。

 そのひとつが野村不動産とJR東日本が進める再開発プロジェクトである「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」だ。国家戦略特別区域計画の特定事業である港区芝浦地区にある「浜松町ビルディング」の建て替え事業である。

 メインとなるのは、S棟、N棟のツインタワー。低層階には商業施設のほかに、オフィス、住宅、ラグジュアリーホテルが入居する予定となっている。そして今年、S棟の開業を迎える。

船で通勤?水上交通やクルーズで芝浦らしさを演出

 芝浦エリアは、都心でありながら緑地や運河、東京港など豊かな自然に恵まれ水辺の空間が広がっている。また、日の出ふ頭や芝浦運河と近接した立地を生かし、新たな交通手段として注目される舟運でベイエリア各地の水辺を繋ぐことができる。

 ツインタワーの先の、日の出ふ頭にある船着き場では、日の出と晴海間を結ぶフェリーが運行を開始している。

 また、芝浦運河沿いには水上テラスを有する船着き場がつくられ、少人数で乗船するラグジュアリークルーズの運航が予定されている。

浜松町駅からのアクセス改善で都心と直結へ

 また、浜松町駅からのアクセスが快適になることも見逃せない。

 現在工事中の歩行者専用自由通路が完成(2026年予定)すれば、駅から雨に濡れる心配もなく、移動が可能になるからだ。浜松町駅からは、東京駅へ6分、東京モノレールを利用すれば、直通で羽田空港第3ターミナル駅へ13分。通勤はもちろんのこと国際拠点としても申し分ない立地だと言えるだろう。

ツインタワーS棟が2025年開業!フェアモント東京も

「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」S棟の用途構成(出所:野村不動産プレスリリース)
「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」S棟の用途構成(出所:野村不動産プレスリリース

 ツインタワー1棟目のS棟は、2025年2月にすでに完成している。外観は、全面がガラスファサードで、建物中層階と上層階の2か所がセットバックするというつくりとなっている。

 1階から3階は商業施設フロアで、フードホールなど約30店舗が入居の予定。施設は2025年の夏から順次開業予定。先行して、GREEN WALKが開通し、5月30日(金)にGREEN WALKエリア内飲食店舗が開業した。

 7階から33階のオフィスフロアは、TOKYO WORKationというコンセプトで都心の空と海、緑などの自然を感じる解放的な環境のもと、より快適なオフィス空間を実現するというもの。野村不動産グループの本社が移転する予定となっている。

 また、35階から42階には、フェアモント東京が開業する。欧州最大のホテルグループAccor(アコー)のラグジュアリーホテルが日本初進出。217の客室とエグゼクティブフロア、スパインフィニティプール、カンファレンスルーム、レストラン&バー、都内最大級の宴会場、そして、東京湾を一望するスカイラウンジなどを備える。なお、N棟の着工は2027年、完成予定は2030年となっている。

高輪ゲートウェイ直結「TAKANAWA GATEWAY CITY」

 次に紹介するのは、品川開発プロジェクトとして進められているのが「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」。延床面積約84万5000㎡に、リニア中央新幹線をはじめ広域交通の結節点となる品川駅、都心ターミナル駅へのアクセス至便な高輪ゲートウェイ駅、東京の地下鉄ネットワークや羽田空港へ繋がる泉岳寺駅が連携した、周辺地域、日本各地、世界各国から人々が集まる国際交流拠点が誕生することになる。

 再開発で誕生する施設は大きく分けて5つある。

「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウエイシティ)」の新たな建物
複合棟Ⅰ
「THE LINKPILLAR1 South」
「THE LINKPILLAR1 North」
複合棟Ⅱ
「THE LINKPILLAR2」
文化創造棟
住宅棟(高級賃貸)
「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」開発プロジェクト(出典:高輪ゲートウェイシティ(仮称)のまちづくりについて)
「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」開発プロジェクト(出典:高輪ゲートウェイシティ(仮称)のまちづくりについて

 このうち、高輪ゲートウエイシティ駅直結の複合棟Ⅰの2棟、「THE LINKPILLAR1 South」と「THE LINKPILLAR1 North」が2025年3月にまちびらきをむかえた。

都内最大級の駅ビル「NEWoMan TAKANAWA」に約200店舗が集結

 「THE LINKPILLAR1 South/ North」のメインとなるのが、2025年3月27日開業した「NEWoMan TAKANAWA(ニュウマン高輪)」だ。

 「THE LINKPILLAR1 South」の1階から5階、「THE LINKPILLAR1 North」の1階から5階、28階、29階、そして、「THE LINKPILLAR2」の2階から3階の3つの棟にわたって展開され、延床面積は約6万㎡。大規模なショッピングモールとなった。

