耐震、制震、免震、ハイブリッド型免震&制震のメリット、デメリットは?
マンションの最新地震対策を知っておこう
新築マンション購入前の注意点(12)

2021年1月27日公開(2021年1月27日更新)
ダイヤモンド不動産研究所

東日本大震災では、震源地エリアだけでなく、都心のマンションでも被害が出ました。大きな揺れを吸収する免震構造を備えた都内の高層マンションも、「長周期地震動」の影響を受け、問題となりました。マンションではどんな地震対策が取られているのでしょうか? 耐震、制震、免震、最新の「免震&制震」構造のメリット、デメリットについて説明していきます。

大地震への備えが必要

 マンションを選ぶ際に気を付けるべき点として、各マンションの災害対策があります。特に都市部でつくられる新築マンションでは、近い将来起こりうると言われている首都直下型地震などにそなえ、地震に対する対策が重要視されています。ここでは、最近の新築マンションがどのような地震対策を取っているか、建物構造を中心に見てみましょう。

地震対策は進化している
マンションの地震対策は進化している(出所:PIXTA)

 1981年6月以降に建てられたマンションは、国の定める「新耐震基準」に則ってつくられていますが、建物構造は大きく、「耐震構造」「制震構造」「免震構造」に分けられています。そして、最近では「制震構造」と「免震構造」両方の機能をもたせたハイブリッド型の「免震&制震」と呼ばれる建物構造を持つマンションもみられるようになりました。それぞれの特徴、メリット、デメリットを見てみましょう。

一般的なマンションは、「耐震構造」

 マンションで最も一般的なのは、「耐震構造」です。太い柱、梁で建物を支え、建物の構造を強くして、地震の力に対抗します。低コストというメリットはありますが、あくまでも倒壊や損傷を最小限に抑えるもので、東日本大震災のような大きな地震では、相当の揺れを感じます。室内の家具や家電が倒れることも考えられますので、転倒防止策を取る必要があるでしょう。

<特徴>建物の構造を強くして、地震に対抗
<メリット>コストが安い
<デメリット>揺れを抑える能力は限定的で、家具などの転倒がありうる

建物内部にダンパーを入れて、揺れを制御する「制震構造」

 建物内部に制震部材(ダンパー)を組み込み、揺れを吸収し、地震によるダメージを軽減するのが「制震構造」です。上階ほど揺れが抑えられるため、タワーマンションなどに多く採用されています。ただし、揺れを抑える力は後から説明する「免震構造」より弱くなります。

 東日本大震災の際、震源地から離れた場所に影響を及ぼす周期の長い「長周期地震動」が問題となりました。東京都心の高層ビルの上層階がゆっくり長く揺れる映像が、ニュースなどで放送されていたのを覚えている方もいるかもしれません。この「長周期地震動」には、制震構造が有効と言われています。コストは「耐震構造」と「免震構造」の中間となります。

<特徴>建物内部に制震部材を取り込み、揺れを吸収
<メリット>「長周期地震動」に有効
<デメリット>地震の揺れを抑えるものの、効力は限定的

強力に揺れを抑える「免震構造」

 東日本大震災後で、最も被害が少なかったといわれるのが、「免震構造」を取り入れたマンションです。「免震構造」は、地盤と建物の間にダンパーなどの装置を入れ、地震の力を吸収し、建物に震動が伝わらないようにするものです。地表の揺れが直接伝わらないため、建物に対するダメージはかなり小さくなります。都心部や東京湾岸などのタワーマンションで多く採用されています。

 ただし、導入コストが高額になるほか、竣工後5年、10年、15年などのタイミングで定期的なメンテナンスが必要になるため、長期的にコストがかかります。また、「長周期地震動」への効果は限定的で、都心の高層ビルなどは、免震構造でつくられているものの、前述したとおり「長周期地震動」の影響を受けることは避けられません。

<特徴>地盤と建物の間に揺れを吸収する装置を設置する
<メリット>地震の揺れを強力に抑えることができる
<デメリット>導入コスト、メンテナンスコストが高額

免震と制震のいいとこどり、ハイブリッド型の「免震&制震構造」

 ここ数年注目されているのが、「制震構造」と「免震構造」両方の機能を備えたハイブリッド型の「免震&制震構造」です。「長周期地震動」に弱かった免震構造の弱点を補う形でつくられたシステムです。2015年、新豊洲に竣工した「スカイズタワー&ガーデン」や2019年竣工の「パークタワー晴海」に採用され、話題となりました。まさに近未来型の構造ですが、制震システムと免震システム両方の導入コストがかかり、メンテナンスにも免震システムと同じようにコストがかかります。そのため、埋め立て地など地盤が軟弱で、比較的高額な価格帯のマンションが多い湾岸エリアなどで採用されるようになりました。

<特徴>制震構造と免震構造の特徴を併せ持つハイブリッド型
<メリット>地震の揺れを強力に抑えることができる。
     「長周期地震動」にも強い
<デメリット>導入コスト、メンテナンスコストが高額

地震対策は、地盤やマンション形状も考慮しよう

 「耐震構造」「制震構造」「免震構造」、そして最新の「免震&制震構造」の特徴について説明してきました。「耐震構造」から「免震&制震」へとマンションの地震対策は進化してきましたが、それぞれにメリット、デメリットがあることがわかります。

 東京の湾岸エリアなど地盤の軟弱なエリアでは、「制震構造」や「免震構造」など揺れを抑えるシステムは非常に重要になりますが、ハイスペックになればなるほど販売価格やメンテナンス費用がかかることを覚えておきましょう。

 今後ますますマンションの地震対策は重要になってくるでしょう。また地震では、マンション構造だけではなく、地盤やマンションの形状の影響も受けます。それぞれのマンションの特性やハザードマップなどを参考に、必要な災害対策が取られているか、しっかりと確認したいものです。

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