マンション管理は、資産価値を左右する大きな要素です。ただ、自分たちのマンションが管理会社とどんな内容の契約を結んでいるのか、それは妥当な契約かを把握している所有者は少ないようです。そこで、ぜひ知っておいてほしいのが、国土交通省が作成した雛形
マンションの管理は、「業務委託方式」が一般的
マンションが分譲されると、区分所有者(購入者)により「管理組合」が構成されます。マンションの管理は、廊下やエントランスなどの共用部分の清掃、設備のメンテナンスなど管理全般を管理組合が管理会社に委託する「業務委託方式」が一般的です。
管理組合と管理会社は、共用部の管理について業務範囲を定めた業務契約を締結します。そして、その内容は「マンション管理委託契約書」に従って行われます。
管理内容はそれぞれのマンションで異なります。このため、たとえば、隣のマンションでは管理員が毎日清掃に来ているのに、うちのマンションでは、週に3日しか来ないということがありますが、これは決して、手抜きをしているわけではありません。契約書の内容が異なる、ということです。
「マンション管理委託契約書」によって変わる管理内容
新築マンション購入時には、管理規約、使用細則と一緒に「マンション管理委託契約書(案)」という冊子が渡されます。これは、マンションの管理会社が管理組合から委託を受けて実施する業務を示した契約書です。
管理組合が設立総会を開催後、管理会社からの重要事項説明を受け、管理会社と正式に管理委託契約を結びます。基本的に管理会社は、契約書に示されている業務しか行いません。
ただし、これは契約ですから、それぞれの項目で、お互いが納得してから締結します。ですから、管理内容がマンションごとに異なるのは当たり前と言えます。たとえば、管理員が週に何日、何時から何時までマンションに来て、どんな業務を行うかは、契約書に「管理員(管理人)業務」とある項目に内容が細かく記されています。
中には管理員が清掃を行わないところもありますし、管理員の派遣がないマンションもあります。また、大規模マンションでは管理員が24時間常駐する場合もあります。ですから、週3日しか清掃のないマンションでは、「マンション管理委託契約書」で、「日常清掃は、週3回、指定業者が行う」と明記されているのです。
【関連記事はこちら】>>「管理組合」と「管理会社」の違いや役割を、マンション購入前に知っておこう!
「マンション標準管理委託契約書」とマンションの契約書を比較する
管理の内容を示した契約書は、国土交通省がモデルとして作成している「マンション標準管理委託契約書」に準拠していることが大半です。
「マンション標準管理委託契約書」の内容とマンションの「管理委託契約書」と照らし合わせてみましょう。大きな違いがないかどうか確認してみます。ただ、こうした標準的なモデル型をベースとしながらも、そのマンションにしかない設備などがあることから、独自の管理方法も明記されているはずです。
そして、「マンション標準管理委託契約書」はすべての業務内容を明確に示しているわけではありません。
たとえば、「理事会の開催、運営支援」として「管理組合の求めに応じた理事会や総会議事に係る助言」という項目があります。通常、理事会や総会の際には、管理会社の社員が立ち会うのが一般的です。その際、よくアドバイスをしてくれたり、多くの資料を準備してくれたりする担当者がいます。
一方で、どんな担当者でも、そのようにかゆいところまで手が届くような対応をしてくれるとは限りません。「助言」の範囲があいまいだからです。管理組合にとっては「以前の担当者はここまでやってくれたのに」という不満がたまってしまうことがあります。
管理会社の対応に不満なら、管理会社の変更もあり!
では、管理を委託する管理会社の対応に不満を持った場合、どうすればよいのでしょうか?
まず、「管理委託契約書」をもう一度よく読んでみましょう。契約内容に沿っていても、管理会社の対応に問題があると感じたら、問題点を指摘して対応を待ちましょう。しばらくしても、対応が変わらないようであれば、まずは担当者の変更などで是正を求めます。しかし、何度指摘しても変化がない時は、管理会社を変更した方がよいこともあります。
管理会社との契約をやめるには、契約期間の終了時に更新しないという方法があります。契約期間の終了とともに、新しい管理会社に委託先を変更することが可能です。
良い管理会社選びと適正な管理を
管理内容を充実させれば、管理への満足度は高まる可能性が期待できます。しかし、例えば近隣のマンションと比較して同じような管理を期待し、「管理員のいる時間を増やす」といった変更をすると、毎月管理会社へ支払う委託費用は高くなってしまいます。最終的には、毎月支払う管理費を値上げせざるを得なくなる可能性があるのです。ですから、自分たちのマンションに合った管理というものを考えていくことが大切です。
近年、「管理委託費が高い」「管理会社の業務が怠慢」などという理由から、居住後に管理会社を変更する事例が増加しています。一方で、管理人の人材確保ができないなどの人手不足や、あまりにも強いコストダウンの要求から、管理会社の側から「もう管理は受けられません」と契約を更新しない例もみられるようになっています。
そうなると、次の引き受け手を見つけるのが大変で、結果的に支払う金額が増えたり、管理の質は以前と変わらない、あるいは悪くなってしまった、などというケースも出てきています。あまり安易にさまざまな要求をすることはおすすめできません。
管理の主体はあくまでもマンション所有者ですから、管理会社を変更しさえすれば、よい管理が得られるというものではありません。お互いが、気持ちのよい依頼、仕事をして信頼関係を築いていくことがとても大切です。よいパートナーと納得のいく契約を結ぶことが重要になるでしょう。
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