新築マンション「三田ガーデンヒルズ」は、約2.5万㎡と港区最大の敷地面積を誇る全1002戸のビッグプロジェクト。販売開始は2023年2月の予定だが、早くも2023年最大の注目物件といわれ、モデルルームの予約は満席が続いている。その価格は、「平均坪単価1300万円」と言う業界関係者もいるほど。これまでのマンションとは次元の異なるマンションになりそうだ。(住宅ジャーナリスト・山下和之)
※2023年12月4日に編集部が「価格表」を追記しました。
※三田ガーデンヒルズは一時販売休止中です(2024年6月現在)
「広尾ガーデンヒルズ」の系譜を引き継ぐ高級マンション
「三田ガーデンヒルズ」は、わが国を代表するビンテージマンションの「広尾ガーデンヒルズ」の系譜を受け継ぐ、都心の超高級マンションだ。「広尾ガーデンヒルズ」が竣工したのは1983年と、もう約40年前のことになるが、現在でも88㎡台の3LDKが2億3000万円台で売りに出されるほど、高い価格水準で取引されている。
「ガーデンヒルズ」ブランドは、三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスの2社が共同開発している。「ガーデンヒルズ」ブランドをつくるのは、「広尾ガーデンヒルズ」以来のことであり、そのことからも三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス両社の「三田ガーデンヒルズ」にかける意気込みのほどがうかがえる。
2022年10月14日から東京都港区の東京タワー隣接地に設置された「レジデンシャルサロン」(モデルルーム)で、事前案内会を実施しているが、三井不動産レジデンシャルでは、「計画を上回る反響数であり、2022年10月中旬段階で、10月中の予約は満席で、幅広い年代、ご職業、居住地のみなさまからエントリーをいただいております」としており、「ぜひ見てみたい」と申し込んでも、なかなか順番が回ってこないと嘆く人が多いようだ。
ちなみに、報道関係についても事前案内優先方針から、取材は難しい。著者も現段階では内見できていないため、今回は三井不動産レジデンシャルからのリリースと、周辺関係者のコメントを中心に記事を構成させていただく。
三田ガーデンヒルズ
- 価格
- 第2期1次 未定
- 完成時期
- 2026年4月下旬予定
- 東京都港区三田1丁目102番1(地番)
- 東京メトロ南北線 「麻布十番」駅 徒歩5分 (敷地(1)ノースヒルエントランスから)、徒歩7分(敷地(1)パークマンションエントランスから)、徒歩7分(敷地(2)サウスヒルエントランスから)
- 間取り
- 第2期1次 1R~4LDK
- 専有面積
- 第2期1次 29.34~200.42㎡
- 総戸数
- 1,002戸(一般販売対象住戸952戸、他に店舗2戸、敷地(1)837戸、敷地(2)165戸)
- 売主
- 三井不動産レジデンシャル株式会社、三菱地所レジデンス株式会社
- 施工会社
- 大成建設株式会社
※データは2023年5月18日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
「三田ガーデンヒルズ」は都心の森に浮かぶ、全1002戸のビッグプロジェクト
「三田ガーデンヒルズ」が建設されるのは、東京都港区三田一丁目、東京メトロ南北線・都営地下鉄大江戸線「麻布十番」駅から、徒歩5分の場所。都営地下鉄三田線の「芝公園」駅からも徒歩10分だ。
敷地は2万5247㎡で、港区内最大規模。旧逓信省簡易保険局庁舎跡地に建てられ、由緒ある同庁舎を一部保存・再生し、上の写真にあるように、格式あるファサード・デザインが採用され、歴史の継承と景観への配慮がなされている。
隣接地には、三井グループの迎賓館として知られる「綱町三井倶楽部」があり、その庭園の素晴らしさには定評があるが、「三田ガーデンヒルズ」でも、三井倶楽部のガーデナーによりガーデニングが実施される。下の写真にあるように、豊かな緑のなかに、重厚感のある建物が浮かび上がるようなつくりになっている。
建物は鉄筋コンクリート造の地上14階・地下2階建てで、総戸数は1002戸。専有面積は29.34㎡から376.50㎡で、1Rから4LDKまで多彩なプランが用意される。
気になるのはその価格だが、三井グループに詳しい人物によると、「当初は三井不動産グループの有力顧客を中心とする案内が行われ、そこで反応が探られ、最終的な価格設定が行われるのではないか」と見ている。
坪単価1300万円、20㎡台の住戸でも億ションになる?