注目は、都内最大規模の駅ビル「NEWoMan TAKANAWA(ニュウマン高輪)」

  NEWoManは、JR東日本のルミネが運営するファッション施設で、都内最大規模の店舗数となる約200店が入居。NewとWomanを合わせた名称からもわかるように、30代から40代の大人の女性がターゲット。上質で洗練されたショップやカフェ、ダイニングが集まっている。

 また、「THE LINKPILLAR1 North」の28階、29階の「NEWoMan TAKANAWA」には、植物と音に包まれる新空間LUFT BAUMが開業し、パブリックガーデン内には、雰囲気のあるバーやダイニングがオープンした。

「JWマリオット東京」&「LUFT BAUM」などホテル・複合空間も充実

 「THE LINKPILLAR1 South」の23階から30階には、「JWマリオットホテル東京」が開業した。首都圏では日本初進出となる注目のラグジュアリーホテルだ。客室は、スイートルームを含めた約200室。本格的なレストランに加え、ロビーラウンジ併設のクロワッサンバーもある。

 館内には、25mの屋内プール、フィットネスセンター、スパを備える。高輪ゲートウエイシティ駅直結の立地を活かし、国内外からの宿泊客を積極的に呼び込む計画として建てられた。

「MoN Takanawa」で新しい都市文化を発信

 高層ビルに囲まれるように建つ「文化創造棟」も「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウエイシティ)」のシンボルのひとつだ。緑と木のスパイラルデザインが特徴的な低層建物で、外装デザインアーキテクツは、隈研吾建築都市設計事務所が担っている。

「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウエイシティ)」の「文化創造棟」(出所:JR 東日本文化創造財団)
「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウエイシティ)」の「文化創造棟」(出所:JR 東日本文化創造財団

 「文化創造棟」の名称は、「MoN Takanawa(The Museum of Narratives Takanawa)」に決定。展示会やライブ会場となる「BOX(ボックス)」、約100畳の畳スペースの「TATAMI」、屋上庭園、月見テラス、足湯、レストランなどがつくられた。

19世紀の鉄道遺構「高輪築堤」を活かしたAR・VR展示も話題に

 一方、「TAKANAWA GATEWAY CITY」では、鉄道の歴史上重要な高輪築堤の一部を見ることができる。再開発にともなう工事の中で、1872年に新橋と横浜の間で開通した鉄道の開業当時の建築物がみつかり、保存が決まった。

 これは、高輪海岸沿いの海上に鉄道をつくるための鉄道敷の遺構。JR東日本では、ARやVR技術を駆使し、当時の鉄道を再現する計画もある。現地公開は2027年の予定となっている。

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東京駅八重洲エリアで進行中「TOFROM YAESU」や「トーチタワー」

 現在、東京駅八重洲口近辺でも活発な再開発が進行中だ。グラントウキョウ、、東京ミッドタウン八重洲、京橋エドグランはすでに開業済みだが、今後2029年にかけて複数の複合ビルが開業予定となっている。

 中でも注目は、東京駅直結となる複合施設「TOFROM YAESU(トフロムヤエス)」。地下通路で東京駅に直結し、地下には高速バスターミナルがつくられる。

  「TOFROM YAESU(トフロムヤエス)」の主要事業社は東京建物、2028年開業予定のTOKYO TORCHは三菱地所。また、東京ミッドタウン八重洲を手掛けた三井不動産は、鹿島建設などと共同で2029年開業予定の八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業を進めている。

築地市場跡地に新スタジアムも!再開発が描く未来の東京

 一方、築地市場跡地の再開発事業(築地地区まちづくり事業)にも注目が集まっている。全体構想の中心になるのは、最大5万7,000人を収容可能な屋内全天候型マルチスタジアム。フィールドと客席が可変型となっており、スタジアム、劇場、展示場などに利用できる。また、迎賓機能も強化し、ラウンジや多様なVIPルームも完備する。

 スタジアム周辺には、MICE施設やホテル、オフィス、レジデンス棟がつくられる。隅田川に面した水辺には緑地広場を設け、船着き場もつくられる計画だ。開発エリア全体の広さは、東京ドーム約4個分の約19万m²、代表企業は三井不動産。まだ未定であるが、読売巨人軍が本拠地球場を移転するという話も出ている。2038年度の全体竣工を目指している。

築地市場跡地の再開発事業(出所:三井のリハウスより)
築地市場跡地の再開発事業(出所:三井のリハウスより)

 このように、都心の再開発は各地で活発に行われている。5年後、10年後の都心の風景は、どのように変わっているのだろうか。期待がふくらむ。

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