新築マンション「プラウドタワー武蔵小金井クロス」は東京都武蔵小金井市の注目物件だが、本当に買いなのか、価格・スペック・立地を徹底的に調査してみた。人気の中央線沿線では影の薄い存在だった武蔵小金井を変える再開発事業地に大型マンションが登場した。このマンションに住めば、雨に濡れることなく、建物内にある複合ショッピングセンターで買い物ができるという大きなメリットがある。※新築販売時の記事です。
戸建ての街から分譲マンションの街へ
駅前再開発で注目度MAXの武蔵小金井
JR中央線武蔵小金井駅から徒歩2分と3分(2棟で所要時間が異なる)に建設されるマンションが「プラウドタワー武蔵小金井クロス」(野村不動産)だ。
最寄りとなる武蔵小金井駅は、三鷹駅よりも都心から遠く、特快が停車する国分寺駅の1駅手前……狭間の駅といえるが、JR中央線上りの始発電車が出るという長所を持つ駅でもある。
ちなみに、武蔵小金井駅と東小金井駅、武蔵境駅が狭間の駅となり、以前は地味な存在だった。15年ほど前には、駅から徒歩5分以内の場所で一戸建て住宅が分譲された。それくらい、落ち着いた住宅エリアだった。
しかし、近年3つの駅では駅周辺の再開発が進み、マンション立地としての魅力が増している。人気が上がった分、3つの駅周辺の新築マンションは分譲価格が上昇。今度は値段の高さがネックになっている。
プラウドタワー武蔵小金井クロス(※新築時のデータです)
- 価格
- ー
- 完成時期
- 2020年5月末日
- 東京都小金井市本町六丁目1910番(地番)
- JR中央線 「武蔵小金井」駅徒歩3分(イースト)・4分(ウエスト) ※「武蔵小金井」駅nonowa口より徒歩2分(イースト)・3分(ウエスト)(利用時間/7:00~22:00、交通系ICカード専用)
- 間取り
- 1R ~ 4LDK
- 専有面積
- 34.03 ~ 96.55㎡
- 総戸数
- 716戸
- 売主
- 野村不動産株式会社
- 施工会社
- ―
※データは2019年6月8日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
値段は決して安くない
中心となる3LDKは7000万~8000万円台
「プラウドタワー武蔵小金井クロス」も、武蔵小金井駅南口で行われている第一種市街地再開発事業地内に建設される。駅に近く、再開発エリア内という人気マンションの要素を備えるが、一方でどのくらいの価格になるのか、心配になるマンションである。
なにより気になる価格は、第1期100戸で約34㎡~112㎡の5300万円台から1億9000万円台。この価格設定だけをみると、1坪(3.3㎡)あたり500万円を超える。恐ろしく高額なマンションという声も聞こえてきそうだ。
マンションは面積が小さい住戸ほど1坪単価が割高になる。また、大型住戸は上層階の角住戸になるのが一般的なので、これも1坪単価が高くなる。ただ、全ての住戸が1坪あたり500万円以上になる、というわけではない。
ボリュームゾーンとなる中層階・中住戸の2LDK、3LDKはそこまで高くなく、中心となる3LDKは7000万円台、8000万円台といったところ。決して安いとは言えないが、駅に近く、再開発エリア内のマンションと考えれば納得できる価格設定といえる。
長所は3つ、駅近、
大型商業施設に直結、開けた眺望
武蔵小金井駅周辺の市街地再開発では、商業施設や公共施設、駅前広場が集まる第1地区がすでにできあがり、「プラウドタワー武蔵小金井クロス」は2020年夏に完成予定の第2地区の大規模複合再開発マンションとして建設される。ちなみに、第1地区と第2地区を合わせた面積5万2000㎡超は、JR中央線の駅前再開発として過去最大。スケールの大きな再開発事業地内で、同マンションは、地上24階建てのイースト棟と、地上26階建てのウエスト棟の2棟で構成される。2棟合わせた総戸数716戸も、JR中央線沿線で、ひとつのプロジェクトとして過去最大である。
その特徴は、まず、駅に近い(徒歩2分と3分)再開発エリア内にあること。もう一つは、身近に商業施設が多いこと。これに加えて、同マンションの1階から4階には大型複合ショッピングセンターが入る。大型複合ショッピングセンターにはマンション住戸からエレベーターを降りて、直接入ることができる。
これは、マンションでの生活が始まると、たまらなく便利なポイントとなる。
大型複合ショッピングセンターは約1万2000㎡もの広さがあり、食料品関連やファンション、クリニック等も入る予定。大型複合ショッピングセンターに直接入ることができるマンションは、JR中央線沿線で初めてだ。
これなら、雨の日も傘を差さずに買い物に行くことができる。傘を持つ必要がなければ、荷物を持った帰り道も楽だ。冬の寒い日、夏の暑い日も助かる。よく「近くのスーパーマーケットを冷蔵庫代わりに使える」という言い方をするが、「プラウドタワー武蔵小金井クロス」の場合は、冷蔵庫の上に暮らしているようなもの。
一言でいえば、めちゃくちゃ便利な立地が「プラウドタワー武蔵小金井クロス」の長所。この長所があれば、建物が完成した後、「あのマンションで暮らしたい」という人が増える。その結果、マンションの中古価格が下がらない。それが、これまで商業施設と一体化したマンションで見られる動きである。
「プラウドタワー武蔵小金井クロス」は、一方で眺望の開けた住戸が多いのも特徴となる。
住戸は3階以上に設置され、低層階から眺望の開けた住戸が多くなる。というのも、同マンションの建設地は駅南側の再開発エリア内で南側に配置されており、その先は一戸建て中心の住宅エリアが広がる。目の前を遮るものがほとんどないため、眺望の開けた住戸が多くなるわけだ。2棟の建物を南北にずらして配置していることも、眺望のよさを確保する上で効果的だと思われた。さらに、JRの駅と線路が北側で離れているのも、立地特性として注目すべきポイントとなる。立地の好条件を多く備えたマンションとなるわけだ。
長寿命、リフォームしやすい構造
充実の住宅設備は売り主が力を入れている証拠
さらに、専門家として注目したい特徴もある。まず、地盤が強固なエリアなので、建物はくい打ちをしない直接基礎で建設。これは、大きな地震が起きた際も、揺れが少ない場所のマンションであることを示している。
清水建設施工の建物は制震構造を採用し、長く住み続けられるよう工夫されたS.I(スケルトン・インフィル)住宅でもある。
S.I住宅とは、マンションの建物を「S=スケルトン(構造躯体)」と、「I=インフィル(中身)」に分け、それぞれに長持ちする工夫を凝らした住宅のこと。具体的には、まず構造躯体に耐用年数の長い鉄筋コンクリートを使用。インフィルでは、配管類のメンテナンスや交換をしやすくし、間取りの変更も容易に行えるような工夫を凝らす。構造躯体の寿命が延び、100年の耐久性が期待できるようになった現在、内部を変更しやすいS.I住宅になっていること、最先端のマンションの証でもある。
設備機器も充実し、各住戸の玄関ドアにドアカメラを設置、キッチンにはディスポーザーと食器洗い乾燥機を標準設置。レンジフードには、換気設備機器の専門メーカーである暖冷工業の製品が標準設置されていた。これは、都心高級マンションに採用されるものだ。浴室にはミストサウナが採用され、トイレは手洗いカウンターが別に設置。共用廊下は内廊下方式、各階にゴミ置き場があり、24時間有人管理。エレベーターは5基も設置……野村不動産が全力で開発するマンションであることは間違いない。
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