販売開始は2023年2月だから、価格はそれまでには公表されないだろうが、先の三井グループの動向に詳しい人物によると、「周辺の中古マンションでも人気の高い物件は坪単価1000万円前後で取引されている。それだけに、『三田ガーデンヒルズ』の仕様・設備、管理サービスなどの質の高さを考えれば、坪1300万円になっても驚きません」としている。
坪1300万円とすれば、29.34㎡と一番狭い物件でも、1億1000万円以上の億ション。85㎡の3LDKは、3億3000万円超となる。上層階に用意され、プレミアム住戸となる、専有面積が最も広い370㎡台の住戸がいったいいくらになるのか、想像もつかない。
「一般分譲されれば、まず間違いなく、これまでの分譲マンションの価格としては過去最高になるでしょう」というのが、業界関係者の一致した見方だ。ちなみに、これまでの一般分譲における最高価格は、三井不動産レジデンシャルの「パークマンション檜町公園」の55億円といわれている。
入居する人だけが楽しめる、7700㎡の都心の森
それだけの値付けになるほど、「三田ガーデンヒルズ」の仕様・設備、管理サービスは一般のマンションとは格が違っている。
まず全体の配置計画を見ると、建物の階数を14階に抑えた5棟が、中央の中庭を囲むように配されている。中庭は約7700㎡の広さを持ち、超高層マンションにありがちなように、外部の人が出入りできる公開空地ではなく、都心の森として外部の人が立ち入れない、入居者専用の森となる。そのため、三井不動産レジデンシャルのリリースでは、「住む人だけの護られたすまいとくらしを提供」としている。
超ハイグレードマンションを購入できる、住まうことができる人だけが味わえる空間であり、住む人のプライドをくすぐるランドスケープといっていいかもしれない。
帝国ホテルのコンシェルジュサービスと提携
管理サービスも充実しているのはいうまでもない。ハイグレードマンションの管理サービスのたとえとして、「ホテル並みのサービス」というフレーズが使われることがあるが、「三田ガーデンヒルズ」では、ホテル並みではなく、ホテルそのもののサービスが提供される。それも帝国ホテルという、超一流のホテルサービスだ。
竣工時には、世界の要人をもてなしてきた帝国ホテルのコンシェルジュサービスと提携する予定。それによって、帝国ホテルのバーテンダーによるバーサービス、バレー、バトラー、ポーター、ドアマンなど多彩なフロントサービスが実施される。
マンションの前では、ドアマンが「お帰りなさいませ、○○様」などと出迎えてくれるようになり、クルマの人は車寄せで下車すれば、バレーサービスで駐車場に入れてくれる。そうしたサービスも住む人のプライドをくすぐるのではないだろうか。
「三田ガーデンヒルズ」の共用施設は、プールやワークスペースなど約3000㎡
旧逓信省の由緒ある建物の跡地に建設されるため、立地にふさわしい格式あるデザインとなっている。南側正面のファサードは写真にあるように重厚な構えで、エントランスホールや車寄せも、ラグジュアリーホテルか世界的な博物館、美術館を思わせる格式の高いデザインが採用されている。
一方、「カーボンニュートラル×レジリエンス」を意識、脱炭素社会への貢献を目指している。国内最大規模となる全戸ZEH-Orientedマンション(エネルギー効率の高い設備を導入し、太陽光発電などを利用し、エネルギー収支ゼロを目指す住宅)として、太陽光発電と燃料電池を利用して、通常時からのオンサイト発電を実施するとともに、電気・ガスともにCO₂排出量を実質ゼロとする目標を掲げている。
共用施設も充実しており、ワークスペースやフィットネスルーム、プール、ゴルフレンジ、サウナや岩盤浴、シアタールーム、サウンドスタジオ、カフェラウンジ、キッズルーム・ティーンベース、BBQスペース付きゲストハウス、ミニストア、バー、レストランなど、総面積約3000㎡の施設空間が設置される。
