「管理組合」と「管理会社」の違いや役割を、マンション購入前に知っておこう!新築マンション購入前の注意点(5)

2020年9月10日公開(2020年9月10日更新)
高田七穂

高田七穂(たかだ・なお)氏:不動産・住生活ライター。住まいの選び方、管理、リフォーム、資金計画、買い替え、空き家対策など、住宅全般をテーマに執筆している。著書に「最高のマンションを手に入れる方法絶対にだまされないマンションの買い方」(エクスナレッジムック)、『間違いだらけのマンション選び2013-2014」(エクスナレッジムック)など。

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言葉ではよく聞く「管理組合」と「管理会社」の違いや役割をあなたは知っていますか? マンションを買うと、その後どのような仕組みで管理されるのかを前もって知っておくのはとても大切なこと。住民共有の財産であるマンションを、どのように守っていくのか、それを考えるのが「マンション管理」です。(不動産・住生活ライター・高田七穂)

マンション購入時点で、全員が「管理組合員」となる

マンション管理
マンションの管理組合が快適な暮らしを作っていく(出所:PIXTA)

 マンションを購入すると、所有者は自動的に「管理組合」のメンバー (管理組合員)になります。これは、『区分所有法』という法律で定められています。

 「管理組合」とは、マンションの共用部分のメンテナンス(保守修繕)を行い、快適な暮らしを作っていくための団体のこと。構成メンバーは、実際に居住している、していないにかかわらず所有者全員です。

 たまに、マンション購入後に「そんな面倒なことならマンションを買わなければよかった」という人がいます。しかし、財産であるマンションの管理を自らが行うのは当たり前なのです。

主な仕事はマンションの維持と管理

 「管理組合」には、マンションを長期的に、快適な住まいとして保っていくために多くの仕事があります。その主な仕事は、マンションの維持と管理です。具体的には以下の業務が挙げられます。

  • ・共用部分(エントランス、エレベーター、ラウンジ、駐車場など)の清掃や機械設備のメンテナンス
  • ・管理費などを所有者から集める出納業務
  • ・防犯、防災意識の向上
  • ・管理会社との折衝業務
  • ・住民から集めた修繕積立金をどのように使うかを決める

 これらは、管理組合の大切な仕事になります。

「管理組合」の運営は、総会で決定される

 前述のようなマンションの維持と管理の仕事を実際に行うのは、管理組合員の中から選ばれた何人かの理事(役員)です。この理事は、立候補や抽選、持ち回りなどで決まります。

 選ばれた理事たちは、定期的に集まって、今後の方向を決める「理事会」を開きます。マンション管理の具体的な業務は、この理事会で話し合いながら進めていきます。

 また、マンションの管理業務を円滑に進めるために、理事たちはそれぞれの役割を決めます。たとえば、最高責任者は「理事長(管理者ともいう)」という役職で、そのほか「会計担当」「施設担当」など、必要な役職を決めていきます。この役職は、マンションによって異なります。

運営は‟法律“にあたる「管理規約」に基づいて行われる

 役員の任期や人数は「管理規約」で定められています。いわば‟法律“にあたるのが、この「管理規約」です。新築マンションでは、不動産会社と管理会社で作成した「管理規約案」を購入者が承認し、入居後、これに基づいて運営を行っていく例が少なくないでしょう。しかし、実際の生活が始まると、いろいろな改善点が出てくるので、マンション所有者同士で話し合って内容を変更していくことになります。

 そして、「管理組合」は年に最低1回、運営方法を決める「総会」を開かなければならないことが法律で決められています。この「総会」は、国会の開催にたとえると分かりやすいでしょう。「総会」では、その年の決算や翌年の予算の承認、新しい理事の選出、新しい住まいのルールなどを管理組合員の多数決で決めていくのです。

「管理会社」の役割は管理組合から委託を受け、実際の業務を行うこと

 「管理組合」について説明してきましたが、それでは、「管理会社」は何をするところなのでしょうか。

 マンション管理は「自主管理」といって、管理組合員が清掃など実際の仕事を行うこともありますが、多くの場合、管理会社に業務を委託します

 「管理会社」は、「管理組合」から委託を受けて、居住後の金銭管理や建物メンテナンスなど実際の業務を行います。これらの細かな契約内容は「管理委託契約書」に示されています。 委託する主な業務は、一般的に以下に示した4つがあります。

  • ・管理費や修繕積立金の徴収、連絡文書の配布などを行う事務作業を含む「管理業務
  • ・住民や外部訪問者への対応などを行う「管理員業務
  • ・共用部分の清掃を行う「清掃業務
  • ・共用部分のメンテナンスなどを行う「設備管理業務

 新築に入居する場合、これらの業務を請け負う「管理会社」は、不動産会社のグループ会社であることが多くなっています。つまり、わたしたちは“管理会社付きマンション”を購入することになっているのです。 ただし、「管理組合」は「管理会社」の仕事やコストパフォーマンスに不満を感じた場合、管理会社を変更することができます

住民はマンション管理の意識を持つことが大切

 「管理組合」と「管理会社」の違いと役割をお分かりいただけたでしょうか。多くのマンションが「管理会社」に管理業務を委託しているためか、「マンションの管理は自分たちで行うもの」という意識が希薄になるようです。

 しかし、管理会社がマンションという財産を持っているわけではありません。「管理会社」は、建物を管理するバックアップを行うだけ。マンションの持ち主は、あくまでも管理組合員である住民自身なのです。

 管理組合は、自主性をもってマンションの方向性を決めていく必要があります。マンションの資産価値を下げないためにも、住民が自分たちでマンション管理を行う意識を持てるかどうか、それが非常に重要になるのです。

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