そのほか、コロナ禍に対応して、感染予防対策として非接触型オートロック、エレベーター、ゴミ置き場への自動ドアの設置、各種施設の予約状況やCO₂濃度情報の提供を実施、適切な換気・湿度調整などが行われる。
高級リゾートホテルのような豪華な共有施設 (※以下、編集部追記)
三田ガーデンヒルズの豪華な共有施設の内容について、より詳しく紹介していく。主な施設は下記の通りだ。
・プール
・フィットネスルーム
・応接室(会員制・1時間500円)
・バーラウンジ
・ダイニングバー(個室)
・ゲストルーム
・レストラン(店舗)
「ウエストヒル」
・スパ
「センターヒル」*共有施設のみのスペース
・カフェラウンジ
・ガーデンフィットネス
・ワークスペース
・コミュニティーガーデン
・ミニストア(コンビニエンスストア)
「ヴィラ」*共有施設のみのスペース
・ゲストハウス
「サウスヒル」
・ティーンベース(ティーンズのためのパブリックスペース)
・シアタールーム
・キッズルーム
・ファミリーラウンジ
・ゴルフレンジ
・スタディールーム(完全個室)
・サウンドスタジオ
・LOCOK(店舗型の教育施設)
列記するとこれだけの施設がある。この中でも特に注目は、スパ、レストラン、センターヒルのガーデンだ。
「ウエストヒル」の地下にあるスパには、一般のマンションには見られないスパ施設がある。まず、ダイニングやミニキッチンがあり、家族で利用できる「ファミリースパ」。そして、岩盤浴施設と疲労回復効果のある「酸素カプセル」が設置されている。
また、「パークマンション」6階にあるレストランも秀逸だ。一定のサイクルで担当するシェフや店舗が入れ替わるというスタイルのレストランで、眼下に「綱町三井倶楽部」を望む。クラシックな雰囲気の漂う、大人のレストランである。
そして、「三田ガーデンヒルズ」のコンセプトになっているのが、前章にも記述があった都心の森。中央の森を囲むように各棟が配置されている。その棟のひとつ「センターヒル」の中につくられているのが、樹木が生い茂る「コミュニティーガーデン」だ。
ガーデン近くには、緑を眺めながら仕事や勉強ができる「ワークスペース」や「ガーデンフィットネス」「カフェラウンジ」などが配置されている。ここまでくると、マンションというより高級リゾートホテルと言った方がいいかもしれない。
一方、ワーキングスペースについては、センターヒルにある半個室の「ワークスペース」だけでなく、「サウスヒル」にある完全個室の「スタディールーム」、「ノースヒル」にある「ワークラウンジ」など豊富な種類があり、かなり充実している印象だ。
4億、5億円の物件を購入する層がどれだけこうした施設を利用するのかは不明だが、敷地から一歩も外に出なくても、優雅に仕事をしながら、快適に日常生活が送れるような共有施設が完備されている。
一番小さな1Rの部屋でも高級リゾートホテルの一室をベッドルームとして購入すると考えるのであれば、納得のいく買い物になるのかもしれない。高収入の単身者や投資用として、こうした部屋も高倍率が予想されている。
三田ガーデンヒルズ
- 価格
- 第2期1次 未定
- 完成時期
- 2026年4月下旬予定
- 東京都港区三田1丁目102番1(地番)
- 東京メトロ南北線 「麻布十番」駅 徒歩5分 (敷地(1)ノースヒルエントランスから)、徒歩7分(敷地(1)パークマンションエントランスから)、徒歩7分(敷地(2)サウスヒルエントランスから)
- 間取り
- 第2期1次 1R~4LDK
- 専有面積
- 第2期1次 29.34~200.42㎡
- 総戸数
- 1,002戸(一般販売対象住戸952戸、他に店舗2戸、敷地(1)837戸、敷地(2)165戸)
- 売主
- 三井不動産レジデンシャル株式会社、三菱地所レジデンス株式会社
- 施工会社
- 大成建設株式会社
※データは2023年5月18日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
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